2017年7月31日月曜日

やはりそうですか!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 当社の要件定義研修で
         素晴らしい成果が得られた事例をご紹介します。
 やはり、実務型の研修は「実践」をしないとモノにならないことを
         再確認していただきます。

ねらい:
 当社の実践重視の研修にぜひご参加ください。

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このブログで人気があるのは、時事テーマか切実テーマです。
当社の紹介、当社サービスの紹介は最下位クラスです。
ぼかしていても見破られて開けていただけないのです。
今回は何のことかわからないテーマ名にしてみましたが、

残念ながら、今回のもそのジンクスは破れないでしょうね。

当社の研修は大分前から「研修だけで終わり」はダメで
実践を付けるのを原則としてきました。
そうすると研修日数が長くなって参加者が少なくなりますので、
妥協している時もあります。

要件定義研修もその口です。
本格的に学んでいただくには3日間必要ということで始めました。
しかしやはり実践がないと物足りないので
2日+実践報告1日にしました。

先日(2017/7)、実践報告付き型の2回目を実施しました。
ここでビックリするほど完成度の高い要件定義書が作成されたのです。

当社の長い(三十数年)研修実施経験の中で、成果物の完成度という点では
過去最高レベルでした。
(開発移行はこれからですからその成果はまだ分かりません)
主催者としてもたいへん嬉しく思いました。

テーマは「原材料管理/原価計算システムの改善」
      現状はSAPのパッケージを利用しています。

実践者は、製造業のシステム部門で
基幹システムの開発・保守に十数年携わっている方です。

実践期間は僅か4週間です。
作成した成果物は以下のとおりです。


要件定義研修の作成成果物

  成果物名 
  成果物の作成目的
  事例の特長

実践報告書
1.システム名
2.対象システムの概略機能
3.検討の背景等
4.実践の経緯
5.実践の成果
6.実践の反省と今後の対応
実践の経緯
  6/1630テーマ検討
  7/1~4 成果物作成
  7/5~7 発表準備、資料補正
  7/7   リハーサル
  7/811 補正
目的・ねらい
記述書
業務面の改善要求を、「早い、うまい、安い、人の向上」の切り口で把握し、それに対応してシステム面で実現すべき機能要件・非機能要件を明らかにする。
的確にルールどおり既述した上に、業務効率向上、新人の早期戦力化等により年間585万円の効果が実現できると試算した。
問題点連関図
右方展開
改善の「目的・ねらい」を明らかにする
12のボックスで「目的・ねらい」を明らかにした。
問題点連関図
左方展開
目的実現のための対策を探求する。
37のボックスで13の解決策と解決不能問題4つを明らかにした。
システム
機能一覧
実現すべきシステム機能を業務機能と結び付けて記述する。
目的・ねらいの目的機能を具体化するのに有効であったとの評価をした。
システム
概念図
でき上がりの全体像を明らかにする。
5つの業務12の作業の流れを明らかにした。
ER図
情報システムを構成するエンティティを明らかにする。
19のエンティティの相互関連を明らかにした。

着眼点、切り込み方、資料作成方法
いずれをとっても、それぞれ素晴らしい出来栄えです。

基準どおりに作成すればここまでできるというお手本になります。
ここでお見せできないのが残念です。

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受講生の相互評価による審査結果は
以下のとおりです。

◆総合 第1位 94点(満点:100点)

◆評価項目別(満点:4点)  5項目の内、4項目で第1位

 ① テーマ選定の着眼の独創性・・・3.80点(第1位)
 ② 習得内容の活用度・・・・・・・・・・4.00点(第1位)
 ③ 改善成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.40点(第1位)
 ④ 報告書の充実度・・・・・・・・・・・・4.00点(第1位)
 ⑤ プレゼンテーション
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お見せできない代りに、
この実践者が書かれた「実践の成果」をご紹介させていただきます。


目的・ねらい記述書、問題点連関図の作成では、
「目的・ねらい-問題-原因-解決策-改善目標(丸い三角形)」
を繰り返し検討した。

「業務上の問題点」を起点として分析することにより、
自ずと導入後の効果や、取り組み自体のポイント
(最終的な目的、問題)を自分なりに明確化(整理)
することができたと感じている。

また、システム概念図を作成することで人と業務の繋がりを
より強くイメージでき、機能一覧を加えることで、
システム全体をイメージすることができた。

補足的に(知識不足ながらも)非機能要求を検討することで、
システムの全体像や長期的な運用を考えるいい機会になった。


トランプ大統領はどうなる?

