2016年8月31日水曜日

高畑 裕太氏の犯罪報道

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 この件の真実は闇でしょう。

ねらい:
 そうなるでしょうね。

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高畑 裕太氏が宿泊ホテルで、
従業員に対して強姦致傷を行ったということで逮捕されました。

この件は母親が有名女優だったこともあり、
興味本位の報道となりました。

強姦致傷という言葉は初めの頃、出ていましたが
その後、正式な罪名になったかどうかの報道はありません。

私は、「その経験があるわけではありませんが」
強姦は未遂だと推定します。
女性が断固拒絶したら、
刃物等で命の危険があることを感じさせない限り、
できるものではありません。

もし成就しているなら、
女性側にも受け入れる気があったということになり、
強姦罪は成立しません。

部屋に引き入れるときに腕を強くつかんでそれが「致傷」となっていますが、
罪名はそれだけでしょう。

ことの性質上、
その行為の詳細は女性の名誉のためにも公表されないでしょうから、
この件は自然消滅ですね。

おそらく、今回はばれてしまいましたが、こういうことは氷山の一角で
本当は成就している件が、100倍もあるのではないでしょうか。
高畑裕太氏がドジだったということです。

また、この件では、母親が謝罪したりしていますが、
道義的責任はあるかもしれませんが、
騒がれすぎですね。気の毒です。

母親の息子に対する愛というのは無限でしょうけれど、
それとこれとは別でしょう。

マスコミ報道の
ゲスな興味本位のいやらしさを感じました。

「ウソはばれる」――マーケティングのパラダイムチェンジ

 【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 現在起きているマーケティングのパラダイムチェンジ
                                             について知っていただきます。
 世の中の流れを見るとはどういうことかを感じていただけるのでは?

ねらい:
 マーケティングに関心のある方はぜひこの本をお読みください。

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「ウソはばれる」は、
イタマール・サイモンソンというスタンフォード大学ビジネススクール
のマーケテイングの教授と
エマニュエル・ローゼンというマーケティングの実務家が書いた著書の
日本語名です。



原題はAbsolute Value(絶対価値)で、
このえげつないけれども的を射たタイトルをつけたのは
出版社であるダイヤモンド社でしょう。

イタマール教授は、
これまで従来型のマーケティングの論客だったのが、
「もうそれは時代遅れ」と言っているのですから
説得力があります。

この本は最近私が読んだ本の中で、
秀逸に論旨が明快です。
すべての主張に、番号を付けた根拠が示されています。

まず、序文で「これまでのマーケティングの5つの常識」
は時代遅れであると断定しています。

------- その5つとは以下のとおりです。 ---------------------

「企業のブランドは今まで以上に重要である」
「ロイヤルティを築くことがマーケターの日々の大事な仕事」
「顧客はみんな不合理だ」
「過剰な選択肢は人々を麻痺させることがある」
「ポジショニングこそマークティングの最重要課題」
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そのすべてに解説が付いています。

その基本的な理由は、
消費者がネットで豊富な情報を入手できるようになったからです。
商品・サービスの提供者からの情報は胡散臭いのです。

商品・サービス提供者が、
きれいごとを並べて消費者を「ダマシても」
ネットで流れる消費者の情報でその「ウソはばれる」というのが
当書名のゆえんです。

著者は、消費者が購入するに際しての判断情報は、
以下の三つであるとしています。
  • Prior・・・・・・・・ その人が前々から持つ嗜好、信念、経験
  • Others・・・・・・ 他者つまり他の人々や情報サービス
  • Marketers・・・ マーケター

この三つの組み合わせを「影響力ミックス」と称しています。
商品やサービスの種類によって、
あるいは個人の思考によってこのバランスは異なります。

ブランドがステータス・シンボルになる嗜好品の場合は、
Pで決まります。
この場合、従来型マーケティングが通じます。

最近は、ネットによって0の情報が入手しやすくなったので、
胡散臭いMよりも0が重要になったというのです。

以下に、
影響力ミックスについての解説を引用させていただきます。

あなたの顧客の影響力ミックスを割り出してみよう
--ヒントになる7つの視点ーー

マーケターは自分の顧客の現在と将来の影響カミックスを
理解しておく必要がある。
影響カミックスとは、顧客の購入判断にとつて、P、0、Mが
それぞれどのくらいの割合で重要かを指す。

これは製品カテゴリー、願客の特徴
(もちろん顧客セグメントによって異なる)、
ブランドのポジショニングに応じて変わってくる。

影響カミックスは、P、0、Mの3つの情報源の占めるウェイトが
時間とともにどう変化していくか、
それに応じてマークティング予算をどこにどれだけ投じるべきかを
分析するためのフレームワークである。

別の言い方をすれば、影響カミックスはあなたの製品にとって
絶対価値がどれくらい重要かを理解するためのツールだ。

その結果いかんで、従来型マーケティング・フレームワークを
用いるべきなのか、まったく新しい考え方を
採り入れるべきなのかが決まるだろう。


そのためにはこんな疑間について考える必要がある。
現在、顧客は購入を判断するときに、
どれくらい0(具体的な0の種類や要素)に頼っているのか?

