2014年11月29日土曜日

「65歳からの毎日を10倍愉しくする私の方法」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 テーマ名の図書をご紹介します。
 どんな内容なのかを想定していただきます。
 お役にたちそうな部分を見つけていただきます。

ねらい:
 ご関心をお持ちいただいたら
                本書をご研究ください。

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この書は、「牧アイティ研究所代表、
新老人の会会員(この会長は日野原重明先生)、
スマートシニアアソシエイション代表」という肩書を持たれる
牧 壮さんがこの11月に出されたものです。

私にとって牧さんは、
旭化成情報システムの社長さんの時からのご縁でした。
ずい分お世話になりました。
因みに私と同年です。
















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たまたま11月28日の日経MJ紙に
「デジタルシニア 3世代消費満喫」という特集がありました。
その中にこういう記述があります。

60-70代の男女1300人にアンケートを実施。
その結果、趣味を大いに楽しみ、
インターネットやパソコンを抵抗なく使う「デジタルシニア」
の姿が浮かび上がった。

現在の趣味・習い事としては、
1位国内旅行53%の次に
「パソコン・インターネット」51%が来た。

かたや、総務省「通信利用動向調査」が紹介されていましたが、
2013年末の年齢階層別ネット普及率は
60-64歳 76%
65-69歳 69%
で08年末よりも約31%上昇ということでした。

「ほんとかな?」というくらいの普及率です。
シニアは頑張ってますね!!
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牧さんは昔からPCとかに関心が強く、
いろいろ研究をされていました。

今回の出版は、
そのうんちくを「世のため、人のため」と
ひと肌脱いでまとめられたものです。

上記の調査結果を見ても、
まだまだおられるPC苦手の「お年寄り」に
分かりやすく丁寧に
PCやネットの使用法を解説されています。

第1章 100歳シニアからのインターネット
 日野原重明先生が100歳から
 フェイスブックを始められたことが紹介されています。

第2章 毎日が10倍楽しくなる
 シニアのためのiPad・インターネット入門
 「何が違う?パソコンとiPad」他

第3章 新しい友達と出会おう
 ――フェイスブックの安全・安心な始め方

第4章 フェイスブックだけじゃない、シニアがiPadで愉しむ世界
 朝起きてから夜寝るまでのiPad――Siriチャン
  スゴイ人工知能・音声識別機能を持ったソフトです。
  シニアの話し相手・相談相手になります。

  Siriチャンについては、私も感心して
  2013年7月1日の「Apple技術者にビックリ」でご紹介しています。
  http://uenorio.blogspot.jp/2013/07/blog-post.html

 自分史をまとめる
 人生のまとめー―iPadで「終活」の準備

第5章 もし身体の自由が利かなくなってもーーー

第6章 「自立したあなた」であるためにも、
                  iPadでネットライフを始めましょう
 最後には「シニア向けの機材と教材」という項目まであります。

 
私も最新技術は苦手で手を出していないのですが、
参考になった何点かをご紹介します。

1)デジカメ写真をiPad(他のPCでも)に移して、
                    整理検索が簡単にできる

2)シニアに役立つiPadアプリ
  懐中電灯になる
  スキャナになる
  ホワイトボードとして使える
  写真画像処理ができる
  お絵かきができる

3)人生記録が楽に作れる「私ノート」
  まさにシニア向けですね。


シニアが何時までも元気だと、
日本全体が元気になりますし、社会保障費も大幅に削減できます。
大いに意義のあるガイドブックです。

シニアだけでなく一般人向けのPC・ネットの手引書として
十分有効に使えます。
これだけの内容をまとめられた牧さんに敬意を表します。
  


「ありがとう」の反対は何?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 小学校の生徒たちに
   どのように「しつけ」をしたらよいかをご研究いただく。
 あらためて大事な思考・行動とは何かを考えていただく。

ねらい:
 「子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話」をご研究ください。
 大人を含め、
  「しつけ」をしなければならない場合に参考にしてください。

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私は最近は特に、
日本人の道徳とか精神に関心を持っています。
その一環で「子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話」
(平光雄氏著、致知出版社)を読みました。

平さんは長く小学校の先生をされました。
その過程で生徒たちに教えられた「道徳(しつけ)」を
解説されています。

小学生ですから、難しいことを言ってもダメということで、
「紙芝居」と「携帯フレーズ」を多用されました。

「紙芝居」は言いたいことを絵にして示します。
せいぜい2シーンです。

例を以下に示します。
それぞれその意味の解説がついています。
 
目標達成のプロセス
  


 


「偉人のすごさはここ」「必ずある、だれにでも」と書いてあります。

成長曲線
努力しているとある時に力が伸びる。





Yの字の法則
  分かれ道で、心に火のついた方を選ぶか、「バケツに水」の方を選ぶか
  これで先々大きく変わってくるよ。





携帯フレーズは、その言葉をいつも身につけていられるように

という意味で、簡潔な言葉を伝えておられます。
 「まーいいや」  はダメだよ、ということ。
 「あーあ」と「よーし!」 今どっちの気持ち?

それ以外に「お話し」もあります。
 信用と自由の天秤 信用が大きければ任される範囲も大きくなる。
 相手に一刻も早く届けるもの それは「ありがとう」と「すみません」
 「ネジを回すように」  力を入れて取り組みなさい。
 無責任とぼんくら
   気がついてててしないのは無責任、気がつかないのはぼんくら、
 好きなものが増えるのが成長  (本当はこれは紙芝居)

なるほど、なるほどです。
そういう風に教えるのかとたいへん参考になります。

ところで、表題の「ありがとうの反対は何?の答えはお分かりですか?

