【このテーマの目的・ねらい】
目的:
あらためて人類のサステナビりティの検討です。
ねらい:
筆者の言われるように、人類一人ひとりが意識・行動改善して、
良い地球環境を後世に残さなければなりません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この項は、學士會会報2020年Ⅱ号掲載
石井菜穂子(国際機関)地球環境ファシリティ議長兼CEOの
「人新生におけるグローバル・コモンズ」のご紹介です。
私は、ここのところ「2030年ショック」という言い方で、
2030年の重大事を取りあげています。
一つはAIとロボットが9割の人の仕事を奪うデジタルショックで、
もう一つは中国が世界一のGDP大国になることです。
9割の人の仕事がなくなっても、
人がいる限りその衣食住は必要であり誰かが供給するのです。
その収入をベーシックインカム制度で
9割の人に分配すれば済みます。
中国が一番かどうかは人間社会の序列です。
いくらなんでも中国だって
自分に従わない国民を一方的に殺したりはしないでしょう。
そういう意味ではこのショックは内輪もめのレベルです。
ところが、石井さんの述べられる2030年危機は
そんなものではないのです。
地球存亡の機というのです。
英語ことばで言えばサステナビりティの危機なのです。
現在は、地球の地質学的世代では新生代の第4紀完新生
(約1.2万年前から始まっている)ですが、
地質学者たちは、今や人新世に入ったと言っているそうです。
筆者は冒頭でこう述べています。
2020年代に入った。
これからの10年は、人類社会の持続可能性(サステナビりティ)、
運命をを決める極めて重要な10年である。
2030年に向けた世界的取り組みは二つある。
193カ国が合意しているSDGs、
温室効果ガス排出量の半減を目指すパリ合意
しかしいずれも進捗がはかばかしくない。
以下、著者の主張をご紹介します。
一部、上野の要約部分もあります。
「人新世」とは、
人類が、登場して初めて地球システム(生物圏)の機能に
支配的な影響を及ぼす時代になった、という意味である。
これまでは、
人類の活動が地球システムに与える影響は限られていた。
地球は大きく人類は小さかったのである。
しかし、産業革命、特に20世紀半ば以降、
経済活動は加速し、地球システムに大きな負荷をかけている。
そして1980年以降は、
地球が本来持っていたレジりアンス(回復可能性)が
限界に達しつつある兆候が明らかになっている。
上野注:
産業革命以降の200年が問題だとすると、
地球45億年の歴史からするとほんの僅かな期間です。
富士山の標高3776メートルに例えると、
ほんの0.2ミリくらいのものなのです。
そんな短期に地球が崩壊されつつあるのです。
北極圏の氷の融解の加速は海面上昇を招くだけでなく、
それ自体が太陽熱の反射を減らし吸収を増やして、
温暖化をさらに加速している。
アマゾンやオーストラリアなど世界各地で激化する山火事、
沿岸部の都市を襲う水害は
人類と生態系に甚大な被害をもたらしている。
気候システムの安定や生物多様性にかけがえのない
アマゾン熱帯雨林は乱開発され、
これまでのカーボン・シンク(吸収)から
カーボン・ソース(排出)になる日も近いと言われる。
わが国でも、一昨年、昨年と、
台風や豪雨、猛暑で多くの命や財産が失われ、
復興も追いつかなくなりつつある。
地球システムは、不可逆的に臨界点に近づき、
異常が当たり前になりつつあるのだ。
人類は、
地球システムを壊し続ける今のやり方をいつまで続けられるのか、
地球の限界はどこにあるのか?
2009年にヨハン・ロックストローム博士を中心とする科学者たちが、
この点に重大な警鐘を鳴らした。
彼らは、
地球システムの安定を支える主要な構成要素(サブシステム)として、
気候システム
生物多様性(それを支える熱帯雨林等を含む)
土地利用
海洋
リンや窒素(栄養素)の循環
など9つを特定し、
地球の安定のために超えてはいけないそれぞれの限界値を
具体的数値で示した。
その後、事態は悪化を続け、
特に生物多様性、リン・窒素循環、気候システム、土地利用では
我々はすでに限界値を超えたか超えつつある。
このような地球環境の危機は、
産業革命から今に続く経済・社会システムに原因がある。
このシステムを根本的に変えない限り、
我々は遠からず地球の限界を超え、不安定で予測不能な、
しかし明らかに「完新世」よりは棲みにくい「人新生」の環境を
生きていかねばならない。
たいへんなことですね!!
そんなに深刻な状況とは思っていませんでした。
ではどうすればよいのでしょうか!!
筆者はこれから10年が大事だ、と言っています。
エネルギーシステムでは、
供給面の化石燃料脱却、需要面の効率化で急速な脱炭素化、
都市システムでは、
2050年までに世界人口の7割が都市に住むと予測される中
いかにコンパクトでリジリエントな都市をつくるか、
食料システムでは、
脱現状(食糧生産に伴う排出、農地拡大が森林を破壊)
直線的な生産・消費システムを循環型に転換する、
製品のライフサイクルを通じて資源が循環されるように、
当初のデザイン・設計段階から考えると共に、
生産・流通・消費に関わる全ての主体が
その取り組みに参加することが必要である。
こうした抜本的なシステム転換を成功させるには、
政策、ビジネス、消費者・市民活動などの
様々な分野におけるリーダーシップが重要になる。
そこには
多くの利害対立や技術的経済的な困難が伴うからである。
上野注:
小泉環境大臣には
もっともっと頑張ってもらわなければなりません。
一方で我々一人ひとりが、
ライフスタイルや価値観を変えられるかどうかも
成功のカギとなる。
それらの課題を実現していくためには、
その仕組みが必要である。
現在はそのガバナンスの主体がないために
地球環境の後退が続いているのである。
気候、生物多様性、土地、海洋などは、
人類全体の共有財産である。
共有財産は、「共有地の悲劇」という状態が起きる。
すなわち、放っておくと濫用され荒れ果ててしまうのである。
今こそ世界レベルで地球システムを守る有効なガバナンス、
各国・各主体の目先の利害を調整して人類の未来のために
経済・社会システムの転換を進める仕組み、
Global Commons Stewerdshipが必要である。
その動きは出始めている。
RE100(再生可能エネルギー)
TFA2020(熱帯雨林)
RACE(循環型経済)
AEPW(プラスティックゴミ)
そこでは、
目標ごとに、政府、産業・企業、金融,CSO、アカデミアなど
多様な主体が国を超えて連携し、
コミュニティや市民も参加する。
専門家や経済・政治リーダに任せきりにせず、
有権者・消費者・投資家である我々一人ひとりが
覚悟を決めて転換の原動力にならなければならい。
「デジタル革命の可能性と責任」につても付言しています。
デジタル革命は世界を大きく変える可能性を持つ。
それが既存システムを強化するだけに終われば、
地球環境と人類社会の衝突を加速するだけである。
これからの科学技術の開発と利用は、
地球のサステナビりティに向けたシステム転換を実現する
ものでなければならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人類の歴史を決める10年に入った。
Global Commons Stewerdshipを
地球上のすべての局面で進めなければならない。
2020年3月21日土曜日
2020年3月18日水曜日
「グリーンインフラの未来像」
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
災害復旧の方法について考えていただきます。
グリーンインフラという言葉をご理解いただきます。
ねらい:
原形復旧は止めてほしいですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この項は、學士會会報2020年Ⅱ号掲載
中村太士北大大学院農学研究員教授の「グリーンインフラの未来像」
のご紹介です。
地域の魅力・居住環境の向上や
防災・減災等の様々な効果を得ようとするもの」
なのだそうです。
例は、森林や湿地などです。
これに対して既存インフラは、多くの場合コンクリートを使うため
グレーインフラと呼ばれています。
筆者はこの両者を組み合わせて利用すべきだと主張しています。
その上でこういう記述をされています。
1.グリーンインフラの多機能性
グリーンインフラは防災・減災効果のみで評価すべきではない。
グリーンインフラの特徴は「多機能性」にあり、
地域の「原風景を守る」ことにある。
グリーンインフラがもつこの二つの特徴を生かせば、
農業等の土地利用を維持したり、
湿地等の自然生態系に復元すれば
生物多様性豊かな地域社会を形成できる。