【このテーマの目的・ねらい】

目的:
 トランプ大統領の分析をご紹介します。
 アメリカの国内事情は大変だということを再認識しましょう。

ねらい:
 日本はこの大統領とどう付き合うべきなのでしょうか。
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トランプ大統領は、相変わらず強気の行動をしています。
しかし、少しは状況を考えないとよい結果が得られない
ということは分かってきたようです。

良くも悪くも過去の大統領にはない個性派で
いろいろな評価がされています。

学士會会報でも、私が気が付いたのだけでも
以下の3編の寄稿がありました。

2017‐Ⅲ号(2017.5)「トランプ大統領を考える」古矢旬
      北大・東大名誉教授、北海商科大学教授
2017‐Ⅲ号(2017.5)「僭主トランプ誕生について」岩井克人
      国際基督教大学特別招聘教授,MITドクター
2017‐Ⅳ号(2017.7)「トランプ政権と亀裂深まる米国社会」油井大三郎
      一橋大社会学博士、・東大・一橋大名誉教授

この3編からトランプ大統領の今後がどうなるか、
考えてみましょう。

1.トランプ大統領の主義主張(本音)

大統領の本音はご承知のように以下です。


1)白人至上主義
 これは根っからのもののようです。

2)アメリカ第1主義
 どこの国民も自国が一番かわいいのです。

 しかし、
 第2次大戦後の自由主義世界のリーダとなった米国は、
 共産主義の国々と戦うために、
 自由主義の他国を支援するミッションを負ってしまいました。
 それを可能とする経済力があったのです。

 ところがその余裕がなくなってきたので、
 当たり前の自国第1主義が表に出てきたのです。
 ある面で当然の主張です。

 トランプ大統領は、
 それを急激に必要な根回し・調整なしに実行するので
 問題になるのです。

 岩井氏の主張

 「米国を再び偉大に」のスローガンは、
 移民への反感、自由貿易への抵抗、金融資本への反発、
 環境保護運動への嫌悪、国際協調機関への敵視、国際安保体制の軽視
 などがその内容である。

 金融危機の張本人であるのにもかかわらず、
 グローバル化によって巨万の富を得ているエリート層に対する
 非エリート層の怒りの代弁者として登場したのである。

3)アンチグローバリズム

 グローバル化は
 米国の資本が自分たちのビジネスをやりやすいようにする
 土俵づくりの面を持っています。

 その恩恵は産業により異なっています。
 弱い産業の弱い労働者にとっては賛成できるわけがありません。

 トランプ大統領のビジネス不動産業は、
 グローバル化は直接利害関係がありません。
 これら3項目に共通しているのは、
 すべて自分がかわいいということです。
 自分の責任よりも自己主張を優先するという姿勢です。
 
 それを選挙戦で有利になるように打ち出していったということです。

 ある面で当然な思考ですが、
 単純に各国がその主張を押し通せば、
 過去の戦争時代が再来するということになってしまいます。

 そうならないように自由主義各国が長年努力してきた結果を
 単純に反故にしようとするのは、
 大国のトップとして
 やはり見識不足と言われざるを得ないでしょう。


2.トランプ大統領の支持層

油井氏

ラストベルトと言われる五大湖の南側の
かつては製造業が盛んだ立った地域で民主党に勝った。

この地域の住民は
1950年代の「古き良き米国」に強い郷愁を持っている。

しかし、NAFTAが成立した1994年以来、
工場がメキシコに移転し、
多くの労働者は失業や賃金低下の不安に直面した結果、
麻薬や酒におぼれ、
中年白人の死亡率が異常に高い状態が続いている。

それにも拘らず、民主党の指導部は大都市部の利益を優先して、
グローバルな貿易自由化を推進してきた。

大都市部には高学歴のホワイトカラーや専門職が集住し、
グローバル化の中心である金融や情報・通信分野の
仕事に従事して高収入を得ている。

大会社の経営者と平均的労働者の報酬の格差は、
60年代には30倍程度だったのに
500倍に拡がったのである(岩井氏)。

ここには大都市部と地方都市・農村部間にみられる「文化戦争」が
存在している。

(南部白人の支持)

