2023年5月25日木曜日

マイナンバーカード事故の教えること!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 マイナンバーカードのトラブル原因を探求します。
 「運用軽視」はいけません。
ねらい:
 マイナンバーカードに基本的な欠陥があるわけではないので
 どんどん利用局面が広がることを期待しましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マイナンバーカードは、現在、河野大臣の大旗振りもあり、
国民の約80%、9700万人が取得または申請中です。

ところが、マイナンバーカードのトラブルが多発しています。

1)公金受取口座で他人の銀行口座が紐づけられている。
2)マイナ保険証に他人の情報が紐づけられている。
3)コンビニで他人の証明書が発行される。

1)は、基本的には自治体の端末で個人がその登録作業をする際に、
前の人の処理をログアウトしないで処理したために、
前の人のデータと紐づけられたというものです。
8つの自治体で13件発生しています。

2)は、健康保険組合が
マイナンバーと個人の保険証情報を紐づける際に
誤って別人(同性の人など)と紐づけてしまったもので
確認できたものだけでも
「昨年11月までに7312件」もあったようです。

3)は、何らかのシステム障害で、
現在そのシステムの開発者である富士通が原因調査中です。
3月から5月まで複数の自治体でトラブルが「頻発」したそうです。
出典:日本経済新聞2023年5月25日

























システムトラブルというと、
一般の人は、開発上の問題か、運用の問題か区別できないようですが、
1)と2)は運用上の問題で、3)は開発上の問題です。
1)と2)の場合は、
基本的にはシステム自体に問題があるのではありません。

トラブルが発生しましたから、
1)については、
「前の人のデータを削除(ログアウト)していますか?」
というメッセージを出すように改良するでしょう。
そこまで考えられなかったということは、開発の問題と言えますが、
そこまで考えるのはちょっとムリでしょう。

2)については、誤った判断をしないように、
氏名をカナ氏名と漢字氏名を表示するようにするようです。
開発者がそこまで考えなかったということになります。

いずれも本当は、
システムを利用する人がしっかり丁寧に処理すれば、
問題は起きないのです。
現に、2)について、厚生労働省は、
「本人情報の確認を徹底する」というルールにしたそうです。

ある面で、開発者が運用状態を深く考えて開発していない
ということになります。
開発者の洞察力不足ということになりますが、
運用のことをしっかり考えて開発の仕様を作る人はあまりいません。
特に、納期が厳しいときは最低限度のエラーチェックしかしない
ということも起きます。
どこまでが、開発者の責任であるかという判断は、難しいところです。

システムトラブルに関連して思い出されるのは、
みずほ銀行のトラブルです。

「みずほe-口座」の「e-口座一括切替処理」を
「処理が集中する月末」の2021年2月28日に実施したことに起因し、
(システムが過負荷となり)
定期預金システムにアクセスする更新処理がすべて不能になる
事態が発生し、以下の影響が出ました。

①ATMの稼働停止 最大4,318台
②通帳・カード取込み 5,244件
③ATM及びみずほダイレクトの一部取引不能

通帳やカードが戻らなくなったので、大騒ぎになりました。
これは、完全に運用の問題です。

みずほ銀行は10年以上をかけて素晴らしいシステムを開発しました。
みずほ銀行はこの案件以外にも何度も障害を発生させましたが、
開発したシステムに問題があったケースは皆無でしょう。

みずほ銀行のトラブルは
「運用軽視」で運用体制を大幅に縮小したことにある
と指摘されました。
運用の重要性を経営者が理解していないということです。

一般的に言えることですが、
「開発は難しい」という認識で「優秀」な人間が担当します。
「運用は難しくない仕事である」という認識で
「そうでもない」人が担当します。

前掲のマイナンバーカードのトラブルも
基本的には「運用軽視」です。
「システムを作ったのだから、あとは運用で行ける」と甘く見て
運用体制を整備しなかったことが根本原因だと言えそうです。

すぐに「システムが悪い」とするのは短絡的です。
あらゆることに対応するようにシステムを作るとなると、
前掲例でお分かりのように、システムがどんどん複雑で重くなります。
「お金もかかる」のです。

何でもシステムに作りこむのではなく、
人間が運用で対応することも必要です。
適切なバランス感覚が必要なのです。

2023年5月24日水曜日

G7サミットの警備の成果!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 G7サミット警備の大成功を称えましょう!
 その成功要因を確認します。
ねらい:
 予備を用意して弾力的に運用する習慣をつけたいですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
G7サミットは無事終了しました。
無事というのは警備のことです。
あれだけの「大物」が動き回って何も事故が起きなかったのですから、
警備大成功です。