また逆にグレーインフラに大きく依存する、
つまり図の斜線部分を大きくしすぎると、
たとえば、海の見えない防潮堤を造ることになり、
地域の原風景は失われる。
これは致命的であり、
いくら数十年から百数十年に1回程度の現象に対する
安全性を100%確保できたとしても、
原風景を失った故郷に戻る住民は限られている。
人口減少に歯止めがかからない東北震災地がこれを表している。
気候変動下の地域づくりは、
故郷の原風景を大事にしながら両インフラを相補的に配置し、
気候変動下においては計画規模以上の現象に対しても
堤外のみならず
堤内側の空間も利用しながら減災し、良い環境を維持すべきである。
上野:まったくそのとおりです。
私もかねがねそう主張しています。
高いコストをかけて造る高い防潮堤は、原風景を失うだけでなく
浜を利用した漁業ができなくなります。
そんな防潮堤を造るのではなく、
避難できる高い建物(避難所)を所々に作った方がよい、
と言っています。
2.原形復旧から未来復興へ
著者の主張の要約はこうです。
この考えも大賛成です。
災害が発生した場合、「原型復旧」が原則となっている。
しかし高齢化社会の現状では土地が復旧しても人間は戻らない。
自分で家を建てる力も意欲もない。
住む人のいないゴーストタウンができる可能性もある。
原型復旧により、他場所からの用土の搬入等により
異なる生態系が持ち込まれ自然環境が破壊される。
したがって、原形復旧はやめるべきである。
原形復旧ではなく、
今後のあるべき姿を実現する未来復興を目指すべきである。
未来復興は、計画的に取り組むことは難しい。
したがって災害後に取り組むのがよい。
未来復興はこういうものである。
1)グリーンインフラとグレーインフラのベストミックスを実現する。
2)生物遺産を生かす復興を検討する。
3)受動的再生を原則とする(生態系の回復を待つ)。
4)外来種、異なる地域の種、異なる地域の材料を持ち込まない。
5)生態系の変化、新たな生態系の創生を許容しグリーンインフラとして生かす。
6)人口減少などの社会構造変化、気候変動適応を考慮し、
地域の産業に寄与する土地利用計画を検討する。
目的:
災害復旧の方法について考えていただきます。
グリーンインフラという言葉をご理解いただきます。
ねらい:
原形復旧は止めてほしいですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この項は、學士會会報2020年Ⅱ号掲載
中村太士北大大学院農学研究員教授の「グリーンインフラの未来像」
のご紹介です。
グリーンインフラとは、
「自然環境が有する多様な機能を積極的に活用して、地域の魅力・居住環境の向上や
防災・減災等の様々な効果を得ようとするもの」
なのだそうです。
例は、森林や湿地などです。
これに対して既存インフラは、多くの場合コンクリートを使うため
グレーインフラと呼ばれています。
筆者はこの両者を組み合わせて利用すべきだと主張しています。
その上でこういう記述をされています。
1.グリーンインフラの多機能性
グリーンインフラは防災・減災効果のみで評価すべきではない。
グリーンインフラの特徴は「多機能性」にあり、
地域の「原風景を守る」ことにある。
グリーンインフラがもつこの二つの特徴を生かせば、
農業等の土地利用を維持したり、
湿地等の自然生態系に復元すれば
生物多様性豊かな地域社会を形成できる。
また逆にグレーインフラに大きく依存する、
つまり図の斜線部分を大きくしすぎると、
たとえば、海の見えない防潮堤を造ることになり、
地域の原風景は失われる。
これは致命的であり、
いくら数十年から百数十年に1回程度の現象に対する
安全性を100%確保できたとしても、
原風景を失った故郷に戻る住民は限られている。
人口減少に歯止めがかからない東北震災地がこれを表している。
気候変動下の地域づくりは、
故郷の原風景を大事にしながら両インフラを相補的に配置し、
気候変動下においては計画規模以上の現象に対しても
堤外のみならず
堤内側の空間も利用しながら減災し、良い環境を維持すべきである。
上野:まったくそのとおりです。
私もかねがねそう主張しています。
高いコストをかけて造る高い防潮堤は、原風景を失うだけでなく
浜を利用した漁業ができなくなります。
そんな防潮堤を造るのではなく、
避難できる高い建物(避難所)を所々に作った方がよい、
と言っています。
2.原形復旧から未来復興へ
著者の主張の要約はこうです。
この考えも大賛成です。
災害が発生した場合、「原型復旧」が原則となっている。
しかし高齢化社会の現状では土地が復旧しても人間は戻らない。
自分で家を建てる力も意欲もない。
住む人のいないゴーストタウンができる可能性もある。
原型復旧により、他場所からの用土の搬入等により
異なる生態系が持ち込まれ自然環境が破壊される。
したがって、原形復旧はやめるべきである。
原形復旧ではなく、
今後のあるべき姿を実現する未来復興を目指すべきである。
未来復興は、計画的に取り組むことは難しい。
したがって災害後に取り組むのがよい。
未来復興はこういうものである。
1)グリーンインフラとグレーインフラのベストミックスを実現する。
2)生物遺産を生かす復興を検討する。
3)受動的再生を原則とする(生態系の回復を待つ)。
4)外来種、異なる地域の種、異なる地域の材料を持ち込まない。
5)生態系の変化、新たな生態系の創生を許容しグリーンインフラとして生かす。
6)人口減少などの社会構造変化、気候変動適応を考慮し、
地域の産業に寄与する土地利用計画を検討する。
4月から120年ぶりの民法改正施行!!
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
民法改正の内容を確認していただきます。
その意義や背景を理解していただきます。
ねらい:
契約行為に際して抜かりがないようにしましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この項は、學士會会報2020年Ⅱ号掲載
内田貴東大名誉教授の「民法(債権法)の抜本改正」のご紹介です。
一部の情報は、2019.11.17の日経新聞記事「改正民法契約ルール激変」
によります。
この4月から、
1898年(明治31年)に制定された民法の中核部分をなす
契約に関する規律が120年ぶりに抜本改正されます。
この改正は法務省が主導したそうです。
大改正だったために、2007年から検討に着手し、
2015年に国会提出、2017年に可決成立、2020年から発効という
長期事業でした。
この報告では、これだけのことを改正するのでも、
たいへんな反対・抵抗があり
ようやくここまでこぎつけたことが書かれています。
改正内容の解説の前にこのような説明が入っていました。
この改正法は、学界ではあまり評判がよくない。
改正過程で、改正の意義について理解を広めようと私が執筆した
「民法改正」(ちくま書房)で説いたような「アジアからの発信」とは
ほど遠い改正になってしまったからだろう。
他方、実務界(弁護士、裁判所、経済界等)では
比較的評価されている。
実務的に意味のある改正がそれなりに実現されているからだろう。
学会と実務界での評価の二分、これが今改正の性格を象徴している。
これまで、民刑事の基本法を所管する法務省の立法は
政策立法が主体だった。
改正しないと困ったことになる、といって
どこかから政策課題の球を投げ込まれ、
それを受け止める改正である。
だから、もっと民法改正を報道してくれとマスコミに依頼しても
「誰が困っているのですか?その人に取材したい」と尋ねられた。
(上野注:たいへん興味深いエピソードですね)
しかし、
困っている誰かを救済するために民法を抜本改正するのではない。
民法のあり方は、社会や国家のとらえ方にもかかわる。
それゆえに日本民法の母法国であるドイツやフランスでは、
制定から1世紀ないし2世紀を経て全面的なメンテナンスを行った。
そこには、19世紀に民法が作られたときには想像もしなかった、
EUの存在という要素も色濃く反映されている。
時代の変化に合わせて民法の骨組みも変わっていく。
改正内容と抵抗は要約するとこうなります。
民法今回の改正点
学問としての法学への不信
改正のプロセスは、学者案作りから始まった。
当初、実務界には民法を変えるという意識が皆無であった。
議論の蓄積もなかった。
他方、学界では、ヨーロッパの(法改正の)動きに触発されて、
すでに10年以上前から、債権法改正への関心が高まり、
一定の蓄積が存在した。
そこで、まず学界から、
改正のたたき台になり得るような案を提示しようとしたのである。
しかし、学界案ができると実務界から一斉に反発が起こり、
改正作業は激しい逆風の中で進行することになった。
興味深かったのは、その逆風の中で、
