目的:
「普通のお雑煮」って何だろうかと考えていただきます。
「普通」とは何かを考えてみます。
ねらい:
「自己中心主義」を改めましょう。
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この件名は、
よく知られているのは、「関西が丸餅、関東は角餅」ですが、
この件名は、
1月3日の日経新聞最終頁文化面の粕谷浩子さんの寄稿の見出しです。
粕谷さんは、一般民間人(㈱「お雑煮やさん」代表者)ですが
「地方巡りおばあちゃんから聞き取り、多様な種類・歴史研究」
をされているそうです。
お雑煮の風習が地域によって違うことはよく知られているのですが、
この寄稿によると、以下のようなことがあるようです。
地方による雑煮の違い
雑煮の種類 |
地方 |
牡蠣入りのすまし汁 |
新潟県上越市 |
ワラビやズイキがたっぷり入った 茶色の雑煮 |
同上 |
サメ肉やサケとイクラを入れる |
新潟県内 |
白味噌に甘いあんこ餅 |
香川県 |
残した餅に納豆と大量の砂糖をかける |
熊本県山鹿市 |
あんこ餅を使う |
熊本県玉名市 |
雑煮の餅を別皿のきな粉につけて食べる |
奈良県東吉野村 |
三角豆腐入り雑煮 |
岐阜県根尾村近辺 |
茶碗蒸しに餅を入れる「蒸し雑煮」 |
福岡県朝倉市 |
よく知られているのは、「関西が丸餅、関東は角餅」ですが、
江戸期に大阪などと交易した北前船の寄港地山形県酒田市では、
丸餅だそうです。
わが一家でも、2.3年前まで一族が集まって餅つきをしていました。
丸餅はついた後、ちぎって丸くするのですが、
そのときすぐ柔らかい状態であんこやきな粉をつけて食べました。
これはとてもおいしいのです。餅つきの楽しみでした。
角餅は、お判りでしょうが、
ついた後平らに伸ばしておいて、あとで小さく切ります。
関西では、
楽しむことを重視してついたその場で食べたのでしょう。
関東では、お行儀を重視して
その場で食べるなどはしなかったのではないでしょうか。
こう考えると丸餅、角餅の習慣の差が分かります。
これは上野の推定です。
雑煮は、正月の餅の食べ方ですから、
いろいろ工夫があって不思議ではありません。
むしろ同じ方が不思議です。
どんどん変わっていくのもありでしょう。
この寄稿に興味深いことが書いてありました。
「お宅ではどんな雑煮なのですか?」と主婦たちに聞くと、
ほとんどの人が「うちは普通の雑煮だよ」と答えるそうです。
ところが、いろいろ違うのです。
皆が自分は「普通」と思っているのです。
それを食べて育っていれば「それが普通」と思うのは自然です。
誰しも自分を基準にして自分は普通と考えています。
几帳面な人はそうでない人を「ルーズだ」と言いますし、
几帳面でない人は、几帳面な人を「細かい」と言います。
民族性についても同じことが言えます。
通常は自分たちと異なる民族性を「劣っている」と見がちです。
優劣でなくて異なっていると考えましょうというのが、
公平なグローバリズムであり民主主義です。
そんなことを考えさせてくれた粕谷さんの興味深い問題提起でした。
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