ありがとうは漢字で書くと「有難う」で、
あることが難しい、だから感謝するということですね。
その反対は、「当たり前」なのだそうです。
当たり前と思うと「ありがとう」と言わないですものね。

本書でも「ありがとう」「すみません」の推奨がありましたが、
私のお勧めコミュニケーション3語は
「おはようございます」「ありがとう」「ごめんなさい」です。

アナウンサーになった息子が自然に励行してして、
人に愛されていました。
余談でした。ゴメンナサイ。

日本の捕鯨問題 再論

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本の捕鯨問題の本質を再吟味する。
 農林水産省の不甲斐なさを確認していただく。

ねらい:
 美味しい鯨肉が安く食べられるようになることを期待します。

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今年6月2日の当ブログ
「日本の捕鯨はどうなっている?」
http://uenorio.blogspot.jp/2014/06/blog-post_8649.html
でこのテーマを取りあげましたが、
突っ込みが浅かったので再論いたします。

今回の元ネタは、
學士會会報2014-Ⅵ号掲載の小松正之氏
(公益財団法人国際東アジア研究センター客員主席研究員)
「国際司法裁判所の判決と日本の捕鯨の将来」
です。

前回のブログでは、
日本の捕鯨業界は、まじめに「調査捕鯨」を実施せずに
(捕鯨枠を大幅に未達)
国からの年間50億円以上の補助金を受けている
(その方が楽にカネになる)。
ということを糾弾しました。

小松氏の論をご紹介する前に、
捕鯨問題の世界的経緯をおさらいしておきます。

1948年国際捕鯨取締役条約発効
1948年国際捕鯨委員会(IWC)設置
1951年日本も加盟
(捕鯨国のうちスペインポルトガルチリペルは1970年代以降の加盟)
1982年商業捕鯨モラトリアム(一時停止)採択
 
 この規制は、
 「国際捕鯨取締条約附表に属するものであるが、
 1972年と1973年のIWC科学委員会において
 「科学的正当性が無い」として否決されていたもので、
 1982年においては
 IWC科学委員会の審理を経ていないことから、
 国際捕鯨取締条約の第5条2項にある
 「科学的根拠に基くもの」に反しており
 同条約違反で法的には無効である」
 と言われているものです。

捕鯨国(食糧としている)
 日本、ロシア、ノルウェー、アイスランド、
 カナダ(1982年国際捕鯨委員会脱退)

捕鯨反対国
 米国、オーストラリア、フランス、スペイン,EU各国
 ラテンアメリカ諸国、ニュージーランド、インド

国際捕鯨委員会参加88カ国の内訳
 米国が一所懸命加盟国を増やしています。
 何のためなのでしょうね??

 アジア:10 (捕鯨支持6、中間派2、反捕鯨2)
 アフリカ:19 (捕鯨支持16、反捕鯨2)
 オセアニア:8 (捕鯨支持5、反捕鯨3)
 ヨーロッパ:31 (捕鯨支持2、中間派1、反捕鯨28)
 北アメリカ:1 (反捕鯨1)
 カリブ諸国:6 (捕鯨支持5、不明1)
 中央・南アメリカ:15 (捕鯨支持1、反捕鯨14)
 
 総計:88 (捕鯨支持35、中間派3、反捕鯨49、不明1)
 反対派はほとんどが欧米です。


鯨資源の現状
 鯨には全部で84種あります。
 中には生息環境が悪化しているカワイルカなどもあるようですが、
 急速に増えているザトウクジラ、ナガスクジラなどもあり、
 全般的には「絶滅の危機」という状態ではありません。


ここから本題です。
2014年3月31日に国際司法裁判所が
日本が2005年から実施している第2期南極海鯨類捕獲調査事業の
実施差し止めと今後の同様調査の許可の差し止めをしました。

その根拠は
「国際捕鯨取締条約第8条1項に該当しない第2期調査は
先住民捕鯨でもなく調査捕鯨でもないことは自明」
となっています。

これについて、小松氏はこう述べています。
「そもそもサンプル数を大幅に下回り、
損失が大きく出ているものを
商業捕鯨として扱ったICJの良識が強く疑われます。

ICJの怠慢と先入観を持った判決と言えます。
ICJが考える商業捕鯨とは何かを明示すべきだったのです。

このことに対して反論を寄せない日本政府の対応も
正当な論理展開を主張しないものとして問題です。

さらにこの中止判決の根拠が、
条約違反(前掲)の商業捕鯨モラトリアムであることが不当である、
としています。

IWC判決は忠実に読むと、
「目的と実施が適切な調査捕鯨は合法」との判決でもあります。
(これまでの第2期の日本の捕鯨は
定められた調査に必要な捕獲数を達成していないので
調査捕鯨と認められないと言っているのです)

鯨肉の値段が高くて売れず、
国内の副産物(調査の)たる鯨肉の販売努力をせずに、
科学調査のサンプル数を減らし供給を削減するという、
やってはならないことをした日本政府の自業自得であり、
判決の結論としてはしょうがないでしょう。

すなわち原因は、
2005年から誠実に科学調査を実施してこなかった
水産庁の怠慢にあります。

また、第65回国際捕鯨委員会総会が
9月15日から18日まで開催されました。

そこでの日本は、
新しい南極海の調査捕鯨計画の目的と内容を何ら示さず、
単に実施するとの意図だけを表明しました。

一方、ニュージーランドから
調査の実施を2年間延期する決議が出され、
賛成35、反対20、棄権5で採択されました。

多くの国民は、裁判の結果と今回の総会の結果を知り、
こんな外交でよいのかと思っています。

甘い見通しを持ちすぎたり、
まったく準備もせずに会議に臨んで敗退しているからです。

何時までも時間を浪費することはできません。
我が国は日本の排他的経済水域内で限定的な頭数の捕鯨を
自国の責任で開始するべきです。

もしどこかの国がICJに提訴するならば受けて立つことです。
国際捕鯨取締条約付表第10条(e)項、同(d)項、第7条(b)項の
違法性を争うことができるからです。

このことが、
IWCの現状を根本から変え持続的捕鯨の利用の原則を打ちたて、
ICJ判決の不適切な部分を正すための新たな裁判になります。

捕鯨資源は豊富に存在するのですから、
そこで勝訴を勝ち取ることが
日本政府の国民への責務であると考えます。
日本政府が世界で名誉ある地位を占めるために
積極的に行動することがとても大切です。
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以上が小松氏の意見です。
若干歯切れが悪い点があります。

そこで、私が増幅して主張したい点は以下です。

農林水産省の官吏の怠慢は許せません。
自分の責任範囲のことはもっと責任を持って研究し
長期展望を持って対策を検討すべきです。

これまで彼らがやってきたことは
業界(捕鯨業界)のためにもならないし、
日本の国の恥を世界にさらすことになってしまっています。

あまりにもレベルが低すぎるのではないでしょうか。

担当官、課長、長官、皆責任を取れ!!

