2023年1月28日土曜日

「死は存在しない」田坂広志著

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 驚天動地の死の研究書のご紹介です。
ねらい:
 これから死についてどう考えましょうか!
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当テーマは、田坂広志多摩大学大学院名誉教授著「死は存在しない」
のご紹介です。氏は40年間で100冊の本を出しておられるそうです。


たいへんな書籍を紹介されてしまいました。
ある会合で気楽に紹介を受けたのです。
開けてビックリです。

そもそも「死は存在しない」という問題提起が理解しにくいことです。
3日がかりでようやくそのおよその全貌を把握しました。
本書の内容はスゴイものです。
ノーベル賞級のものです。
おそらく本人自身がZPFから多くの先人からの知恵を
いただいているのだと思われます。
したがってその内容は信ぴょう性の高いものでしょう。

あらためて分かりましたが、
過去の宗教家や偉人達もZPFから正解を受け取っていたのですね。
どんな偉人でも、
自分の一生ではそんなスゴイ仮説は打ち出しようがないのですから。
若くして悟りを得た人たち、29歳で処刑された吉田松陰、などは,
ZPFとの交流能力が高かったのでしょう。

以下にこういう項目建てで本書の内容をご紹介します。
私の要約は圧縮していて分かりにくいですから、
興味を持たれましたら、是非本書をご覧ください。
難しいテーマを分かりやすく解説されています。
著者は、解説の名人でもあります。

1.最先端の量子科学に基づく著者の主張
 
最先端量子科学で何を言いたいのかの確認です。
 よくは分かりません。

2.【ゼロ・ポイント・フィールド仮説】
 本書の提示の中心テーマであるこの点の解説です。
 本テーマではこれをZPFと略記します。

3.現代科学で説明できない謎(著者説)
 これまでの科学では説明できない謎の列挙です。
 これがZPF仮説だと説明可能という前触れです。

4.意識の階層(著者による整理)
 ZPF仮説で前提とする「意識」の5階層の説明です。

5.従来科学で説明できない事象のZPF仮説での説明
 これまで不思議・謎だったことがZPF仮説で説明されます。

6.宗教等での教えのZPF仮説との整合
 実は,ZPF仮説の神髄は従来の宗教でも説いていることである、
 という説明です。

7.過去の偉人の発言のZPF仮説での説明
 ZPF仮説に通じることを過去の研究者等が主張している
 という説明です。

8.不可思議な現象の研究書
 そういう研究書もあるという紹介です。

9.ZPF仮説に対する疑問
 死に関する基本的質問に対してZPF仮説でどう答える
 かが示されます。

本書で丁寧に説明されているZPF仮説はあくまで仮説です。
これまで、謎とされてきたことがこの仮説で説明できることは確かです。
しかしそれは、状況証拠であって証明にはなりません。

著者も、こう述べています。
本書を読まれた科学者や宗教家、心理学者や哲学者の方々には、
是非、この「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」を検討し、
この理論をさらに発展させて頂きたい。

この仮説は意識の領域です。
物理的思考の領域であれば、
技術進歩により脳内でどう処理されているか分かるようになるのでしょう。
しかし、意識は把握できないのですから
それがどう処理されているのかの証明ができるようになるのでしょうか?

なお、死に関しては以下のブログで取り上げています。
 ここでは、人類の不死の探求を4つに分けています。
 1.不老不死
 2.蘇り
 3.霊魂
 4.遺産
 本書はこの中の3の道の掘り下げです。 
死にたくないと騒いだ石原慎太郎さんの意見

1.最先端の量子科学に基づく著者の主張

ü  (唯物論的科学では確固たる存在であると信じられてきた)「物質」そのものが確固として存在するものではなく、非常に不確かな存在であることが明らかになっている。

ü  しかし、この世界を、極微のレベル、原子よりも遥かに小さな「素粒子」のレベルで観察するならば、そうした日常感覚で捉える「物質」という存在が「消えて」いく。

ü  光の実体、すなわち「光子」は、観察の方法によって、「粒子」の性質を示すときもあれば、「波動」の性質を示すときもある。すなわち、光子というものを「極微の物質」であり「極微の粒子」だと考えても、実際には、「波動」としての性質を示し、「物質」として、その「位置」を測定することさえできないのである。