南部は長年、民主党の牙城であったのに、
1964年のジョンソン民主党政権が公民権法を成立させ、
南部の長年の慣行であった「人種隔離制を撤廃して以来、
南部白人の保守派はこぞって共和党に鞍替えした。

白人至上主義を訴えるトランプはこの南部を確実に押さえた。

岩井氏

トランプ支持層の中核をなしているのは、
人種は白人、学歴は大卒未満、性別は男性、
年齢は中高年、地域は地方や中小都市である。

トランプ勝利の要因(岩井氏)

1)人口動態

 米国の非白人の人口成長率は白人のそれを
 はるかに上回り、
 30年後には非白人人口が過半数を占めると
 予想されている。

 トランプの不法移民を糾弾しイスラム教を
 非難し、露骨に人種差別をするトランプの
 言動は、まさに少数派に転落することへの白色人種の
 恐怖心に訴えている。

2)不当な情報の拡散

 インターネットの発達に伴う
 「脱真実」と呼ばれる現象が絡んでいる。

 流言蜚語がネットで拡散するうちに「真実」化してしまう。
 ネット空間は「衆愚」を生み出す格好の場なのである。

3)大統領選挙の仕組み

 「直接民主制」的な大統領選挙の仕組みが影響している。

 1年近くをかけての各党候補の選出、
 半年近くかけて候補間で競わせる米国の方式
 の場合には、大衆動員的な喧騒の中で、
 単に「多数の横暴」が生み出されるだけでなく、
 政治家の大衆迎合的な言説に多数が熱狂し
 その熱狂がさらに政治家を大衆迎合的にするという
 「悪循環」を生み出す可能性を持つ。

古矢氏

グローバル化の恩恵から取り残され、それによって
(失業や所得の停滞のような)相対的な価値剝奪を
経験し、社会経済的な敗者の地位に追いやられた
という痛切な自己認識をもつ中間層の人々こそが
トランプという政治的アウトサイダーの中核的な
支持者群にほかならない。

グローバル化は
新自由主義経済の恩恵が経済社会の最上層を
潤すことにより中間層をも豊かにするという
一世代続いてきた経済社会に神話の根拠が、
ついに疑われることになったのである。

上野注:非常に重要な主張です。

3.トランプ大統領の成果

ご承知のように、選挙戦中の公約でこれまでに
実現できたのはTPPからの離脱くらいです。

イスラム圏からの入国抑制は裁判所の反対で挫折、
メキシコ国境の壁作りは?
オバマケアの中止は宙に浮いた状態、
地球温暖化抑制の条約からの離脱は国内からも
反対が出ています。