農林水産省すべてが不甲斐ないのでしょうか?
農林水産省には優秀な人材がいないのでしょうか?
これまでの米に対する農政のあり方をみてると
そのような気がしますね。

あらためて教育が必要なようです。

2014年11月25日火曜日

またも幼児が犠牲に、許せない!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 2人の3歳女児の死を悼みます。
 なぜこういうことが起きるのか、
  防ぐ方法はないのか考えていただきます。

ねらい:
 知らぬふりを止めてお節介になりませんか!
 虐待らしき状況を把握したら、児童虐待防止法の規定に基づき
  しかるべき所に「通告」しましょう。

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11月21日朝刊に、二つの3歳児の痛ましい事件が
報道されました。

今は4歳になった私の孫の可愛らしさを思うと、
この二人がかわいそうで胸が痛みます。

一つめは、24歳の新潟県燕市の事務員が
3歳の長女を橋から川に投げ落として殺した、
というものです。

その後報道がないので、
どういう事情か分かりません。

もう1件が無残です。
やはり3歳の女児が6月に衰弱死しました。
現場は大阪です。

殺人容疑で逮捕されたのはは、
22歳の父親と19歳の母親です。
女児は母親の16歳の時の子供でシングルマザーでした。

父親は子連れの母親と結婚したのですが、
その時は女児を気に入って
「可愛がるよ」という約束をしています。

ところがその後、2人の子供男児が生まれてから
様子が変わったのでしょう。
2月くらいからまともな食事を与えずに放置したのです。

ショッキングなのは司法解剖の結果、
胃には何も入っておらず、
腸にろう、アルミ箔、たまねぎの皮などが残っていた、
頭部には硬膜下血腫や打撲の跡もあった、というのです。

死亡時には
3歳児の平均体重の半分程度8キロしかありませんでした。
「お腹がすいた、お腹がすいた」と訴えたはずです。

気になると、その訴えの声が耳について眠れなくなります。
本当にかわいそうです。

それを放置するとはどういう人間かと思います。
信じられません。
「鬼」以下です。

この両親には、
2か月くらい食事を与えない刑罰を与えたらいいと思います。
どんなに辛かったかが分かるでしょう。

女児は先天性ミオパチーという筋疾患があり、
行動が不自由だったといいますが、
それは女児の責任ではありません。

親が何とかしなければならないでしょう!
「不憫に思い死んでもらった」などという言い訳は許せません。
(今のところそうは言っていないようですが)

女児の祖母が2月くらいまでは女児宅を訪問して
面倒を見ていたようですが、
母親が来ることを断ったのです。

近所の人たちも虐待らしきことに気がついていたようですが
トラブルを避けて通報しなかった、
保健所でも、
予防接種をしたときに暴行の痣らしきものを見つけて市に通報した、
というのです。

今回も、みんながもう少し積極的に行動していれば、
こんな無残な事件は避けられたのではないでしょうか。

私は家族から、出しゃばりとかお節介とか言われますが、
お互い「知らぬふり、見て見ぬふりをしない」
ということが大事なのだと思います。

11月27日追記
今日、仕事帰りの電車で、
若い母親が1歳半くらいの赤ちゃんを抱えて
荷物もたくさん持って吊革につかまっていました。

その前の座席には若い男性がスマホを覗き込んでいて
そのことに気がついていません。
そこで私が、「すみません。代ってあげて」と肩を叩きました。
そうしたら、その男性ははっと気がついてすぐに席を立ちました。
とてもいい感じでした。
そのお母さんに感謝されました。

「見て見ぬふりしない」を早速実行できました。

上記1番めの事件も、
おそらく母親の精神異常(「育児ノイローゼ」など)でしょう。
誰か相談する人がいればこうならなかったのではないでしょうか。


11月26日追記

実は、児童虐待防止法という法律があるのです。

これによれば、
「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は」
「速やかに福祉事務所児童相談所に通告しなければならない」
となっています。
罰則規定はありませんが、通告の義務があるのです。

今回の衰弱死の場合も
何人かが虐待らしき状況を把握していたのですから、
「通告の義務」を果たすべきだったのです。

以下,Wikipediaからの転載です。

児童虐待防止法について
  • 2000年(平成12年):
  • 深刻化する児童虐待の予防、および対応方策とするために制定
  • 2004年(平成16年):
  • 事前に盛り込まれていた施行3年後の見直し規定により、社会保障審議会等における検討がなされ改正が行われた。
  • 児童虐待の定義
同法第2条において、18歳に満たないものを児童とし、
保護者が行う以下の行為を「児童虐待」と定義している。
  1. 身体への暴行
  2. 児童へのわいせつ行為と、わいせつ行為をさせること
  3. 心身の正常な発達を妨げる減食・長時間の放置
  4. 保護者以外の同居人による前記の行為と、その行為を保護者が放置すること
  5. 著しい暴言・拒絶的対応・著しい心理的外傷を与える言動を行うこと
  • 児童虐待の早期発見努力
同法第5条において、学校病院等の教職員医師保健師弁護士等は、
児童虐待に関して早期発見に努めなければならないとしている。
  • 児童虐待の通告義務
同法第6条において、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、
速やかに福祉事務所児童相談所に通告しなければならないとされている
警察ではなく、「通報」でもない)。
この際には、刑法134条の守秘義務違反には該当しないと明記している。
  • 児童虐待に対する強制調査
同法第9条において、都道府県知事は、出頭を求め、
また必要に応じて自宅へ立ち入り調査を行うことが出来ると定める。
保護者がこれらを拒否する場合、裁判所の許可状(令状)を得て、
臨検捜索(強制捜査)を行うことが出来るとされている。
  • 児童虐待に対する警察の介入
同法第10条において、都道府県知事児童相談所長は、
必要に応じ警察署長へ援助を求めることが出来るとされている
(警察官を同行させ、保護者が抵抗した場合に取り押さえが出来る)。
  • 虐待児童への保護者の接触制限
同法第12条において、児童虐待を受けた保護された児童に対し、
児童相談所長は必要に応じて、
保護者の面会・通信を制限することが出来るとされている。
また、必要に応じて、保護者に対し通学路等の児童の近辺を徘徊することや
つきまとうことを止めるよう命令することが出来るとされている。