ü  この世界の本質は「物質」ではなく、「波動」であり、「エネルギー」であることを明確に示しているのである。

2.ゼロ・ポイント・フィールド仮説

ü  宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド(ZPF)」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が「波動情報」として「ホログラム原理」で「記録」されている。

ü  ホログラム原理に従えば、記録した情報が、記録する媒体の「すべての場所」に保存されているため、媒体の「一部」からも「全体情報」がとりだせる。

ü  したがって、フィールドの「一部」に繋がるだけで、フィールドに記録された「全体情報」に触れることができる。

ü  波動はエネルギーではないので、この記録は永遠に残る。

ü  ZPF内には、「現実世界」と同様の「深層世界」が存在している。

ü  ZPF内では、瞬時に情報伝達が起こるため、「深層世界」では、「情報同士の相互作用」が極めて容易に起こる。

ü  「現実世界」の「自己」が死んだ後も、深層世界の「自己」は生き続ける。

ü  波動は、過去と現在から未来が想定できるので、ZPFには未来の情報も含まれる。

ü  しかし、未来は確定しているのではなく、現在の行動によって変わりうるものである(実際に自分の乗る船が沈む夢を見て乗船をやめたら舟は沈んだが自分は助かったという例がる)

3.現代科学で説明できない謎(著者説)

.自然定数の奇跡的整合性

(説明省略)例:陽子と中性子の質量の大きさが0.1%違っていても、この宇宙は存在しなかった。

2.量子の絡み合いと非局在性

一度絡み合った量子同士は、宇宙の彼方に引き離されても、一方がある状態を示すと、もう一方は、瞬時にその反対の状態を示す。光の速さよりも速い。

3,ダーウィニズムの限界

ダーウィンの進化論の方式で人類が誕生するには、地球の年齢45億年では足りない。

4,生物の帰巣能力の謎

鮭が生まれた川に戻る、鳩や蟻の帰巣能力、犬が5千キロ離れた飼い主のところに戻った、など

5.神経の伝達速度と反射運動の謎

野球選手が時速160キロの球を打つことは、視神経の伝達速度、筋肉へ伝達速度ではできない。


.意識の階層(著者による整理)

