2021年12月21日火曜日

副業のお勧め!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本における副業の意義を確認いただきます。
 副業の実態を確認いただきます。
 副業への対応方法を研究いただきます。
ねらい:
 どなたにも副業のチャンスがあります。
 ぜひお試しください。
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以下の太字が、今テーマの結論です。
「副業体験なくしてビジネスでの大成はありえない」
日本電電公社を民間企業体質に変革したのは
東芝出身の土光敏夫さんです。
瀕死の日本航空を救ったのは京セラ出身の稲盛和夫さんです。
ソニーを電機製造業からエンタメトップ企業への変身の基礎を
築いたのは音楽家の大賀典雄社長です。

帝人の凋落を押しとどめたのは安居祥策社長です。
安居社長は、強い個性のために上司から嫌われ
何度も傍系の子会社に放り出されました。
安居氏は帝人の社長・会長を務められた後、全く畑違いの銀行畑で
日本政策金融公庫総裁などを長く勤められました。
他にもこういう例は多いのです。

つまり、大を成すには異質の体験が必要だということです。

2022年1月26日追記
1月23日の日経新聞に以下の記事がありました。
三井住友海上、課長昇進、出向・副業が前提
 三井住友海上火災保険は出向や社外での副業など「外部での経験」
 を社員が課長に昇進するための前提にする。
 出向などで得た知見や人脈を社内で生かし、
 新たな事業の開発を促す。
 損害保険は主力の火災や自動車保険の成長が頭打ちになっており、
 多彩な人材の育成や外部との連携強化が課題になっていた。

「メンバーシップ型」と言われる日本の雇用形態の中では、
異質のビジネス体験をするチャンスとして
副業の存在意義は非常に大きいのです。
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そこで以下に、日本における副業の状況や対応法を
整理してみました。

1.副業の一般的動向
(1)副業の市場規模
これについては、厚労省の発表データはありません。
副業紹介業のクラウドソーシング大手企業のランサーズ㈱の
推定データでは、2021年10月時点で
フリーランス人口は1577万人(労働力人口の24%)、
経済規模は23.8兆円、とされています。

ランサーズでは、フリーランスを以下の4分類していて、
副業者はこれの1)と2)を指し、
合計812万人(10兆円程度)となります。
 1)副業系すきまワーカー 439万人
  常時雇用されているが副業としてフリーランスの仕事を行う。
 2)複業系パラレルワーカー 373万人
  雇用形態に関係なく、2社以上の企業と契約ベースで仕事をこなす。
 3)自由業系フリーワーカー 308万人
  特定の勤務先を持たない独立したプロフェッショナル
  下手をするとフリーターです。
 4)自営業系独立オーナー 551万人
  1人で経営しているオーナー
  「○○士」事務所が代表例です。
  
(2)副業の解禁状況 
1)厚生労働省の対応
厚労省は2018年1月、モデル就業規則を改定し、
労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」
という規定を削除し、
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表して
副業・兼業を推奨しています。

2)企業の対応
㈱パーソル総合研究所の調査によると
(2021年実施、従業員規模10人以上の企業1500社対象)、
正社員に対する副業は、
  全面禁止   45.1%
  条件付き容認 31.3%
  全面容認   23.7%
となっていて、過半の企業が「容認」となっています。
しかし、容認派は
2018年よりも3.8ポイントしか上昇していません。

ということですから、お勤めの方が、副業を検討される場合は、
その組織の方針がどうなっているかを確認する必要があります。
最後に例示しました「ネーミング応募」のような場合は、
副業には該当しないでしょう。

(3)個人として副業の実施状況 
1)厚生労働省調査
2020年、各年代の仕事をしている者約16万人対象のメールでの調査
 仕事は2つ以上している(副業あり) 9.7%

2)㈱パーソル総合研究所調査
2021年、従業員規模10人以上の正社員34,824人対象の調査
 現在副業をしている人 9.3%
 現在副業していないが副業意向あり 40.2%

3)リクルートワークス研究所調査(詳細不明だが転職者が多い)
 1年間に副業・兼業を経験した人は12.9%

1割程度の正社員が何らかの副業を実施している、
ということになります。

(4)副業の内容
副業としてどんな仕事をしているのか、です。
前掲㈱パーソル総合研究所調査では以下のとおりです。
ご自分の関心事を確認してください。
デスクワークだけでなく、現場ワーク(太字)も含まれています。
各行の数字は、回答者の経験業務の比率(複数選択)です。
この10位までが副業のメイン職種と言えそうです。
通常のシステム開発業務は10位でそう多くないのです。