アメリカの良識は現存していて、
そう簡単に過去を覆すことはできていません。

トランプ大統領の支持率は、継続して半数以下です。

極端な施策方針が全人に受け入れられるものでは
ないという反面、支持者もそれなりにいると
いうことも示していると解釈できます。

4.トランプ大統領の今後

これが一番関心のあるところです。

岩井氏

私は、トランプ政権は短命に終わると予想している。

第一に、大統領として選出された経緯に疑間が多い。
確かに選挙人数では大勝したが、
投票数ではクリントンに260万票も負けている。

それ以上に、ロシアの介入が選挙の結果を
左右したことが明らかになっており、
民意の反映という選挙それ自体の正当性が失われている。

 第二に、選挙戦中に掲げたいくつかの政策
(もしそう呼べるものがあればであるが)の間に整合性がない。

保護貿易と雇用拡大は長期的には対立するし、
国際安全保障体制の軽視と米国の軍事優位の維持も
長期的には矛盾する。

 第三に、選挙に掲げたそれらの政策と、
大統領就任後の政策との間の齟齬がめだつ。

あれだけ金融エリートを批判していたのに、
実際に任命された経済閣僚の多くは
ウォール街出身であることがその一例である。

また、最大の選挙公約であったオバマケア(医療保険制度)
の廃止は、準備の不足と議会対策の失敗から、
政権発足百日で頓挫してしまった。

 第四に、民主党が結束し始めており、
一年半後の中間選挙に大勝する可能性がある。

そうなると、二年後には大統領の弾劾が始まるだろう。

そして最後に、トランプ自身の精神構造の問題がある。

強気な言説を繰り返すその姿勢の背後には、
ひどく脆い精神が隠されている。

すでに多くのスキャンダルにまみれているが、
さらに恥ずべきスキャンダルが表面化する可能性がある。

そのプレッシャーに負けて、もっと早い段階で、
みずからの大統領の地位を投げ出すことも
大いにありうるのである。

古矢氏

アメリカ政治の近未来
この単純な対立の構図(上野注:人民大衆対特権的権益者)
が、直ちに何か具体的かつ有効な政策や政治的実践に
結びつくわけではむろんない。

その批判者たちが指摘するように、
現政権からトランプ支持者たちの利益に直結する政策が
生まれてくる可能性はむしろきわめて低いかもしれない。

それよりは、トランプの人種差別や排外主義的な言動や
法の支配の軽視やデマゴギーが権威主義的な体制を
生み出す危険性の方が高いかもしれない。

しかし、トランプのもたらしかねないこうした危険に、
アメリカの本来的な価値である自由を対置して
批判したとしてもトランプ支持者たちの
「自分たちこそがこの間もっとも自由を制奪されてきた」
という自己認識、社会認識を覆すわけにはいかないであろう。

問題は、いくらトランプを批判したとしても、
グローバリズムの下では自らが永久に
浮かび上がることがないことにすでに気づいてしまった人々、
今のままなら格差が永遠に拡大して行くに
違いないとすでに確信してしまった人々を、
何の実体的な果実も与えることなしに、
80年代以降2016年まで続いてきた幻想の中に
再び連れ戻すことは不可能であることである。

「アメリカを再び偉大にする」ためにトランプが
持つ手札は、早晩尽きるであろう。

その時、アメリカはいったいどこに向かうのであろうか。
果たして、アメリカが再び戦争という
劇薬に頼ることはないのであろうか。

油井氏

つまり、トランプの当選は、
1960年代半ば以来米国で進展してきた
人種平等や多文化共生を目指す潮流に対する
反動という側面がある。

しかし共和党主流派は
公民権法による「法の下の平等」は支持しているので
トランプ政権が白人優越的な政策を立法化しようとすれば、
当然議会との対立が発生する。

ここにもトランプ政権のディレンマが見出される。
(上野注:ここまでのことしか述べておりません)

5.上野の感想

 こうしてみると、アメリカの国内事情は、
油井氏の言われるように「亀裂が深まる米国社会」なのです。

 岩井氏の指摘する
「大会社の経営者と平均的労働者の報酬の格差は、
500倍に拡がったのである」
という事実は、放任自由競争の帰結です。

弱肉強食です。

日本ではサラリーマン役員の報酬は多くて1億円台ですから、
「格差」は数十倍どまりです。

優秀なトップにはもっと出すべきだという議論もありますが、
日本の「良識」では実態はそんなところです。

個よりもチームや和を重んずる日本文化です。

それが「この変革時代に適合しなくなっている」
という指摘がされるのですが、一長一短です。

アメリカ型の自由競争社会にはしたくないですね。

他人事ながらアメリカ社会はどうなるのでしょうか。
トランプの行く末よりも気になるところです。

週刊文春のスクープ力のすごさ!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 週刊文春編集長の説く仕事術をご紹介します。
 
ねらい:
 仕事術の教科書ですが、おもしろい気楽な読み物です。
 ぜひご一読ください。
 
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7月28日テレビのバラエティ番組で
「ドッキリ」もどきをやっていました。

芸能人に
「週刊文集ですが、
少しお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか」
と声をかけるのです。

4人が対象でしたが、
3人までは「えーーーっ?、何ですか」とビビるのです。
「心当たりありませんか?」と偽記者がカマをかけると、
「ええーっと、と、あれはなんだらかんだらーーー」と
余計なことを口走ったりしたのは斉藤司さんです。

出川哲朗さんは一番ビビってましたが何も出ませんでした。
一人だけは冷静に対応していました。
やましいところが何もないのでしょうね。

人間本格的な悪さをしていなくても、
一つや二つ後ろめたいことがあるのです。
そこをついた企画なのですが、
「週刊文ーー」と聞いただけでビビるところまで、
週刊文春の実績が轟いているのですね。

