2020年2月17日月曜日

犯罪死見逃し急減!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 重大案件については、真剣に対策を検討すれば
 改善が可能である事例を知っていただきます。
 犯罪死見逃しについては、
 警察庁(長官?)がその責任を明確に認識して取り組んだ成果です。
ねらい:
 問題解決には責任の明確化が
 重要なカギを握ることを認識いたしましょう。
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このタイトルは、2020年2月12日の日経新聞の見出しです。
こういう内容でした。
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警察庁の発表によると、警察が病死や自殺として処理した死者が
後に殺人事件などの被害者と判明する犯罪死の「見逃し」の発覚は
2011年~19年の9年間で11件しかなかった。


警察庁は10年1月、遺体を解剖せずに判断し、
後で事件に巻き込まれたことが明らかになる事例が相次いだため、
従来の死因究明制度を改善する有識者研究会を設置して
犯罪死の見逃しを初めて集計。
1998年~2010年の13年間は43件だった。


この中には、
06年に発覚した連続児童殺害(秋田県警)、
07年発覚の大相撲時津風部屋の力士暴行死(愛知県警)
10年発覚の首都圏連続不審死で最初の事件となった男性被害(警視庁)
などが含まれている。


警察庁は当時、見逃しの原因として
「死因の判断ミス」と「犯罪性の見落とし」の2つを挙げた。
警察庁の報告を受け、研究会は11年に新たな死因究明制度を提言し、
12年には、「死因究明推進法」や、
警察署長の判断で遺族の承諾なく解剖できるようにする
「死因・身元調査法」が成立した。


11年以降は、筧千佐子被告(73、上告中)の近畿連続青酸殺人が
5件でカプセル入り青酸化合物が使われたことから、
警察庁は16年度から
毒薬物の痕跡を調べる「毒物検査キット」を全国に配備した。


1998年以降の全54件を警察庁が詳細に分析したところ、
風呂での溺死や転落事故を装った保険金目的殺人事件が17件
睡眠導入剤や青酸化合物など毒薬物を使った事件が17件あった。


前者は保険金の照会をしていれば不審点が判明したはず、
後者は簡易薬毒物検査をすれば不審点が明らかになったはず
のものである。


また54件のうち42件は
遺体を検視して事件性の有無を専門的に調べる刑事調査官(検視官)が
現場に出動していなかった。


警察庁は検視官を増員し、
08年4月は160人だったが19年4月には364人になっている。
検視官が現場に出動する臨場率も
08年の14.1%から18年は80.0%と大幅に向上。


犯罪死見逃しは、
千葉県印西市の老人ホームで17年、元職員の女(上告中)が
同僚らに睡眠導入剤の入った飲み物を飲ませ
交通事故を起こさせて殺傷したとされる事件以降は発覚していない。


警察庁幹部によると、、
現在は画像も使いすべての変死体を検視官が確認しているという。
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素晴らしい改善成果です。
ご存じでしょうが、不審死というのは、
病院での死亡以外で医師の診断書のないものを指します。
そうなると、検視官が確認してからでないと
遺族といえども手出しができません。


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少し脱線です。
先日、我が家の向かいの家で70歳男性の孤独死がありました。


連絡を受けた兄弟がやってきましたが鍵がかかっていて入れません。
110番をしましたら1月3日の昼でしたが、
消防車・救急車とパトカーがすぐにやってきました。


消防車は2階の窓がカギがかかっていないのを見つけると
ただちに梯子をかけて家の中に入りました。
さすがだと思いました。
しばらくして「見つかりました」と言って玄関から出てきました。


警察官も中に入り死亡が確認されると、
消防は、「私たちの役割は終わり」として引き上げていきました。
救急できませんからね。


警察は、家の中で調べているようでしたが、
そのうちに検視官らしき人がやってきました。
その間、遺族たちは一切家の中に入れてもらえませんでした。


検視官らしき人の説明では、遺体は近くの警察署に移送し、
そこで何か手をつけて、
その上で初めて遺族との対面となるようでした。


腐乱状態等で本人確認ができない場合は、
歯形かDNA鑑定で本人確認を行う、
それまで2カ月程度かかるが遺体は警察署に安置で
遺族には引き渡されない、というのです。