 1位 WEBサイト運営(ブログ運営、YouTubeなど) 12.6 
 2位 配送・倉庫管理・物流  11.2
 3位 ライター・WEBライター  8.6 
 4位 eコマース(インターネット通販・ネットショップ販売) 7.7 
 5位 販売・サービス系職種(店舗内・事業所内) 7.3
 6位 事務・アシスタント(データ入力含む) 6.4
 7位 その他専門職  6.2
 8位 フードデリバリー・配達  6.0 現在脚光を浴びています。
 9位 医療系専門職種  5.3 
 10位 IT系技術職種  4.9 

 11位 製造(組立・加工) 4.8 
 12位 福祉系専門職(介護福祉士・ヘルパーなど) 4.5
 12位 教員・講師・インストラクター  4.5 
 14位 その他クリエイティブ系(デザイナー、各種クリエイター) 4.2 
 15位 Webクリエイティブ職種  4.0
 16位 商品開発・研究  3.9 
 17位 不動産関連 専門職種  3.7 
 18位 営業 3.6 
 19位 顧客サービス・サポート  3.5 
 20位 建築・土木系技術職種  3.3 

 21位 翻訳・通訳・ガイド  3.2  
 22位 シッター/ハウスキーパー  2.6 
 23位 コンサルタント  2.5 
 23位 生産技術・生産管理・品質管理  2.5  
 25位 財務・会計・経理  2.4  
 26位 企画・マーケティング  2.3  
 27位 理美容専門職種  2.2  
 28位 総務  2.0 
 29位 人事・組織開発  1.9 
 30位 経営・経営企画  1.8 
 30位 金融系専門職種  1.8 

 32位 受付・秘書  1.5 
 33位 営業推進・営業企画  1.3 
 34位 データアナリスト・データサイエンティスト  1.2 
 35位 資材・購買  1.1 
 35位 広報・宣伝  1.1 
 37位 幼稚園教諭・保育士  1.0 
 37位 新規事業開発  1.0 
 39位 法務  0.9 
 40位 医療系営業(MR、医療機器など)  0.6 

(5)仕事を探す経路
どういう経路で副業をしているかです。
1)㈱パーソル総合研究所調査 回答者1703人
 知人・友人からの紹介   27.3%
 スマホのアプリ      26.5%
 広告媒体(web)    17.7%
 WEBマッチングサービス 17.1%
 広告媒体(紙媒体)    15.6%
 本業の仕事のつながり   14.6%
 人材紹介サービス     13.8%
 過去に勤めた企業つながり 13.3%
 企業ホームページ     10.0%
 クラウドソーシング     9.3%
 その他          20.4%

2)前掲ランサーズ調査
 人脈         46%
 エージェントサービス 17%
 SNS        16%
 クラウドソーシング  15%
   過去・現在の取引先  13%
 広告宣伝(WEB)  12%
 広告宣伝(雑誌)    5%

やはり、人脈のウェートがかなり高いようです。
日本的です。
これに対して、ビジネスとしての方式が
エージェントサービスとクラウドソーシングです。

WEBマッチングサービスエージェントサービスは同じもので
登録者に対して適当な募集職種を推薦してくれます。

これに対して、クラウドソーシング
求人者が対象を公募して応募者がオファーする方式です。
求人者が応募者の中から依頼者を選定します。
この方式が今後の本命であると思われます。
後掲3.副業探しの方法をご参照ください。

2.副業の効用
大事なことはこれです。副業はどういう効用があるのか、です。
(1)厚労省の見解
前掲「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では
このように記述されています。
副業に対する客観的な最大公約数的な評価であると思われます。

副業のメリットと留意点

 

労働者にとって

企業にとって

メリット

離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。

本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。

所得が増加する。

本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。

労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。

労働者の自律性・自主性を促すことができる。

優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。

労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。

留意点

就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間や 健康の管理も一定程度必要である。

職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である。

1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険等の 適用がない場合があることに留意が必要である。

必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要である。


(2)前掲パーソル総合研究所の調査結果 
これは副業の動機についての回答(複数選択)です。
各人はどう受け止めているかです。
矢印は前回2018年調査との変化を示します。
4位や5位は前回より大きくなったということです。

1位~3位は収入目的でやはりこれが大きいです。
前向きな目的は4位、5位、6位。8位、9位で、
半数はその意識があります。
コロナ禍の影響でしょうか。「時間に余裕があるから」も増加しています。