2014年11月24日月曜日

南海トラフ大地震はいつ来るのか??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 地震発生のメカニズムをおさらいしていただく。
 恐怖の南海トラフ大地震はいつ来るのか知っていただく。
 地震の予知をする奇想天外な方法があることを知っていただく。
 それを発見したのは角田忠信先生だったことを知っていただく。

ねらい:
 「日本人の脳」「脳センサー 地震の可能性を探る」を読んでいただく。

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11月22日長野県北部で大きな地震がありました。
家屋の全半壊はかなりありましてが、
幸い亡くなった方はありませんでした。

被害が最も大きかった白馬村では地元の人が、
「お互いに隣近所に誰がいるか(遊びに来ている孫まで)
分かっているので、声かけあって助け合った」と言っていました。
素晴らしいことですね。

地震に関心が集まりましたので、
地震絡みの話題です。

1.南海トラフ大地震について
先ずは、學士會発行U7の2014-11月号掲載
西村卓也京都大学防災研究所準教授の
「大地の動きから南海トラフ巨大地震の実像に迫る」
講演記録からのご紹介です。

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地震を起こす基になる地殻変動は、
人工衛星を利用したGNSS(衛星測位システム,GPS等の総称)
で正確に把握できます。

この精度は
水平方向で2-3ミリ、上下方向で1-2ミリという高さです。

これによって
年間10センチ程度しか動かない地殻変更を把握するのです。

心配されている南海トラフ大地震が起きるとどうなるか

 静岡、山梨、愛知、岐阜、三重、和歌山、徳島、高知、愛媛、宮崎
 の地盤の悪い地域で震度6強ー7、
 長野、滋賀、奈良、京都、大阪、香川で震度6弱
 が想定されています。
 
(上野コメント) 先生は
「震度6弱では普通の建物はまず壊れません」
と言っておられますが、今回の長野北部地震では、
震度6弱なのに建物がかなり壊れました。

それはこういうことです。
地震のマグニチュードは物理的な測定ですが、
震度は地表の揺れを計ります。

体感は可能ですが、
正式には地震計のあるところでの測定によります。
たまたま白馬村の地震計設置場所は
強固な場所だったのでしょう。
(西村先生の発言がいい加減なのではありません)

大きな地震を起こす海溝型地震のメカニズム
 
ご承知のように、
日本周辺では、太平洋プレートが大陸プレートの下に
年間数センチずつ継続的に潜り込んでいます。
それだけなら、
静かに滑り込んでいるのですから異状は何も起こりません。

ところが、ある部分で両プレートがくっついている部分があるのです。
これを固着域といいますが、
この固着が我慢できないところまで達すると
パーンと弾けるように固着が離れてしまいます。
 
そうすると
瞬間的には上の層(大陸プレート側)は反動で東側にずれます。
これが地震となります。

東日本大震災から3年以上経ってもまだ東側にずれる動きは
止まっていません(西への動きに戻っていない)。
東への動きは中部地方や北陸地方でも続いているのです。
 
そうなれば、
今回の震源である糸魚川―静岡構造断層帯に
影響を与えた可能性は十分考えられます。
――これは素人上野の仮説です。

そのようなプレーと同士の固着域が、
日本周辺ではいくつかあります。
 
 十勝沖地震を発生させた十勝沖、
 東日本大震災を発生させた東北沖、
 これから大地震の到来が予測されている南海トラフです。

南海トラフ震源の大地震は、
過去何度も発生していますが、
直近は1944年(東南海)、1946年(南海)です。
今後も繰り返し大地震が起きます。

過去の発生状況から推定すると、
次の大地震が今後30年間に発生する確率は
20-80%だそうです。
幅があるのは推定方法によります。

推定方法A 南海トラフ地震の間隔から推定する
 1946年の次は今から20-80年後
推定方法B 前の地震の規模と次の地震までの間隔が比例する
 1946年は規模が小さく88年後に起きる(2034年)

地震予知はできるのか、地震予測と地震予知
地震予測と地震予知はいずれも、
 1)地震の発生時間
 2)地震の発生場所
 3)地震の大きさ(マグニチュード)
を地震発生前に言うことですが、

最近の日本地震学会では、
予測は、
1)~3)のいずれかを言い当てるような漠然としたものを含む。

予知は比較的短期間(数日から1週間)で
 確度が高く警報が出せるような予測

と定義しているそうです。

現状では予知は困難とされています。

西村先生の結論はこういうことでした。

「いずれ必ず地震はくるから備えなさい」

おそらく予知をするには地殻変動から想定するのではなく、
固着による歪みが限界に達しつつあることを
把握しなければならないでしょう。

あるいは歪みが解放され始めたことを察することを
しなければならないと思います。

昔から、大地震の前には蟻などの動物が逃げ出しているとか、
言われています。
動物たちはその本能で察しているのでしょう。

2.地震予知はできないのか

人間にもそういう能力があるのではないか、
という説を唱えたのは
「日本人の脳」で有名な角田忠信先生です。
角田先生は東京医科歯科大学の
難治疾患研究所聴覚機能疾患部門の教授でした。

角田先生は、こういう発見をされています。
  • 外国人は、言葉の子音を大脳左半球言語脳で処理し、
    母音を意味のない音と捉え右半球で処理するが、
    日本人は両方とも左半球言語脳で処理する
    (正確に言うと10歳くらいまで日本語の環境で育った人)
  • ところが、大脳左右半球の優位が、
    外部的要因によって左右逆転することがある
    (脳幹スイッチ機能と称する).。
  • 40ヘルツ・60ヘルツとその整数倍の音を聞く場合逆転が起きる。
  • 同様に、自分の年齢の周波数の整数倍の音で逆転が起き、
    誕生日に加算される。
    (この機能を利用するとその人の年齢を知ることができる。
    脳の年輪と称される)
  • これらと同様に、地震前の地殻変動によっても逆転が起き、
    地震発生直後に正常に戻る。
  • 地磁気の変化を察するのであろうと想定されている。
    この部分については「脳センサー 地震の可能性を探る」
    に詳しく発表されています。