将来的には? これは「はい/いいえ」の疑間ではないので、
答えは度合いで表すことになる。

本書で説明しているトレンドがあなたに当てはまるかどうかは、
あなたの顧客がPとM以外の情報源を
どれくらい使っているかで決まる。

あなたの顧客が右端の「Oに依存する」に近ければ近いほど、
本書でお話ししているトレンドは
あなたにとって重要、ということになる。













あなたが左端のまったく「0に依存しない」分野でビジネスを
行っているとしたら、ほとんどの顧客は購入を判断するときに
0にまったく頼らず、0からの情報に触れたとしても、
その情報に惑わされない、ということになる。

たとえば、あなたがハンガーを販売しているなら、
顧客は左端の「0に依存しない」領域あたりに位置する。

一方、反対側の「0に依存する」領域にいるのは、
製品やサービスの購入を判断するときにOの影響を
受けやすい顧客だ。

たとえば、フェイスブックのようなSNSサイトに
加入するかどうかは、ほかの人々(0)に大きく左右される。

そもそもフェイスブックはほかの人々と交流するための
サービスなのだから。ほとんどの企業にとって、
顧客は2つの極端な例のあいだのどこかに位置することになる。

顧客が先ほどのバーのどのあたりに位置するかを決定づける
一般的な要因を7つ挙げておこう。

7つの視点は以下のとおりです。

1)意思決定の重要性     どうでもよいことかどうか
2)質の重要性と質の差    似たようなものかどうか
3)リスクと不確実性      リスクがあると人の意見を聞く
4)そのカテゴリーの変化のスピード 早い場合も人だのみ
5)Oの有用性           Pで決まるものは?
6)ネットワーク効果       みんなが使っているものは無難
7)みんなの前で使う製品   みんなの評価を気にする

なるほど、です。

本題の「絶対価値」というのは、
自分がそれを使って感じる価値ということです。

 私たちは「絶対価値」という言葉を、
 消費者の体験する製品の質という意味で使っている。

 たとえば、レストランでの体験、本を読んだときの楽しさ
 (または退屈さ)、かみそりの切れ味、ヘッドホンの聞き心地、
 またはカメラの利用価値といった風に。

 つまりカメラの「絶対価値」とは、
 その技術的仕様や信頼性だけでなく、
 そのカメラを所有する感覚や実際の使い心地をも指している。


それに対して相対価値は、
ブランドや宣伝を信じて購入するときの価値観ということのようです。
(明確な定義はありません)

以下についても明快な解説があります。
 絶対価値への4つの疑問に答える 
 情報化社会でブランドが衰退する理由  
 情報過多で消費者は混乱するのウソ 

要約すると、ネットワークの発展により、
SNSなどの口コミ情報や比較サイトの情報によって
消費者が自分で判断するようになってきていて、
今後ますますそうなっていく、ということなのです。

したがって、冒頭の従来型マーケティングは
どんどん活躍の場が狭められていく、ということになります。

従来型、今も主流のマーケテイング手法は
いかに消費者の望むものを見つけ出して相手に提示するかです。
アマゾンが、「この本を買うならこれもいかがですか」とか、
スマホに「ここにいるなら、こんな良い場所がありますよ」とかです。

これらの従来型のマーケティングは「プッシュ型」です。
「売らんかな」です。
上の二つの例は、少しは知恵を出していますが
「これはどうですか」に変わりはありません。

8月18日号の日経コンピュータの特集は、
「今こそデジタルマーケティング」と称して、
その手法を紹介していますが
その大半が「プッシュ型のマーケティング」です。

著者たちが「もう終わるよ」と言っている手法です。

新しいマーケティングは「プル型」です。
「いいものはそれを欲しい人のところに流れていく」
ということなのです。

なお、
「プッシュ型マーケティングからプル型マーケティングへの
パラダイムチェンジ」
という言い方は上野の発案です。

わが社の製品・サービスも
「どうやったら売れるのだろうか」と考えているようではだめだ、
と悟りました。

しかし、プル型になるまではたいへんですね!

2016年8月22日月曜日

「カルチャロミクス」?Googleの底力!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 過去の図書の内容を分析すると、そのほんの一部でも
 こんなことができるという驚きの事実を知っていただきます。
 その実現のインフラを作ったグーグル社の凄さを知っていただきます。
 「へーそうだったのか」という事実のいくつかを知っていただきます。

ねらい:
 インフラ整備は大事、ビッグデータ分析にはアイデアが大事ということを
 肝に銘じましょう。
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「カルチャロミクス」とは、カルチャ(文化)を測定し解析する
という意味の造語です。

大量の文献をビッグデータとして計測し、
社会や文化の動態を研究するのです。

この研究をしたのが著者である米国人二人ですが、
その研究の元になる文献の電子化を行ったのは
グーグル社です。















著者二人の研究は、著作権等の制約があったために、
文章としての解析は諦め、
単純に単語としての出現頻度の解析だけをしたことが、
思わぬ成果を生むことになったのです。

その手法がグーグル・Nグラム・ビューアです。
単語の出現頻度や概念・思想に言及する頻度が
時間と共にどのように推移したかを図で示すものです。

グーグルは3000万冊を超える図書を電子化しました。
その方法は、贈呈された本はばらしてスキャナにかけ、
そうでない本はめくる係と写真を撮る係の組み合わせで
写しまくり、それをOCRで読み込んだのです。

大金持ちのグーグルでないとできない気の遠くなるような取組みです。

3000万冊超はどの英米系の大学図書館よりも上です。

全世界の図書1億3000万冊の内での3000万冊です。
(上野注:どの範囲の図書を言っているのか不明です。
日本語の図書が含まれていないことは確かです)

こんなことができるグーグルはとてつもない)会社ですね。
驚きです!!

