【このテーマの目的・ねらい】
目的:
「災害痕跡データベース」があることについて知っていただきます。
災害のリスクをどう考えるべきかについて考えていただきます。
ねらい:
災害のリスクがあることを知っていてそこに住む分には
問題ないのでしょう。
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この項は、學士會会報2020年Ⅲ号に記載された
村田泰輔奈良文化財研究所研究員による
「災害痕跡データベースの構築」からのご紹介です。
著者が所属する研究所では、
日本中の歴史災害の痕跡をデータベース化する
大偉業を遂行中でおられます。
東日本大震災の大津波被害は、過去を忘れたから起きた災害
と言われました。
過去から学ぶことは非常に重要なことです。
こういう問題提起をされています。
百年ほど前に始まった近代的手法による地震・火山観測では、
地球物理学や科学的知見から、
地震や火山噴火のメカニズムについて、
多くのことがこれまでに明らかになってきたものの、
東日本大震災で私たちが経験した大津波など、
本当ははるか千年も前に同じ地域で貞観地震として発生していたことや、
低頻度で大規模となり易い海溝型の地震は、
120~130年おきに発生しやすいなど、
歴史的な記録を調べて改めて明らかになることが
まだ数多く出てきたのです。
100年程度のデータ知奇跡では、
巨大地震発生のメカニズムや歴史的なくり返しをかいめいするには
全く足りませんでした。
当研究所で作成している「災害痕跡データベース」は
全国で47万件ある遺跡を対象に
「いつ」「どこで」「どのような災害」が発生したかを
「見える化」するため地図上で検索・表示できるようにしています。
1.データベース作成の作業について
この作業としてこういうことをされています。
1)発掘担当者からの情報
進行中の発掘調査の現場に出向き、
災害痕跡を直接確認し、データを得ます。
2)資料調査
これまでに発行された発掘調査の報告書、論文、
発掘調査中に行われた説明会資料、年次概報などを
可能な限り収集し、片端から読み、
その中に含まれる災害痕跡に関する記述を抽出します。
3)データの整理
災害痕跡のデータを得ると、次に災害痕跡の位置・基本層序(地層)・
災害の時期・災害の種類などのデータを精査・整理・評価します。
4)データの入力
遺跡ごと、調査時点ごとにデータ入力するが、
考古学者、地震学者、地質学者など様々な専門家が利用できるように
項目は細かく設定されています。
2.データ確認の困難さについて
このように述べられています。
a.災害痕跡の見極め
災害事実を見逃さないことも重要ですが、
未発生の災害を作りださないようにしなければならない、
そのため、複数のX線装置などを利用して確認しています。
b.災害発生時期の特定
発掘の場合は、地層から堆積時期の証拠を丁寧に拾い出さないと、
災害の発生時期が判然としません。
c.災害の全体像の把握
断片的な災害痕跡だけでは全体像が不明なので、
複数の災害痕跡をつなげて見る必要があります。
データベース化によりこれが実現します。
というようなことで具体的な災害痕跡データの収集等について
紹介されています。
3.災害の危険を抱えている地域
本項では、具体的な情報の中から
過去に大災害が発生している地域で大規模な宅地開発等が行われている
ことに著者が警鐘を鳴らしている場所をご紹介します。
災害のリスクを公表することに対して業者側・自治体側から
「根拠がないことを言わないでくれ」などとクレームが来るそうです。
どう判断すべきものか難しいところです。
1.長岡京
地震と、河川氾濫の痕跡が多数あります。
ここで平成10年以降宅地開発がされている。
2.渋川市(群馬県金井東浦遺跡)
6世紀の榛名山大噴火の遺跡もあり歴史的に非常に危険な場所で
宅地造成されている。
3.沖縄県水納島
ここの海岸には1771年の明和津波によって運ばれた
「サンゴ石」と呼ばれる数メートル級の大きな岩塊がある。
ここでリゾート開発されている。
4.榛名山周辺
浅間山や榛名山は歴史上大噴火がたびたびあり、
しばらく人間が住まない時期もありました。
ところが今は大きな住宅地が形成されている。
噴火が起きれば一晩で壊滅します。
このほか、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震も
災害痕跡は多数ありました。
というようなことでした。
リスクに対する考え方次第ですね。
日本人の大きな思考的課題の一部です。
(参照:上野則男のブログ2020.4.23「ドイツのコロナ対策の優秀性,日本は??」http://uenorio.blogspot.com/2020/04/blog-post_23.html
2020年5月21日木曜日
2020年5月12日火曜日
ドイツの国情、メルケル首相の名スピーチ!
