【このテーマの目的・ねらい】
目的:
軽減税率の目的について考えていただきます。
ねらい:
何とか軽減税率をやめる方向に持っていきたいですね!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
軽減税率の実施は既定路線となってしまったようです。
官邸主導です。
ということは安倍首相の政治的判断です。
前回選挙で公約し国民の支持を得られたからだ、というのです。
ご承知のように、
公明党が前回選挙で
「今こそ軽減税率を!」とか言ってキャンペーンをしました。
日本の安全保障をどうしようかという大事な選挙に
そんな呑気なことを言っている
と私は大きな違和感を覚えたものでした。
軽減税率は何のために設けるのでしょうか?
低所得者対策だといいます。
しかし食品を買う人すべてが「軽減」の恩恵に浴するのです。
軽減税率を適用するための機会損失は1兆円だそうです。
それが本当だとすると、国民一人当たり年間1万円です。
それから逆算すると
国民一人当たり50万円の食費を使っていることになります。
赤ん坊から老人まで入れて1か月4万円、1日1300円です。
4万円なら2%の恩恵は1000円弱です。
本当に助けを必要とする低所得者はそんなに使っていないでしょう。
12月20日のフジテレビ新報道2001に登場した
シングルマザー家庭では1か月の恩恵が200円だと言っていました。
その時のテレビでも、
高所得者の方が恩恵を受ける金額は大きいと言っていました。
当然そうなるでしょうね。
しかし1兆円を低所得者対策に使うのなら、
生活困窮者を前向きに助ける施策に使ったらいいではないですか!
おカネを配るのはダメです。
そのお金が消えていくだけです。
そうではなく、働く環境を整備する、
これは今も始めていますがもっともっと強化する、
再就職のための教育を実施する、
長期的観点から健康増進のための施策を講ずる、
介護や生活指導、就業指導のための働き場を大幅に増やす、
などたくさんできることはあるではないですか!!
因みに、
関連費目の厚生労働省管轄27年度概算要求額は以下のとおりでした。
これでみると、上に挙げた前向きの対策費は極めて少ないのです。
こういう弱い部分の補強に1兆円を使うべきではないでしょうか。
健康増進対策費 108億円
職業能力開発強化費 34億円
若年者等職業能力開発支援費 9900万円
保育所運営費 4581億円
母子保健衛生対策費? 206億円
子ども・子育て支援対策費 1052億円
母子家庭等対策費 1860億円
参考:生活保護費 3兆3憶円
介護保険制度運営推進費 2兆7723億円
スウェーデンは、女性の労働力参加率が60%とかなり高く、
しかも出生率も高いという羨ましい国情です。
この女性の働き先は公的雇用が50数%を占めていて、
公的雇用の内訳は7割弱が介護に関するケアワーカー、
2割程度が保育職なのです。
つまり、国が雇用を生み出し、
かつ必要なサービスを国民に提供しているのです。
なぜこういうことをしないのでしょうか。
それは「国民に受けない」からです。
政治家たちが
「軽減税率」という言葉は「低所得者対策」あるいは{生活が助かる」
というイメージができあがっていて
国民に受けると思っているのでしょう。
長期的・本格的施策の実施は
「国民に受けない」「選挙にならない」のです。
恩恵を受ける人があいまいで
その人たちは選挙で大きな力にならないからです。
多くは投票しない人たちでしょう。
これではダメです。
安倍さんは日本の安全については筋を持っておられるようですが、
選挙で勝つことを意識しすぎです。
菅官房長官に頑張ってもらいたいものです。
ところで、軽減税率だと誰が得をするのでしょうか。
このための情報システムの整備はそれなりの仕事を生み出します。
しかしだからこの業界が軽減税率を推しているということは
聞いたことがありません。
これはムダな費用です。
私の試算だと、軽減税率対応に1000億円はかかります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
根拠は以下のとおりです。
試算1)
現在情報システムの保守に関わっている人数は全国で50万人です。
その人たちの半分が食品関係の消費税に関わり、
1か月で対応できるとすると750億円ですが
おそらくもっとかかるでしょう。
試算2)
食品の売上が発生する可能性のある業種は
小売業、流通業、製造業(食品関係)・サービス業の一部です。
上野が以前算したこの業種の年間ソフトウェア費用は
合計約1兆円です。
この1割程度は今回の消費税対応にかかるとすると、
約1000億円です。
以上の二つの方法での推計から
今回の消費税対応にかかる全国のソフトウェア費用は
約1000億円ということになります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いずれにしても、
本当に国民のみんなのこと、将来のことは
誰が考えて行動してくれるのでしょうか。
2016年は良い方向に向かって少しは進んでほしいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