この週刊文春のスクープのはしりは、
昨年1月のベッキーの不倫でした。
そこからスクープ連発です。

そこでなぜそんなにスクープが出るのか、
新谷学編集長の「編集長の仕事術」を読んでみました。
ほとんど大賛成の内容です。
スゴイ人だということが分かりました。

----------------こういう構成です。-------------------

第1章 情報/人脈 すべてのビジネスは「人」から始まる 
第2章 企画/発想 予定調和はおもしろさの敵である
第3章 依頼/交渉 難攻不落の相手から「YES」を引き出す
第4章 組織/統率 ヒットを生み続けるチームはこう作る
第5章 決断/覚悟 リスクを恐れず壁を突破する
第6章 戦略/本質 「売れない」時代のマーケティング

著者も言っておられるように,
この内容は編集の仕事に限定したものではなく
あらゆるビジネスの基本原理です。

ポジティブを前提にしたビジネスの実践ガイドです。
慎重派には向きません。

私も企画者なので第2章の内容をご紹介しましょう。
すごく切れ味のよい文章で的確な主張が展開されます。

第2章はこういう見出しから始まっています。
この項を転載します。

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みんなが右と言っているときに左を向けるか

本章では、スクープを含め、我々がどのように企画を
生み出しているのか、その発想の原点について述べていきたい。

この仕事は正直に言って、真面目な人、オーソドックスな
感性の人はあまり向いていない。
誰もが考えつくようなことを言っても「それはそうだよね」で終わってしまう。
お金を払ってもらえるようなコンテンツはなかなか作れない。


みんなが「右だ右だ」と言っているときに
「ちょっと待てよ、左はどう?」と言ってみたり、
全く思いもよらないものを提案する。

あるいはみんなと同じ方向だとしても、さらに突き抜ける
パワーを持ったアイデアを出す。
そうしたセンスが求められている。

例えば、ショーンKさんの記事も、みんなが右を向いているときに
左を見ることで生まれた。

彼がフジテレビの「ユアタイム」のキャスターに抜てきされると
聞いたとき、多くの人は「遂にここまできたのか。すごい出世だな」
と思ったことだろう。

「超イケメンで、ハーバードMBAで、ニュースの顔。
天は何物まで与えるんだろう」と。

報道番組のアンカーマンは、社会的地位がものすごく高い。
アメリカでは大統領よりも影響力があったといわれる
ウォルター・クロンカイトやエドワード・R ・マローがいた。

世論を形成していく上で大きな影響力をもつ立場だ。

私も「ショーンKさんはそこまでのぼりつめたんだ」と注目していた。
しかし、ふと思ったのだ。
「ちょっと、できすぎじゃない?」

彼は非常に謎が多くミステリアス。
公表していたプロフィールだけでは、なかなか裏を取りにくい。

どうも人間っぽい肌触りがない。
とても人工的に作り上げられたイメージなのだ。

その一歩先、彼の「生身の人間性」が伝わってこない。
だからこそ知りたい。それが始まりだった。

早速、取材班を組んでショーンさんの経歴を調べ始めた。

取材を始めたのはフジテレビ「ユアタイム」の記者発表があった頃だ。
取材の詳細は後述するが、それから約3週間くらい取材を続け、
あの記事につながった。

「ちょっと待てよ」という違和感がスクープを生み出すきっかけに
なることがある。

取材をスタートした段階では、まさか「ホラッチョ」なんて
あだ名だったとは夢にも思わなかった。

週刊文春の記者は、毎週5本の企画を提出することが義務づけられている。
もちろん生ネタ、独自情報が望ましいが、
既に報じられていることでも企画になることはある。

ただ、新聞やネットに書いてあることをそのまま、
右から左に「こんなことが書いてありました」では企画にはならない。

そうではなくて「こんなことが書いてあったが、
こういう切り口で料理すれば、おもしろくなるのではないか」
というのが企画だ。

「○○が今流行ってます」ではなく
「流行っている現象を誰かに批評してもらう」
もしくは「その流行の背景にはこんな事情がある」など、
独自の切り口で提案すれば企画になる。

例えば「のん(能年玲奈)さんが声優を務めた『この世界の片隅に』が
流行ってます」だけでは記事にならない。

編集者は「どうすれば企画になるのか」を考えるのが仕事だ。
能年さんの特集にするのか、
監督に光を当てるのか、いろいろやり方はある。

私がまず思ったのは、能年さんが語る「呉弁」の魅力だ。
広島弁の中でも、呉弁というのは独特だ。
「言うちょる」「おどりゃ―」のように、広島の中でもローカルで荒っぽい言葉。