5月23日の日経新聞にこういう記事が載っていました。




  ゼレンスキー氏G7出席
  サミット警備 臨機応変
  警察、綿密な準備生きる
21日までの主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)にウクライナの
ゼレンスキー大統領が急きょ参加したことで、
警察当局は警戒レベルのもう一段の引き上げを求められた。
突発事態などを想定した予備の部隊のほか、
他国の要人らの警備のため沿道に配置していた人員も投入。
戦火にある国の指導者来日という異例の事態だったが、
柔軟な部隊運用で緊迫の警備を大きな混乱なく終えた。

(急きょの訪問に対して)選択したのは、
追加の部隊派遣はせず予備や既存の部隊で対応するオペレーションだ。
サミットのような大規模な国際会議やイベントでは、
参加者や行事に急な変更が生じるのは珍しくない。
警察はこうした事態を見据えあらかじめ予備の人員を用意しており、
過去には2008年の北海道洞爺湖サミットなどでも活用した。

要するに、あらかじめ予備人員を用意しておき不測の事態に備える
ということです。
ギリギリの体制では動きがとれません。
それで思い出したことがあります。

【スケジューリングのバッファー】
手許に資料がないのでうろ覚えですがこういうことです。
複数人または複数チームが参加する大型開発プロジェクトです。
 プロマネが各チームに作業計画を出させます。
 そうすると、
 各チームとも見積りに対して安全を見て上乗せした数字を
 出してきます。
 遅れると他に迷惑がかかったり、怒られたりするからです。
 その計画に基づき作業をしますが、早く終わっても時間つぶしをして
 実績は計画通りとなります。
そのことに気が付いた「TOC制約理論」を発明した
ゴールドラット博士はこういう方法をガイドしました。
 各チームとも正味時間で計画を提出する。
 プロマネは、全体としての予備時間(バッファー)を用意する。
 各チームはその計画値をオーバしたらプロマネに申告する。
 プロマネはあらかじめ用意した予備時間で調整する。
 それでも、
 各チームが上乗せした予備時間の合計よりも少なくてすむ。
 誤差は母集団が大きくなるほど小さくなるという原理である。

予備を用意して状況を見て弾力的な運用をするということです。
これができるためには、現場の総指揮官が臨機応変の対応ができる
能力を持っていなければなりません。
今回の警備の現場の総指揮官はどなただったのでしょうか。

【仕事をしない勤務時間】
まったく別のことですが、
Googleだかが勤務時間の2割は仕事をしない時間としている
というこがありました。(今でもしているのでしょうか?)
その時間に新しいことを考えさせる、というのです。
ギリギリで仕事をしていたら、新しいことへの対応はできません。
なにごとにもバッファーは必要なのです。

気功や超能力の正体を探る !!再論まとめ

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 超能力的事象の根拠を整理してみました。
ねらい:
 さらなる解明を期待しましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
で「超能力」的な事象の解明をしている書籍のご紹介をして
そのまとめ的なものを掲載しました。

しかしそのまとめは不十分でしたので、再度整理しました。
その視点は、これまで見聞されている「超能力的事象」が、
前掲ブログでご紹介した町博士の仮説と
何度かご紹介した田坂広志氏の仮説で説明できるのかどうか、です。

[町博士の仮説】
町好雄東京電機大学工学部教授(当時)著(1995年)
「科学がとらえた超能力の正体 あなたにもある潜在能力」
気功は気功師から遠赤外線が放射されているが、
遠赤外線でエネルギーそのものが伝わっているのではなく
そこに1ヘルツ前後の低周波のシグナルが乗せられている
そのシグナルが相手にメッセージを送っている、のである。

【ゼロポイントフィールド仮説】

ü  宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド(ZPF)」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が「波動情報」として「ホログラム原理」で「記録」されている。

