【このテーマの目的・ねらい】
目的:
身近な問題・ごみ収集テーマについて考えていただきます。
ねらい:
もっと積極的にごみ収集に関わっていきましょう。
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目的:
身近な問題・ごみ収集テーマについて考えていただきます。
ねらい:
もっと積極的にごみ収集に関わっていきましょう。
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当テーマは、大東文化大学法学部准教授藤井誠一郎氏の
「ごみ収集とまちづくり」のご紹介です。
著者の本書出版の意図を「はじめに」で確認いたします。
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2020年4月の第1回のコロナの緊急事態宣言で、
感染者のいる施設や住居からのゴミ収集の従事者は、
医療・福祉関係者とともに「エッセンシャル・ワーカー」であるとして
世間の注目を集めた。
そして、清掃従事者への感謝状がゴミ袋に貼られるようになった。
しかし、その状況も何回かの緊急事態宣言を経て、
元の状況(感謝なし)に戻ってしまっている。
(以上は上野要約)
このような状況において、筆者が考える、本書を通じて達成したい目的は、
今後到来するであろうポストコロナ社会において、
多くの住民に清掃事業への参加を促していきたいということである。
清掃事業への住民参加は様々な面に見られ、主にはごみの削減、分別の徹底、
リサイクルの促進、町内又は街の美化活動等が挙げられようが、
とりわけ自らの地方自治体の今後の清掃サービスのあり方や提供体制についての
議論が住民サイドから起こり、その議論が深まり、
あるべき清掃事業の形が展望されていくことを期待したい。
というのは、昨今の自然災害や今般のコロナウイルスの感染拡大により、
清掃サービスのあり方自体が大きく問われようとしているため、
住民が自らの地方自治体の清掃事業をいかに維持していくのかについて
思考を巡らせ、学習を重ね、そのあり方を展望していくような
自治が展開されていくことが必要不可欠になっていると思うからである。
(中略)
(中略)
本書では、清掃事業の入口からもう一歩中に踏み込んで視野を広げ
清掃事業の奥深さを伝えるとともに、
体系的に清掃事業を把握するためのツールを提供していきたい。
誇りを持ってごみ収集の現場で活躍している方々の様子(第1章、第2章)、
それにもかかわらず進められていく人員削減の状況(第3章)、
コロナ禍での清掃行政の実態(第4章)
清掃職員への感謝の意が伝えられる一方で
これまで詳しく伝えられてこなかった清掃差別(第5章)
男性職場における女性の活躍(第6章)、
住民と行政の協働による繁華街の美化(第7章)
さらには産業廃棄物業界の概要とそこで推進されているDX(第8章)
までにも視野を広げ、
筆者がこれまでの調査で知り得たことを全て本書にて伝えていこうと思う。
それにより、読者の皆さんが自らの地方自治体の清掃事業の実態を把握し、
あるべき姿を考える一助にしていただければ幸いである。
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私自身は、清掃には非常に関心を持っています。
身近なところでは、
我が家の周りの道路(四辻を挟んで4本)を1年365日、
毎朝掃除をしています。
「ごみ」はそのほとんどが、
我が家の、河津桜、ブーゲンビリアなどの花と葉っぱですから
当然の責任行為なのです。
毎朝のことですから、イヌの散歩の方とかと馴染みになります。
挨拶を交わすのは楽しいものです。特に美女とは(?)。
資源ごみの集積所もわが家の前に設置していて、
集積容器の出し入れもしています。
10年ほど前、孫娘はまだ1歳の頃、資源ごみの回収トラックに
紙や段ボール類がボーン、ボーンと放り込まれるのに
強い興味を示しました。
それで、毎朝8時にこのトラックが来るのを待っていました。
トラックが向こうの角からこちらに曲がってくると
「ゴミシューシューシャ、ゴミシューシューシャ!!(が来た)」
と言って大はしゃぎしました。
そのお兄さんとも仲良しになり撮った写真がこれです。
(あまり嬉しそうな顔をしていませんね。人見知りなのです)
著者は、清掃従事者と住民の交流は、いろいろな意味で重要だ
と言っていますが、それを実践していたということです。
わが家の前にある
千坪ほどの大きな公園のゴミの片付けをしていた時もありますが、
今は近所の奥さんがやってくださっていますので、
私は子供たちが遊ぶ乗り物玩具の整理だけをしています。
わが家のごみ出しにも気を使っています。
ときどき行う樹木の剪定で出た枝木は小さくして
取り扱いやすいようにまとめます。
一度、1回に出せるごみの数に制限がある(現在は4個)ので
一つを大きくしたら「あまり重くしないでください」
と指摘を受けたことがありました。
近所の「ゴミ屋敷」の片付けを手伝ったことは、
以下のブログに書きました。
以下に、本書で私が関心を持った点についてご紹介いたします。