カルチャロミクスの手法を用いると、
次のような解明ができます。

英語の不規則変化動詞
(Burn,Burnt,Burnt、のようにedが付かない)
は次第に規則動詞に変化して行っているようです。


古英語(800年ごろに使われていた英語)の教科書と
中英語(12世紀を中心に使われた英語)の教科書を比較しました。


古英語には177の不規則動詞がありましたが、
中英語では145になっていて、あとの32は規則動詞になっていた。


残っているのは使用頻度が高い単語で、
使用頻度の低い単語から規則化されていっていることが判明しました。
「言葉は生きている」ことの証明です。

(グラフをクリックすると拡大します)














米国名を示すUnited Statesは建国の頃は複数形で扱われ、
次第に単数形で扱われるようになったのです。
そのグラフは以下のとおりです。

(グラフをクリックすると拡大します)













 

有名人の名声程度(時間軸も含み)を図書での出現頻度で測定する。

(グラフをクリックすると拡大します)















著名人の職業別に、何歳でどの程度有名になっているかを測定する。

(グラフをクリックすると拡大します)















こういうのもありました。

(グラフをクリックすると拡大します)














米国ではより直接的表現になってきているのです。
日本語では、「H(する)」とぼかしています。
日本人の方が奥ゆかしいですね。


以下は、
この図書の解説者である高安美佐子東工大準教授の解説です。


言葉には、以下の4種類があり、それぞれ生成・消滅の形が異なります。

1.非流行語
  出現頻度は一定値の回りでランダムに時間的に揺らぐ。
  (しかし、ともかく、など)

2.流行語
  時間と共に指数関数的に数年単位で増加し、ピークを迎えて
  指数関数で減少する。
  (KY、パンケーキ、映画タイトルなど)

3.ニュース語
  突然、不連続的に劇的に増加し、その後べき乗の関数で減少する。
  (津波、マイケルジャクソン、など)

4.イベント日語
  特定のイベント日付に向かってべき乗で増加し、
  その後べき乗で減少する。
  (クリスマス、こどもの日、など)

利用の限界
Nグラムという発想は素晴らしいものですが、
せっかくのビッグな図書データの利用法としては
たいへんもったいないことです。

著作権や個人情報保護に抵触しない範囲で
図書の内容を分析することができるようになったら
人類の文化の進歩についてどれだけのことが分かるようになるのか
想像もできないくらいのことがありそうです。

Nグラムの発明の前段の発明として、
「ジップの法則」なるものが紹介されていました。
1930年代から1940年代までハーヴァード大学に在籍し
独文科の学科長を務めたジョージ・キングスリー・ジップ氏が
1937年に発見した法則です。

これは、ユリシーズに出てくる単語の出現頻度の順位と
使用頻度とは逆比例の関係にある。
たとえば、1位と10位では使用頻度が10分の1、
50位と500位も10倍の開きがある。
というものです。

このジップの法則は、、
他の新聞記事中の単語、中国語やラテン語で書かれた本の中の単語
でも見られた。
その後の研究で、この規則性は、
既知のあらゆる言語の普遍的構成原理であることが明らかになっている
のです。

凄いことを見つける人がいるのですね!!


国民医療費削減対策の有効案 薬代削減対策は?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 高齢者の健康維持の難しさを研究していただきます。
 医療費削減の大きな柱である薬代の削減対策について
                        考えていただきます。

ねらい:
 何とかしたいですね。

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本項は、
學士會会報2016-Ⅲ号秋下雅弘東大病院老年病科教授の
「高齢者の賢い薬の飲み方・減らし方」を基にしています。
(そういう診療科があるのですね)


1.高齢者の心身活力低下状態

2014年、日本老年医学会は、
加齢によって筋力や心身の活力が低下した状態を
フレイル(Frail)と命名しました。

フレイルには、以下の3種類があります。

 身体的フレイル 筋肉の衰えや関節疾患
 精神的フレイル 認知機能障害や抑うつ
 社会的フレイル 独居や経済的困窮

(上野注:社会的フレイルははフレイルの定義に合わないのではないか?)


2.高齢者の薬物有害事象

 薬の効きすぎ
  治療要注意病
   高血圧:高齢者の場合、血圧を下げ過ぎると
                  脳の血流が落ち脳の機能も落ちる。
        降圧剤の効き過ぎで血圧低下して意識を失う。
   糖尿病:血糖値が下がりすぎて意識を失う。
        場所によっては命取りになる。
 多剤併用(ポリファーマシー)による副作用の発生
 副作用に対する新たな薬剤投与でさらなる副作用発生


3.高齢者の薬物有害事象が多い原因

(1)疾患上の要因
 多くの高齢者は慢性疾患を含む多くの疾患を抱えていて、
 多くの薬を処方され、薬の副作用発生要因となっている。

(2)社会的要因
 経済的に困窮した高齢者が投薬中断を余儀なくされている
 ケースが増えている。

(3)機能上の要因
 認知機能、視力、聴力が低下し薬を飲み忘れたり飲み間違えたりする。
 感覚が鈍化しているので、副作用が重症化するまで気づかない。
 臓器の機能低下のせいで、過剰投与となる。
  
