2021年6月25日金曜日

日本でGAFAMを超えるビジネスはどうすれば生まれるのか!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 現在のITの世界は,GAFAMに席捲されています。
 そこで、GAFAMはどうして生まれたのかを分析し、
 これからの日本がGAFAMを超えるようになるには
 どうしたらよいかを検討してみましたので、
 その内容をご紹介いたします。
ねらい:
 日本はもう一度、その存在感を
世界にアピールしたいものです。
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このタイトルについて真剣に考えてみました。
経済産業省のある課にも提言しました。
そうしましたら、5月2日に当課長から次の返信をいただきました。
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システム企画研修株式会社 代表取締役社長 上野様、

先日はご丁寧に提言と著書をお送りいただき、有り難うございました。
連休中に勉強させていただきました。

デジタル化がMustとなる中で、デジタルを支える技術や産業の存在が、
経済や社会の基礎条件となっている。
デジタル産業を日本で活性化させる「目的・ねらい」が、
個別のビジネス論からインフラ論や国家論に大きく変化しつつある、
と考えております。

GAFAMの要素は日本には少ない。
一方で、日本には、過去の経験を教えていただける、
立派な先人が沢山おられます。
戦後から数十年で「Japan as No.1」まで持って行った
先人の気概と知恵に学ばせていただき、良き日本を実現できるよう、
精進してまいります。

メールでの御礼の非礼、お詫び申しあげます。
コロナのため、なかなか意見交換もやりにくい状況ではありますが、
引き続き、ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
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これから、この提言をどう受け止めていただけるのか分かりませんが、
提言をした事実を記録するために、この項を設けました。
解説文としましては、若干こなれておりませんが、
ご容赦いただきたくお願いいたします。

なお、この内容は、経済産業省に提言した内容を若干修正しています。
(たとえば、当初は予算規模を数千万円としていましたが、
現案では数兆円になっています)
それと、文体が不統一です。
これは元のWORD文書をこのFacebookのエディタに移しますと、
どうしても体裁を同じにできない点があるのです。
(本当に腹が立ちました)これもご容赦ください。
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デジタル時代に「超GAFAM」を実現する方法の検討

1.なぜ日本でGAFAMが生まれないのか


まずは、GAFAMを分析してみました。
事実の確認後、
分析は、
日本で成功した経営者の「私の履歴書」で抽出した成功要因である
「素質」「原体験」「運」「逆境」の切り口を使いました。
(後掲【GAFAM創業者の分析】をご参照ください)。

その結果,GAFAMの創業経営者に共通して言えることは以下でした。

1.ユダヤ系・ムスリム・キューバ移民などマイノリティ民族系が多い。

これは広い意味での逆境である。

2.学業成績優秀であるか、知識人の家庭に育っている。

3.幼くしてコンピュータとの縁ができている。例外はジェフ・ベゾス?

4.有名大学に進学し大学在学中から事業を開始している。

  大学中退者も多い。

5.独自のIT関係事業を創業している。

6.やはり「運」も多少影響している。


これを若干言い換えるとこうなります。

1)勝ち残りを目指す民族の血を持っている。

2)優秀な素質を持った人材である。

3)幼少時のコンピュータとの縁にも支えられている。

4)若くから人生の成功を目指して活動している。

5)独自のIT関係事業を創業している。


この点について、一般的な日本の状況と対比してみました。

GAFAMの成功要因

日本の状況

1)勝ち残りを目指す民族の血を持っ  ている。

民族間の競争心は存在しない。

 階級組織間の競争意識もない。

2)優秀な素質を持った人材である。

○優秀な素質を持った人材は多い。

 島正博氏のような発明家やノーベル賞受賞者も多く存在する。

3)幼少時のコンピュータとの縁にも         支えられている。

○今まではあまりなかったが、現在および今後は誰でもコンピュータは身近になる。

4)若くから人生の成功を目指して創業している。

こういう文化がない。有名大学に入り、大手企業に就職することが多くの若者の志望である。

5)独自のIT関係事業を創業して   いる。

✖日本ではIT関係事業は、米国から持ってくることしか考えない。


この表については、こう解釈できます。

 

