2022年8月8日月曜日

「血液型人間学は科学的に実証されている!」ですって??

【このテーマの目的・ねらい}
目的:
 「血液型人間学」に関する書籍をご紹介します。
ねらい:
 本書のタイトルにあるように、血液型人間学の根拠を
 早く「科学的に実証」したいものです。
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本テーマは、岡野誠ABO式細胞型人間学研究家の
2016年刊行書のご紹介です。


血液型人間学の研究者を自称している私が知らなかった本でした。
しかしながら、
本書の署名「「血液型人間学は科学的に実証されている!」は
誇大表示です。

それはともかく、本書は以下の章立てです。
第1章 本来の血液型人間学とは4つの性格の話ではない学術的なものだ!
    本件を血液型占いと同列に扱うなかれ!
第2章 血液型は細胞型の問題と理解しろ!
    流れる血液成分の問題ではなく、人体各細胞に絡む問題だ!
第3章 血液型と色気の問題
    ABO式色気の違いから明るさ暗さの種類を実感しよう!
第4章 ABO式細胞型人間学が人への興味を倍加させる
    そして、引きこもり問題をも是正する!
第5章 ABO式細胞型から分析するスピーチ能力の違い
    ABO式しゃべり方の違いを意識することで、
    人とのコミュニケーションを楽しく開花させる!
第6章 ABO式統計学によって科学的に実証される血液型人間学
    (ABO式細胞型人間学)
    各スポーツジャンル等特定群衆データの分析をすることで、
    統計学の面白さを実感しよう!
第7章 血液型裁判とは何か?
    本来の血液型人間学とは、統計学を駆使したもので、
    占い系やお遊びな4つの性格式のものと同列に論じられない
    学術的なものであることが高裁で立証された!
第8章 ABO式細胞型人間学は人を差別するものではない!
    差別と偏見にはしない正しい知識の論じ方!
第9章 やはりABO式細胞型人間学の醍醐味は色気としゃべり方!
    そして、ストーカー問題をも打開する!
最終章 やはりABO式細胞型人間学は科学的に実証されている!
    何が性格学の王道かを世に認知させるべく、
    既得権益者の各心理学会と血液型占いの輩との
    三つ巴の戦いは今後も続く!

本書でも明らかにされていますが、科学的に実証されているのは、
「血液を含むすべての細胞の表面に
A型,B型,O型を区別する糖鎖物質が存在している」
ということだけであって、
それがどうして思考行動特性の差になっているかは
証明されてはいないのです。
「実証」は、
上掲の表紙の左側に表示されている「ABO式糖鎖」の違いが
どのように脳の働きに影響を与えているか
の解明でなければならないのです。
本書の主張は、物理的に糖鎖物質の差があるのだから、
それが思考行動特性に影響を与えているであろうことは
想像に難くない、というレベルなのです。

明らかに勇み足の書名です。
こういうことがあるから、
ますます「血液型人間学」に対する不信が増大するのです。
「負け犬の遠吠え」は受けません。

本書の大半のページは、有名人の血液型が何型か、
ということに割かれています。

価値があるのは、
著者が「放送倫理・番組向上機構(BPO)」を相手取って起こした
2004年の「血液型を扱う番組に対する要望」の取り下げ要求訴訟です。
高裁まで争いましたが、
「この要望は必ずしも科学的根拠のあるものについてまで
自粛を要請するものではない」として敗訴しています。

著者は、
「科学的根拠があるものがありうることを認めたのは前進である」
と評価しましたが、この「要望」は改訂されることなく存在し続け、
現在も血液型と性格に関連するテーマの放送はされていません。
著者の活躍の場もないのです。

私は、早く、
以下の二つの仮説を実証する機会が実現することを期待しています。
2020年10月2日

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