目的:
「デザイン思考」とは何かを知っていただく。
名案を考えだす方法を研究いただく。
ねらい:
あらためて「デザイン思考」を研究なさってください。
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2016年3月31日号の「日経コンピュータ」は
「デザイン思考ー―革新を量産するシリコンバレー」
という特集でした。
以下の冒頭のメッセージから始まっています。
シリコンバレーにはイノベーションを生み出す秘伝のマニュアルがある。
シリコンバレーの有力大学が生み出し、コンサルティング会社などが
定式化した手法を、
ベンチャーキャピタルがスタートアップ(新興企業)に手とり足とり教え、
広めている。
そのマニュアルこそが「デザイン思考」である。
デザイン思考のプロセスは
1)共感:ユーザーに共感することで本当の問題をあぶり出す
(そのために現場に張り付いたりする)
2)問題定義:実は何がユーザーが解決したい
本当の問題なのかを突き止める。
この特集でも
「問題の発見」が本質という大見出しが付いています。
3)創造:その問題を解決する方法を考える。
いくつかのツールが用意されている。
4)試作:すぐにプロトタイプを作って試す。
3Dプリンターなども使う。
5)評価:すぐに解決策に反映させる。
この手法を忠実に実行することで成功した
いくつかの事例が紹介されています。
アメリカらしいですね。
日本だと四の五の言ってなかなか本気でやらないでしょう。
例:従業員がスマホなどのアプリケーションから
オフィスの空調を制御できるようにする。
従業員による空調制御を機械学習し、
人工知能が従業員一人ひとりにとって最適な温度を割り出すと共に、
最小のエネルギーでこの温度を実現する空調設定を割り出す。
一つ一つの手法は、それほど画期的なものはありませんが
(KJ法なども使われているよう)、
それを会社の社長以下キーマンが缶詰状態で検討する
というところがすばらしいと思います。
必死で知恵を出すというところがミソです。
どんな手法であっても関係者が必死で知恵を出せば
よい答えは得られます。
当社の過去のヒット商品であるMIND-VIPという
業務改革プログラムは優れた手法も使っていますが、
半年間部長以下が必死で対策を実施することで
巨大な改善利益を生み出しました。
この日経コンピュータの特集で感心したのは、
記者自身がシリコンバレー現地で
デザイン思考訓練を実践したことです。
その事例の紹介はたいへん良く分かりました。
取材はこうでなくてはいけませんね。
まさに現場主義です。
私なりに「デザイン思考」の本質をこう理解しました。
1)責任者が必死で取り組む。
2)現場を徹底的に観察または分析する。
3)短期間で結果を出す。
4)試行錯誤で練り上げる。
因みに「問題の発見」がカギということですが、参考までに
今回の特集に登場している問題がどういうものかを整理してみました。
問題には2種類あって、
先ずは入り口でニーズを把握するところ、
次はそのニーズを実現するための方法(解決策)を検討するところ、です。
案件によってそのウェートが異なります。
ニースが分かれば実現方法は思いつくものと、
ニーズが分かってから、実現方法をどうするかが重要なもの、とです。
その一部については、当社の問題点連関図手法でも対応可能です。
デザイン思考事例の「問題」発見の分析
案件
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問題点
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解決策
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問題の性格
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問題点連関図手法での対応
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ルームサービスをロボットが代行する
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利用者が不安を感じる
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iPADを使って対話をする
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目的達成の阻害要因
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解決策探求の左方展開適用
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通常はクレジットカードを持てないサブプライム向けにスマホ等を信用販売する
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回収不能
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支払いが滞ったらスマホを使用不能にする。
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ニーズ把握
目的達成(売上確保)の阻害要因
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解決策探求の左方展開適用
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オフィスで個人ごとに希望空調を実現する
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個人の希望はバラバラ、対応は煩雑
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スマホなどで個人の希望を入れ、それを機械学習して空調コントロール
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ニーズ把握
目的達成(案件テーマ)の阻害要因
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解決策探求の左方展開適用
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車の運転中でもスマホを利用できるようにする
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運転中スマホをみることは禁止なのでスマホ等を利用できない。
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カーナビにアプリを加え、メール等を着信した場合合成音声で伝える。回答も音声で可能。
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ニーズ把握
目的達成(案件テーマ)の阻害要因
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解決策探求の左方展開適用
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ECで画面と面倒なやり取りをしないで買い物ができる
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画面とのやり取りが煩雑でECを利用しない
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初めの振り分け後、オペレータ(コンシェルジェ)とのやり取りで買い物をする。
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ニーズ発見
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