·         1)は前提条件で、どうにもなりません。

·         4)の背景にあるベンチャースピリットは、米国の「開拓者魂」の血をひいておりヨーロッパもかないません。

·         4)それに引き換え、現在の日本社会は安定指向で、夢にチャレンジする風土がありません。

·         5)IT関係の日本のビジネスは、システム開発ビジネスが中心であり、ここには創業者精神は育ちません。優秀な人材も集まっていません。

·         5)GAFAMは,IT関係ビジネスで成功していますが、それは時代が第3次産業革命の時代だったからです。これから,IT関係ビジネスの後追いをする必要はありません。これからの第4次産業革命のときには、その潮流に乗る事業が成功するのです。

 


2.ではどうすればよいのでしょうか。

1.これまでの日本社会一般の価値観はこうでした

  • 有名大学に入り、大手企業に就職することが多くの若者の志望」になってしまったのは、終戦10年以降に敗戦からの復活がほぼ終了して、平和安定指向の社会になったからです。
  • 基本的に農耕民族系であり、過去踏襲文化が底流にあることも影響しています。
  • 大多数の国民のその価値観を「変える」ことは、ほとんど不可能でしょう。


2.日本社会の新しい価値観をつくる

  • そこで、価値観を「変える」のではなく、新しい価値観をつくるのです。

  • 野球選手が活躍し有名になれば、野球を目指す少年が増えます。
  •  サッカー選手が活躍し有名になれば、サッカーを目指す少年が増えます。
  •  体操選手がオリンピックで活躍すれば、体操選手を目指す少女が増えます。
  •  YouTuberが稼ぎを上げると、YouTuberを目指す人が増えます。
  • 「鬼滅の刃」が大成功すると、漫画家を目指す少年・少女が増えているのではないでしょうか。

  • というように、新ビジネスの成功例をたくさん作れば、新ビジネス創業を目指す国民が増えるでしょう。
  • その成功物語が多くの国民に知られるようになれば、これまでの若者たち、その親たちの進路判断基準が変わります。
  • 日本にも多い優秀な人材が有名校志望ではなく、個性・適職を目指すようになるはずです。


3.国が新規性ある事業の創業支援制度を大々的につくる

·         国民の新しい価値観をつくるために、国が「新規性ある事業の創業支援制度」を大々的につくればよいのではないでしょうか。

·         予算としては、兆円規模を想定します。

·         コロナ対策で数兆円の予算を使っているのです。国の将来を賭けるのですから、そのくらいのことはすべきです。

·         この制度の対象審査では、成功の可能性よりも事業の新規性を重視します。

·         10に1つが成功すればよいと考えます。




4.その制度でどういう事業の創業を支援するか

·         GAFAMが実現したのは、

  基本的には個別のサービス提供(アプリケーション提供)ではなく、

  その基盤になるシステムや機器(インフラ)の提供です。

【GAFAMのビジネス対象】

企業

提供しているモノ

Apple 

マシン

Microsoft

OS,OAソフト

Google

情報検索機能(検索エンジンと検索用の情報収集)

Facebook

SNS(サービス対象は個人である)

Amazon

ECビジネス 必要なものの入手ができる。

AWS 法人の仕事に対する基盤提供である

 

·         これからは、第4次産業革命あるいはSociety5.0の時代です。

·         上記の第3次産業革命の成果である基盤技術をベースにして、人間の「生産」活動を直接支援する領域のデジタル化(AI,IoT化)が進展します。

·         そこでは、以下の領域でAIやIoTを活用して具体的な作業支援をするシステムの提供も必要であり有効ですが、その開発が楽に実現できる基盤システム(「メタシステム」)を提供する方が価値があり、そのビジネスは大発展すると思われます。

 【人間の生産活動のデジタル化方向】

  「こういうことができたらいいな」の実現です。

生産活動

デジタル化方向

1.作業(事務・肉体労働)

自動化(IT、ロボット)進展

2.点検

自動化(センサ、ロボット、AI)進展

3.分析

多数の論文・報告書の解析、難解文書の解読(AI)

4.ドキュメント作成

企画書・計画書・設計書・仕様書・設計図・報告書の作成支援(AI、関連情報検索)