先生の把握された過去の例では、

1)1985年10月4日の
 M6.1の茨城県地震(東京も震度5)の際に、
 同年8月29日に
 ある男性の被験者で「年輪系」の異状を把握した。

2)1986年2月12日の
 茨城県沖地震(東京は震度3)の際に
 1月31日に
 数名の被験者で「年輪系」の異状が把握された。

 いずれも地震発生1時間後くらいまでには異状は解消された。

これで見ると、
15日~35日以内の直近で予測ができていることになります。

これは、前掲の日本地震学会の定義では、
予知に入ります。

なぜこのような素晴らしい可能性ある方法を実用化しないのでしょうか。

それは、学界や専門家の壁です。
地震の予知をしたい人は多数います。
それは地震学会に所属している先生方です。

この先生方は、何でもいいから予知をしたいというのではなく、
自分の専門領域の研究成果としてやりたいのです。
たとえば、西村先生は地殻変動です。

角田先生がいくらスゴイ予知方法を見つけたとしても、
そんなことに加担する気はサラサラないのです。

角田先生は、ご自分の専門領域での研究をしておられて
偶然予知方法を見つけられたのです。

では、どの先生方が角田先生の発見を評価するのでしょうか。
耳鼻咽喉科のお医者さんたちは評価しませんね。

たまたま興味を持たれた専門家がおられたとしても、
角田先生と同じような実験をするには、
正確な音源を発信できる装置、その音を聞き取る装置
などの知識が必要です。

当時の学界では、
この実験は、最近話題になった小久保さんの実験のように
再現不能ということで抹殺されてしまったのです。

誰かお金持ちのスポンサーが現れて
大々的に実用化する方法を探求したら
地震予知方法として確立できたと思われます。

今からでも可能でしょうが、先生は1926年生まれで、
ご存命かどうかは不明です。

我々は、20年ほど前に、先生の講演会も開催し、
「角田先生にノーベル賞をとっていただく会」
を立ち上げようとした時もありました。

本業優先でその会ができなかったことが悔やまれます。


総合診療専門医の世界に潜在意識の活用を考えてみては!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 専門医制度について少し勉強していただく。
 これから創設される「総合診療専門医」の実現の難しさを
  考えていただく。
 この世界に潜在意識を活用する方法もあるかもしれない
  ということを知っていただく。

ねらい:
 潜在意識の活用が、
 これからビジネスの世界でも有効になるかもしれない
 と期待していただきます。

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「総合診療専門医」をご存じかどうかの前に、
そもそも「専門医」という制度自体をご存じない方が
多いのではないでしょうか。
私もそうでした。

「総合診療専門医」が2017年にできるそうです。
従来からそれぞれの学会が、
各々「専門医」という格付けをしてきました。

それは以下の18の専門医です。

 1放射線科専門医
 2眼科専門医
 3形成外科専門医
 4外科専門医
 5産婦人科専門医
 6小児科専門医
 7耳鼻咽喉科専門医
 8整形外科専門医
 9精神科専門医
 10総合内科専門医
 11脳神経外科専門医
 12泌尿器科専門医
 13皮膚科専門医
 14病理専門医
 15麻酔科専門医
 16臨床検査専門医
 17救急科専門医
 18リハビリテーション科専門医

呼吸器科と消化器科はないのですね。
それらを総合して総合内科専門医となっています。

これらに対して19番目の専門医として、
総合診療専門医ができるのです。

しかし、その「専門医」は、
従来型の縦割りの専門医ではありませんので、
それを認定する「学会」が必要です。

そこで、
一般社団法人日本専門医機構が、
厚生労働省「専門医の在り方に関する検討会」の報告書を受けて、
平成26年5月7日に発足いたしました。

この機構のミッションは、以下のことだと発表しています。
(同上のホームページから)

 国民および社会に信頼される専門医制度を確立し、
 専門医の育成・認定およびその生涯教育を通じて、
 良質かつ適切な医療を提供することを目指しています。
 
   日本専門医機構が認定する「専門医」とは、
 それぞれの診療領域における適切な教育を受けて、
 十分な知識・経験を持ち、
 患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師
 と定義されます。

以下、若干の補足説明です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
総合診療専門医は、
「プライマリケア」の専門医であるとも言われます。
プライマリケアとは、何か。

葛西龍樹教授
(福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座教授)は、
學士會会報2014-Ⅵ号でこう述べています。
 

 プライマリケアとは、
 日常よく遭遇する病気や健康問題の大部分を
 患者中心に解決するだけでなく、
 医療・介護の適正利用や予防、健康維持・増進においても
 利用者との継続的なパートナーシップを築きながら、
 地域内外の各種サービスと連携する調整のハブ機能を持ち、
 家族と地域の実情と効率性(優れた費用対効果)を考慮して
 提供されるサービスである。

患者の側から分かりやすく言えば、
ホームドクターです(英語圏ではfamily doctorというようです)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下、同上機構のホームページ続きです。

総合診療専門医の研修プログラムについては、
「内科、小児科、救急」を必須とし、
その他の領域別として、
外科、整形外科、産婦人科等を研修が必要である。

診療所や中小規模病院などさまざまな研修場所で、
外来診療、救急診療、在宅ケアを含む訪問診療を学ぶ
ことを求めている。

研修目標は、
2009年に日医が作成した生涯教育カリキュラムを基盤として、
委員会(ボード)でさらに検討するとした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ということのようです。

ここから本題 問題提起

プライマリケアの専門医は欧米各国ではすでに
確立しているようですが、
日本はそのような制度ないし仕組みの確立が遅れています。

なぜ遅れたのかの解明も必要ですが
(私見としては、
日本人の「お上意識」〈偉い人には盾つかない、意見を言わない〉が、
これまで医学会の我儘を許してきたのだと思います)、

