目的:
日本経済の低迷の原因について考えていただきます。
ねらい:
日本の雇用制度改革に力を貸しましょう!!
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本編は学士會会報2016‐Ⅰ号に掲載された
松元崇氏(第一生命経済研究所特別顧問・元内閣府事務次官)
の書かれた
「世界の生産構造の大変化への対応」のご紹介です。
その基本論を連関図に示しますと以下のようになります。
(クリックすると拡大します)
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問題点連関図 我が国低成長の原因 2016/1/29 上野
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これで見ると、終身雇用制度が諸悪の根源です。
極めて明快ですね。
この解雇をしない・できない日本の雇用制度は、
高度経済成長時代には、
安定的かつ高意欲・高スキルの労働力の確保手段として
日本の経済発展を支えました。
ですが、産業構造の転換期を迎え、
その雇用制度が足かせになっています。
高い生産性を実現できるはずの産業に
労働力が向かっていかないのです。
したがって、弾力的な雇用制度への転換が必要である。
↓
そのためには、
解雇されても路頭に迷わないセーフティネットの構築が必要である。
(再教育の強化や失業中の保障など、北欧諸国にその例がある)
↓
その財源は高齢者施策からの振り替えが有効である。
と、持論を展開されています。
以下は引用です。
わが国の高齢者施策への支出はGDP比で見て、
福祉先進国と言われるスウェーデンよりも多いのです。
日本・スウェーデン・米国の高齢者向け施策と
家族・現役向け施策のGDPに占める比率(2009年)
|
日本
|
スウェ
ーデン
|
米国
|
高齢者向け施策
(年金・医療・介護)(A)
|
16.3
|
15.7
|
10.4
|
家族施策(B)
|
0.9
|
3.8
|
0.7
|
現役施策(C)
|
5.0
|
10.2
|
7.9
|
(A)/(B)+(C)
|
2.8倍
|
1.1倍
|
1.2倍
|
(備考)
1. OECD Social Expenditureより作成
2. 医療費の高齢者・現役の内訳については
日本は「国民医療費の概況」に基づく平成21年度の実績値、
スウェーデン・アメリカの医療は高齢者とそれ以外の
1人当たりの医療費を4:1と仮定して按分
そんな実感はないと言われそうですが、
今日65歳以上の高齢者は、
年金、医療、介護で1人255万円もの給付を受けています。
老夫婦2人なら510万円。
正規雇用者の平均年収468万円よりも多い額です。
(そうですか!高齢者の一人として申し訳ないですね)
他方で現役世代への支出は
小さな政府といわれる米国よりも少ないのです。
(中略)
柔軟な雇用の議論は
幅広い国民レベルでの議論が望まれます。
そのとおりです。
投票率の高い高齢者からの反発を恐れていては、
大局観を失い長期的視点での全国民の沈没を招いてしまいます。
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