順位

副業の目的

選択率

副収入(趣味に充てる資金)を得たいから

70.4

現在の仕事での将来的な収入に不安があるから

61.2

生活するには本業の収入だけでは不十分だから

59.8

自分が活躍できる場を広げたいから

50.0

本業では得ることが出来ない新しい知見や スキル、経験を得たいから 

48.9

副業で好きなことをやりたいから

48.2

現在の職場で働き続けることができるか 不安があるから

46.7

様々な分野の人とつながりができるから

45.4

会社以外の場所でやりがいを見つけたいから 

45.4

10

時間のゆとりがあるから 

45.1


(3)副業の有効性
(1)(2)を受けてどういう場合に副業が有効かを
3点に集約するとこうなります。
1)目標職種の仕事を経験する。
  現職のままで、将来目標とする職種の仕事を経験できます。
  前掲厚労省の労働者のメリットの④です。  
2)担当職種のスキルを上げる。
  現職種の業務であっても、異なる場における経験は
  その能力拡大に貢献します。
  前掲厚労省の労働者のメリット①、企業のメリット①です。
3)すき間時間を有効活用して収入を得る。
  前掲パーソル調査の上位ランクの目的の実現です。
  時間を有効活用して収入を増やせるのは
  働く者にとって大歓迎です。
  バブル時代の残業代のようなものです。

それでは、本業で時間が一杯いっぱいの場合はどうしましょうか?
その仕事が楽しくて有意義と思うなら本業集中で結構です。
恵まれた研究者はそういう状況です。

しかしそうでないなら、何とか副業する方法を考えましょう。
まずは、休日の時間を少しでも副業の検討に当てます。
当レポートも参考にして副業の研究をしてみてください。
そして意義ありと思われたら少しずつ副業実施に進みましょう。

3.副業探しの方法
前掲調査で多い人脈に頼っていては、計画的な検討ができません。
計画的に副業を探す方法は、以下の2つです。
(1)エージェントの利用
分かりやすく言えば人材紹介業の利用です。
人材登録をしますと、
エージェントが適当な応募先を見つけて紹介してくれます。
発注元企業との仲介役となって契約や報酬の回収を行ってくれる
SOHOエージェントもあります。
これは、かなり専門性がハッキリしている職種で
実力にも自信がある人向けの方法です。
私としましては、
まずは次のサービスを利用されることがお勧めです。

(2)クラウドソーシングサービスの利用
クラウドソーシングサービスの大手は、
ランサーズとCrowedWorksです。

TECH CAMP「クラウドソーシングサービス12社比較」には
以下の企業が紹介されています。

 3.1 Lancers(ランサーズ)
 3.2 CrowdWorks(クラウドワークス)
 3.3 ジョブハブ
 3.4 CROWD(クラウド)

 3.5 Shufti(シュフティ)
 3.6 coconala(ココナラ)
4 Webの仕事に特化クラウドソーシングサービス
 4.1 Bizseek
 4.2 Craudia(クラウディア)

5 ライティングの仕事に特化したクラウドソーシングサービス
 5.1 サグーワークス

 5.2 Shinobiライティング
 5.3 Repo(ルポ)
6 翻訳の仕事に特化したクラウドソーシングサービス
 6.1 Gengo(ゲンゴ)
 6.2 Conyac
7 イラストに特化したクラウドソーシングサービス
 7.1 SKIMA
8 マーケティングに特化したクラウドソーシングサービス
 8.1 Skets

クラウドソーシングサービスの利用手順はこうなります。
1)目星をつけたクラウドソーシング企業に
 自分のプロフィールの登録をします。無料です。
 ガイドに従ってください。
 複数企業にエントリしてもかまいません。
2)自分の得意分野を登録します。
 そうすると、今後得意分野に合致した募集があると
 自動選定でメールで知らせてもらえます。
3)条件に合う仕事を探します。
 案内が来るもの以外に、「仕事を探す」機能で
 募集内容を検索します。
 その際、以下の表の分類で検索をします。
 逆に言えば、この分類で得意分野が明確でなければ、
 副業の仕事が見つけられないということになります。
4)自分の条件に合う募集があれば応募します。
5)募集者が採用してくれればその案内が来ますので
 手続きをします。
 仕事のやりとりは発注元と直接行いますが、
 報酬の支払いはクラウドソーシング企業から行われます。
 このとき、仲介手数料が差し引かれます。

まだ副業未経験の方は、即チャレンジしてみましょう!!

因みに、私は「ネーミング・コピー募集」に応募しています。
採用されれば、1件1万円~3万円が支払われます。
応募件数はいずれも100件(数十人)以上あります。
これまで30件ほど応募していますが、今のところ未採用です。
それでも、競馬よりは楽しめます。
 
仕事の分類 ランサーズの場合


    
 













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