意識階層

説明

ZPFとの関連

1.表面意識

日常生活の雑音に溢れている

「現実自己」が働く意識である。ネガティブな想念は我々の意識がZPFにつながることを妨げる。

2.静寂意識

祈りや冥想によって生まれる

ZPFに繋がりやすくなる。

適切な「直感」が降りてくるようになる。

3.無意識

運気の「引き寄せ」が起こる

ZPFを通じて「類似の情報」を引き寄せる。ネガティブ(ポジティブ)な想念があるとネガティブ(ポジティブ)な情報を引き寄せ悪い(良い)「運気」を引き寄せる。

したがって、ポジティブな想念を持つことが重要である。

4.超個的無意識

無意識と無意識が繋がる

お互いの無意識がZPFを通じて繋がる。

シンクロニシティや以心伝心が起きる。

5.超時空的無意識

意識が時間と空間を超えて繋がる

ZPFと深く結びついた意識の世界である。

この正体は、フィールド内の「深層自己」である。

予感、予知、占い的中が起きる。

5.従来科学で説明できない事象のZPF仮説での説明

従来科学で説明できない事象

それは何か

ZPF仮説での説明

宇宙の創成

そもそもの真空状態から量子(有)が誕生した経緯

138億年前に「量子真空」から生まれた。

ビッグバン

今の宇宙が誕生したビッグバン仮説

量子真空が揺らぎを起こし、急激に膨張し大爆発を起こした。ビッグバンの直後にこの宇宙は光子(フォトン)で満たされた。

視線観応

人の視線を感じる

ZPFでその状況を見ている。

直感

無意識に分かる

無意識レベルのZPF交信で可能である。

以心伝心

考えが相手に伝わる

超個的無意識レベルのZPF交信で可能である。

予感

何かが起きることを事前に感じる

超時空的無意識レベルのZPF交信で可能である。

予知

未来の出来事を感じる

超時空的無意識レベルのZPF交信で可能である。

考えが「降りてくる」事象

ふっと名案が湧いてくる

ZPFの誰かが教えてくれている。

占い的中

占いが当たる

超時空的無意識レベルのZPF交信で可能である。

既視感

ある光景を見たときに「あ、これは前に見たことがある」と思う。

ZPFで現在を過去として見てしまう。

幽体離脱

臨死体験

臨死体験をした人が「死後、自分が肉体から離れて上から見ていた」と言う。

死後も、「自我意識」を持った「現実自己」が、しばらくZPFに残り現実世界を見つめているから。そのうちZPF内で自我意識は消えて「深層自己」のみになる。

霊媒師

死者と交信をする。

ZPFにアクセスして情報を得ている。

背後霊

背後に死者が付いている、と言う。

死者に語らせたりするのも、ZPFから情報を得ている。

透視

目で見ていないものが見える。

ZPFにアクセスして見ている。

シンクロニシティ、

誰かのことを考えているとその人から接触がある

無意識レベルのZPF交信で可能である。

コンステレーション

身の回りで起こった様々な出来事が、全体として、何かのメッセージを伝えているように感じ、それに従うと良い結果になった。

無意識レベルのZPF交信で可能である。

前世の記憶

経験していないことを「以前こういうことがあった」と思う。

その個人がZPFにアクセスして他人の経験を知ったのである。

死者との交信

死者と話をする。

ZPFにアクセスできれば可能である。


6.宗教等での教えのZPF仮説との整合

宗教等

教え

ZPF仮説との関係

仏教

「唯識思想」では、我々の意識の奥には「末那識(まなしき)と呼ばれる意識の次元があり、さらにその奥には「阿頼耶識」と呼ばれる意識の次元がある。この「阿頼耶識」、この世界の過去の出来事のすべての結果であり、未来のすべての原因となる「種子」が眠っている

ZPF仮説と同じである。

 

「華厳経」では「一即多、多即一」と言っている。

「般若心経」では「色即是空、空即是色」と言っている。

 

ホログラム原理である。

世界(色)は真空(空)から生まれてきた。

 

「三界唯心所現」(我々の目の前の世界はすべて、我々の心を映し出した世界である)

 

「現実世界」を生きる「私」が、自分という存在が、実は「宇宙意識」であることに気が付いたとき、目の前の「現実世界」を変えていくことができる。

通夜や喪に服する習慣

 

個人の「自我意識」がまだ現実世界から離れていない(で淋しがっている)ので遺族が見守るのである。

成仏

 

死後、「自我意識」が消えて「至福の世界」に向かうこと。

「三途の川を渡る」(三途の川の水を飲むと生きているときの記憶をすべて忘れる。

同上

 

「極楽浄土」

死後の世界があることを示している。

「山川草木国土悉有仏性」すべてのものに「仏性」がある。

別掲「地球意識」を指す。

キリスト教

旧約聖書で天地創造を述べた部分で「神は『光あれ』と言われた」となっている。

「天国」

最初に光子が生まれたことを言っている。

死後の世界があることを示している。

イスラム教

「ジャンナ」

死後の世界があることを示している。

アニミズム

(自然崇拝)

自然そのものに「神」が宿るとする思想。

「八百万の神」

「自然」すなわち「地球」そのものに「意識」が宿っている、としている。

「地球意識」につながる。

 

古代インド哲学

「アーカーシャ」には宇宙誕生以来のすべての存在について、あらゆる情報が「記録」されている。

同上

ギリシャ神話

「レテの川を渡る。

「三途の川」と同じことが言われている。

チベット書

「チベット死者の書」

死者が「死後の世界」において、どのような体験を与えられ、それにどう処すればよいかを仔細に語っている。

死後の世界があることを示している。

 7.過去の偉人の発言のZPF仮説での説明

偉人名

主張・意見

ZPF仮説での説明

アインシュタイン

相対性理論

E=mc²、これはmという質量を持った物質がエネルギーへと変換されることを示した。

物質の本源は光子であることにつながる。

親鸞

「善人な表往生す。いわんや悪人をや」

死後の世界に差別はない。自我の精神から発する悪は存在しない。

レイモンド・カーツワイル

「シンギュラリティは近い」人類は、将来、脳内の情報をすべてコンピュータ内の人工知能に移植する技術「精神転送」を実現し、それによって、肉体は死を迎えても、意識は生き続けることが可能になる。

