2019年2月8日金曜日

少女虐待死事件再論

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 心愛ちゃんが死に至った原因と対策を探求します。
ねらい:
 何とかこういう事件の再発を皆無にしたいものです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
千葉女児死亡事件のことです。
私は、
この事件が起きた時にすぐにこのブログで取りあげました。
「またも女の子が父親の犠牲に!」 (1月27日)
http://uenorio.blogspot.com/2019/01/blog-post_27.html


目黒幼児虐待死事件との共通点を整理して、
再発防止対策を考えてみたのです。


その後、この事件は毎日報道され毎日進展があります。


そこでの疑問を改めて整理しました。
1、父親の非道さ・ワルさ
こんなに虐待するのは、
何か恨みか復讐心でもなければしないことです。
また母親の連れ子かと思いましたが、
心愛ちゃんは父親似なのでそういうことはなさそうです。


では、何なのか?
とてもシツケだなどとは考えられません。


虐待がばれないようにする、無かったことにする、
ワル知恵もずい分発揮しています。


こういうことを起こさない対策は今のところ不明です。


2.母親の責任
母親は、父親がすることを見て見ぬふりしているのかと思いましたら
虐待に加担しているのですね。
まったく信じられません。
あの男はそんなに怖いのでしょうか?


この対策はなんでしょうか?
やはり、自分が怖くても娘が可哀そうなら、
どこかに相談する、ということでしょう。


それだけの知恵が回らないのなら処置なしですね。


3.野田市教育委員会の対応
ご承知のように、ここが心愛ちゃんの暴力訴えメモを
父親に渡してしまいました。
父親の恫喝に負けたようです。


父親の火に油を注いで
心愛ちゃんの死に最後のとどめを刺したのかもしれません。


これは、とんでもないことです。


日本人はほとんどが穏健な性格です。
日頃から対人関係が厳しくないのです。
最近はクレーマも多いようですが、
基本的には争いごとを好みません。


したがって、攻撃されることに弱いのです。
だから、少し脅されるとあたふたしてしまう、
すっかり、常識がどこかに行ってしまって
こういうことになるのです。


恐喝・恫喝されていると思ったら、
その場で済まさずに、
「警察に連絡しますよ」と言えばよかったのです。
厳しい状況の経験不足です。


対策は、自分で決着しないで、
「上司に相談する」とか「警察に連絡する」とかすることです。
今からならマニュアルに入れられます。


4.学校・児相の不備
これはまたもか、です。


今回の特別事情は、父親が心愛ちゃんを転校させ、
しかも登校させないようにして
学校でのフォロをしにくくしていることです。
かなりのワルです。確信犯です。
厳罰に処さなければなりません。


安倍総理は、
2月8日に「児童虐待防止に関する関係閣僚会議」を開く、
ことを決められたようです。


総理は、このテーマに積極的関心を持っておられます。
目黒の事件の時にも、
緊急で児相の要員大幅増強対策を打ち出されました。


私は、この時、ブログで
「量の拡大も必要だが質の強化をしないとダメだ」と書きました。
正にそのとおりでしょう。


児童福祉司は、一時保護した子供を、その後どうするかの判断や、
その後の状況把握・判断を、自分でしなければなりません。
たいへんな権限・責任を持たされているのです。
児童福祉司の制度がそう決めています。


しかも教育期間はたった3か月だそうです。
その間にそんな重大な判断ができるようになれるとは思えません。


未熟さを補うのは組織です。
上司の権限を明確にして、
児童福祉司の判断を補強できるようにすべきです。


また、学校・児相の職員が、
何か危険を感じたらすぐに警察に連絡することも重要です。
そのため、警察の連絡窓口を明らかにしておきます。


この2件の事件は一般に知られ大騒ぎになっていますが、
なんと年間50人が虐待死しているのですって。
組織間の連携網の整備が重要です。


5.近隣の協力
心愛ちゃんがいじめられているということが分かったら
近隣はすぐに児相または警察に連絡する、ことが必要です。


今回の件では、
沖縄の時には近所にも知れることがあったようですが、
千葉に来てからは近所に知れないようにしています。
これも父親のワル知恵です。
「コノヤロー」です。


2月7日の日経新聞に以下の記事が載っていました。


 警察庁のまとめでは、虐待の警察への通告件数は
 5年で倍増した。


目黒事件があった18年に特に伸びているわけではありません。
虐待の通告(内部。本人からを含む)は
今や国民の常識になりつつあるようで結構なことです。


その後、こういうことになりました(日経新聞2月8日)。
 国連の子供の権利委員会が、日本政府への勧告を公表した。


 委員会は日本で子供への虐待などの暴力が
 高い頻度で報告されていることに懸念を示し、
 政府に対策強化を求めた。


 虐待などの事案の調査と、
 加害者の厳格な刑事責任追及を要請した。


 7日に記者会見した子供の権利委員会のサンドバルグ委員は、
 千葉県野田市立小4年の女児が死亡して
 両親が逮捕された事件について
 「起きてはならない残念な事件だった。
 誰か大人が対応すべきだった」
 と述べ、日本社会全体で向き合うべきだと指摘した。


正にそのとおりです。
日本の子供虐待は世界的に有名になってしまいました。
早く根絶しましょう!!


8日の政府の関係閣僚会議の結論は、
この国連の委員会の勧告にも整合し、
「(首相)子どもの命を守ることを最優先にあらゆる手段を尽くし、
やれることはすべてやるという強い決意で
児童虐待の根絶に向けて総力をあげて取り組んでほしい」とし、


虐待の通告元や資料は外部に一切明かさないとのルールを
新たに設けると表明しました。
先刻決定した児童福祉司を19年度から4年間で2千人増やす目標を
前倒しして19年度で千人増やすことにもしました。


繰り返しますが、量的拡大だけでなく、
質の改善もしなければなりません。
今回は、学校、児相、教育委員会の担当すべての関係者の未熟さが
犠牲者を生みました。
誰かが気が利いていれば心愛ちゃんは死なないで済んだのです。
心愛ちゃんが本当に可哀そうです。
国連の委員の言う「誰か大人が対応すべきだった」のです。
まったくそのとおりなのです!!


追伸  
【2月15日の報道】
文部科学省は14日、全国の学校や教育委員会などに対し、
長期欠席している子供の安全を面会して確認するよう求めた。
3月8日までに確認し、
同14日までに文科省に報告することとしている。


そうすべきです。
こうしていれば、-----です。
要求期間も早くていいですね。

0 件のコメント: