目的:
日本の給与水準が30年間横ばいである原因を整理しました。
当然ながらいくつもの大きな課題があります。
ねらい:
自分たちにできることは何があるか考えましょう!
ねらい:
自分たちにできることは何があるか考えましょう!
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今ときどき、小学5年の孫娘にいろいろなことを教えています。
今ときどき、小学5年の孫娘にいろいろなことを教えています。
その際逆に教えられることも多いのです。
たとえば先日、
国が事業リスクのある新しいビジネスに対して積極的な支援策を講ずるべき、
たとえば、こういう領域があるとしています。
たとえば先日、
「日本の給料水準が30年も変わっていない、それはなぜか」
という話をしました。
そうしたら、自分でもその全体像が整理できていないことがあり、
話がゴチャゴチャになってしまいました。
それであらためてこのテーマについて整理してみました。
下の図をご参照ください。
クリックすると拡大図が表示されます。
基本的には企業が儲からないから給料を上げられないのです。
(#2)正社員の給与を上げられないだけでなく、
(#3)もっと安い非正規社員を雇いますから
平均賃金はさらに下がってしまいます。
非正規社員の雇用に関しては、
経営側の安易な対応で「同一労働同一賃金」の大原則に反している
ことがあることも問題となってきています。
このテーマに関連した当ブログでの取りあげは以下のものです。
日本においては男女間の賃金格差が大きい(#4)ことも
平均給与の押し下げ要因になっています。
日本の男女格差は「ジェンダーギャップ指数」によると
(注:スイスの「世界経済フォーラム」が
世界156国の男女格差を測定して発表しているものです)
総合点では先進国中最下位の120位です
(日本より下位にはイスラム国くらいしかありません
「男尊女卑」の思考が根強く残っているのでしょうか?)。
賃金格差は22.5%あり、
他の条件を無視してすべて女性で仕事をすると
賃金を22・5%低くできるということです。
女性の差別がされる原因の探求は以下のブログで行っています。
これの対策の一つは、前掲の「ジョブ型処遇」です。
ジョブ型処遇が徹底されれば、
正規・非正規差も男女差も吸収されてしまいます。
さて本題の企業が儲かっていない原因は、
1)(#12)生産性の高い海外企業との競争があり高い値段をつけられない
2)(#11)新規の儲かる産業や企業の誕生が少ない
3)(#13)儲からない企業が産業保護政策等によって温存されている
4)(#15)DXへの取り組みが不十分である
からです。
国の統計として見た場合には、(#14)低賃金の産業の構成比が増えれば、
平均給与に対して下方圧力となります。
低賃金の産業は、労働集約型の小売や各種サービス業です。
これらの産業は新規開業が比較的容易なので、
安易な開業早々の赤字状態(すなわち低賃金)も、
平均の下方圧力になっています。
以下、企業が儲からない4要因の内容を確認します。
1)生産性の高い海外企業との競争があり高い値段をつけられない
これは2)~4)の対策等によって改善するしかありません。
2)新規の儲かる産業や企業の誕生が少ない
につきましては、以下でその対策を整理しました。
国が事業リスクのある新しいビジネスに対して積極的な支援策を講ずるべき、
たとえば、こういう領域があるとしています。
人間の生産活動のデジタル化方向の例示
前掲生産活動の 3.分析 | 多数の論文・報告書の解析、難解文書の解読 |
【文書の構造化・要約・論点の抽出等を行う】
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前掲生産活動の 4.ドキュメント作成 | 企画書・計画書・設計書・仕様書・設計図・報告書の作成支援 |
【各種ドキュメント作成をAIが主導的に進める】
例は、 1)欲しい家の条件を詰めていき、家の設計図が作成される、 2)イベント企画の粗い条件をだんだん絞り込んでいって、 イベントの企画書を完成させる。 3)部門の来期事業計画を、要求条件の指定に基づき作成する。 要求条件は粗いものからだんだんに追加していく。 4) 法案の原案作成も可能かもしれない。
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前掲生産活動の 5.対人関係業務 | 営業・教育・指導・診察・治療・介護・相談・カウンセリング・接客等の支援 |
【対人対応時に、AIが有効なアドバイスを与える】
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前掲生産活動の 6.マネジメント業務 | 指示・統率・育成支援 |
【マネジメント方法をガイドする「経営書」的内容を、状況に合わせて適時・的確に提示する】
システム内の情報の自動収集 部下からの相談情報 部下のデスクワーク記録 部下のウェアラブル(スマホ)GPS記録
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3)儲からない企業が産業保護政策等によって温存されている
その大きな原因は、
労働の流動性が低い、すなわち労働者が居座ることです。
儲からなくて低賃金の企業の労働者がどんどんやめていけば、
会社はたちまち破産です。
そうなっていないのです。
日本社会は終身雇用が原則で、
労働の高い流動性を前提にした仕組みがありませんので、
普通は会社を辞めれば次の当てがつきません。
当然我慢します。
結果として儲からない会社が生き延びることになります。
これに関する論考は、その対策を含め以下で行いました。
4)DX(ビジネスのデジタル化)の遅れも大きな要因です。
日本の企業統治は現場重視です。
改善は現場中心でも可能ですが、改革となると現場ではできません。
経営トップが自分の判断を基にして
自社のデジタル化の旗振りをしなければなりません。
それができていない企業はデジタル化の遅れ、
すなわち低収益・儲からないという状況になっているのです。
トップがデジタル化の旗振りをすべきことについては、
以下のブログで私見を述べました。
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