 薬害が発生する老年期の状態
  消化管で吸収 = 正常に機能
     ↓
  血液循環に乗って目的の臓器や部位に到達 = 蓄積されやすい
     ↓
  肝臓で代謝  =  低下で蓄積
     ↓
  腎臓で排泄  =  低下で蓄積


4.薬物有害事象を避ける対策

(1)高齢者が注意すべき薬 
 これは患者側ではよく分かりません。
 1)筋弛緩剤
   筋力が低下し転倒や階段の昇降困難を招く。

 2)抗コリン薬 
   抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、H2ブロッカー等に含まれている。
   継続的服用は認知機能を低下させる。 

 3)ベンゾジアゼビン系の睡眠薬
   転倒、せん妄、認知機能の低下などの副作用がある。

(2)服薬管理と服薬支援
  かかりつけ医に一元管理してもらう。
  服薬数を減らす(1包にまとめる、など)
  服用法の簡便化(1日1回夕食後にまとめる、など)
  錠剤の形の工夫(上野?)

(3)本人の取組み
 1)医師にかかる際、次のことを守る。
  これは患者側でできる重要なこと!!

  a.むやみに薬を欲しがらない。
  b.他院や他診療科で処方された薬を正確に伝える。
  c.処方された薬はきちんと飲む。
  d.薬をやめたい時や減らしたい時は自己判断せずに医師に相談する。
 
 2)生活習慣
  a.規則正しい食生活を送る。
    きちんと朝食をとる
    1日の食事回数を決めて守る(1日2食とか)
  b.夜更かしと早寝を避ける。
   高齢者の睡眠時間は5時間!!
   早寝をすると夜中に目が覚め「不眠状態だ!」と意識してしまう。
  c.魚や野菜だけでなく肉も食べる。
  d.孤食を避ける
    うつになるリスクが高い。

このように整理するとやや無味乾燥ですね。

具体的な事例も紹介されていました。

75歳の女性が歩行困難としびれを訴えました。
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75歳の女性にみられた
歩行困難としびれの原因(専門診療科)


# 糖尿病性神経症   (糖尿病内科)
# 閉塞性動脈硬化症  (血管外科、循環器内科)
# 骨粗鬆症        (整形外科)
# 脊柱管狭窄症     (  〃  )
# 抑うつ           (精神科)
# 白内障           (眼科)
# 糖尿病性網膜症     ( 〃 )
# 廃用症候群      (リハビリ科)


→治るものは治したいが、そうでないなら、
 なるべく快適に生活できる方法を
 教えてほしい。 

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その原因には多数の要因があり、それぞれ専門医にかかると
たいへんなことになります。

高齢者は往々にして複数の疾患を患っていますが、
疾患ごとに個別に治療しても根本治療になりません。
単なる合併ではなく症候とも複雑に絡み合っているからです。
これを「老年症候群」と言います。

そもそもしびれによく効く薬などない、
ビタミンB12が処方されることが多いのですが
脚気以外には効かないそうです。

症状全体を包括的に捉えて、
「効果のある治療は施し、効果がない治療はしない」
という選択を考える必要があります。


「部分最適でなく全体最適」
「着眼大局、着手小局」
「木を見て森を見ず(の否定)」

などそういうことを勧めるガイドは多数あります。

この当たり前のことがなぜできないのでしょうか?
その原因を整理してみましょう。


1.複雑な要因が絡み合う老年期の症状に対する
  社会的経験蓄積ができていない。
  前期高齢者までの患者については
  エビでンスに基づいたガイドラインがあるが
  後期高齢者については明確なガイドラインがない。


2.医療現場が専門化されすぎている。
  この点については、当ブログでも何回か取りあげています。
  2011,11.29「医療過誤2:プライマリケア医は難しい」
  http://uenorio.blogspot.jp/2011/11/blog-post_7770.html  
  2014,11.24
   「総合診療専門医の世界に潜在意識の活用を考えてみては!」
  http://uenorio.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html


  専門知識も必要としその上で総合的な判断ができなければならない
  という「総合診療専門医」の目標は、尋常の努力では達成困難ですね。
 
  解決策は,ITの活用です。
  優秀な人材が英知を傾けて取り組めば
  有効な診断支援システムができるのではないでしょうか。 

3.患者の名寄せシステムができていない。
  その基盤であるマイナンバー制度はできたのですから、
  あとは、そのマイナンバーを活用した
  医療に関する名寄せシステムを作ればよいのです。
  
  重複したり似たような投薬の整理ができるでしょう。
  これは、システム設計の困難性よりも
  「個人情報保護」に名を借りた抵抗勢力が障害です。
  
  でも国民医療費40兆円のうち、薬局調剤医療費だけで7兆円、
  これに入院医療費15兆円の一部を加えると
  おそらく合計10兆円に及ぶ「薬代」の改善に繋がることなのです。


  この問題解決には
  投薬の合理化に留まらず診療の合理化が必要でしょうね。
  そうなると、抵抗勢力は見えてきそうです。

4.服薬支援システムが未整備である。
  この点はこれからの課題ですが、  
  米国では、こういうIoT製品が実用化されているようです。

   砂粒ほどのチップを錠剤に組み込む。
   胃酸に触れると体内電気によってプロセッサが駆動され
   皮膚に付けたパッチ経由でモバイルアプリに送信。
   服用状態が把握できる。