学問としての法学に対する不信感が実務界から示されたことだった。
学問的必要性による改正は、「学理的」と表現され、
これが強烈なマイナスイメージとして機能した。
かつては敬意を持って使われた形容が致命的レッテルと化している。
なぜか。
そんな学問的関心から
改正後に「法学の誕生」(筑摩書房)という本を書いた。
そこで論じたように、法学という学問は、
明治維新後の日本の近代化の手段として西洋から導入され、
日本社会の近代化=西洋化を主導する役割を演じた。
それゆえに、日本が近代化を目指していた間は、
法学が優秀な若者を吸引する力を持ち、
法学者の社会的地位も高かった。
しかし、
高度経済成長と、その挙句のあだ花とも言えるバブル経済を経て、
西洋にモデルを求めるという発想が日本社会から急速に消えていく。
「近代化」という言葉も急速に姿を消した。
それとともに、明治維新以来の近代化をけん引してきた法学も
その役割を終えた。
実務界は、もはや近代化の手段としての法学を必要としていない。
立法で何が必要かは、実務的必要性が基準となる。
それを判断するのも実務である。
そんな時代に、非西洋国ではじめての、
自前の民法抜本改正をリードしようとした日本民法学は、
夢を打ち砕かれたのである。
私は、この記述で学生時代を思い出しました。
高名な法学者の授業を受けたのですが、
「何だこれは、ただ法律の解釈をしているだけではないか」
と、それ以来法学系の単位はとりませんでした。
法律解釈が学になるというのは腑に落ちなかったのです。
この説明を読んで納得がいきました。
目的:
民法改正の内容を確認していただきます。
その意義や背景を理解していただきます。
ねらい:
契約行為に際して抜かりがないようにしましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この項は、學士會会報2020年Ⅱ号掲載
内田貴東大名誉教授の「民法(債権法)の抜本改正」のご紹介です。
一部の情報は、2019.11.17の日経新聞記事「改正民法契約ルール激変」
によります。
この4月から、
1898年(明治31年)に制定された民法の中核部分をなす
契約に関する規律が120年ぶりに抜本改正されます。
この改正は法務省が主導したそうです。
大改正だったために、2007年から検討に着手し、
2015年に国会提出、2017年に可決成立、2020年から発効という
長期事業でした。
この報告では、これだけのことを改正するのでも、
たいへんな反対・抵抗があり
ようやくここまでこぎつけたことが書かれています。
改正内容の解説の前にこのような説明が入っていました。
この改正法は、学界ではあまり評判がよくない。
改正過程で、改正の意義について理解を広めようと私が執筆した
「民法改正」(ちくま書房)で説いたような「アジアからの発信」とは
ほど遠い改正になってしまったからだろう。
他方、実務界(弁護士、裁判所、経済界等)では
比較的評価されている。
実務的に意味のある改正がそれなりに実現されているからだろう。
学会と実務界での評価の二分、これが今改正の性格を象徴している。
これまで、民刑事の基本法を所管する法務省の立法は
政策立法が主体だった。
改正しないと困ったことになる、といって
どこかから政策課題の球を投げ込まれ、
それを受け止める改正である。
だから、もっと民法改正を報道してくれとマスコミに依頼しても
「誰が困っているのですか?その人に取材したい」と尋ねられた。
(上野注:たいへん興味深いエピソードですね)
しかし、
困っている誰かを救済するために民法を抜本改正するのではない。
民法のあり方は、社会や国家のとらえ方にもかかわる。
それゆえに日本民法の母法国であるドイツやフランスでは、
制定から1世紀ないし2世紀を経て全面的なメンテナンスを行った。
そこには、19世紀に民法が作られたときには想像もしなかった、
EUの存在という要素も色濃く反映されている。
時代の変化に合わせて民法の骨組みも変わっていく。
改正内容と抵抗は要約するとこうなります。
民法今回の改正点
|
改正点
|
概要
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備考
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消滅時効
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時効の消滅は、法では原則10年とされていたが、多くの特則があった。
これを「権利を行使できることを知ったときから5年、権利を行使できるときから10年(人身損害の賠償債権は20年)」に一元化された。
参考:
請負契約の担保責任期間は、「引き渡してから1年」から「(欠陥などに)気づいてから1年」となる。
|
弁護士会は、短期消滅時効が実務に定着しているから存続させよと主張した。
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法定利率
|
法定利率は、当事者が利率を定めていないときに適用されるが損害賠償債権の遅延損害金の利率として用いられることが多い。
従来は民事5%、商事6%と高めに設定されていた。これを3%にした上で、3年ごとに市場金利の動向を反映しながら変動しうる制度となった。
|
この改訂も難航した。
|
|
保証
|
経営者本人以外の個人保証を極力少なくする方向で検討された。
1)
契約時に将来の債務額が特定されない保証は「根
保証」であるが上限金額を定めることになった
(定めのない契約は無効となる)。
2)
経営者本人以外の個人が保証人になる場合は、保
証人本人が公証役場に出向き「保証意思宣明公正
証書」を作成しなければならない。
|
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|
定型約款
|
消費者契約で広く用いられる約款について、日本には一般的な規制がなかった。そのため約款は契約でないともめることもあった。そこで今回約款についての規律を作成した。
「約款が契約内容になる」と明示してあれば、約款への同意が法的に契約になる。「信義則」に反して消費者の利益を一方的に害するような条項は無効となる。また、約款の変更は可能であるが、不合理な理由の一方的変更は認められない。
|
経団連は、広く企業間取引に適用されることを嫌ったので適用範囲を限定した。
|
この報告にはたいへん興味深い以下の記述がありましたのでご紹介します。
学問としての法学への不信
改正のプロセスは、学者案作りから始まった。
当初、実務界には民法を変えるという意識が皆無であった。
議論の蓄積もなかった。
他方、学界では、ヨーロッパの(法改正の)動きに触発されて、
すでに10年以上前から、債権法改正への関心が高まり、
一定の蓄積が存在した。
そこで、まず学界から、
改正のたたき台になり得るような案を提示しようとしたのである。
しかし、学界案ができると実務界から一斉に反発が起こり、
改正作業は激しい逆風の中で進行することになった。
興味深かったのは、その逆風の中で、
学問としての法学に対する不信感が実務界から示されたことだった。
学問的必要性による改正は、「学理的」と表現され、
これが強烈なマイナスイメージとして機能した。
かつては敬意を持って使われた形容が致命的レッテルと化している。
なぜか。
そんな学問的関心から
改正後に「法学の誕生」(筑摩書房)という本を書いた。
そこで論じたように、法学という学問は、
明治維新後の日本の近代化の手段として西洋から導入され、
日本社会の近代化=西洋化を主導する役割を演じた。
それゆえに、日本が近代化を目指していた間は、
法学が優秀な若者を吸引する力を持ち、
法学者の社会的地位も高かった。
しかし、
高度経済成長と、その挙句のあだ花とも言えるバブル経済を経て、
西洋にモデルを求めるという発想が日本社会から急速に消えていく。
「近代化」という言葉も急速に姿を消した。
それとともに、明治維新以来の近代化をけん引してきた法学も
その役割を終えた。
実務界は、もはや近代化の手段としての法学を必要としていない。
立法で何が必要かは、実務的必要性が基準となる。
それを判断するのも実務である。
そんな時代に、非西洋国ではじめての、
自前の民法抜本改正をリードしようとした日本民法学は、
夢を打ち砕かれたのである。
私は、この記述で学生時代を思い出しました。
高名な法学者の授業を受けたのですが、
「何だこれは、ただ法律の解釈をしているだけではないか」
と、それ以来法学系の単位はとりませんでした。
法律解釈が学になるというのは腑に落ちなかったのです。
この説明を読んで納得がいきました。
2020年2月27日木曜日
ご自分の資質・適性を知りましょう!!