日本の医学会や厚生労働省が、
よくもこのような新しい制度の確立に動き出したな、
というのが私の感想です。

縄張り意識の強い「白い巨塔」の各学会が、
いわば超党派で新しい専門医認定組織を作るというのですから。

疑問点は、
どのようにして目標とする総合診療専門医を育成するのだろう?
そんなことはできるのだろうか?
ということです。

その専門医は幅広い診療能力を持たなければなりません。
初診は簡単だなどということは決してありません。
むしろ最も難しく責任重大な診療です。

一般のいわゆる「町医者」の初期診療の難しさは
大いに認められているところです。

私が体験した
初期診療のミスで大事に至った2例をご紹介しておきます。

1)私のサラリーマン時代の頑健な30歳代の仲間が
 風疹(3日はしか)で家族を残して急逝しました。
 初期対応をした医師は「風邪でしょう。休みなさい」と診断し、
 手遅れになったものです。

2)私の母が91歳の時に大腸がんで亡くなりました。
 近所の医師が便秘だか下痢だかという診断をして
 しばらく放置状態で 手遅れが上乗せになり
 (ガンはすでにかなり進行していました)、
 死期を早めてしまいました。

このように、「町医者」を訪れる患者の大半は、
風邪であったり、「腹こわし」であったりします。

この中から、
大病の疑いがある患者を見分けなければならないのですから、
たいへんな能力を必要とします。

つまり、「おや?」と思う気づきがあれば、
必要な検査をして
真の病因を突き止めることができるのです。

これができる能力は、「目利き」と言われるもので、
ちょっとやそっとの経験でできるものではないでしょう。

そういう初期診療の専門医というのは
教育で育成できるものなのでしょうか、という疑問です。

システム業界の話題でその難しさを研究しましょう。
大手の情報サービス企業では、PMOという組織を持っています。

Project Management Officeの略で、
システム開発を担当するライン組織とは独立で、
専門家の観点から開発案件の審査・アドバイス等を行う役割です。

優れた専門家であれば、
案件側の報告の裏にあるリスクを見抜いて適切な助言ができます。
目利きです。

ところが、並み以下のレベルの要員だと形式的審査だけを行って
リスクを見逃します。
何のために審査をしたのか、ということになります。

そんな目利きができる人は、
PMOではなく、バリバリの第一線で活躍するのです。
医師の世界では大学病院などでしょう。

PMOは企業の中の組織ですから、
その長が判断すれば優秀な人材をPMOに据えることも可能です。
それでも実現している企業はほとんどありません。
「ライン優先、稼ぎ優先」なのです。

しかし、医療の世界では、
誰かが「君はこの地域の総合診療専門医をしてください」
というわけにはいかないでしょう!!

だとしたら、何か弱点を補う対策が必要です。
診療データベースを
作って診断を補佐することなども考えられましょうが、
次から次へと大量の患者を捌かねばならない内科・小児科の医師が
そんなことをしている暇はないでしょう。

私からの解決策の提示

ではどうします?
一案を提示させていただきます。

それは潜在意識の活用です。
私のホームドクターは二人います。

1人は近所の先生です。
この先生は達人です。
短いやり取りで直ちに診断します。

無駄口は叩きません。
ですから、
暇なご老人には必ずしも評判は高くないようです。

「いい加減だな」と思ったことも何度かありましたが、
結果的にはその先生が正解でした。
それからは、その先生の言われることは信用しています。

その先生はその高生産性のおかげで
立派な住居兼診療所を建てられました。

お医者様の報酬は時間給ではなく、
1件いくらですから、
時間をかけずに診断・治療を行えば高い収入が実現するのです。
この先生は通常の世界での優秀な方です。

もう一人のホームドクターは、
世間では「超能力」という能力をお持ちの先生です
(医師ではありません)。

その先生は、私の体を見ると
「どこが悪い」とすぐに分かるのです。
おそらく、血流の悪いところとかが分かるのだと思います。

今は田舎に引きこもられてしまいましたが、
東京におられる時にはときどき診ていただいていました。

その先生は「気」でガンの患者さんを完全治癒されたことも
何度かありました。

その一環で、
先生の従兄弟(私の大学同級生)の母親のガンを治療しました。
私の同級生は、「科学的」思考の持ち主でしたから
「そんなことできるわけがない」と言っていましたが
実現した事実の前に「脱帽」しました。

「気」または「超能力」の効用を
J医大の先生と共同研究されたこともあったようです。

この先生の診断は「超能力」ではなく、
潜在意識を使って相手の体を見ているのだと思われます。

こういう能力は自然には限られた人しか持ちえないのですが、
訓練によっても持てるようです。

現在、当社では八木橋英男氏と共同で、
潜在意識を活用する研修を開発・実施中です。

潜在意識を使って、ストレスの原因を探りだしたり、
本当に自分が実現したいこと(仕事とか)を探ったりするのです。

こういう能力を使って、
「おや?何かおかしいぞ!」と気付き(第六感)が得られれば、
それなりの検査をすればよいのです。

そういう研究をした方(ほう)が、
IT活用やたいへんな研修をするよりも
初期診療の成功率を上げることができるのではないでしょうか。

ビジネスの世界で、潜在意識を使って
問題解決を図ることについては、
現在着々と進めていますので、
少しずつご報告できるようになると思います。
ご期待ください。

2014年11月20日木曜日

日本の農業を今後も過保護するのですか!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「国民のための農業保護」の虚妄を知っていただく。
 諸悪の根源は農協であることを知っていただく。

ねらい:
 
 従来型の農業保護に反対しましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この項は、キヤノングローバル戦略研究所の
山下一仁研究主幹の書かれた
「TPP交渉と日本の農政」(學士會会報2014-Ⅳ)の
ご紹介です。

1.日本の農業生産額は4兆円程度で、
  日本のGDP500兆円の1%以下です。
  (このことはご存じの方が多いでしょう)