   2012年米国で、
   処方された薬を飲まなかった人による救急外来、入院、診療の費用は
   2580億ドルに上るという報告がある資料に載っていました。
   26兆円ですから少し大きすぎる気がしますが、
   こういうことがかなりあることは確かでしょう。

   因みに、その資料では同じく米国で処方計画に従わなかったために
   毎年13万人が死亡している、とありました。

   そうすると、服薬支援は非常に重要なことですね。

ITで実現できることがたくさんあるのです。

安倍政権の1億総活躍社会も重要ですが、
既得権益の岩盤を崩す改革を積極的に進めないと、
国民が活躍する前に日本は沈没してしまいますね。

高齢者における低栄養が問題なのですって!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 高齢者は健康維持のためにきちんと食事をすることが
 非常に重要であることを確認いただきます。

ねらい:
 健康寿命を延ばしましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回の検討テーマは、こういうことです。

若年層の場合には高栄養・肥満が健康障害として
問題になりますが、
高齢者の場合には、逆に低栄養(栄養欠乏)が問題となるのです。

「ようやく痩せ出した!」と喜んではいけないということです。

學士會会報2014-Ⅲ号 葛谷雅文名古屋大学教授の寄稿
「高齢者における低栄養とその対策」に基づき、
システム企画研修㈱が提供している「丸い三角形」のフレームで
整理をしました。

1.低栄養改善の目的・ねらい
 
 1)本人にとって、「生活の質」を維持する。
   高齢者においては,BMI値25kg/㎡以上の肥満に比較しても
   BMI値18.5kg/㎡の痩せの方が生命予後のリスクが高い。


 2)社会にとって、要介護者を減らし国民の経済負担を減らす。
   国民医療費の削減は日本経済の最大の課題といってよい。


2.低栄養状態とは

(1)低栄養状態とはどういうことか
 ・(明確な定義はないようで)
  一般的には全体的な摂取カロリー不足、
  またはある種の栄養素の摂取不足により、
  健康上何らかの支障がある状態を低栄養といい、
  栄養不良、栄養失調と同義である。
 ( → なーんだ!!)


(2)低栄養状態の症状
 ・低栄養状態は、虚弱状態(フレイル)を引き起こす。
  フレイルは、以下の5項目のうち3項目以上当てはまる場合をいう。
  1) 体重の減少
  2) 身体機能の低下(歩行速度の低下)
  3) 筋力の低下(握力の低下)
  4) 主観的疲労感
  5) 生活活動度
 
 (注)私の場合は2項目に当てはまり、
    その場合はプレフレイル(予備軍)というようです。


 ・免疫機能の低下を伴い、感染症を引き起こしやすくなる。
  主要疾患の治癒を遅らせ、合併症を容易に引き起こす。
 
 ・それ以外にも次のような病的な症状に至る。

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 高齢者栄養障害に伴う病態

 1. 免疫異常(感染症)
 2. 褥瘡
 3. 創傷治癒の遅延(手術後の回復遅延)
 4. 貧血
 5. 骨粗鬆症
 6. 薬剤代謝の変動
 7. 筋萎縮(sarcopenia)
 8. 転倒
 9. 骨折
 10. 呼吸機能の低下
 11. 疲労感
 12. 浮腫

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 (注)転倒には気をつける必要がありますね。
    私の周りにも転倒が原因で命を落とした人がたくさんいます。 
  
3.低栄養状態発生の原因  

 以下は転載です。

(1)社会的な要因

 独居高齢者はそれだけで栄養障害のリスクとなる。
 日常生活動作(activeities of daily living: ADL)
 の障害がなくても、一人暮らしのため十分な食事量を
 摂取していなかったり、食事内容が偏ったりする場会がある。

 ADL障害がある高齢者は十分な介護力、
 適切な介護がなければ、摂取量は確実に減少する。

 経済的な問題があり満足に食事を取れない場合も
 低栄養の要因になるのは言うまでもない。


(2)精神心理的要因

 認知機能障害により、食事をするのを忘れたり、
 空腹感を感じなかったりすることはまれではない。
 認知症が進行すると味覚、嗅覚の低下が進むことも、
 食事摂取量が減少する一つの原因である。

 「うつ」は「消化管の問題」、「悪性腫瘍」にならぶ
 高齢者の食欲不振・体重減少の原因として頻度が高い。

 明らかな食欲不振・体重減少の原因がない場合は
 「うつ」の存在を疑う必要がある。

 嚥下障害がある場合、誤囃を恐れるため本人、
 介護者が食事摂取量を制限している場合がある。


(3)加齢による影響

 加齢自体によっても食欲は一般に低下しやすいと言われている。
 味覚、嗅覚は食欲に重要な役割を果たすが、
 高齢者では味覚機能が低下し
 (六五歳以上では約四〇%に味覚障害があるとの報告もある)、
 特に苦味に関する感覚が低下する。

 また嗅覚の低下も一般的に認められる。
 味覚の低下の原因は単に加齢の影響のみならず、
 亜鉛欠乏、鉄欠乏、日腔内カンジダ症、
 うつなどが起因となっているケースもまれではない。

 さらに種々の薬剤によつても
 味覚異常を引き起こす可能性がある。

 また、高齢者では体重を保つため働く食欲の調節機構が
 若年者と異なることが知られている
 (急激な体重減少に反応して若年者では
 体重をもどすため食欲増加が起こるが、
 高齢者ではその調節が起こらない)。