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
性格診断の系譜・概況を知っていただきます。
その代表例としてのリクルートグループのSPIを知っていただきます。
弊社の能力診断の特長を知っていただきます。
ねらい:
ご関心を持たれましたらそれを試してみてください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.性格診断の系譜
性格診断で最もシンプルで的確なものは「類人猿診断」だと思います。
類人猿診断は、たった二つの質問で、
的確な性格・行動分析ができるということで評判になりました。
類人猿診断はこういうものです。
(2019.7.14当ブログ
「類人猿診断と右脳左脳・上脳下脳優位の関係はどうなっている??」
http://uenorio.blogspot.com/2019/07/blog-post_28.html)
成果重視か安定・安心重視か、感情を表に出す方かどうか、
の2軸で以下のような4つに分類しています。
類人猿タイプの特性
類人猿タイプと一般的な職業との適性関係を想定してみました。
類人猿タイプとシステム関係人材との適性についても検討してみました。
類人猿タイプの職業適性(システム関係)
類人猿診断以外で一般に知られているものは、
右脳型(感性派)・左脳型(論理派)、血液型特性、などがあります。
心理学の世界では、精神的な問題を抱えている人の治療という面からも
性格の分析が行われてきました。
心理学の歴史的権威は、フロイト、ユング、アドラーということのようです。
ユング派(K.ブリックスとI.マイヤーズ)では
人間の性格分類を以下のようにしています。
外向型と内向型
感覚型と直感型
思考型と感情型
判断型と知覚型
ギルフォードは性格特性を13に分けました。
この理論を基にした性格テストを
日本の矢田部達郎京大名誉教授がYG性格検査として開発しました。
D尺度(抑うつ性)
C尺度(回帰的傾向)
I尺度(劣等感)
N尺度(神経質)
O尺度(客観性)
Co尺度(協調性)
Ag尺度(攻撃性)
G尺度(一般的活動性)
R尺度(呑気さ)
T尺度(思考的外向)
A尺度(支配性)
S尺度(社会的外向)
ゴールドバーグはその後、性格因子を5つに絞り込み
ビッグファイブと称されるものを開発しました。
2.リクルートキャリア社のSPI3
巷には、多くの性格診断手法が存在しています。
その中で最も利用されているのは、リクルートグループが提供する
SPI3です。
初代のSPIは1973年に開発されています。
その前段の診断システムは
1963年にユング派の知見を基礎にして開発されたようです。
当初はその影響を受けて「性格類型」という診断結果を含んでいましたが
2002年のSPI2からはその代わりに
性格診断の利用目的からして「職務適応性」となりました。
現在のSPI3は以下の判定をしています。
以下の出典は、洋泉社「これが本当のSPI3だ!」によっています。
3.当社の「コンピテンシ系能力評価システム」の特長
当社では、以下の目的でしようしていただく個人の能力評価システムを
ご提供しています。
目的1:これから先激変が想定される職業分野で
自分が何にどの程度向いているかを判定する。
目的2:会社あるいは組織が新しい職務を設定する場合に、
それに向いている人材を見つけ出す。
以下に、その特長の解説資料を掲載いたします。
目的1に関しましては、SPIと異なり、具体的な職種との適応性が判定できます。
しかも、対象職種とその職種に要求される能力条件は、
利用者が自由に設定できるのです。
以下の2.項をご参照ください。
目的2に関しても、具体的な職務要件を設定した選定が可能です。

4.お試しをどうぞ
皆様に、このシステムのサンプル版をご提供します(もちろん無償です)。
ご自分がどのような職種にどの程度適合しているのか
を判定いただくことができます。
ただしこの試供版の職種は2030年以降も存続すると考えられる
IT関係の職種です。
ご関心ある方は、以下にメールをください。
mind-pc@newspt.co.jp
または
ueno@newspt.co.jp
目的:
性格診断の系譜・概況を知っていただきます。
その代表例としてのリクルートグループのSPIを知っていただきます。
弊社の能力診断の特長を知っていただきます。
ねらい:
ご関心を持たれましたらそれを試してみてください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.性格診断の系譜
性格診断で最もシンプルで的確なものは「類人猿診断」だと思います。
類人猿診断は、たった二つの質問で、
的確な性格・行動分析ができるということで評判になりました。
類人猿診断はこういうものです。
(2019.7.14当ブログ
「類人猿診断と右脳左脳・上脳下脳優位の関係はどうなっている??」
http://uenorio.blogspot.com/2019/07/blog-post_28.html)
成果重視か安定・安心重視か、感情を表に出す方かどうか、
の2軸で以下のような4つに分類しています。
類人猿タイプの特性
オランウータン
成果重視
感情 表に出さない
|
チンパンジー
成果重視
感情 表に出す
|
ゴリラ
安定・安心重視
感情 表に出さない
|
ボノボ
安定・安心重視
感情 表に出す
|
類人猿タイプと一般的な職業との適性関係を想定してみました。
|
オランウータン
守りの社長
保守政治家
役職では部長職
ビジネス系のコンサル
|
チンパンジー
攻めの社長
改革政治家(小泉元首相)
マーケティングのコンサル
奇抜なアーティスト
(岡本太郎)
|
|
ゴリラ
各種運用・運営業務
各種事務局
役職では次長職
|
ボノボ
カウンセラー
看護師、介護士
教師
美しいアーティスト
(ショパン?)
|
類人猿タイプとシステム関係人材との適性についても検討してみました。
類人猿タイプの職業適性(システム関係)
オランウータン
システム企画者
アーキテクト
一般プロマネ
|
チンパンジー
デジタル化企画者
アジャイル向き案件のプロマネ
|
ゴリラ
SE
一般プログラマ
運用担当
|
ボノボ
スタッフ
PMO
|
類人猿診断以外で一般に知られているものは、
右脳型(感性派)・左脳型(論理派)、血液型特性、などがあります。
心理学の世界では、精神的な問題を抱えている人の治療という面からも
心理学の歴史的権威は、フロイト、ユング、アドラーということのようです。
ユング派(K.ブリックスとI.マイヤーズ)では
人間の性格分類を以下のようにしています。
外向型と内向型
感覚型と直感型
思考型と感情型
判断型と知覚型
ギルフォードは性格特性を13に分けました。
この理論を基にした性格テストを
日本の矢田部達郎京大名誉教授がYG性格検査として開発しました。
D尺度(抑うつ性)
C尺度(回帰的傾向)
I尺度(劣等感)
N尺度(神経質)
O尺度(客観性)
Co尺度(協調性)
Ag尺度(攻撃性)
G尺度(一般的活動性)
R尺度(呑気さ)
T尺度(思考的外向)
A尺度(支配性)
S尺度(社会的外向)
ゴールドバーグはその後、性格因子を5つに絞り込み
ビッグファイブと称されるものを開発しました。
2.リクルートキャリア社のSPI3
巷には、多くの性格診断手法が存在しています。
その中で最も利用されているのは、リクルートグループが提供する
SPI3です。
初代のSPIは1973年に開発されています。
その前段の診断システムは
1963年にユング派の知見を基礎にして開発されたようです。
当初はその影響を受けて「性格類型」という診断結果を含んでいましたが
2002年のSPI2からはその代わりに
性格診断の利用目的からして「職務適応性」となりました。
現在のSPI3は以下の判定をしています。
以下の出典は、洋泉社「これが本当のSPI3だ!」によっています。
3.当社の「コンピテンシ系能力評価システム」の特長
ご提供しています。
目的1:これから先激変が想定される職業分野で
自分が何にどの程度向いているかを判定する。
目的2:会社あるいは組織が新しい職務を設定する場合に、
それに向いている人材を見つけ出す。
以下に、その特長の解説資料を掲載いたします。
目的1に関しましては、SPIと異なり、具体的な職種との適応性が判定できます。
しかも、対象職種とその職種に要求される能力条件は、
利用者が自由に設定できるのです。
以下の2.項をご参照ください。
目的2に関しても、具体的な職務要件を設定した選定が可能です。

4.お試しをどうぞ
皆様に、このシステムのサンプル版をご提供します(もちろん無償です)。
ご自分がどのような職種にどの程度適合しているのか
を判定いただくことができます。
ただしこの試供版の職種は2030年以降も存続すると考えられる
IT関係の職種です。
ご関心ある方は、以下にメールをください。
mind-pc@newspt.co.jp
または
ueno@newspt.co.jp
新型コロナウィルスとは何か?