1.ゴミ収集に対する偏見(著者は「差別」と言っている)
昔は「ゴミや」と言われていた。
「くさい」とか「汚い」とかの暴言を浴びせられた。
学校の2階の窓からごみ収集を見て、先生が生徒たちに
「君たちも勉強しないとああなるぞ」と言った。
今もまだまだ、
住民の快適な生活を維持するために不可欠の重要な仕事である
という認識は不十分である、と述べられています。
そうだと思います。
2.事前打ち合わせの充実ぶり
毎日、決まったところに来るだけだと思っていましたが、
出発前に20分程度、
当日の収集予定。特記事項(道路の工事状況等)について確認し、
対応を検討している、ということが報告されていました。
たくさんのリスクがあるのです。
1)収集車の圧縮版に巻き込まれる
これが最大のリスクです。過去に死者が出ました。
そのため、停止スイッチは3個もついているのです。
この圧縮力の強さには日ごろから感心しています。
1台の収集車に凄い量のごみが入ります。
それだけ強い圧縮力ですから巻き込まれたら即死です。
2)ゴミ袋が破れてゴミが散乱する
丁寧に扱うしかないのですが時間制約との勝負です。
3)収集車で圧縮の際にゴミ袋の中の液体が飛び散る
通行人がいれば、通り過ぎるまで待つ。
自分がゴミ袋を収集車に入れ込むときの立ち位置を考える。
4)ゴミ容器の破損
長年使用して劣化していても破損すれば補償となる。
丁寧に扱うしかない。
「新しくしてくれ!」と言いたくなるでしょうね。
5)収集漏れ
戸別収集の場合、現地の確認をいい加減にしない。
6)カラス対策
カラスが袋を破って散乱させます。
「ネットをかけてください」と強制できない。
散乱したゴミは集めて拾わなければならない。
時間制約との絡みでつらいところです。
これまで、我が家では、カラスの被害は受けていなかったのですが、
1月ほど前に、カラスがどういう風に考えたのか分かりませんが
はじめて、お向かいさんとわが家がやられました。
そこで地元の清掃事務所に防御ネットはもらえないのか?
と聞きましたところ、マンション等とかの集合ゴミ出し場用には
用意しているが、個別の家庭用は自分で買ってください、
ということでした。
そこで近くのホームセンターで1500円位のネットを買い、
半分に切って両家で使っています。
当然ですが、それ以来カラスの被害はありません。
4.戸別収集の是非
家庭ごみの収集方法は、
ステーション(置き場)方式と各家庭ごとの戸別収集とがあります。
国立環境研究所の2020年の939自治体から回答を得た調査によりますと、
全国で8%(75自治体)が戸別収集をしているようです。
戸別収集は、以下のメリットがあります。
1)分別の徹底(これが最大の狙いです)
2)ごみ出しの責任意識の向上
3)出すのが楽
4)収集従事者との交流強化
回収の手間は増えるでしょうが、分別不備によるロスを考慮すれば、
コスト増だけではないので、
私は、責任意識の向上という観点から、ぜひ進めるべきだと考えます。
我が住まいの品川区は戸別収集です。
5.資源ごみ分別収集の方法
品川区では、資源ごみは、
新聞雑誌などの古紙、ビン、缶、ペットボトル、その他のプラスティック類
に分けて回収しています。
金属・硝子、粗大ごみは別です。
この回収は、4区分ごとに別のトラックがやってきて積んでいきます。
ところが、本書で 新宿2丁目での取り組みで、
これらを一緒に回収し、最終処分場近くの拠点で分別作業を行う、
という民間事業者の方法の紹介がありました。
この方法だと、何台もの車が広い範囲を回らないで済みます。
どちらの方法が安いか検討すべきだと思います。
というように、ごみの回収については、
著者の言われるように、まだまだ改善の余地がありそうです。
「ゴミ」扱いをしないで、有識者が知恵を出すべきです。
6.新宿2丁目の取り組み
1章を割いて紹介されています。
新宿2丁目の旧赤線地帯、現在はゲイバーの多い遊楽街のことです。
2019年の初めには、
一切のごみが一緒くたで集積所近辺に出されていました。
どんなごみも分別せずに、洗濯機などまで、
産業廃棄物なので有料であるにもかかわらずシールが貼られていないで
出されていました。
しかも新宿区では街の美観を損ねるということで、
そのままを毎日回収をしていました。
それをいいことにしてますます無法が広まる状況でした。
回収してくれるのだから、これでいいのだろう(分別しないで毎日出す)
と、事業者・住民は考えたのです。
まさにどんどん悪循環です。
これに対して、2代目の若手ビルオーナーが、
これはいかんだろうという問題意識を持って改善に取り組みだしました。
少しずつ同調者を巻き込んでいき、
集積所をやめて戸別回収にするというハード面と
事業者の意識改革とを合わせて進めました。
素晴らしい改善事例です。
改善アプローチの王道を熱意を込めて実践しているのです。
世界一清潔な街を目指して今も奮闘が続けられています。
皆さん、新宿2丁目を一度見に行って見ませんか。
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