(4)疾病要因

 悪性腫瘍ならびに感染症、慢性炎症性疾患の存在、
 さらには心不全、呼吸不全、肝、腎不全などは
 食欲低下の大きな誘引になる。

 さらにこれらの疾患は代謝性ストレスに直結し、
 必要エネルギー量は増大し、
 食欲低下と相まって低栄養につながる。

 腰痛、頭痛、膝関節痛などの疼痛は食欲低下の誘因になる。

 歯の問題は咀嚼機能の低下を合め栄養障害を
 引き起こす重要な因子である。

 特に義歯の不調、口腔ケア不足による歯槽膿漏などは
 低栄養の誘因として重要である。

 薬剤が高齢者の食欲低下、体重減少に関わっている
 ケースは想像以上に多く、高齢者の食思不振の
 二五%は医原病によるとの報告もある。

 咀嚼・嚥下障害があれば、当然十分な経口摂取は
 期待できず、放置すれば短期間で低栄養に陥る。

(5)その他

 高齢者では咀嚼、嚥下障害を抱えるケースが多いが、
 それに対応した食形態が提供されていない場会がある。

 不適切な食形態の提供により、十分な食事が
 摂取できないばかりか、誤嚥の要因にもなっている。

 若い頃の過栄養に対する食事指導を体重減少が
 既に現れている高齢者になっても
 引きずっている場合がある。

 また医療者も後期高齢者を対象に若年者と
 同様の食事指導を行っている場合がある。


4.低栄養状態の対策

 (肝心なことですが明確な提言はありません)
 サルコペニア(加齢に伴う筋力の低下、または老化に伴う筋肉量の減少)
 はフレイルや転倒との強い関連が指摘されている。
 
 低栄養もその要因の一つになっている。
 たんぱく質摂取並びに運動介入によりサルコペニアが改善する
 との報告が蓄積されつつある。


 (注)なーんだ!
 最後は(低栄養になる要因に留意して)
 「低栄養にならないようにきちんと食べなさい、肉も」
 ということなのですね。

富士山大噴火はいつ起きるのか?たいへんですよ!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的: 
 東北大震災とか東南海大地震とか地震を怖れ、
 その対策に巨費を投じています。
 富士山が大噴火を起こしたらたいへんなことになるのですが、
 対策の話は聞いたことがないですね。
 それでいいのでしょうか。
 少し研究してみませんか?

ねらい:
 対策を準備しましょう。
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本稿は、
学士會会報2016-Ⅰ号掲載 巽好幸神戸大学海洋底探査センター教授
の「火山列島に暮らす覚悟」と
同誌2016-Ⅳ号掲載 藤井敏嗣東京大学名誉教授・
気象庁火山噴火予知連絡会会長の「日本の火山の今を知るー
富士山も噴火するのか」からのご紹介です。

太字は原文のままの転載です。


1.噴火とは何か?

火山は当然ながら噴火が怖いのです。
噴火を起こすのは活火山です。

活火山の定義をご存じですか?
昔、学校で習ったときには、
活火山、休火山、死火山という区分がありました。

今はそういう区分はないのですね。
気象庁のホームページにはこう書かれています。

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以前は、現在噴火または噴気活動を続けている火山を活火山、
現在は活動していないが
歴史時代に活動した記録が残っている火山を休火山、
歴史時代の活動の記録がない火山を死火山と分類していました。

しかし、年代測定法の進歩により火山の過去の活動が明らかになり、
数万年に一度噴火する火山もあることが分かってきました。
歴史時代だけで今後の噴火発生の有無を判断することは難しいので、
近年は休火山や死火山という分類はなされていません。

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現在国際的には、活火山は
「1万年以内に噴火したことがあるか、現在も活発に噴気活動のある火山」
と定義されているようです。
日本では110が活火山に指定されています。
当然ながら富士山も入っています。

活火山を定義するのは、
将来噴火する可能性のある火山を見分けるためです。

活火山の中でも、
気象庁がマークして24時間体制で監視している「常時観測火山」が
47あります。

噴火には以下の種類があります。
爆発するのは、水(水蒸気)なのですね。
マグマだけだと流れだすだけで、被害は周辺に限られます。


非爆発的噴火

マグマ噴火

マグマが約千度の溶岩流になって流れ出たり、火口周辺に盛り上がって溶岩ドームを形成したりする。

爆発的噴火

水蒸気噴火

地下水がマグマで熱せられて高温の液体状態の熱水が何らかの状況で気化して膨張し爆発する際に周囲の岩石などを吹き飛ばす。

マグマ噴火

マグマに数%含まれる水が急激に気化して膨張し爆発を起こす。

マグマ水蒸気噴火

約千度のマグマが海水や地下水と接触すると水が急激に気化して膨張しマグマと共に爆発する。















噴火に伴う現象は以下のとおりでこれが被害を齎すのです。
太字のものは、速度が速いので逃げ遅れの危険性が高いものです。


降灰・噴石

2000年の有珠山噴火では、アパートの屋根に火山灰が降り積もり、その上に1m超の噴石が降って天井に穴を開けた。

火砕流

1991年の雲仙普賢岳噴火では、高温の火山噴出物が火山ガスと混合し時速100キロ以上の高速で山を流れ下りた。

溶岩流

1986年の伊豆大島噴火では、吹き上げたマグマが溶岩流になって斜面を流れ下りた。

融雪型火山泥流

1923年の十勝岳噴火では、火砕流の熱によって雪が融け、大量の水が発生し、土砂や岩石を巻き込み泥流となって流れ下りふもとの集落に大被害を齎した。

土石流

桜島噴火のように、火山灰が多量に堆積したところに雨が降ると土石流が発生する。

火山ガス

2000年の三宅島噴火では、二酸化硫黄を多く含む火山ガスが噴出し続け、島民は4年半に亘って帰島できなかった。


2.噴火はなぜ起きる?