2.コメの需給調整のため減反政策をとり、
  4000億円使っている。

3.コメに対して高い輸入関税をかけ、
  高いコメを買うために
  国民に6000億円の負担を強いている。

4.したがって、1兆8000億円のコメ生産額に対して
  国民は納税者として消費者として1兆円を負担している。

5.高い輸入関税をやめ農家への所得補償に切り替えれば
  2000億円で済む。

6.こういう制度を維持しているのは農家のためではなく、
  農協のためである。

7.「農業滅んで農協栄える」
 以下長いですが原文のまま紹介します。
 

 兼業または年金で生活している
 都府県の平均的な1ha未満の零細農家が
 農業から得ている所得はほぼゼロである。
 

 ゼロの農業所得に20戸をかけようが40戸をかけようが、
 ゼロはゼロである。

 20ヘクタールの農地がある集落なら、
 一人の農業者にすべての農地を任せて耕作してもらうと、
 1450万円の所得を稼いでくれる。

 その一部を農地の維持管理を行う対価(地代)として、
 農地を提供した集落の人びとに配分したほうが、
 集落全農家が耕作するよりも、集落全体の利益になる。

 農村振興のためにも、農業の構造改革が必要なのである。

 しかしそうなると、農家戸数が減少することになる。
 多数のコメ農家を維持したい農協は所得を上げる手段として、
 米価引き上げを求め、農業の構造改革に反対した。
 
 
 

 農協の思惑通り、高い米価のおかげで、
 零細で高コストの兼業農家も米作を維持し、
 農地を手放そうとはしなかった。

 農業だけで生計を維持しようとする主業農家に
 農地は集まらず、
 主業農家が規模を拡大して収益向上を図る
 という道は困難となった。

 主たる収入が農業である主業農家の販売シェアは、
 野菜では80%、酪農では93%なのに、
 高米価政策のせいでコメだけ38%と異常に低い。

8.(上野調べ)
 農家戸数は専業が41万戸、兼業が100万戸、
 農業従事者は226万人しかいない。
 農協従業員は、
 全国農業協同組合連合会に約8400人
 全国共済農業協同組合連合会に約6200人いる。
 (ほかにもいるでしょう)

 その組織が組織の存続をかけて農家の維持を図っている。
 そのために日本国民は1兆円-2000億円=8000億円
 もロスしている。

9.農家の保護だなど大義名分を持ちだしているが、
 これは問題のすり替えである。

10.農作物の関税を撤廃しないものだから、
 日本はその差し替えに
 相手国の関税を撤廃できないでいる。
 非常に大きなロスを蒙っているのである。
 それも農協のためである。

そうなんですねーー。!

TPPは簡単に自由貿易原則だ、などと言って
アメリカの得意分野の金融だの医療とか知的財産権などの
自由化に乗ってしまってはいけません。

しかし、モノの貿易面については、
早くすっきりさせてほしいものです。

農政は、農業の保護ではなく、
コメを含めた農業強化を行うべきです。

コメも日本でしかできない美味しいコメは
十分輸出競争力もあるのです。
量ではなく、質(味覚)で勝負する農業は
十分存立できるようです。
早く、それらを強化する農政に転換してほしいものです。

2014年11月16日日曜日

「イチョウ奇跡の2億年史」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 イチョウのもの凄い歴史を知っていただきます。
 中でも、イチョウはある時からは
 人間に生育されている樹であることを知っていただきます。

ねらい:
 植物学に関心を持ったら勉強してみてください。

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ギンナンついでにイチョウの話題です。
日本語書名「イチョウ奇跡の2億年史」は、
アメリカの古生物学者でイェール大学の林学・環境科学部長の
ピーター・クレーン博士の著書です。

こういうことを、
こつこつ研究している学者さまがおられることに感心しました。
400ページ以上の大著ですので、
全貌読破はできませんが、興味ある要点をご紹介します。

1)イチョウは2億年の歴史を持つ植物である。
 これだけのライフを持っている動植物はない。
 恐竜が絶滅した6000万年前を超えて生きのびいる。

2)一時は北半球の全域で生育していたが
 各地域から次第に途絶えていった。

3)イチョウは種子植物(ギンナンが種)であるが、
 種が大きいため種の拡散は容易ではない。

4)おそらくギンナンの皮(外種皮)を食する動物を媒介にして
 種が拡散したものであろう、とされている。

5)ギンナンを食する動物は
 イチョウが北半球全域に拡散した後で絶滅し、
 媒介者を失ったイチョウも各地で途絶えていったのであろう。
 その動物が何かはまだ解明されていない。

 現在の動物では、外種皮が付いた状態で
 牛や馬の草食動物は食べる。
 狸や犬も食べるのがいる。

 上野注:来年はどこかの犬に食べてもらおうかと思います。
  剥いた状態だとネズミが食べます。
  我が家でも被害に遭ったことがあります。

6)ところが中国南部の山間部でのみなぜか生きのびた。

7)その種が800年前頃、
 人間の力によって日本や韓国に持ち込まれた。

 鎌倉で源氏の3代将軍源の実朝が暗殺された時に、
 暗殺者はイチョウの樹に隠れていたと伝えられる。
 それは1219年、今から約795年前である。

 その樹かどうかは不明だが、
 鶴岡八幡宮の大イチョウは2010年3月の強風で
 倒れてしまった。
 

 日本への持ち込みの初めが人間の力だっただけでなく、
 その後の拡散も自力ではなく、
 人間が神社・公園などに植えたものである。
 だから、イチョウの自然林などはないのである。

8)西洋へは17世紀後半に
 西洋人が日本で見つけ各国に持ち込んだ。
 そして温帯地域の全世界に存在するようになった。

9)こうして人間に愛好されるのは、
 害虫や環境に強く緑を提供するからである。
 秋の紅葉やギンナンも評価されたのであろう。
 薬用は1000年前くらいかららしい。

 広島のイチョウは原爆による火災を生き延びたのもある。

10)巨木は中国に多く、
 幹の直径が2メートル以上のものが138本あった。
 中でも最大は中国南部貴州省李家湾の大木で
 推定樹齢は4500年、(スゴーイ!!)
 4本の太い幹が18メートル以上の高さ、
 幹の直径は5.8メートル