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
新型コロナウィルスとは何かを調べました。
ねらい:
そんなことより、これからどうなるかが心配ですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これだけ大騒ぎされているのに、
このブログで何も触れないのはいかがなものか思い
取りあげてみました。
コロナウィルス、新型コロナと騒ぐけれど、
インフルエンザになる基だということは分かるのですが、
何がコロナなの?って皆様ご存じなのでしょうか。
こういうことでした。
ウィルスは3万種もあって、その内哺乳類と鳥類に感染するのは650種ですが、
それぞれ亜種が何タイプもあるのだそうです。
以下はWikipediaの記事です。
1.コロナウィルス
コロナウイルス(英: coronavirus)は
哺乳類や鳥類に病気を引き起こす多くのウイルスのうちの1つである。
ヒトでは、風邪を含む呼吸器感染症などを引き起こすが、
稀なタイプのSARSコロナウイルス (SARS-CoV) 、
MERSコロナウイルス (MERS-CoV) および
2019新型コロナウイルス
(SARS-CoV-2 上野注:これがWHOが定めた今回のウィルスの正式名称です)
のようなウイルスは致死的である。
鶏には上気道疾患を引き起こし、牛や豚には下痢を引き起こす。
ヒトコロナウイルス感染を予防または治療するためのワクチンや
抗ウイルス薬は現在存在しない。
「コロナウイルス」の名称は
ラテン語 corona (コロナ) およびギリシャ語の王冠または光冠(丸い光の輪)、
花冠を意味する κορώνη (korṓnē コロネ) に由来する。
この名称は電子顕微鏡によるビリオン (感染性を有するウイルス粒子)
の特徴的な外観に由来する。
ビリオンは大きな球状の表面突起の縁をもち、
樹冠や太陽コロナを思わせる像をつくる。
この形態はウイルスのスパイク (S) ペプロマーによってつくられる。
ペプロマーはウイルスの表面にあるタンパク質で、宿主の向性を決定する
(上野注:これで宿主にとりつく)。
コロナウィルスの図(国立感染症研究所の資料による)
2.コロナでないインフルエンザウィルス
インフルエンザウイルス (influenzavirus , flu virus) は
ヒト(人間)に感染して、感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルス。
ウイルスの分類上は「エンベロープ(上野注:包み)を持つ、
マイナス鎖の一本鎖RNAウイルス」として分類される
オルトミクソウイルス科に属する、
A型インフルエンザウイルス (influenzavirus A)、
B型インフルエンザウイルス (- B)、
C型インフルエンザウイルス (- C) の3属を指す。
ただし一般に「インフルエンザウイルス」と呼ぶ場合は、
特にA型、B型のものを指し、
その中でもさらにヒトに感染するものを意味する場合が多い
(インフルエンザ・ワクチンはC型を対象としていない)。
またヒト以外のインフルエンザウイルスは、
それぞれ分離された動物の名前またはその略をつけて呼ばれるが、
ヒトの場合は本項のように省略される。
本来はカモなどの水鳥を自然宿主として、
その腸内に感染する弱毒性のウイルスであったものが、
突然変異によってヒトの呼吸器への感染性を獲得したと考えられている。
A型インフルエンザウィルスの図(出典Wikipedia)
3.新型インフルエンザ(出典:Wikipedia)
新型インフルエンザはインフルエンザウイルスのうち、
(他の動物が持っていたウィルスで)
ヒト-ヒト間の伝染能力を新たに有するようになったインフルエンザウイルスを
病原体とするインフルエンザウイルス感染症である。
略称は新型インフル。
つまり、もともと人間がかかっていたインフルエンザではなく、
新たに動物から感染したインフルエンザということです。
多くは鳥由来ですが、ブタからの感染もあります。
日本の法律による定義は、
「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを
病原体とするインフルエンザであって、
一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、
当該感染症の全国的かつ急速なまん延により
国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの」
[1](感染症予防法第6条第7項第1号)である。としている。
20世紀など過去の新型ウイルスは、
すべて鳥インフルエンザウイルスに由来し大きく報道されてこなかったが、
1918年のスペイン風邪と呼ばれたインフルエンザの流行(数千万人が死亡)は
鳥インフルエンザの変異だとされるようになった[2]。
21世紀にはいると2008年までには、
鳥インフルエンザウイルスは人間には感染しにくいが変異しやすいため、
種を超えて感染し再びスペインかぜのようなパンデミックを引き起こしかねない、
国家レベルで抗ウイルス薬を備蓄すべきだと、
そのように世論が煽られるようになった。
2009年にはそれまで危険性が煽られていた鳥インフルエンザではなく、
豚インフルエンザに由来する新型インフルエンザのパンデミック宣言が
世界保健機関よりなされた。
4.新型コロナウィルス
現在騒がれている新型コロナウィルスは、新型であるコロナウィルス
ということです。
つまり、
人間がもともとかかっていたウィルスではないコロナ型のウィルスなのです。
5.新型コロナの脅威性
コロナ型だから感染力が強いとか重症化率が高いということはありません。
脅威性は、ウィルス自体の「個性」によるのです。
ご承知のように、
今回のコロナウィルスは発病前から感染するという面では感染力が高いのですが、
感染しやすいのかどうかという面での感染力の強さはまだ分かっていません。
重症化率については、これまでのインフルエンザが致死率0.1%に対して、
その2倍くらいということのようです。
これまでの日本でのインフルエンザにかかっている人1千万人に対して
1万人が死んでいるのです。
因みに、日本人は癌で年間約40万人が亡くなっています。
その程度なのに、大騒ぎするのは、
新しいウィルスなので、何が起きるか分からないからなのです。
参考:感染症法
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
というのがあるのですね。
日本国内でSARS-CoVやMERS-CoVの感染者が見つかった場合、
病気の伝播を抑えるために、感染症法に従って感染拡大防止策がとられる。
SARS-CoVとMERS-CoVは共に、
感染症法において二類感染症に分類されている。
感染者には感染症指定医療機関への入院措置がとられ、
陰圧管理された病室で治療を受けることになる。
同時に疫学調査が行われ、感染経路や接触者が特定される。
実験室内でのSARS-CoVとMERS-CoVの所持についても、
感染症法によって規制されている。
SARS-CoVは二種病原体、MERS-CoVは三種病原体に分類されており、
「所持の許可」、「教育訓練」、「滅菌の管理」において、
SARSの方がMERSよりも厳しく管理されている。
SARS-CoVとMERS-CoVはいずれも
BSL3実験室内に保管して取り扱う必要がある。
一方、風邪のウイルス
HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1は
特に危険な病原体ではないため、感染症法での指定は無く、
BSL2実験室で取り扱うことができる。
なお、識者間では、
感染状態を踏まえ機動的に移動禁止・外出禁止、休校・休業の指示
ができるようにすべきだという議論も出ているようですが、
今回の検討対象外とさせていただきました。
目的:
新型コロナウィルスとは何かを調べました。
ねらい:
そんなことより、これからどうなるかが心配ですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これだけ大騒ぎされているのに、
このブログで何も触れないのはいかがなものか思い
取りあげてみました。
コロナウィルス、新型コロナと騒ぐけれど、
インフルエンザになる基だということは分かるのですが、
何がコロナなの?って皆様ご存じなのでしょうか。
こういうことでした。
ウィルスは3万種もあって、その内哺乳類と鳥類に感染するのは650種ですが、
それぞれ亜種が何タイプもあるのだそうです。
以下はWikipediaの記事です。
1.コロナウィルス
コロナウイルス(英: coronavirus)は
哺乳類や鳥類に病気を引き起こす多くのウイルスのうちの1つである。
ヒトでは、風邪を含む呼吸器感染症などを引き起こすが、
稀なタイプのSARSコロナウイルス (SARS-CoV) 、
MERSコロナウイルス (MERS-CoV) および
2019新型コロナウイルス
(SARS-CoV-2 上野注:これがWHOが定めた今回のウィルスの正式名称です)
のようなウイルスは致死的である。
鶏には上気道疾患を引き起こし、牛や豚には下痢を引き起こす。
ヒトコロナウイルス感染を予防または治療するためのワクチンや
抗ウイルス薬は現在存在しない。
「コロナウイルス」の名称は
ラテン語 corona (コロナ) およびギリシャ語の王冠または光冠(丸い光の輪)、
花冠を意味する κορώνη (korṓnē コロネ) に由来する。
この名称は電子顕微鏡によるビリオン (感染性を有するウイルス粒子)
の特徴的な外観に由来する。
ビリオンは大きな球状の表面突起の縁をもち、
樹冠や太陽コロナを思わせる像をつくる。
この形態はウイルスのスパイク (S) ペプロマーによってつくられる。
ペプロマーはウイルスの表面にあるタンパク質で、宿主の向性を決定する
(上野注:これで宿主にとりつく)。
コロナウィルスの図(国立感染症研究所の資料による)
2.コロナでないインフルエンザウィルス
インフルエンザウイルス (influenzavirus , flu virus) は