では、噴火はなぜ起きるのでしょうか。
噴火の直接原因はマグマですが、
そのマグマに何らかの変化が与えられた時に噴火が起きるのです。
何らかの変化とは地殻の変化です。
地殻の変化で起きるのは地震です。

ということは大きな地震が起きている時は、
マグマにも大きな力が加わっていて噴火を発生させる可能性が高いのです。

世界の事例を見ると、
M9の地震が起きた数日~数年後に近隣の火山が噴火しています。
2004年のスマトラ沖地震の6年後、スマトラ島のシナブン火山が
千年ぶりに噴火した例があります。

今のところ、
明確に東北地方太平洋沖地震に誘発された噴火は起きていません。
(上野注:ということはこれからが危ないということです)

しかし、地震に誘発されて噴火が起きるのではなく、
地殻変動の結果で地震も噴火も起きると考えるのが正論でしょう。


「9世紀に日本では地殻が不安定化し、
その影響で地震と噴火が頻発した。
現在再び地殻が不安定化している」
と主張している学者がおられるようです。


9世紀には貞観大地震の数年前に富士山の貞観大噴火が起きています。
(噴火が先です)
9世紀の地震
  中越地震(863)、貞観地震(869)、南海トラフ地震(887)
9世紀の噴火
  神津島(836)、新島(856)、富士山(864-6)


21世紀は、東北大震災などの地震に続いて大噴火が起きる
9世紀同様の危険な時期なのです!!


3.富士山はいつ噴火するのか

富士山は過去3200年で少なくとも100回噴火しています。
平均して30年に1回です。
しかしここ300年は噴火していません。
(今のところ予兆はないようですが)、
いつ噴火してもおかしくない状況です。


アメリカのスミソニアン博物館による
世界中の火山の調査では
「噴火間隔が100年を超えると、爆発的かつ大規模な噴火が起きやすい。
逆に噴火間隔が短いと小規模噴火が起こりやすい」
ことが分かっています。


そうすると、次の富士山噴火は宝永噴火(1707)のような
爆発的大規模噴火になる可能性が高いと言えます。

では、予知は可能なのでしょうか?

まず中長期的な予測は不可能ということです。
富士山は、
奈良・平安時代には数十年に1回のペースで噴火していますが、
江戸時代以降では300年間噴火していません。

明治~現在までの浅間山の年間噴火回数は
1940年ー60年頃年に数百回噴火していましたが、
現在は約10年に1回程度、ごく小規模の噴火をするだけで
規則性が見られません。

しかし、直前には地震発生や表面地形の変形が起きるので、
どの程度の噴火が起きるかは正確には予測不能ですが、
地震よりは事前に把握できるのです。

現在、前掲の常時観測火山については
24時間体制で監視していますので、
予兆は掴めるはずです。

逆に言えば、監視センターから何らの情報もないということは、
今すぐに噴火が起きるということはないと言えるのです。
富士山もそうです。

しかし、予知についてはまだまだ改善すべき点があるようです。

2014年9月の御嶽山噴火では、噴火の2週間前から
50回超の地震がありました。
11分前にも火山性微動が観測されたのです。
それでも気象庁は噴火警戒レベルを上げませんでした。

この噴火では63名の犠牲者を出しました。
5人は今もって行方不明のままです。


【噴火予知に関する日本の課題】

水蒸気噴火の場合、火口のすぐそばに観測点を置いて
二十四時間監視しない限り、前兆を把握できません。

一方、マグマ噴火の場合、地震や地殻変動観測により、
多くの場合前兆を把握できますが、完璧ではありません。

霧島新燃岳の噴火(2011)のように、
マグマの火口への接近を検知できないことがあるからです。

噴火予知研究は未だ発展途上です。

火山の活動年代は数十万年~百万年にわたるのに、
地震計などの観測装置が発明されたのはわずか百数十年前だからです。

日本固有の問題点もあります。

日本の火山は、気象庁を中心に、国立大学法人、国土地理院、
海上保安庁、産業技術総合研究所、防災科学技術研究所が
役割分担をして観測しています。

そして集まった観測データに基づいて火山噴火予知連絡会が
総合的に判断し、気象庁が発表しています。

良く言えば多機関の協同体制、悪く言えば烏合の衆で、
司令塔がありません。

他の火山国は、先進国だろうと発展途上国だろうと、
地震・地殻変動観測、火山ガス観測、マグマ研究など各分野の
専門家が技術者集団と共に単一の国立機関に一元化されています。

イタリアもかつては日本と同じ状況でしたが、
1980年代に一元的組織に変革し、
それ以降、イタリア火山学は大きく進展しました。

「日本も直ちに一元化すべき」と主張していますが、
一向に進みません。


4.噴火するとどうなる? 