そして呉弁といえば、映画「仁義なき戦い」だ。
日本映画史に残る傑作も舞台は呉。
『仁義なき戦い』以来、呉弁が熱い!」というのはどうだろう、
といった話を会議でした。

このようにひとつの事象でも、いろいろなアプローチがあるわけだ。
「うちの読者がいちばんおもしろがってくれるのはどんなアプローチだろう?」
と、デスクと一緒に議論しながら考える。
「『君の名は。』『逃げ恥』が高齢童貞。処女を救う」という企画も、
あるデスクの発案がきっかけで実現した。

贅否両論あったが、なかなか興味深い問題提起になったと思う。

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この項の後ろにはこういう見出しが続きます。

糸口を見つけたら、すぐに一歩を踏みだす
仕事のおもしろさを教えてくれた「冒険家」編集長
「おもしろがる気持ち」にブレーキをかけるな

「ありそうなもの」を避け「見たことのないもの」を作れ
「ベストな選択肢」から逃げるな
私の雑誌作りにマーケティングの文字はない

「どうなるかわからない」からおもしろい
辛い時期こそフルスイングせよ
基準は自分がおもしろいかどうか」

何もない「更地」に「新たなリング」を立てる
売れる企画の条件は「サプライズ」と「クエスチョン」
「文春砲のターゲット」はどう選ぶ?
見出しがすぐに浮かぶ企画がいい企画

そうしてこの章の最後はこうなっています。

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大切なのは「どうなる」ではなく「どうする」

本章では週刊文春の企画や発想について述べてきたが、
その考え方の全ての源にあるのは「どうなるのだろう?」
という不安ではなく「どうするのか」という意志である。

前向きに考えること。そして、攻めの姿勢である。

中学生のとき、司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』を読んだ。
その後、何度か読み返しているのだが、強く印象に残っている一節がある。

沖田総司が上方歳三に
「新選組はこの先、どうなるのでしょう」と訊ねる。

上方の答えはこうだ。
「『どうなる』とは漢の思案ではない。
漢は『どうする』ということ以外に思案はないぞ」。

大切なのは「どうなるか」と心配するよりも「どうするか」である。

状況に呑み込まれるのではなく、
自分が主導権を握って状況をコントロールすることだ。

「自ら状況を変える」ということで言えば、忘れられないスクープがある。

90年代は、今とは比べものにならないくらいメディアのあいだに
ヒエラルキーがあった。
NHK、大手新聞、テレビのキー局などが上位グループ。
週刊誌は最下層だ。

ほとんど相手にしてもらえない。
捜査当局なんで門前払いだった。

それが劇的に変わったのが、「NHK紅白歌合戦」の
プロデューサーを務めた人物の横領をスクープした2004年だった。

NHKのチーフプロデューサーが番組制作費を実績のない会社社長に払い、
一部をキックバツクして懐に入れていた問題を
中村竜太郎記者がスクープし、
「NHK紅白プロデューサーが制作費8000万円を横領していた!」
と報じた。そのときの担当デスクが私だった。

NHKは発売の2日前に会見してこの問題を発表。
スクープ潰しの常套手段だが、我々がNHKの内部資料など、
決定的な証拠を持っていたため、新聞やテレビ各社の
社会部記者が「レクチャーしてほしい」と列をなした。

我々が新聞やテレビの記者にレクチャーする!
かつてを思うと、まさにコペルニクス的転回であった。

それ以前にもヒエラルキーが崩れ始める変化を感じていた。

小泉純一郎政権誕生と同時に特集班デスクとして
週刊文春に戻った2001年以降だ。

当時、
田中眞規子氏や鈴木宗男氏らのスキャンダルが国会をにぎわしていた。

週刊文春がスクープを握っているときには、
新聞、テレビなどともずいぶん協力した。

田中眞規子氏の秘書給与疑惑の際は、
文春と新潮が同着になるとわかったため、
発売前にTBSに「明日発売の週刊文春によると」
というかたちで報じてもらったり、共同通信に
「週刊文春の報道でわかった」という記事を書いてもらったりした。

こうした戦略、戦術は今も受け継がれており、
甘利大臣のスクープもまさにその延長線上にある。

情報の世界では、「ネタ」を持っている者だけが主導権を握ることができる。

自分でリングを設定し、自分でルールを作ることができるのだ。

現状を嘆くのではなく、
未来に対して「どうなるのだろう」と心配するのでもなく、
「どうするか」と自ら道を切り開く。


常にそういう姿勢でいたいものである。

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ためになる面白い読み物です。
ご一読をお勧めします。



2017年7月30日日曜日

ラジオ体操の勧め


【このテーマの目的・ねらい】

目的:
 ラジオ体操は良い運動です、
  という当然のお勧めをします。

ねらい:
 老若男女皆様、ラジオ体操に参加しましょう!

