2021年11月25日木曜日

「100万回死んだネコ」って何でしょう?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 図書館のレファレンスサービス(司書業務の一部)
 を知っていただきます。
ねらい:
 今後、本を探すときのヒントにしてください。
 (なりますかね?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本項は、福井県立図書館著「100万回死んだねこ」のご紹介です。













本書発行の背景になっている図書館での司書業務の意義が
解説されている「はじめに」をご紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
図書館は本の貸し借りをするだけの場所ではありません。
大きな役割の一つに「レファレンス」があります。
簡単に言えば、利用者が探している”情報”にたどりつけるよう
司書がお手伝いをすることを指します。
「こんな本を探しているんです」と尋ねられたとき、
私たちはクイズさながら「ピンポン!それはこちらの本では?」
と瞬時に答えているわけではありません。
「著者の名前はわかりますか?」
「どこで本のことを知りましたか?」
「いつ頃出版されたものかわかりますか?」
そんなふうに利用者に質問を重ねた上で正解を見つけています。
この一連の流れがレファレンスサービスです。
(中略)
(本書は)ただおもしろがってもらうためだけに
「覚え違いタイトル集」を公開しているわけではありません。
カウンターに来られる利用者のなかには、
すでに館内の検索機で探したけれど見つからなかった
という方もいらっしゃいます。
図書館の検索システムはGoogleと違って厳密で、
ちょっとした間違いがあるとヒットしません。
「覚え違いタイトル集」を読むことで、
間違えやすい部分に気づくようになり、
自分で目当ての本にたどり着くためのヒントになるのでは?
というのも目的のひとつです。

同時に、「カウンターで相談するのもねぇーーー」と
ハードルを高く感じていらっしゃる利用者に
「こんな風に全然間違っていても気軽に聞いていいんだな」
と知っていただきたい、と考えています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なるほど、そうなのですね。
以下に、本書で示されている
利用者がいい加減な要求をした90件の例の中からいくつかをご紹介します。
面白いものがありますね。

誤った書名など

正しい書名

夏目漱石の「僕ちゃん」

「坊っちゃん」

「白い器」

松本清張の「砂の器」

「衝撃の巨人」

「進撃の巨人」

カフカの「ヘンタイ」

「変身」

「人は見た目が7割」

「人は見た目が9割」

フォカッチャの「バカロマン」

ボッカッチョの「デカメロン」

「ハーメルンの音楽隊」

「ハーメルンのふえふき」

「ひやけのひと」

「火宅の人」

昔からあるハムスターみたいな本

「ハムレット」

「海の男」

「老人と海」 (ヘミングウェイ)

これこれちこうよれ

「日日是好日」

だいぶつじろうの本

大佛次郎

池波遼太郎の本

司馬遼太郎または池波正太郎


本書の解説のイメージを以下に示します。
多くの例は、表裏1頁ずつで示されています。

ところで、本書の内容はたいへん興味深いものではありますが、
特殊な内容ですので、何部くらい売れるのかを想定してみました。
1.前提となる数の確認
 1)全国の図書館数
   2020年文科省調査 自動車図書館542、それ以外の図書館3,316
 2)全国の司書の数
   2015年文科省調査 常勤5,410人、非常勤9,593人
2.本書購入数の推定
 1)すべての図書館が1冊購入するとする。約4,000冊
 2)司書は2分の1は勤務する図書館のを見る。
   残り2分の1の半分が購入するとする。7,500÷2≒4,000冊
 3)司書以外の一般読者(研究者等含む)は、
   司書と同数購入するとする。4,000冊
 4)合計販売数想定 12,000冊
1万部超えるのですから、出版としてはまずまず成功の部類と言えそうです。



0 件のコメント: