2024年1月19日金曜日

「脳を創る『紙の本』の効用」 賛成!!

[このテーマの目的・ねらい】
目的:
 紙の本の効用を再確認していただきます。
ねらい:
 紙とデジタルをうまく使い分けましょう。
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本項は、学士會会報2024ーⅠ号に掲載されました
東大大学院総合文化研究科酒井嘉教授の寄稿
「脳を創る『紙の本』の効用」のご紹介です。






1.読書はどのように脳を創るのか
上野注:これは、紙の読書に限定しない事項です。

1)読書を通して言葉の意味を補う「想像力」が自然に高められる。
想像力は書かれたことを超えて「行間を読む能力」
と言い換えることができ、
文意や書き手の意図を的確に解釈する力でもある。
この「眼光紙背に徹する」力は、読書の経験によって磨かれていく。

上野注:
この自分の頭で考える、ということが大事で、
テレビを見ている場合は、ほとんど自分の頭では考えていないので、
いくら見ていても脳の活性化(認知症阻止)には貢献しない
のだそうです。

2)読書を通して施策に耽ることで、
自分の言葉で考える力が自然と身につく。
文字の情報は脳で音声化され、
記憶の貯蔵庫からさまざまな概念を引き出しながら
思考を形成していく。

3)読書経験を通じて、脳が変化し成長する。
1回限りの人生で実際に体験できることは限られているが、
読書を通してさまざまな生き方について知恵を得ることができる。

2.なぜ「紙の本」がいいのか
1)本をパラパラとめくることによって、前の部分の内容や
後の展開を容易に確認することができる。
 デジタルの場合はそれは容易ではない。

上野注:
システム企画研修社の研修では、
印刷版のサブテキスト([MIND-SA基本手法ハンドブック」
「目的達成手法解説」等)を配布します。

 46頁20頁

 

演習中に、パラパラと必要な部分を参照できるからです。

このご時世に印刷版を配布するのは手間なのですが、
やめていません。今後もやめるつもりはありません。

2)新聞など大きな紙面は一覧性に優れる。
一挙に全貌を把握することができる。
新聞紙を広げたとたんに、多くの情報が一挙に目に入る。
その次は関心のある記事に自然と目が行くことだろう。
ときには、小さな死亡欄が目にとびこんでくることもある。
特に意識することなく、脳は紙面を一瞬でサーチしてくれるのだ。
デジタルのように、検索したい内容を指定しないですむ。

3)見開きの頁を有効に使って主張を展開することができる。
例として、ミステリー作家道尾秀介さんの作品が紹介されています。
「ページをめくったときに「あっ」と言わせるように
レイアウトを作っている」のだそうです。
著者は「頁をめくる楽しみがある」と言っておられます。

私の昨年の著書「DX成功ガイド」では、
見開きの左頁に論旨、右頁にそれに関する調査データ
を示すようにしました。
これ以外に、1項目を1頁に収めるとかの工夫をして、
参照しやすくしている場合などもありますね。

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