これはZPFのことを言っていることになる。

オルダス・ハクスリー(英国)

「永遠の哲学」において、キリスト教、仏教、イスラム教、ヒンズー教などの宗教を調べ、すべての宗教がその教義の根底にoneness(一つなるもの)を述べている、としている。

すべては一つであるという「全一性」を示す

ケン・ウィルバー

「無境界」の中で、自我意識が世界の中に様々な「境界」を設けている。自我意識が消えると「至福に満ちた世界」「愛一元の世界」がある、という。

ZPF説そのものである。」

ユング(スイス)

「ユング心理学」の中で「集合的無意識」という考えを提唱している。

すべての人々の無意識の世界が繋がった「人類共通の無意識の世界」がある、

トランスパーソナル心理学

「個を超えた無意識の世界」がある。

同上

アルネ・ネス(ノルウェー)

「ディープ・エコロジー」

すべての生命存在は、人間と同等の価値を持つ、とする。

死後、我々の意識は「超自我意識」になり、それは「人類意識」を超えて「地球意識」と呼ぶべきものに広がる。それは地球上のすべての存在の意識を包摂するものである。

ルース・ハリソン

「アニマル・マシーン」

アニマル・ウェルフェア(動物福祉)を訴えている。

ジェームズ・ラブロック(イギリス)

「地球生命圏 ガイアの科学」

地球そのものが「巨大な生命体」である、とする。

 

 

グレゴリーベイトソン(米国)

「精神の生態学」

「複雑なものには、命が宿る」「心とは、生きていることの証である」

(著者の解釈)

システム内部の相互連関性が高まってくると、自己組織化や創発という性質(生命的な性質)が生まれてくる。

8.不可思議な現象の研究書

研究者

研究書

内容

イアン・ステーヴンソン

「前世を記憶する子どもたち」

幼児が経験していないことを経験として語る事例集

ジム・タッカー

「リターン・トゥ・ライフ」

同上

9.ZPF仮説に対する疑問

疑問

ZPF仮説での説明

4次元の世界で未来も存在しているが、未来は決まっているのか

この世界は過去の延長で設定されているが、現在の行動によって変わる。

死後、死者と会えるのか

死後の世界は、すべての命が一元・一体なので誰とでも交流できる。

死後、生者と交流できるのか

生者がZPFを通じ呼んでくれれば交流できる。

 

本書を読み終えて、なお残る気持ちがあります。

現実世界を生きる現実自己が消滅して
深層世界で生きる深層自己に変わるとして、
それが自分の死ではない、と思えるのか?
それは自分とは関係のない存在であり、嬉しくもなんともない、
そういう気もします。

前掲の「不死の講義」の著者は、
自分としては第5の道、すなわちこの人生を楽しく有意義に過ごす道を望む、
と言っています。
同感です。
皆様はどうですか?

2023年1月26日木曜日

「『丁寧』なのに仕事が速い人の習慣」

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 いい加減な書名に惑わされた例をご報告します。
 丁寧な仕事が結局生産性も高いことを再確認いただきます。
ねらい:
 「急がば回れ」を肝に銘じましょう!
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本項は、池田ピアノ運送株式会社代表取締役池田輝男氏の著書のご紹介です。
この書名の大きな新聞広告を見て、
「丁寧なのに仕事が速い」とは、どうやって実現するのだろう?
と興味を持って読んでみたのです。

いかに「丁寧」に仕事を遂行するかについて、
たいへん『丁寧』に真面目に解説されていましたが、
それでいて「速い」については一言も触れていませんでした。

「丁寧なのに仕事が速い」ではなく
「丁寧でお客様の信頼をえる」
[丁寧な仕事で売上が倍増」の内容なのです。
それだと当たり前のことで、本は売れないでしょうね。

明らかに羊頭狗肉です。
おそらく出版社(幻冬社)が売らんかなで付けたものでしょう。
しかし、書名は著者の了解も得ているはずですから、
著者にも責任があります。

こういういい加減な書名は結構あります。
このブログで取り上げたものでも以下の例があります。

「目的思考」で学びが変わる
内容的には、そういうことを書いているのですが、
本書の中には一切「目的思考」という言葉は出てきませんし、
書名の由来の説明もありません。