まだまだ、凄いことが書かれているようです。
あとでゆっくり読んでみます。

ギンナン畑が全国にあるのです!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ギンナンに関する情報を知っていただく。

ねらい:
 
 皆様もギンナン農家を目指されたらどうですか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ギンナン農家がいるのですって!!
趣味「銀杏採り」を自称している私が今まで知りませんでした。

考えてみれば八百屋とかで売っているのですから、
誰かが供給しなければならないのです。

私は、落ちているギンナンをせっせと拾っている人が
売っているのだとばかり思っていました。
そんな量では市場の要求を満たせないですね。

ギンナン農家の一つが、
福島県にある金沢 勉さんが運営している「銀杏本舗」です。
以下、そのホームページからの転載です。
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銀杏の生産は平成11年より育成を始め、
2年前より収穫が出来るようになり、(13年かかっています)
現在は年間約 2tの生産量を得て出荷しています。

出荷は主に、他県の市場や地元物産店などで販売しており、
好評を得ております.
生産種は多少早く実る丸形の「久寿」と、
晩生ですが大粒で形状が良く光沢のある「藤九郎」の 2種です。

中塚地区の銀杏畑の作付け面積は約6000㎡あり、
藤九郎の成木は約100本、久寿が約50本を植えて生産しています。
有機農法で育成していますので、自信を持って販売できる銀杏です.

桜木町地区の銀杏畑の作付面積は約4000㎡あり
喜平の苗木を約100本を育成中です。

銀杏のサイズ比較
銀杏2袋箱詰


銀杏/箱入りの販売
銀杏2袋箱詰

この商品は、500g入り袋を 2袋詰めての販売です。

サイズ内容量荷姿金 額
S500g2袋¥1,200円
M500g2袋¥1,800円
L500g2袋¥2,000円
2L500g2袋¥2,400円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これによると、Lサイズだと、1個7円弱です。
1本の樹から
1シーズンに少なくとも1万個くらいの実が採れます。
150本の樹なら150万個で1000万円にはなる計算です。

私の今年の収穫量1万個だと、
7万円位稼いだことになります。
大したものですね?
 以下、続きます。


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こちらは三鷹市果樹組合山本果樹園です。
三鷹市の山本正和さんが撮られた写真です。
スゴイものですね。
これを見ると、ギンナン農家だと感じられます。






















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以下は、ギンナンの加工工程の解説で、
新潟県弥彦村の石井農園ブログからの転載です。
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まず、一晩水につけて果肉をふやかして柔らかくします。



その後専用の銀杏剥き機にかけて果肉を取り除き、
種をキレイに洗い上げます。




上野注:ネットで調べていたら、
使わなくなった洗濯機を使っている人がいました。
実と皮の分離はできますが、その後の分別はしなければなりません。
この専用機はどういう仕掛けでしょうね。
興味を惹かれます。

洗い終わった種はコンテナに広げて乾かします。

表面の水分が飛んだら完成です!
しっかり洗い上げてあるので、銀杏の独特な香りも致しません。

















出来あがった銀杏は、レンジやフライパンで火を通せば
この様にキレイな緑(翡翠色)になります。

新鮮な旬の銀杏は黄色では無く、緑色をしているのです。



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たしかに、いい状態で加工できると、
このようなエメラルドグリーンです。
美味しさも倍に感じられます。

ギンナン採りのマニアはけっこういるようです。
以下がその代表者ですね。

臭いけど美味い!銀杏拾いにチャレンジ!東京都内銀杏スポット

秋の味覚の代表格といっても過言ではない銀杏。
臭い思いをして拾った銀杏は買ってきたものより数倍美味しい!
都内でも銀杏拾いできる場所はたくさんあるようなのでまとめてみました。
ゴム手袋必須臭い先に待っている極上の銀杏の味。クセになります。

2014年11月15日土曜日

衆議院解散に大義はあるのか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 衆議院解散の是非について整理をします。

ねらい:
 
 皆さま、各々お考えください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

11月15日現在、衆議院解散が濃厚の状況となっています。
野党各党は「この解散には大義がない」と反対しています。

3党合意に基づき予定していた消費税10%への引き上げを
延ばすのであるから国民に信を問うというのが、
解散実施派の大義のようです。

前回2012年11月の衆議院解散は、
消費税増税を含む「税と社会保障の一体改革」について
国民に信を問おうということでした。

したがって、その一部を履行しないことについても
信を問うべきということのようですが果たしてそうでしょうか。

私は、消費増税先送りは正論だと思います。
なぜなら、消費増税先送りで影響するのは、
日本の国家財政の立ち直りが先延ばしになることです。

ところが、
いま消費増税をして景気の減速または失速をすれば、
その立ち直りにはたいへんな時間を必要とするでしょう。
日本の失われた20年をさらに延ばすことになってしまいます。

つまり、今でなければならないのは、
失われた20年からの経済の回復・強化です。
それには回復に水を差す行為は避けなければなりません。

今、回復基調に水を差せば、いつ回復基調に戻れるのか
見通しが付きません。

それに対して、
財政再建の着手は今でなくても致命傷にはならないのです。
経済が減速・失速すれば税収も減り
増税で期待する税収増を打ち消すことにもなってしまいます。

つまり、
今でなければならないのは経済の回復・強化
今でなくてもよいのは財政再建の着手
なのです。

したがって、増税延期は筋が通ります。
増税延期に反対する野党はいないのです。
反対するのは近視眼的な財務省一派だけです。

このように増税延期は理屈で説明できることです。
解散で信を問うのではなく、
きちんと国会の場その他でその正当性を丁寧に説明すれば
国民は納得できはずです。

解散をして国会の空白時間を作ったり、
選挙に巨額の経費(一説によれば700億円)を使う必要は
まったくありません。

この解散に関しては、
政策論争ではなく政争の具であるように思えます。
政治家にとっては、
最終的には自党を有利にする政争の方が重要なのでしょうか。

私は安倍総理はそんな狭い了見の人ではないと思っています。
もし解散に踏み切るようであれば失望です。

そんなことをしないで、日本の安全保障の強化に
エネルギーを使ってほしいと思います。