ü  ホログラム原理に従えば、記録した情報が、記録する媒体の「すべての場所」に保存されているため、媒体の「一部」からも「全体情報」がとりだせる。

ü  したがって、フィールドの「一部」に繋がるだけで、フィールドに記録された「全体情報」に触れることができる。

ü  波動はエネルギーではないので、この記録は永遠に残る。

ü  ZPF内には、「現実世界」と同様の「深層世界」が存在している。

ü  ZPF内では、瞬時に情報伝達が起こるため、「深層世界」では、「情報同士の相互作用」が極めて容易に起こる。

ü  「現実世界」の「自己」が死んだ後も、深層世界の「自己」は生き続ける。

ü  波動は、過去と現在から未来が想定できるので、ZPFには未来の情報も含まれる。

ü  しかし、未来は確定しているのではなく、現在の行動によって変わりうるものである(実際に自分の乗る船が沈む夢を見て乗船をやめたら舟は沈んだが自分は助かったという例がる)



私の整理結果はこうなりました。
この表の「根拠」欄のAは「町博士の仮説」で説明できる事象を示します。
同じくBは「ゼロポイントフィールド仮説」で説明できることを示します。
その説明を付記しています。

この表の結果、
スプーン曲げと空中浮揚は、この両仮説では説明できないとなっています。
「気合い」が物理に勝つことはないのですから。
謎が残ります。
       超能力的事象の根拠

「超能力」的事象

根拠

その説明

武術気功(遠当)

攻めてくる相手を気で倒してしまう。

気功師が相手に、「体を麻痺させろ」という情報を送っている。

医療気功 外気功

診断

相手の体の悪いところが分かる。

気功師が相手に、「悪い部分を教えろ」という情報を送っている。受け手はそれに従い体のスキャンをして悪い部分を相手に「シグナル」で伝えている。

医療気功 外気功

 治療

相手の体の悪いところ(がんなど)を治してしまう。

気功師が相手に、「悪い部分を治せ」という情報を送っている。

医療気功 内気功

自分を鍛錬し心身強化する。

自分で自分の脳に「健康になれ」という情報を送っている。

催眠術

体が動かなくなるなど催眠術師の言いなりになる。

相手の脳に術師のメッセージが伝えられている。

透視・千里眼

目で見えない「もの」が見える。

冝保愛子氏が、エジプトの未発掘の神殿の跡地の存在を指摘した。

ゼロポイントフィールドにある、神殿構築の過去が見えたのであろう。

予知

未来が予測できる。

中国の「地震おばさん」は東北大震災を予見していた。

ゼロポイントフィールドにある四次元の未来が見える。

前世の記憶

子どもが「以前こういうことがあった」と言うので、確認したらそのとおりだった。その例は多い。

何かの過ちで、ゼロポイントフィールドにある他人の情報にアクセスしてしまっている。

霊媒

死者と話ができ「こう言っている」と伝える。

霊媒師は、ゼロポイントフィールドにいる死者と話をしている。

念力

有名なスプーン曲げなど、対象が物体で普通はできないことができてしまう。

直接的に実存する物体に影響を与えることは、いずれの理屈でも説明できない。

空中浮揚

人体が空中に浮揚するという。伝説的な言い伝えに過ぎないかもしれない。

万有引力に抗する力を引きだすことは、いずれの理屈でも説明できない。

 


2023年5月23日火曜日

「心の病の脳科学」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「心の病」の研究進展状況を確認いただきます。
 何かご参考になることがありましたら幸甚です。
ねらい:
 やはり「心の病」は難しいテーマですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この件名は、2023年2月刊行林朗子、加藤忠史氏著の書名です。
病の探求をしてきて、とうとう心の病にまで到達してしまいました。
しかし、皆様の身の回りでも、(「も」に着目してください)
ガンよりも心の病を患っておられる方の方が
多いのではないでしょうか。

心の病は重いテーマです。
この病の克服に取り組んでおられる先生方は偉いですね。
本書は、
12人の先生方がご自分の得意分野について解説をされています。

「はじめに」にはこう書かれています。

現代社会は「ストレス社会」とも呼ばれ、
私たちは多くのストレスを抱えて生活しています。
競争社会、管理社会、高齢化社会、情報化社会、・・・というように、
ストレスは雨のように降ってきます。
この状況に連動するように、
心に起因する社会問題はますます深刻化しています。
最新の疫学データによれば、精神疾患、
つまり「心の病」に一生涯のうちに一度でも罹患する確率は
80%だそうです。
私たちにとって一大事のこの病は、もはや他人事ではありません。