5.対人関係業務

営業・教育・指導・診察・治療・介護・相談・カウンセリング・接客等の支援(AI、有効情報検索の絞り込みが決め手)

6.マネジメント業務

指示・統率・育成支援(部下情報を基に継続的に「経営書」的ガイド提供)

注:ロボットにはドローンを含む。

 

  • 1.2.の領域は、これまでも取り上げられておりその延長で進展します。

  •  3.の領域は、専門家の仕事です。初歩的な文章解析が始まった段階です。
  • 3.の一部ですが、現在は不可能と思われている現行のレガシーシステムを自動で新アーキテクチャに作り変えるということも、少し先でしょうが、AIの進歩でできるようになるのではないでしょうか。
  • これができれば、「2025年の崖」などという問題は過去の話」になります。

  • .~6.の領域は、これまで部分的にAI化が行われていますが、もう一歩踏み込んだ作業支援を行うようにするのです。その場の状況等を把握してその時点で適切な情報を提供することなどが期待されます。

  • 究極の自動化はまだまだで、最後は人間が頭で考えるだけで、安全にモノができたり、活動を助けてくれたりするようになるのでしょうが、そこへ行くまでに、人間の業務を助けられることがたくさんあります。

  • 「新規性ある事業の創業支援制度」では、上記3.から6.の基盤技術やシステムを開発する事業を支援の主対象にします。
  •   後掲【人間の生産活動のデジタル化方向の例示】をご参照ください。

  • 幸いなことにそれらの事業は、緻密な日本人が得意な領域である可能性があります。

 5.人間の生産活動のデジタル化方向の例示

前掲生産活動の

3.分析

多数の論文・報告書の解析、難解文書の解読

【文書の構造化・要約・論点の抽出等を行う】

  • 大量文書について、Google、J-STAGE、CiNii、Google Scholar、図書館情報などを、テーマ等に基づき検索する。絞り込んだ対象の文章を解析し、歩翻訳、内容の構造化、要約の作成、論点の抽出、等を行う。
  • 特定の1論文・1書籍について、同様の解析を行う。
  • システム内のプログラムソースについて、その解析・翻訳等を行う。
  • 部下からの報告について、継続的解析・要約作成・指導点の抽出等を行う。

 

前掲生産活動の

4.ドキュメント作成

企画書・計画書・設計書・仕様書・設計図・報告書の作成支援

【各種ドキュメント作成をAIが主導的に進める】

  • 初めに「何をつくる」かを担当が指定する。
  • 「何をつくる」をAIが受け止める。
  • 担当とAIのやり取りで完成させていく。
  • AIは適宜気を利かせて検索をして情報提供をする。
  • AIはこれまでの蓄積から「こうしたら?」とかのアドバイスも出す。

例は、

1)欲しい家の条件を詰めていき、家の設計図が作成される、

2)イベント企画の粗い条件をだんだん絞り込んでいって、

     イベントの企画書を完成させる。

3)部門の来期事業計画を、要求条件の指定に基づき作成する。 

     要求条件は粗いものからだんだんに追加していく。

4) 法案の原案作成も可能かもしれない。

 

前掲生産活動の

5.対人関係業務

営業・教育・指導・診察・治療・介護・相談・カウンセリング・接客等の支援

【対人対応時に、AIが有効なアドバイスを与える】

  • キーワード音声入力で、もしくは「状況」によって、AIが情報検索する。
  • それをARで表示する。「違う」とか「次」とかに対応してくれる。
  • 情報検索の絞り込みの知恵が決め手である
  • 本人の行動へのアドバイスもしてくれる、「少し休んだら?」とか。
  • 介護や接客はロボットの併用も必要である。

 

前掲生産活動の

6.マネジメント業務

指示・統率・育成支援

【マネジメント方法をガイドする「経営書」的内容を、状況に合わせて適時・的確に提示する】

  • 部下の条件を入力する。
  • システムが部下に関する情報を収集・蓄積・分析し、継続的にフォロする。

 システム内の情報の自動収集 

  部下からの相談情報

  部下のデスクワーク記録

  部下のウェアラブル(スマホ)GPS記録

  • 自分の気づき情報も入力する。
  • システムから適宜、部下に対する指導・フォロガイドが示される。

 


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