【このテーマの目的・ねらい】
目的:
ドイツの国民性等について知っていただきます。
メルケル首相の、今回の危機対応に対する
国民への力強いメッセージを確認いただきます。
ねらい:
国民性の近いところのある日本も頑張りましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この項は、
私の帝人勤務時代の同期の友人米野忠男氏からいただいた
メールのご紹介です。
たまたま「米野忠男」は「上野則男」と2文字共通です。
米野氏は、技術畑の英才でドイツ勤務でも活躍した方です。
現状でたいへん参考になる内容ですので、そのままをご紹介します。
最後に、メルケル首相が国民に呼びかけたメッセージの全文が
掲載されています。
関係者すべてに対する心配りがあり、非常に心がこもった内容ですね。
因みにドイツは、厳しい規制が成功して、
5月6日に、新規感染の現象が続いていることを前提に、
規制を緩和し経済再開に向かって前進しました。
メルケル首相が、得意げに?自ら発表を行っています。
メルケル首相は、2018年秋の地方選挙敗北を受けて
2021年の任期満了後の首相継続はないことを宣言しています。
今回のリーダシップ発揮(復活)で、その状況に変化があるでしょうか。
メルケル首相はまだ66歳です。
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3月にメルケル首相は国民へメッセージを出して呼びかけた。
日本のメディアでもその内容の一部が紹介され,
国民へアッピールする名スピーチと高く評価された。
自由が制限された東ドイツ出身の首相ならではの内容だ
とのコメントもあった。
ドイツに住む知人から送られたメルケル演説の全文を読んで,
ドイツ国民に強く訴える内容だと痛感した。
役人の書いた原稿を棒読みするようなどこかの国の首相とは
大違いですね。
メルケル首相は国民へのメッセージの中で,
「ドイツには優れた医療制度があり,
世界でもトップクラスです」と述べ,
コロナ対策の最前線で戦う医療関係者へ感謝しています。
私はドイツ滞在中に何度か医師の世話になった。
ドイツはアメリカと同じようにホームドクター制が確立している。
ホームドクターの専門外の診察が必要なら,
紹介された専門医師の所に行くが,
結果はホームドクターから伝えられる。
しばしば高額になる歯科では,
診察後に詳細な見積書がコンピューターから打ち出され,
承認するサインをしてから治療が始まる。
見積書を見て驚いた。
医師の患者への対応は日本とかなり異なるが,
信頼できるシステムだ。
3.高齢者のライフスタイル
4.住環境
確かにアメリカと比べればドイツの家は必ずしも広くはない。
5.国民性
国民性は重要な要素でしょう。
まず言えるのは,
ドイツ人のルールを守るという道徳観が非常に強いこと。
これは子供の時からの学校教育や家庭の躾の影響が大きいと思う。
信号のない交差点には
日本なら優先権のない側に「止まれ」の表示があり,
アメリカなら「Yield(譲れ)」の表示があるが,
ドイツでは表示は全くない。
右側優先のルールが徹底しているからだ。
左側に車が見えても減速せずに突っ走るし,
右側に車が見えれば停止する。
子供の時から「右は権利」と教わるらしい。
英語の「right」は「右」と「権利」の両方の意味を持つ。
ドイツ語も同じで「Recht」は「右」と「権利」の意味を持ち,
「Recht ist recht」と覚える。
ドイツ人はおせっかいで,
自分はルールを守るが他人にも守らせる気質があり,
交通ルール違反の車のナンバーを警察に密告する人もいる。
人通りが全くない駐車禁止の小道に短時間車を停めると
不思議に駐車違反のチケットが貼られている。
老婆が窓から顔を出しているのを見て,やられたと思う。
一人暮らしの老婆が,
今日もささやかな社会貢献をしたとほくそ笑んだに違いない。
ドイツでは赤信号で渡った歩行者を轢き殺しても無罪の判例がある。
ルールを守らない方が悪いとの考えだ。
アメリカではさすがに,
運転者は赤信号を渡る人を轢き殺す権利はないとの考えだ。
交通ルールを守らない車を見ると,
ドイツ人はイタリー人だろうからしょうがないと言うし,
イタリー人はドイツ人は頭が固くルールを守り過ぎるから,
目的:
ドイツの国民性等について知っていただきます。
メルケル首相の、今回の危機対応に対する
国民への力強いメッセージを確認いただきます。
ねらい:
国民性の近いところのある日本も頑張りましょう。
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この項は、
私の帝人勤務時代の同期の友人米野忠男氏からいただいた
メールのご紹介です。
たまたま「米野忠男」は「上野則男」と2文字共通です。
米野氏は、技術畑の英才でドイツ勤務でも活躍した方です。
現状でたいへん参考になる内容ですので、そのままをご紹介します。
最後に、メルケル首相が国民に呼びかけたメッセージの全文が
掲載されています。
関係者すべてに対する心配りがあり、非常に心がこもった内容ですね。
因みにドイツは、厳しい規制が成功して、
5月6日に、新規感染の現象が続いていることを前提に、
規制を緩和し経済再開に向かって前進しました。
メルケル首相が、得意げに?自ら発表を行っています。