精神疾患には多様な種類があり、その要因も症状もさまざまです。
たとえばストレスがなくなれば精神疾患が治る
という単純なものでないことも多くの方を苦しめています。

そのような中、
質の高い心豊かな生活を送るためにはどうすれば良いでしょうか。
それには、「心の病」を生み出す「脳」に対する正しい理解と、
それに立脚した共感と思いやりのあるコミュニケーションを介して、
人々が互いに調和しながら進むべき道を柔軟に模索していく
必要があるのではないか
――脳を研究している私たちは、そのように考えています。
人が人の脳を正しく理解する「脳リテラシー」こそが、
「心の病」の予防や治療への鍵になるはずです。
中略
多くの精神疾患は、適切な治療によって、
少なくとも一部の症状は改善、もしくは完全に治りうるものです。
そのためには、
正しい理解に基づいた自己理解および周囲のサポートが
必要となります。
本書が脳リテラシーの一助となれば幸いです。   林朗子
 (理化学研究所脳神経科学研究センター 
           多階層精神疾患研究チーム チームリーダー)
上野注:そんな研究組織があるのですね。
 優しい文章だな、と思って読んでいましたら書かれたのは女性でした。

私としての「収穫」は、このとおりでした。
1)うつ病について
 日本人の6%がかかっている。
 環境要因が大きく、その中でも慢性ストレス要因が大きい。
 なかなか完治しない(美智子妃殿下がその例)。
 うつ病では脳細胞は死滅しない。

2)発達障害について
 日本の学童・生徒の9%が該当している。
 根本原因は分かっていない。
 人見知り傾向とかがあり、治すための「療育」が困難である。


各章はそれぞれの先生が
分かりやすく解説してくださっています。
しかし皆様は、そのテーマの結論を知りたいと思われますので、
以下、私が適当に要約を作成しました。
違っている部分があるかもしれません。
疑問に思われましたら、本書をご覧ください。

章名・著者

概要

第1部「心の病」はどこから生じるのか

1.シナプスから見た精神疾患

 林朗子著

シナプスの機能のあり方がかなりの精神疾患(主に統合失調症)に影響している。その状況の解明も進んでいる。

2.ゲノムから見た精神疾患

 久島 周・名古屋大学医学部病院講師著

精神疾患でも遺伝要因が大きいものと環境要因が大きいものがある。遺伝要因が大きい疾患についてゲノムの探索が行われている。ゲノムを構成している塩基配列は99%は皆同じで、1%だけが他人と異なる。違うポイントは1000万以上ある。

一つ一つのゲノムの差では大きな発症との関係が大きくないので。組み合わせによる発症リスクが研究されている。その成果は上がってきているが、ゲノムの異常が原因と分かっても、目下のところ、ゲノムを修正する技術が開発されていないので、根本治療はできない。

3.脳回路と認知の仕組みから見た精神疾患

 那波宏之・和歌山県立医科大学教授著

脳には異なる機能を果たす領域が最低でも1000か所ある。その間をつなぐのが脳回路である。脳回路の異常が障害を発生させていることは一部分かっているが、実験の困難性などからほとんど解明が進んでいない。

 


第2部 脳の変化が「心」にどう影響するのか

4.慢性ストレスによる脳内炎症がうつ病を引き起こす?

 古屋敷智之・神戸大学大学院教授著

うつ病は、日本人の6%がかかっている。環境要因の影響が強いと言われている。抗うつ薬は3割の患者に効かない。慢性ストレスがうつ病を引き起こす状況は確認され、その原因状況も解明中である。うつ病患者は脳の一部が退縮しているが、神経細胞の死ではなく樹状突起が縮にでいるのである。(上野注:ということはうつ病は治れば正常な脳活動に戻れるということになる。)慢性ストレスでもうつ病になりにくい「体質」があることも分かってきている。

 

5.新たに見つかった「動く遺伝因子」と精神疾患の関係

 岩本和也・熊本大学大学院教授著

内容不明です。

6,自閉スペクトラム症の脳内で何が起きているのか

 匠味 透・神戸大学大学院教授著

分析省略

7.脳研究から見えてきた注意欠如・多動症(ADHD)の病態

 岡田 俊・国立精神・神経医療研究センター部長著

分析省略

第3部「心の病」の治癒への道筋

8.PTSDのトラウマ記憶を薬で消すことができるか

 喜田 聡・東京大学大学院教授著

PTSDとは「心的外傷後ストレス障害」のことである。アルツハイマーの治療薬メマンチンが、恐怖記憶を消し去ることに効果があるらしく研究中である。

9.脳科学に基づく双極性障害の治癒を目指す

 加藤忠史・順天堂大学医学部教授著

双極性障害とは旧称躁うつ病のことである。その解明が進められているが、従来対症療法だと思われていたリチウムが根本治療薬であることが分かってきた。その有効な投与法等が研究されている。