「男性中心企業の終焉」
終焉する、ことを書いているようですが、
男性中心企業はダメになります、改めなさい、という提言書なのです。

「格差の起源」
原著は「人類の繁栄と格差の起源」なのですが、
日本の書名では関心を集めそうな格差だけにしています。
この点は、日経紙に記載された書評でも批判されていました。

「上脳・下脳」 右脳・左脳はもう古い
「右脳・左脳はもう古い」の文言は書名ではなく、
帯に大きく書いてあるものです。
上脳・左脳の区分が右脳・左脳にとって代わるような表現ですが、
本書の内容ではそういうことは書いていません。
上脳・下脳という側面もあるということで、
つまりORではなくANDなのです。
これも明らかに出版社の勇み足です。

これらに比較して、今回の場合は、
書名として誤っていますから最悪のケースです。
 

本書では、以下の章立てで意見陳述をされています。
第1章 なぜ池田ピアノ運送が、お客様に愛されるのか?
第2章 これが本当の整理・整頓!
    「丁寧な仕事」は「準備」が8割
第3章 「丁寧な社員」を育てるために大切なこと
第4章 「丁寧な仕事」を「仕組化」する
第5章 仕事が丁寧になると、人生は豊かになる

要約するとこういうことになります。
・丁寧な仕事をするとお客様に喜ばれます。
・お客様に喜ばれると
 担当者(従業員)も嬉しく仕事に対する意欲が向上します。
・その結果、会社も成長します。
・丁寧の基本は仕事をする時の精神が重要でそれをしつけます。
・丁寧な仕事をするには準備が肝要です。
・準備の基本は5S、特に整理・整頓が重要です。

このことは、どれをとっても常識的な基本論ですが、
それを具体的に解説されています。
たとえば、こういうことです。

「整理・整頓」とは次のような意味です。
・整理―――いるものといらないものを分け、
      いらないものを徹底的に捨てること
・整頓ーーー整理したものを使いやすいように、
      向きと線を揃えて並べること
(中略)
先に述べたように、本格的に整理・整頓をやろうと思えば、
意外と頭を使います。
ひとつひとつの物品と向き合って、
「それは必要なものか、不要なものか」
「どのようにすれば、最も使いやすいか」
と考えていかなければなりません。
だから私の会社では、広い部分ですべてをやろうとせず、
約1メートル×1メートルを「1マス」と決め、
毎朝、その中だけを徹底的に整理・整頓死ともらうようにしています。
オフィスであれば、「今日は机の上」「明日は引き出しの中」
「次の日は本棚」などと、ブロックを決めて取りかかる
のが効率的でしょう。
(中略)
捨てるものを放置しておけば、何度もそれを見返したりすることになり、
結果的には大量の時間を損失することになるのです。

私は、本書を読んでこう考えました。
1)本書の内容からすると、書名は「丁寧な仕事が売上を伸ばす」となる。
 実際に、池田ピアノ社はそうなっています。
2)丁寧な仕事が仕事を効率化する、と明確に主張する。
 なぜなら、丁寧な仕事はミス・失敗を起こさない
 ピアノ運送でのミス・失敗は、ピアノや周辺に傷をつけること、が最大。
 そうなると、修復やクレーム対応に多大な労力・費用を要する。
 (この点は述べられています)
 ゆっくり丁寧な運搬は、時間がかかっても、
 修復やクレーム対応等のロスは発生せずに(この点も主張されています)
 結果的には仕事全体としては大きく効率化される(この点を明示する)

多くの仕事では、ミスの修復に大きな労力が投入されている、
ことが認識されています。

これとは少し違うことですが、
多くのビジネス用プログラムは、正規処理1に対して
不正処理の対応にその何倍ものロジックが埋め込まれている、
と言われています。
システムのテストでは明らかに、
不正処理の対応に何倍もの労力がかけられています。

以前、システム開発作業における「開発ロス(手直し、手戻り、手待ち)」
を調査したところ、開発ロスの対応時間は正しい処理と同程度ある、
ことが判明しました。

ミスが発生しなければ、そのリカバリ作業がなくなりますから、
正しい処理に多少時間をかけても、全体としては「速い」のです。
「急がば回れ」とか、
準備の重要性という点では「転ばぬ先の杖」とか
言われている格言のとおりなのです。

