2022年7月24日日曜日

安倍元総理襲撃犯人の心理を想定します

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 安倍元総理襲撃の不可解な状況を整理してみます。
ねらい:
 問題提起された我々は何を学べばいいのでしょうか。
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今回の事件を、二つの材料から分析してみました。
その結果をまとめました。

【1.事件発生の経緯】
こういうことです。

時期

事実(かっこ内は想定)

1980年9月

山上容疑者、3人兄弟の次男として誕生

1984年

父親自死

1991年

母親が統一教会に入会

(長男が小児がんでこれを救いたかったのではないかという説がある(母親の兄))。

父親の保険金などで献金

1992年~

中学時代はバスケットボール部に所属。目立たずおとなしいタイプだった。

高校は進学校で勉強はできた。

1999年

母親が祖父から相続した土地を売却、献金。

2002年

容疑者海上自衛隊に入隊

母親が自己破産

2005年

容疑者自殺未遂騒動を起こす。

(「家族は生活苦。死亡保険金で兄弟たちの生活を支援しようとした」説)

その後海上自衛隊退職

アルバイトや派遣社員として転々。

2015年頃

容疑者の兄が自死

(がんを患っていた)

2019年

統一教会幹部の来日に際し、火炎瓶襲撃を計画するが、会場に入れず断念。

2020年10月から

京都府内の工場で勤務

2021年春頃

武器の製造を開始

奈良の山中などで試射実施。

2021年3月~9月

家賃2万円でアパート賃借(火薬を乾燥するため)

2021年9月

安倍元総理が統一教会の友好団体にメッセージ

2021年11月~22年2月

シャッター付きガレージを月1.5万円で賃借(目的は同前)

2022年春ごろまで

複数の銃を完成。

統一教会幹部が来日しないので対象を安倍元総理に転じた。

2022年5月

体調不良を理由に休んだ後退職

(準備完了して機会をうかがっている)

2022年7月

襲撃実施を決断

(所持金が減り、実行を決意。あせっている)

2022年7月7日

午前4時、統一教会が入居するビルで試射

2022年7月7日

岡山で安倍総理の襲撃を意図したが屋内だったため未遂。

米本和広氏への手紙投函

(この手紙は遺書のつもりもあったかもしれない説あり)。

2022年7月8日

前日に奈良で演説会があることを知り待機していて11時半に凶行。


【2.7月7日に投函された米本和広氏への手紙】
全文です。
米本氏は統一教会の非を訴えるブログの発信者です。

ご無沙汰しております。
「まだ足りない」として貴殿のブログに書き込んで
どれくらい経つでしょうか。

私は「喉から手が出るほど銃が欲しい」と書きましたが
あの時からこれまで、銃の入手に費やして参りました。
その様はまるで生活の全てを偽救世主のために投げ打つ統一教会員、
方向は真逆でも、よく似たものでありました。

私と統一教会の因縁は約30年前に遡ります。
母の入信から億を超える金銭の浪費、家庭崩壊、破産、、、
この経過と共に私の10代は過ぎ去りました。
この間の経験は私の一生を歪ませ続けたと言って過言ではありません。

個人が自分の人格と人生を形作っていくその過程、
私にとってそれは、
親が子を、家族を、何とも思わない故に吐ける嘘、
止める術のない確信に満ちた愚行、
故に終わる事のない衝突、その先にある破壊。
(上野注:この段は若干意味不明です)

世界中の金と女は本来全て自分のものだと疑わず、
その現実化に手段も結果も問わない自称現人神。
私はそのような人間、それを現実に神と崇める集団、
それが存在する社会、それらを「人類の恥」と書きましたが、
今もそれは変わりません。

苦々しくは思っていましたが、安倍は本来の敵ではないのです。
あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパ
の一人に過ぎません。

文一族を皆殺しにしたくとも、
私にはそれが不可能なことは分かっています。
分裂には一挙に叩くのが難しいという側面もあるのです。
(注:文一族は「統一教会」創業者文鮮明一族)

現実に可能な範囲として韓鶴子本人、
無理なら少なくとも文の血族の一人には死んでもらうつもりでしたが、
鶴子やその娘が死ねば3男と7男が喜ぶのか
あるいは統一教会が再び結集するのか、
どちらにしても私の目的には沿わないのです。
(注:韓鶴子は「統一教会」現会長、文鮮明との間に14人の子供を作った。
2012年の文鮮明氏の死後、一族はバラバラになっているらしい)

安倍の死がもたらす政治的意味、結果、
最早それを考える余裕は私にはありません。

【3.事件の背景の要約】
以上二つの資料から、上野はこういう風に事件の背景を整理しました。

容疑者一家を破綻に追い込んだ統一教会を
徹底的に恨んでいる。
 ⇓
恨みを晴らしたいと思った。
統一教会幹部を襲撃しようとした。
 ⇓
襲撃ができなかった。
 ⇓
自分も失業してしまって生活が不安である、
将来の希望も持てない。
こういうことを許している社会を憎みだした。
 ⇓
統一教会幹部に代わる襲撃先を考えた。
安倍元総理は
統一教会関連のイベントにメッセージを送っているので
恨みの対象である統一教会と無関係ではない、
かつ現状日本の責任者である。
 ⇓
襲撃先を安倍元総理に絞って機会を窺った。
「安倍元総理の死の影響を考える余裕はない」

【4.事件の背景要約(上野意見)】
結局、こういうことなのでしょう。
統一教会への恨みが大きくて、
何としてもその恨みを晴らしたいとずっと思っていました。
しかし、統一教会幹部を攻撃するチャンスに恵まれませんでした。
生活苦に遭遇する可能性もあり焦りだしました。
そこでその矛先をかなり統一教会との関係が薄い
安倍総理にしてしまったのです。
それは、容疑者一家をそういう境遇に追い込んだ、
そういう不条理を許している日本社会への恨みを晴らすという
やけくその心理が加わってのことと推察されます。

蛇足
この犯人は、以下の点から非常に優秀な能力を持っています。
1)的確に標的に当てられる銃を自作した(開発力)。
2)目的を達成できた襲撃計画を立てられている(計画力)。
3)襲撃を実行できた(実行力)。

彼はこれだけの能力があれば、それを発揮できる場に恵まれていれば、
かなりの人生成果を上げられていたと思われます。
その人生を破壊してしまった「宗教」を恨むのは当然と思います。


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