私は、第1通報者ということでその説明を横で聞いていました。


ところが、その後遺族が警察署に呼ばれて行った結果、
死後10日だったのですが、冬で腐敗とかがなかったのでしょう。


間違いなく本人であることが確認されて
2か月置かずに遺体を引き取ることができるようになったようです。
身代わり殺人ということがありますから、本人確認は重要なのです。


その後、解剖の結果死因は心筋梗塞や脳溢血ではなく「凍死」でした。
12月の終わりに家の中で凍死するのですね。
雪山遭難と同じで動けなくて低い温度のところに長くいれば
死に至るのです。
死亡推定日時はとっている新聞がポストにたまっているのから
12月25日となりました。
解剖しても死後1週間程度とか以上のことは分かりませんものね。
死亡年月日が不明の場合、戸籍とかにはどう記載されるのでしょうか?
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以上、現在、死因の確定には、
そのくらい手間をかけているということのご報告でした。
この際調べてみましたが、
「不審死」については、法律等の定義はないようでした。


孤独死。突然死、(幼児等の)不審死、などが含まれるようです。
自殺も広い意味では不審死に入ります。
そこまで広げると日本では年間の死者の7分の1で17万人くらいが
不審死だそうです。
それをすべて確認して、犯罪死の見逃しをしないというのはたいへんなことです。


問題点は原因究明が明確にされると対策が可能であるという事例です。
この警察庁の対策は以下の点を含んでいます。
1.問題の原因を安易に考えない。
  思い込みで判断せずに必ず明確な手順で確認する。
2.手続きの変更をしている(遺族の承諾なしに解剖できる、など)
3.それらのルールを現場に徹底する。
4.現場を補強する専門家の体制を整備する。


トコトン考えれば解は見つかる、のです。
17万件を現場の警察官と検視官364人が対応しています。


その点で、幼児虐待は、
全国で16万件(H29年度)の児童相談所持ち込み案件を
211箇所の児童相談所の児童福祉士3200人強が対応しています
(早急に2千人の増員計画があります)。


死んでいて動かない人が対象なのと、
生きているしかも保護者が絡む子どもを相手にするということでは
難易度は全く違いますが、
後者は取り組み掘り下げの真剣度が足りないと思います。


たとえば、子どもを親から引き離す一時保護は、
保護者の承諾なしに児童相談所の判断で実施できるようになっている
のに徹底ができていない、などの弱さがあります。


私がかねがね主張しているのは、こうです。
1)案件をプレーヤである児童福祉士任せにしないで、
 組織として対応するようにすること。
 (多くの児童福祉士は、的確な状況判断をして保護者とやり合うだけの
 力量を持ち合わせていません)
2)それには上司の教育強化をする必要がある。
 (部下の指導のあり方を習得していないダメ上司では困ります)


なかなか、児童虐待問題が進展しないのは、
一つには、それが誰の責任かが明確でないことがありそうです。
厚生労働大臣の責任ではないでしょう?


新型肺炎の流行阻止は誰がトコトン考えているのでしょうか。
厚生労働大臣の権限だけではダメそうです。
責任が分散しているとダメで後手を踏みます。

2 件のコメント:

岩盛 熊悟朗 さんのコメント...

警察の改善努力は素晴らしいですね。

子供の虐待問題は、従来の組織分担ではダメで、
総合的組織を組成して、一カ所で決断、対処、ができる体制が必要な気がします。

非常にタッチーな問題で、ケースも無限ですから、有識者を一カ所に集めて、
総合的に即断、即実行できる部署の組成が急務だと思います。

上野 則男 さんのコメント...

まさに熊悟朗さんの言われるとおりだと思います。