目的:
小中高生たちが出会う交通事故の状況を知っていただきます。
データを読む練習をしていただきます。
ねらい:
データに出会ったらなぜそうなるのか考えるようにしましょう。
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3月23日と27日の日経新聞に
交通事故の死傷者に関する情報が載りました。
以下のデータを見て「なぜそうなるのか」と思われますか。
以下の統計はすべて 2012年~2016年 5年間の平均です。
小中学生の年齢別 歩行中交通事故死傷者数(一部)
|
年平均
死傷者数(人)
|
同10万人当り
死傷者数(人)
|
備考
|
6歳 | 1098.2 | 102.3 | |
7歳 | 1564.6 | 146.4 | 最高 |
8歳 | 1208.8 | 113.8 | |
全年齢平均 | 46.8人 |
小中学生の学年別 歩行中交通事故死傷者数(一部)
|
5年間 死傷者数(人) |
備考
| 死者数 |
小学1人 | 8,075 | 最高 | 30人 |
小学2年 | 以下漸減 | 30人 | |
小学6年 | 2,210 | ||
小学生 |
29,317 |
登校中:
4139人
下校中:
6001人
|
男児65人 女児26人 計91人 |
中学1年 | 2,641 | 逆転増加 | |
中学2年 | 減少 | ||
中学3年 | 1,674 | 最低 | |
中学生 | 計18人 | ||
全年齢平均 | 35,816 |
中高生の自転車による交通事故死傷者数
区分 |
5年間の
死傷者(人)
|
内自転車に
よるもの 人
| その比率等 |
中学生 |
59,313 |
35,049 |
59%、 死者25人、 男2/3 |
内中1 | 12,932 | 中学生で最多 | |
高校生 | 115,735 |
74,920 | 65%、 死者67人、 男2/3 |
内高1 | 31,270 | 高校生で最多 | |
中高 合計 |
175,048 |
109,969 |
63% 登校中: 36,848 下校中: 22,575 出会い頭: 66,872 |
新聞ではこういう解説がついていました。
歩行中の事故について
16年の10万人当たりで見ても、
最多が小1の122.8人で、最小が中3の24.7人、
40.6人の中1だけは小6の35.3人から増加しており
進学による通学路変更が要因とみられる。
月別では夏休みまでの4~7月と、
月別では夏休みまでの4~7月と、
秋になり夕暮れが早くなる10,11月が多い。
→下校中が多い理由。
自転車による事故について
中1と高1が多くなっている要因としては、
新入生が慣れない通学路で危険な場所などに気づかず
事故に遭っていることが考えられる。
私はさらに以下の分析をしました。
1)なぜ歩行中事故は7歳が最多なのか
新聞の見出しでも意外という意味で
皆さま、どう思われました?
学年別では小1が最多なのです。
これはそうだろうという結果です。
ではこの違いはなんなのか?
6歳=小1ではないのでしょうか?
実は、6歳の4分の3は未就学児です。
1人で出歩きません。
親の保護の下での歩行ですから事故にも遭いにくいでしょう。
7歳の4分の3が小1なのです。
ですから7歳≒小1です。
したがって、小1が最も歩行中事故が多い、
というもっともな結果なのです。
新聞はいい加減な見出しを付けたことになります。
2)小中高とも1年生が交通事故に遭いやすい。
これは私の分析ではありません。
単なる確認です。
通学路等に不慣れで起きているのでしょう。
3)小学生の歩行中の事故は下校中が多い理由
登校時は緊張しているし、
近所の交通係のオジサン等が誘導している場合も多い。
下校時は、ふざけて駆けたりもするでしょう。
4)中高生の自転車事故は登校中が多い理由
登校中は遅刻しないようにと急いでいます。
自転車での下校中は歩行中とは違って
ふざけて移動するということも少ないでしょう。
5)自転車による死傷者は高校生が中学生より多い
これは高校生が乱暴なのではなく(多少はそれもあるかも)、
高校生の自転車通学者が多いためでしょう。
その数値がないので断定はできません。
6)死者は歩行中も自転車利用中も男性が多い
これは男性の人数が女性の人数よりも多いからではなく、
男性の行動の方が活発・乱暴・ダイナミックだからです。
死者の人数はそう多くはないですが、
それでも、ご家族のショックはたいへんなものです。
警察庁も多くの交通事故対策を常時実施中です。
事故件数を減らす対策も必要ですが、
死者が発生しない対策を考えて集中的に実施してほしいですね。
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