10.ニューロフィードバックは、精神疾患の治療に応用できるか

 柴田和久・理化学研究所チームリーダー著

ニューロフィードバックとは、脳の情報を解読し、その情報をリアルタイムで被験者に見せ、自分で自分の脳活動を特定のパターンに誘導してもらう技術である。それには脳からの信号をいか 







DX企画の本格的手順書がリリースされます!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 新開発「DX開発企画工程の実施手順書」をご紹介します。
ねらい:
 DX大成功のためにご利用くださいませんか、
 ご推薦くださいませんか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この「DX開発企画工程の実施手順書」
MIND-DXと言います。

別項でご紹介しております
「DX成功ガイド」の知見を基に開発されました。

以下の構成でご説明いたします。
 1.MIND-DX開発の背景
 2.MIND-DXの基礎情報
 3.MIND-DXの目的・ねらい
 4.MIND-DXの開発コンセプト
 5.MIND-DXの内容
 6.MIND-DXのご提供方法
 7.ご利用料金体系

1.MIND-DX開発の背景
MIND-DXの開発経緯をご紹介いたします。

DXはかなりのブーム状態で多数の解説書が刊行されていますが、
DX開発の手順を解説した書籍はまだ出ていない!のです。

以下に比較的新しいDXの解説書を列挙します。

主版年月

著者

書名

209

亀田重幸他

いちばんやさしいDXの教本

216

水田哲郎他

「業務変革型DX」の進め方

223

石澤直孝

DXの第一人者が教えるDX超入門

22年5月

小野塚征志

DX解説書の決定版!ビジネスモデル

2210

荒瀬光宏

1冊目に読みたいDXの教科書

2210

長尾一洋

中小企業のためのDX入門


どれを見ましても、
DXの検討手法を示しているものはありますが
DXの検討手順全体を示しているものはありません。

まだそこまで、日本の著者たちの経験が熟していない
ということかもしれません。

そこで、
250社に導入いただきましたシステム企画方法論MIND-SA
の提供者としましては、おこがましいですがチャンス到来です。
DX企画の手順書作成に取り組み、
DX企画の本格的手順書を完成させました。

これをMIND-SAのDX版という意味で、
MIND-DXと命名しました。

2.MIND-DXの基礎情報
MIND-DXは、以下のような多くの蓄積を基礎にして開発されました。

1)基本的枠組みは、システム企画方法論MIND-SAに基づいています。
2)日本のDX成功事例の調査結果に基づくDXノウハウ
  を取り入れています。
  (別項「DXはじめの一歩と成功への道筋」をご参照ください)
3)SCS社と共同開発した「ハイブリッド式要件定義ガイド」
  の知見を取り入れています。
4)メソドロジック社と共同開発した
「マイクロサービスシステム企画ガイド」の知見も取り入れています。
5)当社が作成・ご提供している
 「デジタル化事例集」「AI事例解析集」作成のノウハウ
 も利用しています。