ヒト(人間)に感染して、感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルス。
ウイルスの分類上は「エンベロープ(上野注:包み)を持つ、
マイナス鎖の一本鎖RNAウイルス」として分類される
オルトミクソウイルス科に属する、
A型インフルエンザウイルス (influenzavirus A)、
B型インフルエンザウイルス (- B)、
C型インフルエンザウイルス (- C) の3属を指す。
ただし一般に「インフルエンザウイルス」と呼ぶ場合は、
特にA型、B型のものを指し、
その中でもさらにヒトに感染するものを意味する場合が多い
(インフルエンザ・ワクチンはC型を対象としていない)。
またヒト以外のインフルエンザウイルスは、
それぞれ分離された動物の名前またはその略をつけて呼ばれるが、
ヒトの場合は本項のように省略される。
本来はカモなどの水鳥を自然宿主として、
その腸内に感染する弱毒性のウイルスであったものが、
突然変異によってヒトの呼吸器への感染性を獲得したと考えられている。
A型インフルエンザウィルスの図(出典Wikipedia)
3.新型インフルエンザ(出典:Wikipedia)
新型インフルエンザはインフルエンザウイルスのうち、
(他の動物が持っていたウィルスで)
ヒト-ヒト間の伝染能力を新たに有するようになったインフルエンザウイルスを
病原体とするインフルエンザウイルス感染症である。
略称は新型インフル。
つまり、もともと人間がかかっていたインフルエンザではなく、
新たに動物から感染したインフルエンザということです。
多くは鳥由来ですが、ブタからの感染もあります。
日本の法律による定義は、
「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを
病原体とするインフルエンザであって、
一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、
当該感染症の全国的かつ急速なまん延により
国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの」
[1](感染症予防法第6条第7項第1号)である。としている。
20世紀など過去の新型ウイルスは、
すべて鳥インフルエンザウイルスに由来し大きく報道されてこなかったが、
1918年のスペイン風邪と呼ばれたインフルエンザの流行(数千万人が死亡)は
鳥インフルエンザの変異だとされるようになった[2]。
21世紀にはいると2008年までには、
鳥インフルエンザウイルスは人間には感染しにくいが変異しやすいため、
種を超えて感染し再びスペインかぜのようなパンデミックを引き起こしかねない、
国家レベルで抗ウイルス薬を備蓄すべきだと、
そのように世論が煽られるようになった。
2009年にはそれまで危険性が煽られていた鳥インフルエンザではなく、
豚インフルエンザに由来する新型インフルエンザのパンデミック宣言が
世界保健機関よりなされた。
4.新型コロナウィルス
現在騒がれている新型コロナウィルスは、新型であるコロナウィルス
ということです。
つまり、
人間がもともとかかっていたウィルスではないコロナ型のウィルスなのです。
5.新型コロナの脅威性
コロナ型だから感染力が強いとか重症化率が高いということはありません。
脅威性は、ウィルス自体の「個性」によるのです。
ご承知のように、
今回のコロナウィルスは発病前から感染するという面では感染力が高いのですが、
感染しやすいのかどうかという面での感染力の強さはまだ分かっていません。
重症化率については、これまでのインフルエンザが致死率0.1%に対して、
その2倍くらいということのようです。
これまでの日本でのインフルエンザにかかっている人1千万人に対して
1万人が死んでいるのです。
因みに、日本人は癌で年間約40万人が亡くなっています。
その程度なのに、大騒ぎするのは、
新しいウィルスなので、何が起きるか分からないからなのです。
参考:感染症法
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
というのがあるのですね。
日本国内でSARS-CoVやMERS-CoVの感染者が見つかった場合、
病気の伝播を抑えるために、感染症法に従って感染拡大防止策がとられる。
SARS-CoVとMERS-CoVは共に、
感染症法において二類感染症に分類されている。
感染者には感染症指定医療機関への入院措置がとられ、
陰圧管理された病室で治療を受けることになる。
同時に疫学調査が行われ、感染経路や接触者が特定される。
実験室内でのSARS-CoVとMERS-CoVの所持についても、
感染症法によって規制されている。
SARS-CoVは二種病原体、MERS-CoVは三種病原体に分類されており、
「所持の許可」、「教育訓練」、「滅菌の管理」において、
SARSの方がMERSよりも厳しく管理されている。
SARS-CoVとMERS-CoVはいずれも
BSL3実験室内に保管して取り扱う必要がある。
一方、風邪のウイルス
HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1は
特に危険な病原体ではないため、感染症法での指定は無く、
BSL2実験室で取り扱うことができる。
なお、識者間では、
感染状態を踏まえ機動的に移動禁止・外出禁止、休校・休業の指示
ができるようにすべきだという議論も出ているようですが、
今回の検討対象外とさせていただきました。
2020年2月24日月曜日
日本人の脳「空気を読む脳」
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
中野信子教授の著書から
主として日本人の脳の働きの特徴・根源を探求いたします。
ねらい:
そういう目で日本社会を見てみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「空気を読む脳」は、脳科学者と称される中野信子教授の著書名です。
日本人は空気を読むことを重視するが、
それは日本人の脳の機能から説明できるという
触れ込みの新聞広告を見て買ってみました。
中野教授は美人なので、テレビにも登場しています。
その答えはこうでした。
1)日本人は協調性が強い。
これは、各種性格診断の結果でそうなっている。
2)協調性が強い人は、不公平な仕打ちを受けるとキレル。
「最後通牒ゲーム」の実施結果がそれを証明している。
最後通牒ゲームは二人で行われ、
一方が資金の配分権を持ち、もう一方が拒否権を持つ。
拒否権が発動されると二人とも資金没収となる。
資金の配分を受ける方は、
少ない配分でも我慢した方が受け取り額は多くなる。
しかし、不満に思い拒否権を発動する者がいる。
この拒否権を発動する人と協調性の高い人は
相関があることが立証された。
3)セロトニントランスポーター(後掲参照)の密度が低い人は、
拒否権の発動率が高い(キレル)、ことが証明されている。
4)日本人は、
セロトニントランスポーターの密度が世界で一番低い部類に入る。
要約するとこうなります。
日本人はセロトニントランスポーターの密度が低く、
かつ協調性が強いので、不公平な仕打ちを受けるとキレやすい。
念のための付言ですが、上の4項目でお分かりのように、
セロトニントランスポーターの密度と協調性の直接的関係自体は不明です。
たとえば、セロトニントランスポーターの密度が低いから協調性が高いとか
その逆がある、とかではないのです。
以下に、中野さん自身の解説をご紹介します。
セロトニントランスポーターは中脳にありますが、
脳内で働くと安心感をもたらすセロトニンの量の調節を担うたんぱく質です。
この密度が低い人ほど、
不公平な仕打ちに対する拒否権の発動率が高かったのです。
普段は誰かのために自己犠牲をいとわず真面目に働く、という人が、
いったん不公平な仕打ちを受けると、
一気に義憤に駆られて行動してしまうのです。
自らの損失を省みず、どんな手を使ってでも相手に目にもの見せてくれよう
と燃えたってしまうというわけです。
そして実は、日本人の脳にあるセロトニントランスポーターの量は、
世界でもいちばん少ない部類に入ります。
要するに、
世界でも最も実直で真面目で自己犠牲をいとわない人々ではありますが、
いったん怒らせると何をするかわからなくなるということです。
この性質が、
第2次世界大戦で恐れられた「カミカゼ」を支えた心理の裏にあったと考えられ
その遺伝子はまだ脈々と私たちの中にI受け継がれていると言えます。
たかだか3世代や4世代では
遺伝子を保持する人の割合は相劇的な変化は現れません。
なお、書名の「空気を読む脳」については、
本書のどこにもその記述はありません。
出版社が勝手に付けたものでしょう。
因みに、中野さんの文体は淡々としていて
あまり「情」が感じられません。
学者のレポートとしてはそれでいいのでしょうが、
若干物足りない感じがいたしました。
本書の構成はこうなっています。
第1章 犯人は脳の中にいるーー空気が人生に与える影響とは?
“カミカゼ遺伝子”は脳内に現代も息づいているか
日本人はなぜ「醜くても勝つ」より「美しく負ける」を好むのか
ブランドを身に着けると、なぜ「人生で得をしがち」なのか
日本人は富裕層になれても大富豪にはなれない
不倫もバッシングも脳や遺伝子に操られているのか
第2章 容姿や性へのペナルティ
女性の容姿への「残酷な心理実験」が映し出す現実社会
女という「呪われた」性で「婚活」に苦しむ日本人女性
レールを敷く親――子どもを蝕む「毒親」とは?
同性愛の科学――”生産性”をめぐる議論
第3章 「褒める」は危険――日本人の才能を伸ばす方法とは?
失敗を恐れる脳――日本人はなぜ「挑戦」しなくなったのか
なぜ報酬がいいとやる気や創造力が減退してしまうのかb
「すぐに返信しない男」と「既読スル―を我慢できない女」
「超一流」が育ちにくい時代に才能を伸ばす脳の育て方とは?
20代までも成長し続ける脳が味わう試練と、その助け方
第4章 「幸福度が低い」わけがある――脳の多様すぎる生存戦略
日本人の脳をつくったのは、環境か遺伝子か?
