2020年3月27日金曜日

レンゴー㈱の大坪清社長は偉人です!!

【このテーマの目的:ねらい】
目的:
 レンゴーの大坪社長の偉業を知っていただきます。
ねらい:
 このような大英断を他の社長様たちも見習っていただきたいものです。 
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知りませんでした。こういう革新派の社長が隠れていらっっしゃったとは!!


3月の日経新聞「私の履歴書」はレンゴー㈱の大坪清会長兼社長です。
たいへん失礼ながら経営者としてあまり有名ではありませんが、
たいへんな方です。


レンゴーは、段ボールとその原料板紙の製造会社で、110年の歴史があり、
従業員は連結で1万7千人の巨大企業です。
大坪社長は現在81歳、住友商事出身で創業者一族ではないのですが、
創業家に見込まれてもう20年間社長をしておられます。
引退しようとすると事件が起きて(リーマンショックなど)、
やめられなかったそうです。


1.取り組まれた改革その1 業界慣行打破
段ボール業界は、古紙の回収業、古紙から段ボール原料を作る製紙業、
製紙を基に製品に仕上げる段ボール業から成り立っています。
ところが、昔からの商習慣で価格は事後決めるとなっていたそうです。


それを、段ボール会社の社長になって「三位一体の改革」と称して、
その業界慣行打破を実現しました。
業界慣行の変更は並大抵のことではありません。
抵抗を押し切っての実現でした。


2.改革その2 合併会社の労組一本化
段ボール会社のレンゴーと製紙会社のセッツは1999年に合併しましたが、
労組は別々のままでした。
給与水準がかなり違っていたのです。
社員の心が別々では合併の効果が実現できないと判断し、
労組一本化に取り組まれました。


給与水準を両社の中間にするのです。
下がる方(=合併では上位の会社)は当然反対しました。
それを説得して実現しました。
そうしましたら、上がった方の社員たちが奮起し
板紙の生産性が大幅に上がりました。


3.改革その3 1000人の派遣社員の正規社員化
 09年、使用していた派遣社員を一挙に正規社員に切り替えました。
 給与アップ額4-5億円でした。
 大坪社長は、 「この程度なら
 社員のモチベーションアップによる生産性向上で十分カバー可能」
 と考えられました。


 この英断結果は、
 その読みどおりコストアップ以上の効果を産み出しました。
 段ボール工場で給紙係だった旧派遣社員は、
 完成品の形に合わせて給紙をするようにして
 原紙シートの端切ロスを削減しました。
 段ボール加工のロス率は13-14%から10%弱に低下しました。
 4%の改善は数億円のコスト削減になります。


これで思い出しますのは、
SCSKの社長であった中井戸信英氏が、
「そんなことをしたら売上が減る」と言われた「残業時間削減、有給習得奨励」
を2012年から大英断で推進されたことです。
この時も、生産性が上がって売上は下がらなかったのです。


それどころか、 
2014年に日経新聞社が主宰している「人を活かす会社」ランキングで
富士フイルムホールディングス等を抑えて堂々1位を獲得し、
その後も厚生労働省の表彰を受けるなど、
就職戦線で非常に優位に立つことができました。


4.改革その4 出産祝い金を3人目は100万円とした。
 その検討の際、10万円か30万円かという議論があったそうです。
 その時「みみっちいことを言うな。100万円くらい出したらどうや」
 と大坪社長が言ったらそうなってしまったそうです。
 そうしましたら、
 それまで年間10人程度だった3人目が
 一挙に30人くらいになったそうです。
 日本の少子化改善に貢献されているのです。


たいへん失礼ながら、
こういう「成果」が一つくらいだと、「あれは実は他の人がしたことだよ」
というようなことがあり得るのですが、そういうことはなさそうです。 


大坪社長は(中井戸氏も)サラリーマン社長なのですよ!
社長たるもの、そのくらいの読みに基づく英断をされれば、
日本も停滞から脱却できるのでしょうがね!
危機に備えてお金をため込んでいるだけでは、
年寄り夫婦の行動と同じです。


このような英断はボトムアップではできません。
とこかでもみ消されてしまいます。
やはり社長に頑張っていただかないといけないのです。



2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

すばらしい情報を有難うございました。

上野 則男 さんのコメント...

unknownさん
激励コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。