目的:
あらためて、DXの成功要因を確認してみましょう。
ねらい:
どうすれば、トップの強いリーダシップが実現できるか
考えてくださいませんか。
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起点かつ最大の成功要因は、トップの「強い」リーダシップです。
1)2012年10月26日
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私の書庫をひっくり返していましたら
MIND-SA実践研究会編「業務革新ガイドブック」という
1994年初版刊行の書籍が出てきました。
本書の監修をしてくださった青山大学学長を務められた
鵜沢昌和先生にはたいへんお世話になりました。
2019年2月に100歳のご長寿でお亡くなりになりました。
あらためてご冥福をお祈りいたします。
バブル崩壊で混迷していた日本に、
米国からマイケル・ハマーの「リエンジニアリング」が
経営革新の切り札として紹介されブームを巻き起こしました。
リエンジニアリングの基本思想は、
「今の仕組みを白紙に戻して一から考え直せ」
というものでした。
ブームと言っても話題としてです。
「これは別に珍しいことではないではないか」
「日本のギョーカクとどこが違うのか」
となって実践のブームにはなりませんでした。
そこで当書の編者たちが、実践のガイドを出そうということになって
この本が出たのです。
そこでの業務革新の成功要因は以下のとおりだとされています。
業務革新の成功要因 |
概要 |
1.トップの強いリーダシップ |
トップが明確な意思を持って旗振りをする必要がある。トップの本気度によって会社は動く。 |
2.ミドル・マネージャの積極的参画 |
現場を率いる部長クラスの積極的参画が必須条件である。 |
3.強いプロジェクト・チーム |
業務革新を検討する強い問題意識を持ったメンバによるプロジェクト・チームが具体的な業務革新を検討する。 閑職者や片手間では革新はできない。 |
4.明確な革新目的の設定 |
全社としてはトップが提示する。それを受けて各部門が自分たちの革新目的を設定しその実現に立ち向かう。 |
5.有効な基本アイデアの導出 |
革新を起こすためには、改善型でない解決策が必要で、そのアイデアを絞り出さなければならない。 |
6.情報技術(IT)の活用 |
有効なIT活用策を考案しなければならない。 |
7.方法論・支援ツールの活用 |
有効かつ効率的に検討を進めるための方法論やツールの活用が必要である。 |
起点かつ最大の成功要因は、トップの「強い」リーダシップです。
単に、トップが指示をしても、部下が動くわけではありません。
普通は「聞いておく」ということになります。
普通は「聞いておく」ということになります。
ところが本気でやる気を示せば、
よほどの状況でなければ部下たちは動きます。
動かないと、自分のクビが危なくなります。
部長たちが動けば、業務改革の推進メンバに優秀な人材を振り向け
「強いプロジェクト・チーム」ができます。
トップは、強いリーダシップで
「業務革新の目的」を明確に示します。
「当社は何のために業務革新を推進するのか」です。
強いプロジェクト・チームは、
どうすればその目的を達成できるかを探求して
業務革新が実現できる「基本アイデア」を考え出します。
その際,ITの有効活用は必須条件です。
また、全社で共同して業務革新を進めるためには、
推進の手法やツールが必要です。
いかがですか。
「6.情報技術(IT)の活用」を,DX技術の活用に代えれば、
「6.情報技術(IT)の活用」を,DX技術の活用に代えれば、
DXの成功要因になるのです。
「DXの成功要因」とかいう解説が多数出回ってますが、
DX固有の条件はほとんどありません。
基本的には、経営革新、業務革新の成功要因なのです。
システム企画研修社の経験では、
「トップの強いリーダシップ」で大きな成果を上げた経営改善として
MIND-VIP(価値観変革プログラム)があります。
トップが旗振りをして、部長たちが部下を率いて、
自分の部門の改善を実施するのです。
半年限定で、
自己責任で完遂でき、定量的に成果が把握できる、改善を実施します。
「基本アイデア」の例を二つ示します。
その1:K電気工事会社のある支店での改善事例
・この支店にはラインとして、
営業部門、設計部門、工事部門が存在する。
・ それまで、営業部門は、顧客から見積り依頼を受けると、
そのままの内容を設計部門に回付していた。
・ 設計部門はすべての案件に対して
労力を投入して見積りを作成していた。
内部工数で不足する場合は外注も利用していた。
・ところが、見積り依頼案件の中には、
当社は当て馬で受注の可能性のないものも多く含まれていた。
・支店内の検討でその状況が明確になったので、
営業部門は受注可能性のある案件であるか
当て馬であるかの区分をして、
設計部門に見積り作成を依頼することとした。
・当て馬の場合は、顧客に確認した想定落札金額を付記する。
設計部門は当て馬の場合は、
落札想定金額を上回る見積金額を適当に作文して
見積りを作成した。
・ こうすることによって、
10以上ある内の1支店だけで
半年で4515万円の経費削減が実現した。
・ それまでは、
部門の壁によってこのような不合理が
まかり通っていたのである。
その2:R流通会社の配送経費削減の事例
・R流通会社の支店には、
営業部門、物流部門、管理部門が存在する。
・それまで商品の配送は、
客先の指定する時間に納品できるように
配車計画を組んでいた。
・それだと、かなりのムダな配送ルートを編成
しなければならない。
たとえば、1か所の配送先のために2度同じ方面に配車
しなければならない、などのことが起きていた。
・ 物流部門が、営業部門に
「お客様に配送時間の変更をお願いしてもらえないか」
と打診すると、
「とんでもない!お客様第1だろうが」と却下されていた。
・ ところが、支店長が参画して支店としての検討を行うと、
「それだけの配送ロスがあるなら、お客様に頼んでみようか」
ということになった。
・ 実際にお客様に依頼してみると、
「いいですよ、時間変更しましょう」
と言ってくださるお客様もあった。
・ この改善は、その支店だけで、
年間数百万円のコストダウン効果があった。
このような事例は、分かってしまえばバカバカしいようなものですが、
このようなことは、現状業務の中にたくさん隠れているのです。
全員仕事をしながらの改善ですから大きな負担ですが、
なんと1回、標準的に15部門参加で、
半年で数千万円から数億円の改善効果が実現したのです。
最大は大手電気工事会社で、2回で年間20億円の利益を稼ぎ出し、
経営危機を乗り越えられました。
MIND-VIPは半年勝負ですから、
IT化などをしていると間に合いませんので
IT化は含んでいません。
IT化は経営改善の一つの手段に過ぎないことを
如実に示している事例です。
さてこれまで私は、機会あるごとに会社を変えていくのはトップである、
と主張してきました。
1)2012年10月26日
上野則男のブログ: サムスンが発展しているのは人事制度のおかげ? (uenorio.blogspot.com)
2)2020年12月13日日曜日
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上野則男のブログ: 「私の履歴書」ハイライトー大成功には「原体験」がある!! (uenorio.blogspot.com)
3)2021年3月13日土曜日
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上野則男のブログ: 日本の産業構造転換どうする? (uenorio.blogspot.com)
業務革新にしてもDXにしても会社を変えられるのは、
トップしかいないのです。
そのことを明確に認識しましょう。
日本を変えられるのは、
「自民党をぶっつぶす」と言った小泉純一郎首相のような方しかいないのです。
(前掲3)参照)
今の日本の状況では、小泉元首相に再登板いただかなければなりませんね。
おまけでのご提案です。
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