目的:
安倍元総理の警備の不備を要人警護の「目的・ねらい」の観点から
整理してみます。
ねらい:
「目的」(本件では警護)は「ねらい」(本件では安全確保)を
ねらい:
「目的」(本件では警護)は「ねらい」(本件では安全確保)を
見失ってはいけないということです。
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安倍元総理が銃撃された時の警護の状況はこうなっていました。
出典:日本経済新聞月22日
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安倍元総理が銃撃された時の警護の状況はこうなっていました。
出典:日本経済新聞月22日
要人警護の「目的・ねらい」はこういうことだと思います。
「ねらい」
「ねらい」
要人を犯人の襲撃による危害から防御し安全を守る。
「目的」
要人の安全を守るために要人を警護する。
当然ながら、漠然と警護をしていればよいのではありません。
警護をするからには、
備えるべき襲撃とそれに対する警護の方法はこうなります。
当然のことなのですが、今回、それができなかったということなのです。
備えるべき襲撃 |
要人の安全を守るための警護の方法 |
1.棒や槍による襲撃 |
検査が可能な状態であれば検査を行う。 長いものを持っている者を近づけないようにする。 万一、近づいてきたら防御する。 |
2.刀剣類による襲撃 |
同上 |
3.刃物による襲撃 |
検査が可能な状態であれば検査を行う。 要人と群衆の間に警護者を配置して、要人に近づく人間を監視する。 危険な状態と判断したら、身ももって危険人物に当たる。 |
4.手りゅう弾等による襲撃 |
検査が可能な状態であれば検査を行う。 要人と群衆の距離を20メートルくらい開けることができればよい。 それができない場合、20メートル以内くらいの至近距離の群衆の挙動を注意深く監視し、異常を察知したら要人を避難させる等の対応を行う。 |
5.銃による襲撃 |
検査が可能な状態であれば検査を行う。 360度に対して襲撃の目を光らせることは困難なので、後方は選挙カーなどでブロックする。 左右方向がオープンであるなら、それぞれ前方向とは別の警護者が監視を行う。 20メートル以内くらいの至近距離の群衆の挙動を注意深く監視し、異常を察知したら要人を避難させる等の対応を行う。 場合によっては犯人を銃撃する(米国ではそれが通常)。 |
6.ドローンによる襲撃 |
今後の研究課題である。 |
今回は、後方の警備が不備であったのです。
銃による襲撃を想定しなかったために、
群衆の少ない後方は1人の警察官が担当していました。
そのために犯人の不審な挙動に気が付くのが遅かったのです。
結果からみると、要人の後方の道路は通行自由になっていたので、
犯人は車で近づいてきて、至近距離から射撃することも可能だったのです。
もう一つの問題点は、SPが安倍氏の近くにいたので、
一発目の発砲の際に気が付いて瞬間的反応で
安倍氏をカバーすべきだったのに、
2,3秒後の2発目の被弾を許してしまったことです。
SPからすると、銃による襲撃は「想定外」だったのです。
警護をするからには、
警護の「目的・ねらい」は完全に体に浸透していなくてはならず、
「想定外」などあってはならないのです。
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