「弱み」は人間の生存戦略上なくてはならない
この中から日本人の思考行動特性を決めていると考えられる
脳科学的根拠あるいは心理実験結果が示されていることについて
以下にご紹介いたします。
日本人はなぜ「醜くても勝つ」より「美しく負ける」を好むのか
日本人はセロトニントランスポーターの少ないタイプが
世界でも最も多Iというデータがあります。
つまり、日本人は、自分が利益を失ってでも、
不正をした相手に制裁を加えたいという気持ちが世界一強い民族である
可能性があります。
冷静で合理的な選択よりも、熱い気持ちで美しさを賛美したいのです。
社会性というルールを破る不倫という行為が
ここまでバッシングを浴びるのも、
政治家の失言や、有名人の不適切な振る舞いが
いつまでも攻撃され続けてしまうのもそうであるかもしれません。
日本人は富裕層になれても大富豪にはなれない
ギャンブルに熱くなりやすい、なりにくいで言うと
日本人は比較的熱くなりにくい性質を持った人が多くいる集団です。
日本人にはドーパミンの要求量の低い人がほとんどで、
高い人の割合は全体の1-5%であることがわかっています。
この人たちは「新規探索性」といって、
リスクを冒してでも新しいものごとや未知の世界に触れたいという
性質のきわめて強い人たちです。
多い地域は南米や南ヨーロッパです。
「新奇探索性」が高いと考えられる遺伝的資質を持っている人は
20-25%いるというデータがあります。
不倫もバッシングも脳や遺伝子に操られているのか
ーダメな男がモテる理由ー
注:この項は日本人固有ではありません。
女性は、サイコパス、マキャベリスト、ナルシストの3要素を持っている
男性に惹かれやすいことがわかっています。
この3要素はダークトライアドと呼ばれます。
まさに典型的なダメ男といったところでしょうか。
ただ、ダークトライアドの男性は、「新奇探索性」が高く
性的にもアクティブなので、遺伝子を広く拡散する性質があります。
つまり女性にとって、ダークトライアドの男性と子孫を残し、
そこに半分自分の遺伝子を乗っけてしまえば、
その子孫も同じようにあちこちで遺伝子をばらまいてくれる可能性があり、
効率よく自分(女性)の遺伝子も次世代に繋いでくれる確率が上がる、
というわけです。
(中略)ダークトライアドの魅力に抗えないのは、
脳の中の古い皮質が私たちに指令を出しているからです。
つまり個体として安定した日常生活をおくるよりも
「遺伝子を効率よく残したい」という、
より根源的な欲求が優先されるというわけです。
一方、「不倫がバレると社会から罰せられるから、やめておこう」
という考えは、理性を掌る新しい皮質による判断です。
新しい皮質はアルコールやストレスなどで麻痺しやすく、
いわば、タガが外れやすい。
「酔った勢いで、つい」といった一夜のあやまちが起きやすいのは
そのためです。
失敗を恐れる脳――日本人はなぜ「挑戦」しなくなったのか
(上野要約)
今の教育指導原理は「褒めて伸ばそう」となっている。
しかし「できる」ことを褒めると、
「できなければならない」というプレッシャーのために、
難しいことにチャレンジしないで逃げるようになる。
褒めるなら努力(結果でなくプロセス)を褒めるべきである。
「すぐに返信しない男」と「既読スル―を我慢できない女」
(上野要約)
女性は安心感の源になるセロトニンの合成能力が低いので
不安になりやすい。
「なぜ返信が来ないのか」と考えてしまう。
そのため、女性の方がうつ病になりやすい
(男性が5-12%に対し、女性は10-25%)。
日本人の「幸福度が低い」わけ
(上野要約)
日本人は男女を問わず世界的にセロトニンの合成能力が低い。
そのため将来についても不安感が強く、したがって幸福感が低い。
しかし、ある程度の不安感が新しい世界へのチャレンジを生み
人類を発展させてきた。
その点からすると、
日本の長寿はセロトニン合成能力の低さのおかげである。
著者は「おわりに」で
ご自分の存在価値は何だろう?というような
かなり本質的な疑問を「情」に流れることなく提示しておられます。
おそらく、自分で独創的な研究をされているのではなく、
他人の研究の成果を世の人たちに伝える役割を果たしているにすぎない、
ことを問題にしておられるのかな、と思いました。
それはそれで社会的には大きな価値のあることなのです。
それによって多くの人たちに知恵がつくのですから、と思いました。
ぜひ皆様も本書をお読みになってください。
目的:
中野信子教授の著書から
主として日本人の脳の働きの特徴・根源を探求いたします。
ねらい:
そういう目で日本社会を見てみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「空気を読む脳」は、脳科学者と称される中野信子教授の著書名です。
日本人は空気を読むことを重視するが、
それは日本人の脳の機能から説明できるという
触れ込みの新聞広告を見て買ってみました。
中野教授は美人なので、テレビにも登場しています。
その答えはこうでした。
1)日本人は協調性が強い。
これは、各種性格診断の結果でそうなっている。
2)協調性が強い人は、不公平な仕打ちを受けるとキレル。
「最後通牒ゲーム」の実施結果がそれを証明している。
最後通牒ゲームは二人で行われ、
一方が資金の配分権を持ち、もう一方が拒否権を持つ。
拒否権が発動されると二人とも資金没収となる。
資金の配分を受ける方は、
少ない配分でも我慢した方が受け取り額は多くなる。
しかし、不満に思い拒否権を発動する者がいる。
この拒否権を発動する人と協調性の高い人は
相関があることが立証された。
3)セロトニントランスポーター(後掲参照)の密度が低い人は、
拒否権の発動率が高い(キレル)、ことが証明されている。
4)日本人は、
セロトニントランスポーターの密度が世界で一番低い部類に入る。
要約するとこうなります。
日本人はセロトニントランスポーターの密度が低く、
かつ協調性が強いので、不公平な仕打ちを受けるとキレやすい。
念のための付言ですが、上の4項目でお分かりのように、
セロトニントランスポーターの密度と協調性の直接的関係自体は不明です。
たとえば、セロトニントランスポーターの密度が低いから協調性が高いとか
その逆がある、とかではないのです。
以下に、中野さん自身の解説をご紹介します。
セロトニントランスポーターは中脳にありますが、
脳内で働くと安心感をもたらすセロトニンの量の調節を担うたんぱく質です。
この密度が低い人ほど、
不公平な仕打ちに対する拒否権の発動率が高かったのです。
普段は誰かのために自己犠牲をいとわず真面目に働く、という人が、
いったん不公平な仕打ちを受けると、
一気に義憤に駆られて行動してしまうのです。
自らの損失を省みず、どんな手を使ってでも相手に目にもの見せてくれよう
と燃えたってしまうというわけです。
そして実は、日本人の脳にあるセロトニントランスポーターの量は、
世界でもいちばん少ない部類に入ります。
要するに、
世界でも最も実直で真面目で自己犠牲をいとわない人々ではありますが、
いったん怒らせると何をするかわからなくなるということです。
この性質が、
第2次世界大戦で恐れられた「カミカゼ」を支えた心理の裏にあったと考えられ
その遺伝子はまだ脈々と私たちの中にI受け継がれていると言えます。
たかだか3世代や4世代では
遺伝子を保持する人の割合は相劇的な変化は現れません。
なお、書名の「空気を読む脳」については、
本書のどこにもその記述はありません。
出版社が勝手に付けたものでしょう。
因みに、中野さんの文体は淡々としていて
あまり「情」が感じられません。
学者のレポートとしてはそれでいいのでしょうが、
若干物足りない感じがいたしました。
本書の構成はこうなっています。
第1章 犯人は脳の中にいるーー空気が人生に与える影響とは?
“カミカゼ遺伝子”は脳内に現代も息づいているか
日本人はなぜ「醜くても勝つ」より「美しく負ける」を好むのか
ブランドを身に着けると、なぜ「人生で得をしがち」なのか
日本人は富裕層になれても大富豪にはなれない
不倫もバッシングも脳や遺伝子に操られているのか
第2章 容姿や性へのペナルティ
女性の容姿への「残酷な心理実験」が映し出す現実社会
女という「呪われた」性で「婚活」に苦しむ日本人女性
レールを敷く親――子どもを蝕む「毒親」とは?
同性愛の科学――”生産性”をめぐる議論
第3章 「褒める」は危険――日本人の才能を伸ばす方法とは?
失敗を恐れる脳――日本人はなぜ「挑戦」しなくなったのか
なぜ報酬がいいとやる気や創造力が減退してしまうのかb
「すぐに返信しない男」と「既読スル―を我慢できない女」
「超一流」が育ちにくい時代に才能を伸ばす脳の育て方とは?
20代までも成長し続ける脳が味わう試練と、その助け方
第4章 「幸福度が低い」わけがある――脳の多様すぎる生存戦略
日本人の脳をつくったのは、環境か遺伝子か?