3.MIND-DXの目的・ねらい
・こういうことを期待しています
(1)目的
1)試行錯誤なく安心してDX企画の検討を進めていただきます。


 新しい検討の場合、
 多くの時間がどうやって検討しようかに費やされます。
 
 MIND-DXでは手順と様式が示されます。
 変更して使用することも可能ですが、
 一から考えるのとはかかる時間が大違いです。
 
 様式に対しては作成要領よりも作成事例が有効です。
 事例が豊富に示されます。
 
2)関係者が納得できる素晴らしいDX企画を作成いただきます。
 

 ガイドに従って検討を進めれば、
 初体験でも素晴らしいゴールに到達できます。
 検討プロセスが見える化されますから、軌道修正も容易です。



(2)ねらい
1)DX開発を成功させていただきます。
 MIND-DXは企画プロセスのガイドです。
 
 この後、開発プロセスに入るのですが、
 ガイドに従い適切な開発の意思決定がされれば、
 開発の成功も間違いなしです。

2)DX開発の目的である事業競争力強化を実現していただきます。
 MIND-DXのガイドは、
 事業競争力強化から道を踏み外さないようにしています。
 
 事業競争力強化のための「最適の」企画ができ上がるはずです。
 システムはできたけれど事業競争力強化が実現しない
 などということは起きません。







3)開発関係者・新システムご利用者の幸福感を高めていただきます。
 目的が達成でき、関係者皆様がハッピーになれるのです。









4.MIND-DXの開発コンセプト

 重要な内容は以下の4点です。

(1) 事業競争力強化目的の重視

· DX実現の目的は事業競争力強化です。
· 事業競争力強化は、
 事業の「短納期、高品質、低コスト」によって実現します。
· であれば,DXは事業の「短納期、高品質、低コスト」
 を目指さなければなりません。
· 「短納期」は必須条件です、現在は事業環境が急速に変化しています。
 この時代にあって「時間がかかること」は命取りです。
· 「低コスト」も当然要求されます。内部の低コスト実現は必須ですが、
 それをお客様に還元するかどうかは事業環境によります。
· 「高品質」は、基本的にはお客様が望むことの実現です。
 これの究明は容易ではありません。

・DXが目指すべき「高品質」の検討視点はこうなります。
[DXが目指すべき高品質]

高品質の内訳

検討視点

満足度の向上

ž   自社の製品・サービスに対する不満をなくす、というレベルではなく、お客様に「楽しい」「嬉しい」「ありがたい」「すごい」という気持ちを持っていただけることを目指します。

利便性の向上

ž   「今までできなかったことができるようになる」または「面倒なことをしないですむ」ということです。「多少楽になった」レベルのものは含みません。

ž   DX成功例では、この該当が多数あります。

安心・安全感の強化

ž   成熟社会となって、「セキュリティ」「個人情報保護」「企業倫理」への関心が高まっています。

地球環境保護の実現

ž   脱炭素は個人も意識するようになっています。企業はこの方針をアピールして企業イメージ向上に努めなければなりません。

健康強化の実現

ž   長寿社会では、今まで以上に健康への関心が高まっています。このアピールも重要な事業競争力強化になります。


(3)     事例の重視
・新しい実施方法を検討する場合、
 理論的ガイドよりも事例が端的に理解することが可能です。
・そのため、MIND-DXでは作成事例を重視しています。
・合計で60点以上の事例を提示していますが、
・一貫して使用しているDX事例は以下のものです。

DX事例名称

事例内容

コインランドリー事業の革新

既存のコインランドリー事業をセンサー・IoT技術とスマホの活用により革新する事例です。

案件は実在ですが、成果物は創作です。

プロジェクト管理システムの革新

情報サービス業にとって、「短納期、高品質、低コスト」を実現するにはプロジェクト管理システムの革新は、脱「紺屋の白袴」です。徹底した自動化を目指します。これは現実にありそうですが、架空例です。

(4) 参照手法の充実

検討作業の実施には、各種手法が必要です。
 MIND-DXでは以下のような手法を利用するようになっています。
· 「基礎手法」は、システム企画方法論MIND-SAの手法です。
· 「情報システム固有手法」は、これまで各社と共同開発してきたものです。
· 「DX固有手法」は今回新規開発したものです。

基礎手法

情報システム固有手法

DX固有手法

・目的・ねらいの設定手法 
・目的達成手法コンパクトガイド 
・丸い三角形作成要領
・業務分析手法
 業務機能分析手法
 業務機能関連図手法
・アンケート調査手法
・インタビュ手法
・問題点連関図手法
・課題定義書作成要領
・システム概念図手法
・効果・費用見積り手法
・プロジェクト体制ガイド
・MIND-SAプロジェクト管理手法
・概念DB構造図作成ガイド
・システム設定基準
・サブシステム設定基準
・概念データモデル図を基にしたサブシステム分割方法ガイド
・MSSマイクロサービス単位の設定方法
・MSSマイクロサービス単位の設定例題
・MSS移行方法検討ガイド
・SW式見積り手法
・新規開発規模ポイント算定WS
・クラウドサービス利用上の留意点

 

・DX代表的成功事例
・DX一般的利用技術
・DX実現目的・課題検討ガイド
・DX実現方法検討ガイド
・DX企画プロジェクト組織編制ガイド


5.MIND-DXの内容

・以下の構成です。

基本解説

「MIND-DXの開発コンセプト」など、DXやMIND―DXの基本事項を解説しています。

タスク定義書

DX企画を実施するための7アクティビティ・31タスクの実行標準(ガイド)です。

様式・事例

タスクを実施するために必要な32様式・66事例です。

参照手法

タスクを実施するために必要な33手法の解説です。



(1)タスクの構成
・タスクの一覧は以下のとおりです。

プロジェクト準備

P1
P2
P3
DX実現構想検討
プロジェクト体制設定
プロジェクト運営方式設定

目標設定

T1
T2
T3
T4
目標明確化
ゴール記述
プロセス計画作成
目標承認

調査・分析

A1
A2
A3
A4
A5
調査・分析計画
改革ニーズ把握 
実態把握 
利用技術調査
調査・分析整理

 

