2022年1月17日月曜日

空飛ぶクルマ??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「空飛ぶクルマ」について整理してみます。
ねらい: 
 皆さまは「空飛ぶクルマ」に期待されますか?
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本項は、學士會会報2022⁻Ⅰ掲載の中野冠 慶応大学院附属システムデザイン・マネジメント研究所顧問の「『空飛ぶクルマ』開発最前線と実現に向けた課題」のご紹介です。
これは講演記録です。











以下にその要点を表にまとめました。
ドローンと比較すると人間が乗るという点が優位で、
ヘリコプターと比較すると小型であることと、
道路も走れることが優位です。

私としては、こんなものがたくさん空中に存在するとなったら、
鬱陶しくてたまりません。
これでなくては、という用途に限定すべきであると思います。

この講演記録の結論はこうなっていました。
おそらくそのとおりでしょう。
【普及時期の予想】
空飛ぶクルマは2025年以降、
まず、海辺の遊覧飛行から実現するでしょう。
飛行時間が10分程度ですむのでバッテリーの制約がなく、
天気が悪ければ飛行中止にできるからです。
しかも遊覧なので、離着場が1か所で済みます。
2点間の運航に比べ、人件費も整備費も少なく済むので、
事業性が高くなります。

2030年以降には、
救命救急医療や二次交通で利用が本格的になり、
2035年以降、自家用車や社用の利用が一般的になるでしょう。
ただ、大都市は社会受容性が低いので、
地方都市間交通での利用が先行するでしょう。
2040年以降になれば、大都市エアタクシー、
離島や過疎地での利用に事業性があることでしょう。

1.空飛ぶクルマの方式

方式

特徴

電動垂直離着陸機

垂直に離着陸するので滑走路不要

空飛ぶクルマの中心。

空陸両用車

車から翼が出て航空機に変身する。

滑走路が必要。


 
2.空飛ぶクルマの利点

項目

内容

低価格

ヘリコプターの遊覧飛行は10分で1人2万5千円だが、空飛ぶクルマだとその3分の1~4分の1になる。

運転が簡単

自動操縦、遠隔操縦

道路も走る

ドア・ツー・ドアの実現

斬新的な意匠デザイン

容易である。

 3.空飛ぶクルマの利用法

区分

利用法

タクシー

大都市内、地方交通、二次交通

所有

個人、企業オーナー、大企業

公共

エアメトロ、災害救助、救命救急医療、警察

地方活性化

離島、過疎地、テレワーク

観光・エンタメ

遊覧観光、レジャー、観光地間輸送


4.主な機体の技術仕様  以下の図をご参照ください。







.空飛ぶクルマの普及課題

項目

安全性

落下・衝突のリスク回避

飛行の保証

悪天候だと飛べない

社会受容性

騒音、衝突の不安、など

サイバーセキュリティ、テロ対策

 

離着陸時の吹き下ろし対策

公共スペースでの離着陸に際し問題となる。

自動運転

 

運航費の低減

 

バッテリーの性能向上

 

6.空飛ぶクルマの商業運航認可予定

時期

認可予定企業

2022年

独ボロコプター社

2023年

欧エアバス社、米ジョビー・アビエーション社、

2024年

独リリウム社、中国イーハン社、米ウィスク社、米ベル社

 試験飛行は数社が成功させている。
 日本のスカイドライブ社は飛行試験実施中。

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