開発ロスが5割あるという前掲の状態だと、
正規作業を2割増しの時間でやっても、ロスが2割になれば
全体としては、
0.5×1.2+0.5×0.2=0.7で3割減になるのです。

本書の主張はそういうことでしょう。

2023年1月10日火曜日

紅白歌合戦はどうなる?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 2022年の紅白歌合戦を総括してみました。
 今後の方向性を検討してみましょう。
ねらい:
 NHKは英断するのでしょうか?
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1年前に、私は当ブログ
紅白歌合戦の低落傾向を見て、「このままではダメだ、
1部は若者向け、2部は中高年向けと分けたら良いのではないか」
と提言しました。
ですが、今回は意見が変わりました。

前年の視聴率(関東の平均)は、
過去最低で40%切れの34.3%でしたが、
今回は35.3%と多少持ち直しました。
しかし、以下のグラフでご覧いただくように、低落傾向は否めません。











まずは、今年の人気ランキングです。

順位

歌手/曲名

視聴率 区分

1

福山雅治/桜坂

39.5 ソロ

2

MISIA/希望のうた

37.7 ソロ

3

桑田佳祐feat,佐野元春,世良公則,Char,野口五郎/時代遅れのRocknRoll Band

37.3   group

4

KinKi Kids/25th Anniversary Medley

36.7 group

5

安全地帯/I Love Youからはじめよう

36.3  group

6

松任谷由実with荒井由実/Call me back

36.1 ソロ

7

純烈(ダチョウ俱楽部・有吉弘行)/プロポーズ~白い雲のように

36.0 group

8

石川さゆり/天城越え

35.8 ソロ

9

ゆず/夏色

35.4 duet

9

乃木坂46/裸足でSummer

35.4 group

9

back number/アイラブユー

35.4 group

  合計 group6組、duet1組、ソロ4組


グループの曲が多いことが確認できます。
昨年に引き続きランクインしているのは、
福山雅治,MISIA、石川さゆり、ゆず、さんです。
まともな歌謡曲は、石川さゆりさんだけです。
なぜか、グループは1組も再選されていません。
グループのファンは浮気っぽいのでしょうか?

以下に、今回の状況の分析と対策の検討をしてみました。
1.視聴率低下の要因
(1)(若者側の要因)若者がテレビ離れをしている。
今の若者は、スマホでゲームや  Youtubeに夢中になっています。
NHKではせっかく若者向けの番組編成にしているのに
見てくれないのです。

おそらく、今の若者世代は、
家族と「紅白」を見るということはしないでしょう。
今年のデータは得られませんでしたが、昨年のデータを以下に再掲します。

 (スポニチのコメント)
 個人視聴率のデータを見ると、
 20年と比べて特に数字が落ちたのは若年層だ。
 紅白の第2部では、
 男女4~12歳は21・2%(20年)→13・5%(昨年)で7・7ポイント減、
 M1層(男20~34歳)が19・5%→12・9%で6・6ポイント減、
 F1層(女20~34歳)は25・0%→20・0%で5・0ポイント減と、
 それぞれ大幅に下落した。
 ほかの年代も数字を下げているが、
 M3層(男50歳以上)は4・4ポイント減、
 F3層(女50歳以上)は3・8ポイント減と、
 若年層に比べれば幅は小さかった。

【読売新聞オンライン】
「紅白歌合戦は『付録の豪華さで買わせる雑誌』になった」
ではこう言っています。
低迷の背景には、
録画機器とネットの普及でタイムシフト視聴・録画視聴が一般化し、
さらにユーチューブなどの個人発信の動画視聴も
人気を集めるようになったことで、
民放も含め、放送番組の見られ方が一変していることも挙げられる。

つまり、テレビ自体がこれまでにないほどの大きな岐路に
立たされているというわけだ。
ところが、NHKがこうした現実に十分対応できず、
紅白を含めた番組全体が、
民放以上に”金属疲労”を来しているとみる声もある。

民放での番組制作経験のある
影山貴彦・同志社女子大教授(メディア研究)は、
NHKの番組について
「古くなった鉄橋のサビを取らずにペンキを塗っているようなもので、
焦って若者に迎合しようとして結果が出せない状態に陥っている」
と分析。
「NHKの制作者は、いろんなしがらみを気にしすぎて、
自由に番組を作れていないのではないか。
作り手が面白いと思っていない番組を、
視聴者が面白がってくれるわけがない」と話している。
これは放送界全体への問いかけかもしれない。

