目的:
衆議院選挙結果の分析をご紹介します。
ねらい:
今後のより意義ある選挙の実現に期待しましょう。
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「衆議院選挙の結果総まくり」は、
上野の分析を中心に以下のブログでご紹介しました。
その後いくつかの新聞報道がありましたので、
記録として留めておきたいと思います。
その1:日経新聞11月7日1面トップ記事
「投票行動分析」「日本に潜む政治の分断」
今回の衆院選について共同通信社の出口調査のデータを用い、
世代別や男女別に選挙を実施したらどうなるかを試算してみた。
全国289の小選挙区について各層別に最も得票の多い候補者を割り出した。
比例代表は全11ブロックの各党ごとの回答数をもとに
ドント方式で階層別に選挙した場合の議席数を算出した。
当記事に基づき表は上野作成
区分 |
仮定計算結果の議席数と実数との差 |
||
自民 |
5野党 |
維新 |
|
40歳未満 |
296 +35 |
95 -26 |
45 +4 |
60歳以上 |
223 -38 |
? |
? |
女性層 |
230 -31 |
149 +28 |
46 +5 |
区分 |
小選挙区だけの仮定議席数と実数との差 |
||
自民 |
5野党 |
維新 |
|
40歳未満 |
215 +26 |
42 -23 |
17 +1 |
女性層 |
15 -56 |
91 +26 |
18 +2 |
自民党の支持は、若い世代に多く、高齢層と女性層で低くなっています。その理由について、以下のように解説されています。
若い世代は経済が成長せず、
社会保障改革が進まなければ将来負担が膨らみかねない。
この危機感が自民支持に傾く背景と考えられる。
改革を強調した維新が近畿を中心に伸びた要因とも言えそうだ。
埼玉大の松本正生名誉教授は
「30歳代は旧民主党への拒否感を持つ層が厚い」と指摘する。
民主党政権下で就職活動を経験した年代にあたる。
20歳代は「そもそも政治への期待値が低い」と話す。
一方で社保改革のあおりを受けかねない高齢者は
分配志向の野党への支持を強めたとみられる。
新型コロナウィルス禍で雇用や生活の打撃が大きい女性、
感染が広がった大都市部は政権不信が根強い可能性がある。
(上野注:掲載省略しましたが、
自民の都道府県別の比例代表の得票率は、
2017年比で近畿他の大都市部で下落しています)
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上野コメント:
投票者層により選択が異なるのは当然のことです。
それが確認できたことはこの分析の意義があります。
問題は、次の「投票に参加しない人たち」です。
その2:日経新聞11月4日 コラム記事
「政治の危機」「不参画 民主主義危うく」
6割弱の人で日本のかじ取りが決まるようになって久しい。
衆院選小選挙区の投票率は2012年以降、4回連続で50%台だ。
今回は55.93%と前回17年の衆院選より2.25ポイント上がったものの、戦後番目に低かった。
かつては7割前後だった。
低水準が普通になったのは初めて60%を割った1996年からだ。
「候補者よりも政党を選ぶ」ともいわれる小選挙区制を導入した年だ。
党首や公約で選ぶやり方が原因なのだろうか。
中略
日本経済新聞社などの世論調査で、「支持政党なし」と答える無党派層は3割程度いる。
共同通信の出口調査によると、
今回の衆院選で投票した人のうち「支持政党がない」と答えて人は1割だ。
無党派層の多くが投票に行かなかったのが低投票率の理由とみられる。
政治参画に消極的な人が増えれば、
政党は資金力や票を持つ組織しか相手にしなくなる。
あるいは投票率の高い高齢者向けの政策を優先する「シルバー民主主義」か、
トランプ氏のように極端な支持層に訴える分断の政治を招くのか。
民主主義を脆くするのも強靭にするのも有権者の選択だ。
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上野コメント:
そのとおりなのですが、この状況はどうすれば改善されるのでしょうか。
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