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私の毎朝のジョギングの目的地は
近くの広場のラジオ体操会場です。

私自身は、ラジオ体操はしないで、
自己流の気合い入れ体操をしています。

ラジオ体操会場に行くのは、そこに参加している
おばあちゃん、おじいちゃん、おばちゃんに会って
挨拶をするためです。

ところが、この10日間ラジオ体操をしています。
その理由は少学1年の孫娘が
小学校でラジオ体操をしているのに付き合っているのです。

夏休みになって
だらだらした生活をしないようにということで、
夏休み初日から7月一杯、学校が主催しているのです。








 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
町内会が主催しているところもあるようです。
私のジョギング目的地でもそうしています。

孫娘の小学校の出席率を見ると半分くらいですね。
6時に起きないと参加できませんから、
寝坊の親は子供を参加させられないのです。
すでにここから人生の戦いが始まっていますね。


1年生が最も参加率が高く、
高学年に行くにしたがってだんだん少なくなっています。


その小学校では6年生は前に出て体操をするようになっています。
6年生の誰かが壇上に立つのです。





それを見ると低学年からきちんとしてなきゃと思いますね。

先生が指導するわけではないので生徒の体操は、
特に1年生なんかはいい加減です。
きちんと手を振るなどせずに、ブランブランしています。

















せっかくだから指導した方がいいですね。

参加する生徒は、カードを首から下げていて
毎日、参加の判を貰います。
皆勤するとご褒美がもらえると思って頑張ります。

ところが、最終日、
係の父母たちがそのカードをただただ回収するのです。
内容を見て、「頑張ったわね」とか「良くやったわね」
とかの声かけもしないのです。
これでは頑張った生徒やその保護者(私含む)は拍子抜けです。

最終日の参加者には、
全員にカラフルなマーカ1本とジュース1パックが配られました。
ジュースは全員でもよいけれど、
マーカは皆勤者だけにとかしてほしいと思いました。

私自身、
久しぶりにラジオ体操第1とラジオ体操第2をしました。
いつやっていたのか定かでありませんが、
1はともかく第2は半分くらいしか覚えていませんでした。

それでも思い出しながら、真似しながらまじめにやりました。
暑い日でなくても汗が出るのですね。

ラジオ体操の本格派の友人が言っていました。
「冬でも汗ばむ」と。

全身の筋肉を使うようによく考えられている体操ですから、
これをきちんとやっていれば足腰が動かなくなる、
なんてことは起きないでしょう。

皆様にもお勧めです。

1.全身運動になる。
  車いすのお世話にならないでいつまでも歩けます。

2.仲間ができる。
  挨拶から始まって、だんだんお友達になります。
  コミュニケーションは一番の人間的活動です。

ぜひ近くのラジオ体操会場を探してください。
遠いくらいの方が歩く運動になってよいのではないでしょうか。

民進党はどこへ行く?


【このテーマの目的・ねらい】

目的:
 階級政党・組合政党の将来は厳しいことを再確認します。

ねらい:
 別の2大政党を期待しましょう。

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蓮舫さんが民進党代表 党首?を辞任しました。
 
蓮舫さんは、美しいけれども
「(スーパーコンピュータは)
世界一でなくてはダメなのですか?」
と素直な質問をして、見識の狭さを露呈した人です。

民進党は都議選で惨敗でした。

無党派層の支持を受けた
都民ファーストにやられてしまったのです。

そもそも民進党は、主義主張が必ずしも同じでない
多数の党が一緒になった寄り合い所帯です。

一本にまとめるのはよほどの政治力がないとできません。

さらに難しくしているのはそれぞれの会派が、
別の支持組織をバックにしているということです。

昔でいえば総評をバックにした
階級政党である社会党のようなものです。

昔は労働組合が経営者主導の経済界に対抗するために
頑張っていたのです。

先日、連合が「脱時間給」制度の創設を
一度は容認しながら傘下の組織の反対に会い撤回しました。
連合の判断は大局的観点から正解です。

それに対して反対表明したのは、
一部の時代遅れの組合の短期的思考のエゴです。
こういうエゴの有象無象を集めたら衆愚政治にしかなりません。

屋上屋の組織では的確迅速な意思決定ができないのは、
企業も社会も同じです。
知事選あるいは米国の大統領選挙のような直接選挙は、
民意が即刻反映される仕組みなので変革対応には有効です。