(2)(中高年側の要因)
「紅白歌合戦」に期待する中高年向けの「歌謡曲」のヒット曲がない。
今や歌謡曲のトップスター石川さゆりさんが歌うのは、
往年のヒット曲「津軽海峡冬景色」と「天城越え」だけ。
天童よしみさんが歌った「ソーラン祭り節」は2012年のヒット曲、
坂本冬美さんは、美空ひばりの「お祭りマンボ」を歌わされました。
歌謡曲女性後継歌手の水森かおりさんと三山ひろしさんは新曲でしたが
中高年の支持は獲得できていないでしょう。

(3)(共通要因)そもそも歌番組が人気凋落している。
(3.1)歌を聞くという習慣がなくなっている
以下に1963年の紅組出演者を示します。
素晴らしい顔ぶれですね。
その頃の視聴者は紅白放送時点で
ほとんどすべて聞いたことのある曲であったと思います。
それで、1年を振り返るということができたのです。 

























今は、歌謡曲ファンを育てる以下のような歌謡曲番組もありません。 

番組名称

放送局

実施年

開催サイクル

紅白歌合戦

NHK

1951

毎年1231

思い出のメロディー

NHK

19692019

毎夏(「夏の紅白」)

輝く!日本レコード大賞

TBS

1959

毎年1231

2006年から1230

高橋圭三

輝け!!日本歌謡大賞

TBS以外の民放

19701993

年末各曲独自

ザ・ヒットパレード

フジテレビ

19591970

毎週(曜日は変遷)

夜のヒットスタジオ

フジテレビ

19681990

毎週月曜、後水曜

芳村真理、古館伊知郎

NTV紅白歌のベストテン

NTV

19691981

毎週月曜

堺正章

ザ・トップテン

NTV

19811986

毎週月曜

ザ・ベストテン

TBS

19781989

毎週木曜、黒柳徹子



(3.2)お笑いタレントが活躍するバラエティ番組が多い。
どのチャンネルを見ても、お笑いタレントが仕切っている番組をやっています。
もはや、茶の間の友は歌手ではなくお笑いタレントなのです。
今回の紅白でもバラエティ要素のある「企画」モノが
全54件中11件もありました。

2.2022年紅白歌合戦の総括
こういう傾向の中で視聴率の低下傾向を止められたのは、
企画モノの工夫をしたなどの番組企画上の成果と言えます。
しかし、企画や運営が若者重視思考になっていて、
ベテランに対する配慮が足りないというクレームも出されています。

YAHOOニュース
年配視聴者の「紅白歌合戦」離れは今後確実に進むーーー
大先輩を雑に扱ったNHKにダメ出し!(桧山珠美)
 年末の紅白を見て、長年言われるがまま受信料を支払い続け、
 NHKを支えてきたお年寄りへの思いやりがみじんも感じられず、
 悲しくなった。
 中略
 最も問題なのは、
 審査員の黒柳徹子(89)と、加山雄三(85)の雑な扱いだ。
 4組が歌い終わったところで注目ポイントを聞かれた徹子。
 なかなか声が聞こえないと思ったら
 ペンライトとマイクを間違えてしゃべっていたようで、
 これに気づいたお隣の羽生結弦がマイクを渡して事なきを得た。
 
 加山も、これを最後にステージから引退すると宣言していたのに、
 さらりとこれまでを振り返る紹介のみ。
 「海、その愛」を渾身の力で歌っていたが、
 2番に入るとステージをウロウロし出した。
 おかげで歌詞も間違えるありさま。
 おそらく2番は歌いながらステージを歩く演出だったのかも。
 それを忘れて中央で歌う加山に
 「歩いて」というカンペが出たのかもしれない。
 ヨタヨタ歩く若大将の姿は見たくなかった。

 徹子といい、加山と言い、大先輩に対するリスペクトがなさ過ぎだ。

いずれにしても、旧来型の紅白歌合戦は終わりを告げ
新時代へ移行が始まっているのです。

3.今後の方向性
では、今後の紅白歌番組はどうしたらよいのでしょうか。
今回の紅白は全部で54ショットがありました。
以下の構成です。
 企画モノ   11件
 グループ歌手 19件
 2人歌手    2件
 1人歌手   22件
 (1人歌手のうち、歌謡曲(演歌)歌手は7人、
  中間的な歌手(MISIAm福山雅治など)が4人?
  POP系が11人です