「弱み」は人間の生存戦略上なくてはならない
この中から日本人の思考行動特性を決めていると考えられる
脳科学的根拠あるいは心理実験結果が示されていることについて
以下にご紹介いたします。
日本人はなぜ「醜くても勝つ」より「美しく負ける」を好むのか
日本人はセロトニントランスポーターの少ないタイプが
世界でも最も多Iというデータがあります。
つまり、日本人は、自分が利益を失ってでも、
不正をした相手に制裁を加えたいという気持ちが世界一強い民族である
可能性があります。
冷静で合理的な選択よりも、熱い気持ちで美しさを賛美したいのです。
社会性というルールを破る不倫という行為が
ここまでバッシングを浴びるのも、
政治家の失言や、有名人の不適切な振る舞いが
いつまでも攻撃され続けてしまうのもそうであるかもしれません。
日本人は富裕層になれても大富豪にはなれない
ギャンブルに熱くなりやすい、なりにくいで言うと
日本人は比較的熱くなりにくい性質を持った人が多くいる集団です。
日本人にはドーパミンの要求量の低い人がほとんどで、
高い人の割合は全体の1-5%であることがわかっています。
この人たちは「新規探索性」といって、
リスクを冒してでも新しいものごとや未知の世界に触れたいという
性質のきわめて強い人たちです。
多い地域は南米や南ヨーロッパです。
「新奇探索性」が高いと考えられる遺伝的資質を持っている人は
20-25%いるというデータがあります。
不倫もバッシングも脳や遺伝子に操られているのか
ーダメな男がモテる理由ー
注:この項は日本人固有ではありません。
女性は、サイコパス、マキャベリスト、ナルシストの3要素を持っている
男性に惹かれやすいことがわかっています。
この3要素はダークトライアドと呼ばれます。
まさに典型的なダメ男といったところでしょうか。
ただ、ダークトライアドの男性は、「新奇探索性」が高く
性的にもアクティブなので、遺伝子を広く拡散する性質があります。
つまり女性にとって、ダークトライアドの男性と子孫を残し、
そこに半分自分の遺伝子を乗っけてしまえば、
その子孫も同じようにあちこちで遺伝子をばらまいてくれる可能性があり、
効率よく自分(女性)の遺伝子も次世代に繋いでくれる確率が上がる、
というわけです。
(中略)ダークトライアドの魅力に抗えないのは、
脳の中の古い皮質が私たちに指令を出しているからです。
つまり個体として安定した日常生活をおくるよりも
「遺伝子を効率よく残したい」という、
より根源的な欲求が優先されるというわけです。
一方、「不倫がバレると社会から罰せられるから、やめておこう」
という考えは、理性を掌る新しい皮質による判断です。
新しい皮質はアルコールやストレスなどで麻痺しやすく、
いわば、タガが外れやすい。
「酔った勢いで、つい」といった一夜のあやまちが起きやすいのは
そのためです。
失敗を恐れる脳――日本人はなぜ「挑戦」しなくなったのか
(上野要約)
今の教育指導原理は「褒めて伸ばそう」となっている。
しかし「できる」ことを褒めると、
「できなければならない」というプレッシャーのために、
難しいことにチャレンジしないで逃げるようになる。
褒めるなら努力(結果でなくプロセス)を褒めるべきである。
「すぐに返信しない男」と「既読スル―を我慢できない女」
(上野要約)
女性は安心感の源になるセロトニンの合成能力が低いので
不安になりやすい。
「なぜ返信が来ないのか」と考えてしまう。
そのため、女性の方がうつ病になりやすい
(男性が5-12%に対し、女性は10-25%)。
日本人の「幸福度が低い」わけ
(上野要約)
日本人は男女を問わず世界的にセロトニンの合成能力が低い。
そのため将来についても不安感が強く、したがって幸福感が低い。
しかし、ある程度の不安感が新しい世界へのチャレンジを生み
人類を発展させてきた。
その点からすると、
日本の長寿はセロトニン合成能力の低さのおかげである。
著者は「おわりに」で
ご自分の存在価値は何だろう?というような
かなり本質的な疑問を「情」に流れることなく提示しておられます。
おそらく、自分で独創的な研究をされているのではなく、
他人の研究の成果を世の人たちに伝える役割を果たしているにすぎない、
ことを問題にしておられるのかな、と思いました。
それはそれで社会的には大きな価値のあることなのです。
それによって多くの人たちに知恵がつくのですから、と思いました。
ぜひ皆様も本書をお読みになってください。
2020年2月19日水曜日
世界最高齢117歳の田中カ子さんの好きなもの??
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
長寿の秘訣を知りましょう!
ねらい:
それを実践しましょう!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先日、ちらっとテレビを見ていましたら、
田中カ子おばあさんがテレビのインタビュを受けていました。
インタビュアが「おばあさん、お好きなものは何ですか?」と聞くと
おばあさんは即答しました。
「そりゃあんた、男だよ!」
インタビュアは一瞬戸惑っていました。
なんて言われたか分からない、という感じでしたが、
その後のおばあさんの態度で意味が分かりました。
その後「どんなタイプの男性が好きですか?」
などという対話に入っていきました。
「次に好きなものは?」の答えは、オセロゲームでした。
その次は、オロナミンCで1日に数本飲むということでした。
オトコ、オセロ、オロナミンC、なるほど、です。
なぜか、オづくしですね。
人間あるいは生物は異性に対する関心を失ったら、
種族の維持ができませんから、これは最も基本的な本能です。
ミツバチのオスは交尾をするとすぐに死にます。
個体の生存よりも種の存続を重視しているのは有名なことです。
脳科学者と言われる中野信子さんの「空気を読む脳」には、
以下の記述があります。
若い女性が、モテル浮気性の男性に惹かれるのは、
浮気性の男性の子孫をつくると、
その子孫が自分の種をもばらまいてくれるからだ、という説もある。
自分の夫に浮気されていやな思いをする個体のマイナスよりも
種族維持を重視している、ことになります。
ですから、カ子さんの言は、カッコウ付けではなく
素直なものなのです。
まさか実際の行為に及ぶということはないでしょうが、
その「好きだ」という気持ちでいいのです。
次のオセロゲーム、これも長寿につながります。
頭を必死で使うのですからね。
会社勤めをしなくなって頭を使わなくなった「ヒト」は
すぐに天国から呼ばれるか、認知症で人様に迷惑をかけます。
3番目のオロナミンCは体の強化です。
「生きがい、アタマ、カラダ」生きるスベの基本条件を
自然に備えている人が長生きするのですね!!
目的:
長寿の秘訣を知りましょう!
ねらい:
それを実践しましょう!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先日、ちらっとテレビを見ていましたら、
田中カ子おばあさんがテレビのインタビュを受けていました。
インタビュアが「おばあさん、お好きなものは何ですか?」と聞くと
おばあさんは即答しました。
「そりゃあんた、男だよ!」
インタビュアは一瞬戸惑っていました。
なんて言われたか分からない、という感じでしたが、
その後のおばあさんの態度で意味が分かりました。
その後「どんなタイプの男性が好きですか?」
などという対話に入っていきました。
「次に好きなものは?」の答えは、オセロゲームでした。
その次は、オロナミンCで1日に数本飲むということでした。
オトコ、オセロ、オロナミンC、なるほど、です。
なぜか、オづくしですね。
人間あるいは生物は異性に対する関心を失ったら、
種族の維持ができませんから、これは最も基本的な本能です。
ミツバチのオスは交尾をするとすぐに死にます。
個体の生存よりも種の存続を重視しているのは有名なことです。
脳科学者と言われる中野信子さんの「空気を読む脳」には、
以下の記述があります。
若い女性が、モテル浮気性の男性に惹かれるのは、
浮気性の男性の子孫をつくると、
その子孫が自分の種をもばらまいてくれるからだ、という説もある。
自分の夫に浮気されていやな思いをする個体のマイナスよりも
種族維持を重視している、ことになります。
ですから、カ子さんの言は、カッコウ付けではなく
素直なものなのです。
まさか実際の行為に及ぶということはないでしょうが、
その「好きだ」という気持ちでいいのです。
次のオセロゲーム、これも長寿につながります。
頭を必死で使うのですからね。
会社勤めをしなくなって頭を使わなくなった「ヒト」は
すぐに天国から呼ばれるか、認知症で人様に迷惑をかけます。
3番目のオロナミンCは体の強化です。
「生きがい、アタマ、カラダ」生きるスベの基本条件を
自然に備えている人が長生きするのですね!!
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