基本方針設定

C1
C2
C3
C4
基本方針検討計画
基本方針検討
課題設定
基本方針承認

デザイン

D1
D2
D3
D4BA
D4DA
D4AA
D4TA
D5
デザイン計画設定
DX技術利用方法検討
開発対象システム確認
BAデザイン具体化
DAデザイン具体化
AAデザイン具体化 
TAデザイン具体化 
デザイン検討まとめ

開発計画

E1
E2
E3
E4
E5
開発計画検討計画
効果・費用見積り
開発工数見積り
開発計画作成 
開発計画まとめ

意思決定

S1
S2
DX開発意思決定準備
DX開発意思決定

































・事前準備を重視して3タスク実施するようになっています。

(2)タスク定義書の例
・最初のタスクP1の「タスク定義書」の前半部分を
 以下に示します。


























・出力欄と参照手法欄から、該当の様式、事例、参照手法に
 リンクするようになっています。

(3)参照手法の例
・以下に抜粋で示します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

DX実現方法検討ガイド

3.DXの実現方法検討例

(3)利便性向上

・ 「利便性向上」に該当するのは、端的に言うと「今までできなかったことができるように       
 なる」または「面倒なことをしないですむ」ということである。「多少楽になった」レベ
 ルのものは含まない。 
・そこで、この観点からの検討は、「当社の提供製品・サービスで、お客様にとって面倒 
 なこと、厄介なことは何だろう?」「それをなくすことはできないだろうか?」と考える
 ことである。

・ 「DX成功事例調査結果」では、以下のような「利便性向上」の例があった。 

対象業務

便利になった点

利用技術

部品・資材供給

納品先に「ストッカー」を設置し、「富山の薬売り」方式で補給する。

納品先は、いちいち発注しないですむ。

IT、クラウド

13

新幹線

チケットなしで利用可能とした。

自動改札機の処理はソフトで対応している。

IT、クラウド

22

現金受け取りサービス

銀行に口座がなくても受け取れるようにした

IT、クラウド

28

生保サービス

5万人の営業職員がタブレットを持ち、その画面でお客様とやりとりする。必要な情報・提案を瞬時に入手することができ、「検討してご提案します」が不要となる。

AI搭載タブレット

36

損保サービス

見積り・契約、事故対応、契約更新がスマホで完結する。安全運転サポートも行う。

IT

IoTセンサー

 

52

団体生保サービス

保険加入申込者は、スマホの処理だけで(非対面で)手続きができる。営業担当も加入者も大幅な労力削減が可能となった。

AI顔認証技術

IT

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(4)作成事例の一覧

アクティビティ

事例

プロジェクト準備

DX課題洗い出しチェックリスト
DX実現目的・課題・実現方法一覧
DX実現構想
丸い三角形

目標設定

目標明確化タスク作業計画
対象業務一覧表
対象部門一覧表
対象業務・対象部門マトリクス
DXプロジェクト目標確認書
DX目標設定実施計画
DXゴールイメージ
システム概念図
DX企画プロセス計画

調査・分析

DX現状調査・分析実施計画
DX課題整理表
設備関係購買関連業務プロセスフロー
現状業務プロセスフロー
現状ビジネスユースケース図
現状概念データモデル
DX利用技術検討表
DX問題点連関図右方展開
DX問題点連関図左方展開
問題点連関図

 

基本方針設定

DX基本方針設定実施計画
DX開発基本方針確認書
非機能要件一覧
DX課題定義書

デザイン

DXデザインアクティビティ検討方針
デザイン実施計画
DX技術利用方法検討結果
全体システム関連図1
全体システム関連図2
システム間インタフェース一覧
業務定義書(B)
業務定義書(C)業務フロー
業務フロー
業務定義書
概念DB構造図(ER図)
エンティティ一覧表
システム機能一覧
サブシステム関連図
MSSマイクロサービス単位設定表
入力一覧表
出力一覧表
実現手段検討資料
BA・DA・AA・TA関連図
システム概念図
システム概要説明書
ユースケース図