今年の実態を見て
昨年、提案したような、1部・2部制は無理だと分かりました。
2部を構成できるだけの歌手がいないのです。

上掲のYAHOOニュース
年配視聴者の「紅白歌合戦」離れは今後確実に進むーーー
ではこう言っています。
今回で懲りて、お年寄りの「紅白」離れは確実に進むに違いない。
2部制なのだから、1部は若者、2部は中高年と
ターゲットを分けた方がスッキリする。
人数も10組ほど減らして、その分じっくり聴かせる紅白を切望する。
これは昨年の上野案そのものなのですが、
私は取り下げます。

そこで今後の方向性として2案が考えられます。

案1.穏便案 
穏便な案は、今回の延長で企画の要素を高めていく方向です。
その中で歌謡曲(演歌)は、数少なくなっているのですから、
本人の歌をまともに歌って欲しいと思います。

読売新聞オンラインのコメント
紅白歌合戦は「付録の豪華さで買わせる雑誌」になった....
「次から次へと多人数グループ、歌より踊り..「老人軽視だ」

1951年にラジオ番組として始まった紅白は、
テレビ放送が始まった53年からは、
テレビでも放送されるようになった。
ビデオリサーチ社が調査を始めた翌年の63年には(前掲)
関東地区で視聴率81.4%を記録。
大みそかの国民的行事としてお茶の間の支持を得てきた。

だが、80年代以降、音楽が多様化したほか、
レンタルビデオやカラオケボックスなど大みそかの過ごし方が変化。
さらにインターネット社会、SNSの進展で
娯楽の選択肢が一気に広がり、視聴率はあおりを受けている。
中略
今回の試みを踏まえて桧山さん(前掲)は改めて
「その年にヒットした歌や聴きたい曲を大みそかにゆっくり楽しむ
感覚こそが、普通の音楽番組と違う紅白ならではの価値」と訴える。

「多くの世代が楽しめるのが紅白のはず。
だから将来の視聴者を取り込みたいというような
よこしまな発想で出場者を選ぶのでなく、
視聴者投票を導入するなど透明化すべきだ。
その上でAI(人工知能)を使って
亡くなった歌手に出演してもらってもいい。
誰のために紅白を続けるのか考える時期に来ている。
出場歌手を厳選し、
1人あたりにもっと時間をかけて歌わせてあげてほしいし(上野賛成)、
歌手の人たちが心から「出場するのが夢でした」といえるような
紅白であり続けてほしいです」

このご意見で、
石川さゆりさんが歌い終わって何か不満げな顔をしていたのを
思い出しました。
企画モノと企画モノに挟まれ短い時間で歌わされて
浮いているような感じもしました。
 
いずれにしても年寄りはだんだんに紅白を諦めて、
7チャンネルを見るか、何か他の番組を見るようになるでしょう。

案2 抜本策
歌番組をやめてお笑い番組にします。
年の暮れは歌番組でなくてはならないということはないのです。
昔は、その年を思い出すのに歌謡曲が適していただけのことです。

前述のように、
今は多くの人がお笑い番組でいろいろな芸人を見て楽しんでいます。
であれば、その芸人たちに登場してもらえばいいのでないでしょうか。
笑って年の暮れを迎えるのはよいことです。
一案として、東西対抗お笑い合戦を考えました。

【東西対抗お笑い合戦の構想】
・お笑い芸人に登場いただくコンテストをする。
 (ダウンタウンやサンドウィッチマン、くりぃむしちゅー
 などにも出てもらいます)
・お笑い芸人は関西系も多いので、紅白ではなく東西の対抗とする。
・各チームの評価(得点)は視聴者の投票とする。
・東西の大将に仕切ってもらう(東はビートたけし、西は明石家さんま、か?)
・東西の勝ち負けと優秀者表彰を行う。

おそらく視聴率は2倍近くになるでしょう。
こうすると、新旧のお笑い芸人が切磋琢磨するのではないでしょうか。
みものです。