メルケル首相は、2018年秋の地方選挙敗北を受けて
2021年の任期満了後の首相継続はないことを宣言しています。
今回のリーダシップ発揮(復活)で、その状況に変化があるでしょうか。
メルケル首相はまだ66歳です。
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ドイツのコロナ対策の優秀性に対するコメント(修正版)
(上野さんの5月1日付ブログに対して)
1.ドイツ政府の外出制限令
日本のメディアでもその内容の一部が紹介され,
国民へアッピールする名スピーチと高く評価された。
自由が制限された東ドイツ出身の首相ならではの内容だ
とのコメントもあった。
ドイツに住む知人から送られたメルケル演説の全文を読んで,
ドイツ国民に強く訴える内容だと痛感した。
役人の書いた原稿を棒読みするようなどこかの国の首相とは
大違いですね。
2.強固な医療システム
「ドイツには優れた医療制度があり,
世界でもトップクラスです」と述べ,
コロナ対策の最前線で戦う医療関係者へ感謝しています。
私はドイツ滞在中に何度か医師の世話になった。
ドイツはアメリカと同じようにホームドクター制が確立している。
ホームドクターの専門外の診察が必要なら,
紹介された専門医師の所に行くが,
結果はホームドクターから伝えられる。
しばしば高額になる歯科では,
診察後に詳細な見積書がコンピューターから打ち出され,
承認するサインをしてから治療が始まる。
私は痛む親知らず1本を抜くのにも,
麻酔から始まる各処置の治療時間や処置費用の明細が記載された見積書を見て驚いた。
医師の患者への対応は日本とかなり異なるが,
信頼できるシステムだ。
3.高齢者のライフスタイル
「子供と同居しないことが多い」と書かれているが,
同居したくてもできないのだ。
アメリカもそうだが,子供の親離れは早く親は寂しい。
私がデュッセルドルフに赴任してすぐに仕事でベルリンへ行った時,
森鴎外記念館(かって鷗外が下宿した家)に寄った。
人が少なく女性館長から日本語で話しかけられた。
日本語が達者なのは早稲田大学に留学したからだと知った。
その時彼女に突然,「ドイツ人は孤独なんです」
と言われてびっくりした。
親は寂しいから犬を飼い,犬税(パリには猫税あり)を払う。
地下鉄の家族割引は「親2人,子供2人,犬1匹」がセットで
割引料金が適用される。
犬や自転車を電車に乗せるには有料だ。
ドイツのレストランガイドには犬同伴の可否が示されることが多い。
イタリーでは市内勤務から帰った子供からウィルスをうつされた
親が多いと報道されたからドイツとは異なる。
4.住環境
確かにアメリカと比べればドイツの家は必ずしも広くはない。
ただ住宅は広さだけではなく質も重要だ。
ドイツのボンにも住んだ犬養道子の40年も前に刊行された
「ラインの河辺」というエッセーで,
ドイツの優れた家の構造を何故日本の建築家は見習い導入しないのか
と憤激している。
開閉方向がワンタッチで変えられる窓のドアを例にあげ,
手書きの絵で説明している。
私が住んだ家の窓も全く同じ構造で,犬養さんと同じく感動した。
建具を嵌める外枠は規格化された鋼鉄製だから,
ドアや窓など簡単に他の部屋のものと替えられる。
私もガラス窓のついた客室のドアを
窓なしの他の部屋の重いドアとの交換を試み,
一人で簡単にできて,日曜大工の好きなエンジニアは感激した。
またドイツの家は古くても堅牢で,
例えば100年たった家の床材は無垢の厚い板材だから,
特殊なカンナで削り塗装すれば新品同様の床になる。
ドイツ人は食事と衣服には金をかけず,
家と旅行に金をかけるといわれるが,ドイツに住むと実感できる。
街には旅行代理店がひしめいているし,欧州各地に旅行すれば,
ほとんどのレストランには英語とドイツ語のメニューが置いてある。
5.国民性
国民性は重要な要素でしょう。
まず言えるのは,
ドイツ人のルールを守るという道徳観が非常に強いこと。
これは子供の時からの学校教育や家庭の躾の影響が大きいと思う。
信号のない交差点には
日本なら優先権のない側に「止まれ」の表示があり,
アメリカなら「Yield(譲れ)」の表示があるが,
ドイツでは表示は全くない。
右側優先のルールが徹底しているからだ。
左側に車が見えても減速せずに突っ走るし,
右側に車が見えれば停止する。
子供の時から「右は権利」と教わるらしい。
英語の「right」は「右」と「権利」の両方の意味を持つ。
ドイツ語も同じで「Recht」は「右」と「権利」の意味を持ち,
「Recht ist recht」と覚える。
ドイツ人はおせっかいで,
自分はルールを守るが他人にも守らせる気質があり,
交通ルール違反の車のナンバーを警察に密告する人もいる。
人通りが全くない駐車禁止の小道に短時間車を停めると
不思議に駐車違反のチケットが貼られている。
老婆が窓から顔を出しているのを見て,やられたと思う。
一人暮らしの老婆が,
今日もささやかな社会貢献をしたとほくそ笑んだに違いない。
ドイツでは赤信号で渡った歩行者を轢き殺しても無罪の判例がある。
ルールを守らない方が悪いとの考えだ。
アメリカではさすがに,
運転者は赤信号を渡る人を轢き殺す権利はないとの考えだ。
交通ルールを守らない車を見ると,
ドイツ人はイタリー人だろうからしょうがないと言うし,
イタリー人はドイツ人は頭が固くルールを守り過ぎるから,