開発計画

DX開発計画検討計画
経済効果見積り表
効果集計表
投資効果説明資料
DX開発計画案
移行実施方針
DX開発体制案

意思決定

DX開発提案書



(5)作成事例の例
・DX対応の様式の作成事例は、「コインランドリーシステムの革新」と
 「プロジェクト管理システムの革新」を使用しています。

1)前者の例のタスクP1の「課題洗い出しチェックリスト」
・こうなっています。
・「問題」の欄は当様式利用者の記入例です。
・その右に、掲載省略していますが、
 記入した問題を課題表現にする「課題」の欄があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
DX課題洗い出しチェックリスト 事例
1.お客様サービス関係

チェック項目

問題(記入例)

(時間)お客様が当社のサービスで、時間がかかって不満であるということは何だろうか?

洗濯乾燥機が空くのを待たなければならない。

(不満)お客様が当社のサービスで、不満に思っていることは何だろうか?

少量の洗濯物の場合の料金が割高である。

(利便性)お客様が当社のサービスで、面倒だと思っていることは何だろうか?

洗濯物の内容に対する適切な時間が分からない。

両替してコインを投入しなければならない。

(要求)お客様が当社のサービスで、こういうことができたらよいのにと思うことは何だろうか?

自宅にいて洗濯乾燥機が空いているかどうか分かるとよい。

完了時間を忘れることがある。

(安心安全)お客様が当社のサービスで、不安や心配に思うことは何だろうか?

洗濯物を覗かれる心配がある。

洗濯物を盗まれる心配がある。

(期待)お客様が当社のサービスで、環境保全や健康増進に対して期待することは何だろうか?

洗濯物の内容・量に合わせて水の使用量をコントロールできるとよい。

(その他)他に何かあるだろうか?

 


2.自社問題 掲載省略

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2)後者の例のタスクD1の「DXデザインアクティビティ検討方針」
はこうなっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
開発機能の開発方針
【基本方針】
可能な限り、計算や実績把握は自動化し、PMが実質的なプロジェクト運営そのものに注力できるようにする。

 

機能名

革新度

開発方針

1

メンバ編成

適職診断ツール「CATCH」を利用して部門内の最適メンバー候補案を自動作成するのに基づき検討する。

2

成果物量見積り

工程別標準成果物のテーブルを作成する。何に基づきその成果物量を見積もるかもテーブルに表示する。その原単位は順次整備する。

3

開発工数見積り

工程別成果物量に対する標準工数原単位により算出する。その数値を適宜補正する。

ゆくゆくは、2,3の機能を自動算定するシステムとする。

4

プロジェクト計画作成

開発工数見積りを基に、担当と期間に割り付ける。

条件を指定して自動作成する。

5

メンバ健康管理

ウェアラブル機器による体調を基に健康状態を判定するシステムを開発する。

6

成果物作成

「成果物種類」「担当」別のシートに、担当が成果物作成の状況に合わせて、成果物名(単品)ごとの作業ステータスを記録する。作業ステータスは「着手」「作業終了」「確認終了」の区分である。

将来的には、物理的成果物作成のデータから作業ステータスを自動把握する。

7

進捗把握

成果物作成のデータを利用して、「成果物種類」「担当」ごとの進捗を自動計算する

8

プロジェクト会議

自動把握した進捗実績を基に、リモート会議方式で実現する。

9

プロジェクト報告

進捗実績を基にPMがコメントを追加する。

自動生成AI(要約機能)も利用する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

6.MIND-DXのご提供方法
・MIND-DXをご利用いただく場合は、
 「MIND-DX使用契約」を締結いただきます。
・その上で、ご利用になるプロキシサーバ名(グローバルIPアドレス)
 を連絡いただきます。
・システム企画研修社でそれを登録いたします。

・MIND-DXは、 
 システム企画研修社のホームページサイトに収録されますが、
・この登録をいたしますと、
 そこからのアクセスが閲覧可能となります。
・ダウンロードも加工・改変も自由です。
 
7.ご利用料金体系
・初期契約料と年間利用料とで構成されます。
・いずれもご利用範囲の従業員規模による従量料金制です。
・初期契約料は、
 MIND-SAは400万円から1000万円までになりましたが、
 その10分の1程度です。
・年間利用料は、最新版の利用料金の意味もあるのですが、
 数十万円です。

・詳細は,「MIND-DXのご案内」に掲載されています。
 お問い合わせください。