今や、組合組織対象外の非正規労働者が3割です。

正規労働者も組合活動やその延長の政治力で
待遇が改善されると思っている人は少なく、
企業が発展することが待遇改善になると思っています。

経営側と戦うのではなく協力するのです。

組合政党が廃れるのは時代の流れです。

その点、共産党や公明党は直接個人を党の構成要員としています。
組合ではなく、個人が望むことを実現する政策を掲げます。

公明党は宗教団体を基盤にしていますが、
公明党=創価学会ですから直接個人が構成要員です。

共産党はもっと単純です。

共産党も今や共産主義を標榜しているわけではありません。
地元民・個人のために地に足のついた活動をしています。

私も地域選挙では、
わが家が立ち退きになる不当な都道建設に反対している
共産党に投票しています。

都民ファーストも直接個人を対象にしています。
民意を汲んで党が方向性を出していけばよいのです。

分かりやすい組織原理です。

民意を取り違えるとたちまち没落のリスクは抱えています。

社民党は消滅寸前ですが、
民進党も発展は難しいでしょうね。

私は、都民ファーストが橋下さんを仲間に引き入れて
小泉進次郎・石原伸晃の自民党と
2大政党で競う政界が正解ではないかと思います。

安倍さんは「人を見る目」が弱い!

【このテーマの目的・ねらい】

目的:
 「人を見る目」について考えてみます。
ねらい:
 どうやったら「人を見る目」を強くできるのでしょうか。
―――――――――――――――――――――

稲田防衛大臣が辞任しました。
安倍内閣の大臣辞任者は6人目だそうです。
金銭疑惑の人もいますが、失言者が目立ちます。

記憶に新しいのは、今村復興相が
「(東北大震災は)東京でなくてよかった」
と言ったものです。

東京だったらもっともっと大変だったということで、
間違ってはいません。

しかし、
東北大震災で被害にあった人の気持ちを逆なでした
ということでアウトになりました。

この発言は東北でしたのではなく、党内の会合です。
つい油断したのでしょう。

今回の稲田さんの最後の失言
「(都議選は)防衛大臣としてもお願いします」も
選挙応援演説の熱気の中で出てきてしまったものです。

稲田さんは、冷静な時の判断力はしっかりしていて、
テレビの座談会等での意見はまっとうで
信頼できるものでした。

私も期待する人材でした。

安倍総理もそのような点を評価して、
女性活用の一環もあり大臣に任用したのでしょう。

失言は「政治的に」未熟ということになります。

ベテランの政治家は、微妙な問題、難しい問題の時には
曖昧な返事、なんともとれる返事でごまかします。

政治的発言というものです。
それが政治家です。

安倍さん自身も
「こんな人たちに負けるわけにいかない!」

大失言していますから、政治家としては未熟ですね。

6人も辞任者が出ているということは、
安倍さんは、「人を見る目がない」ということになります。

安倍総理は、日本の経済、防衛、外交等の判断は的確であり、
実行力・行動力もあり、大いに期待しているところです。

ですが、これは昭恵夫人の問題かもしれませんが、
あのおかしな籠池氏を信用してしまうとか
人を見る目には欠けるところがあるようです。

かく言う私も、
人を見る目でここのところ立て続けに失敗しています。
 
人柄の良い社長が、
前向きの返事をされたので結果を期待していたら、
いつまでたっても決められない、
挙句には社内のせいにしているのです。

人を見る目のある、ある人に聞くと
「当然そうだ。あの人はダメ」というのです。


「人を見る目」は、判断力の一部でしょうが、
敵か味方かを見分ける動物本能に近いのかもしれません。


太古であれば敵にやられて生きていませんね。


動物本能だとすると、なかなか強化できませんから、
補佐役に依存するしかないのでしょう。
今度の内閣改造ではそうしてほしいですね。


―――私も可能な限りそうしなければ、と思います。