目的:
日銀の政策目標の不当性を指摘します。
日銀黒田総裁のインタビュ―記事が載りました。
2013年の就任時に掲げた「物価上昇率を2年程度で2%にする」
という公約の敗北宣言をせずに
「今後も金融緩和政策を続ける」と主張しただけでした。
2013.4.1
上野則男のブログ: 物価上昇率2%は日銀の責任なのか? (uenorio.blogspot.com)
2013.4.15
上野則男のブログ: 物価2%アップは日銀の責任か!再論 (uenorio.blogspot.com)
その要旨を、「再論」の方から転載します。
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前稿で私が申しあげたのは、以下の点です。
1.アベノミクスの積極政策は高く評価する。
2.金融緩和も必要である。
3.ですが、物価上昇率目標達成を日銀の責任とするのは
筋違いである。
4.なぜなら、物価は需要と供給のバランスで決まるのだから
金融政策は間接的な機能しか果たしえない。
ところが不勉強でしたが、その後
4月7日の日経新聞での「検証」という解説記事を読みましたら、
以下のことが分かりました。
金融の量的緩和は、物価上昇(脱デフレ)に有効かどうかは
1990年代後半から15年に亘って
学者の間で議論されてきたテーマである。
有効だと主張する側には
岩田規久男現日銀副総裁(当時上智大学等の教授)
エール大学jの浜田宏一名誉教授
ポールクルーグマンMIT教授
これに反論して、金融政策の限界を唱えた人や
物価は需要と供給のバランスで決まると主張した人は、
吉川洋東大教授
小宮隆太郎東大名誉教授
翁邦雄(当時日銀、京大教授)
日銀がいくら民間銀行に資金を供給しても
不況で借りる企業がないので世の中にお金は流れない
という主張でした。
(経済学をあまり勉強しなかった経済学部出身の上野としては
量的緩和の効果については、複数の実証研究が行われましたが、
分析機関やデータの解釈によって、
「効く」「効かない」と正反対の議論が出ているそうです。
おそらく効果がまったくないということはないでしょう。
どの程度効くのかの議論であって、
それを学者さんたちが、自分に都合のよい土俵を作って
争っているとしか思えません。
私の主張は、
物価上昇は他の要因(実体経済の需給関係など)によって
影響されますので、
日銀が責任を持ちます、と啖呵を切れる問題ではないでしょう、
ということです。
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今回、物価上昇の要因についてもう少し検討してみます。
基本的には、物価は需要と供給の関係で決まります。
需要>供給なら物価上昇
需要<供給なら物価下落
需要側がそれを受け入れなければ、物価は上昇しません。
2 件のコメント:
上野さんご指摘のように、日銀が物価2%上昇目標を実現するのは困難だと思うし、実現できてないのに軌道修正しないのもおかしいと思います。この間、株の買い支え・上昇のために巨額のお金が使われ、抜き差しできない状況に陥っています。日銀、年金機構が株を支えきれなくなれば(売却せざるを得なくなれば)株価は暴落です。このことは多くの人が知っており、日本の株高、日本経済は砂上の楼閣だと思います。今の日銀のメンバーはこの責任は何も取らず、任期が来れば止めるだけです。コロナ禍と合わせて、日本経済は正念場を迎えていると思います。蓄積のない家庭は大きな試練を迎えることになるのではないでしょうか。そして、国、地方自治体の税収は不足し、いつまで札束を増刷(国債発行)することで耐えられるか、不安がいっぱいです。・・・悲観的なメッセージで失礼しました。
尚、日本の食料自給率は37.17%(2020年)が正しいと思います。この面でも、日本は脆弱な基盤の上で運営されてされていると思います。根拠はありませんが、最低60%くらいには上昇させたいものです。
匿名さん
貴重なご意見ありがとうございます。
食料自給率ですが、37%とかいうのはカロリーベースの自給率で、生産額ベースでは66%です。しかしこの66%の自給率の基になっている畜産品の飼料は輸入に頼っているので実質はもっと低いと言われています。それで本項では大ざっぱに半分としました。説明不足で申し訳ありません。
今後ともご意見の投稿をよろしくお願いいたします。
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