2021年11月23日火曜日

「六丁川心中」が出版されました!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 偉才小松能人氏の「六丁川心中」が刊行されたことのお知らせです。
ねらい:
 素晴らしい小説です。ぜひお読みください。
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私の帝人時代の友人である道本正毅氏(ペンネーム小松能人)が
この3月に「夭折」されました。
誠に残念なことです。

この件につきましては、以下のブログでご報告しています。

そこで、仲間が相談して彼の代表作を出版することにし、
この度無事、アマゾンから電子出版されました。

その表紙がこれです。



















ペンネームの小松は、
彼が石川県小松市の出身であることに因んでいるものです。
この作品の末尾に掲載されている「本書推薦のことば」を
以下にご紹介します。
皆さまもぜひ読んでみてくださいませんか。
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当小説は、人間にとっての最大のテーマである恋と性と死について
正面から取り組んでいます。
「恋の展開」
当小説は「幹夫」が主人公の形で展開されますが、
「幹夫」は舞台回しで実質的主役ではないと思われます。
主役は、この小説の縦糸である「幹夫と麻衣子」2人の恋の展開です。
5,6歳から始まり、充実した小学校時代を経て、
しばらくの冷却期間をおいて、
強烈に再燃する18歳で終る劇的な物語りです。

「性」
主人公の女性2人、麻衣子とトメ子は絶世の美人(「別嬪」)なのですが、他にも「別嬪」が登場します。
そのいずれの「別嬪」も性関係が描かれます。
いずれも、興味を惹かれる意外な性関係です。

「死」
主人公たちの死以外に、複数の友人の病死、高校1年女性の抗議死、
信頼する先生の結核死、などが描かれています。
それらの多くの死が、最後の主人公たちの死に収れんしていくのです。

「主テーマ」
作者は以下を伝えたかったのではないでしょうか。
「人間は、人に知られていない、あるいは人に知られたくない裏の面を持っている。それが人間社会一般の状況である」
主人公たちは、はたから見ると一見幸せそうな人生を歩んでいるのですが、実は隠された裏の面を持っているのです。

その裏の面の発現を、充実した生の対極にある死、
その悲惨な実現である心中という局面で描いたのが当作品です。
しかもその心中は、男女の心中、あるいは一家心中ではなく、
女性同士の心中、なおかつ同居中でなく別環境で生活している二人の心中という稀な状況なのです。

主人公たちの重大な裏の面が死に結びつているのですが、
他の人たちにはそれが知られていませんので、
主人公たちがなぜ死に至ったのかは、周囲の人間には分からないままです。

しかし、読者にはその二人の裏の面が知らされていて、
二人の心中にはあまり違和感なく受け止められるようになっています。
素晴らしい作者の文才です。

「脇役の活躍」
人生では親兄弟をはじめ多くの人たちとの関わり合いがあるのですが、
当小説でも多くの脇役が個性を持って登場します。
当小説展開の横糸です。
その人たちの生きざまが、
彼らが今そこにでもいるかのように生き生きと描かれています。
この程度の短編小説で、
それだけ多くの登場人物が生き生きと描かれている例は
珍しいのではないでしょうか。
作者の非凡な才能が窺われます。

「時代背景の描写」
時代背景としての終戦前後の社会情勢も丁寧に描かれています。
敗戦の玉音放送の状況、食糧難の状況、不法な闇米の入手、
大相撲大会や盆踊りなどの祭りのイベント、
などが歴史考証にもなるほど具体的に示されています。
そして、現代的な「モンスターペアレント」も登場します。
前掲の女性の抗議死は、昨今多い若い女性の自死の先駆けです。

それらのすべてが奔流となって、
悲しい結末にとつながっていくのです。
読者はこの物語が本当にあったことのように思い、
亡くなった登場人物の方々のご冥福を祈りたくなります。

因みに、六丁川という川は石川県には、
そしておそらく全国どこにも、存在しません。
石川県小松市を流れる一級河川梯川の支流に八丁川という川がありますが、
小さくて心中ができるような川ではありません。
六丁川という名称は八丁川からとったようですが、
小説の舞台になったのは本流の梯川の方だと思われます。

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