目的:
ありえるかもしれない不老不死を研究しましょう。
ねらい:
不老不死を期待しますか?
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2022年7月17日の日経新聞に
「老化」知らぬカメの群 (老化は)生物の宿命ではない可能性
という見出しの解説記事が載りました。
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2022年7月17日の日経新聞に
「老化」知らぬカメの群 (老化は)生物の宿命ではない可能性
という見出しの解説記事が載りました。
要旨はこうです。
南デンマーク大学の研究成果が6月の米科学誌に載った。
世界から1200以上の動物園や水族館から集めた
カメの飼育記録の分析によると、
生活環境が整うリクガメなど52種の75%で、
老化が極めて緩やかか、無視できる状態だった。
老化は生物の宿命ではない可能性がある。
当ブログでは、2022年3月26日
で以下を掲載しました。
当テーマは、
小林武彦東京大学定量生命科学研究所教授の著書のご紹介です。
本書の構成はこうなっています。
第1章 そもそも生物はなぜ誕生したのか
第2章 そもそも生物はなぜ絶滅するのか
第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか
第4章 そもそもヒトはどのように死ぬのか
第5章 そもそも生物はなぜ死ぬのか
「生物はなぜ死ぬのか」は要約するとこういうことです。
1)生物は10億年前に多細胞生物が誕生して以来進化してきている。
2)進化は遺伝子の突然変異により起きる。
3)環境に適応しやすい方向に進化した生物が生き残っている。
4)遺伝子の突然変異は生きている生物には伝達されない。
5)したがって、環境に適応できない個体は死んで、
適応できる個体が生き延びて種を存続させてきている。
6)つまり、種の進化のために個体は死ぬ、ということである。
死は生の前提条件である。
(個体の存続よりも種の存続を優先させているのです。
鮭・セミは産卵すると死ぬ、タコのメスは子が卵から孵ると死ぬ、
交尾すると死ぬオスの生物も多い)
つまり、種が進化して環境適応し生き延びるためには、
個体は死ぬようになっている、ということです。
これは、神の摂理とかでなっているのではなく、
結果的にそうなっている、ということなのですから、
種の存続と個体の存続のバランスはいろいろあっていいのです。
個体が老化で死ぬのが生物の宿命なのではないのです。
カメは、個体の存続をかなり優先させている種です。
彼らは敵が少ないので個体がそのままで生き続けているのです。
たまたま先日あるテレビ番組で、
500歳のサメを発見したと言っていました。
年齢は、歯の年輪のようなもので判別できるのだそうです。
サメは海のなかでは敵なしですから、
進化による種の生存強化の必要がなかったのでしょう。
ハダカデバネズミも、そういう種なのです。
前掲書でのハダカデバネズミの紹介はこうなっています。
ハダカデバネズミは、同じ齧歯類(ネズミの仲間)、
例えばハツカネズミの寿命が2-3年なのに対して、
ハダカデバネズミは30年と10倍ほど長く生きます。
霊長類にたとえると、
ヒトとほぼ同じサイズのゴリラやチンパンジーの寿命は
40-50年なので、
もしハダカデバネズミ並みにヒトが長生きできたとすると、
単純計算ではヒトの寿命はその10倍の500年生きることになります。
前掲書で老化現象は、こういうことです。
老化細胞は、初期の段階で細胞死(アポトーシス)を引き起こし、
その後免疫細胞によって除去されるのですが、
加齢に伴って、細胞死や除去する反応が低下してしまいます。
したがって、
古い細胞の細胞死を促進し、それを除去する免疫機能を強化すれば、
老化は防げるのです。
その研究は進められているようです(前掲書)。
ご関心ある方は前掲書をご覧ください。
つまり、自然状態では、生物は老化し死んでいくのですが、
人為的に老化させない方法は可能だということです。
カメを研究しなくても、老化現象をせき止める方法の研究を進めれば
人間が老化しない方法、あるいは老化しにくくする方法は可能なのです。
いつ頃、それが医科学的に可能となるのか、
その方法の実施はどうするのか、は大問題ですね。
老人たちが死なない社会は実現していいのでしょうか。
どうも、そういう種は滅びそうですね。
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