宝永噴火の時の火山灰・礫の堆積状況を現在の地図と重ねると、
以下のようになります。(図をクリックすると拡大します)

出典「日本の火山の今を知る」


降灰は、東海道新幹線の一部区間で20センチ超、
東名高速道路の御殿場付近で1m超です。

噴火中は飛行機は飛べず、羽田と成田は閉鎖されます。
都心でもかなりの降灰があり、
主要な幹線道路や鉄道も止まります。

つまり、すべての交通機関がストップし、
流通経済は破綻し、食糧不足に陥ります。

火山灰による広域停電、電波障害、電子機器の被害も
予想されます。

その後も降雨によって、積もった火山灰の土石流被害が発生します。

平成16年、内閣府は富士山大噴火の被害総額を
二兆五千億円と想定しましたが、相当の過小評価だと思います。


5.巨大カルデラ噴火

これは巽教授の論稿です。

富士山噴火は大噴火なんぞという生易しいものではない
巨大カルデラ噴火が起きるというのです。

巨大カルデラ噴火は
直径20キロメートルにも及ぶ窪地地形を作るほどの
威力があるものです。

過去12万年間に限っても
少なくとも列島で10回の巨大カルデラ噴火が起こっている。

もっとも最近のものは7300年前に、
南九州縄文人を絶滅へと追いやった鬼界カルデラの噴火である。

最近になってこのタイプの噴火は
今後100年間に約1%の確率で発生することが判ってきた。

たいへんなことです。
今の段階では、国民はどのような備えもできません。
早く予測技術を革新させてほしいですね。


6.私の対策

さあ大変です。
しかし巨大カルデラ噴火は諦めて、
富士山大噴火に備えましょう。

宝永噴火並みの降下火山灰があるとすると、
品川区の我が家では10センチほどとなります。

これが屋根の上に積もるとすると、
概算で7トンの重さがかかることになります。
我が家は比較的堅牢な作りではありますが、
築70年の2階建て木造家屋です。

7トンの重さには耐えられない可能性があります。

そこで早速、夏休みの余裕時間を利用して、
屋根に降り積もる火山灰を即刻降ろす準備をしました。

くわのようなT字型の灰降ろしを作るための2メートルの棒と
命綱用のロープ200メートルを買いました。
命綱の張り方も決めました。

いざとなればすぐに準備に取り掛かれる
段取りをしたということです。

その後、自家製の下ろし器具の破損に備えて、
先が四角のスコップも買うことにしました。

これが「役に立たなかった」となればいいのですが。
あるいは、そのときには屋根に登れる人はいなかった、
ということになるのかもしれません。

それでもやはり「備えあれば憂いなし」です。

深海底はどうなっている???

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 最近進歩が著しい深海の調査から分かって来ていることを
                 知っていただきます。
 深海底の調査に関心を持っていただきます。
ねらい:
 別項「富士山大噴火は起きるのか」をご覧ください。
 深海底の調査・探検を研究なさってみてください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本稿は、
學士會会報2016-Ⅰ号掲載平朝彦海洋研究開発機構理事長の
「未踏の海底下深部」のご紹介です。

この研究開発機構では、
2005年に建造された5万7千トンの海底探査機「ちきゅう」を使って、
深海底の調査を行っています。

東日本大震災の巨大津波の発生原因の解明や
海底地下の生命体の研究、日本海溝の解明などを行っていて、
その報告をされています。

著者にはたいへん申し訳ないのですが、
それらは割愛させていただいて、
その序論で述べられた、地球生成の過程やプレートの状況を
紹介させていただきます。

このことは、別項の「富士山大噴火はいつ起きるのか?」
の予備知識となります。

20世紀初頭にドイツの気象学者アルフレッド・ウエゲナーが
「3億年前には超大陸があったが、その後アフリカと南米に分かれた」
という説を発表しました。

しかし、当時は無視されました。
その後、戦後になって海洋調査が始まると、
大西洋の真ん中に中央海嶺があることが分かりました。

海嶺とは海底山脈のことで、
地下深部からマグマが湧きだしてくる場所です。

この発見を機に、1960年代初頭には、
「中央海嶺では新しい海洋底が形成され、
少しずつ左右両側に拡大している」
という「海洋底拡大説」が提唱されました。

その説はその後のアメリカの調査で実証されました。

実証された海洋底拡大説は、70年代初めに
「プレートテクニクス」に発展しました。

「地球の表面には厚さ約100キロの岩盤(プレート)が10数枚あり、
それらの移動が、地震、火山、造山運動、断層などを引き起こす」
というものです。

この説によれば、
「海嶺」ではプレートが発生して両側に拡大し、
「海溝」ではプレート同士が衝突して沈みこんでいるはずです。
(後者の実証を日本がしました)

40億年前の地球には海洋プレートしかありませんでした。
この海洋プレート同士が衝突すると、
周辺ではマグマができやすくなり、火山列島が出現します。

火山列島同士も衝突するので、
火山灰、粉塵、砂塵などが堆積し大陸プレートが形成されていきます。

こうしてできた北米プレートとユーラシアプレートに
新しく作られた火山列島である伊豆・小笠原列島が衝突し、
山脈(南アルプス)が造られ、そこから川(富士川)が流れ出ました。

一方、
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む場所では
海溝(南海トラフ)ができました。

富士川によって運ばれた泥流は海に到達した後、
高い密度流になり、このトラフに沿って約700キロ流れました。

この海底土石流による堆積物を「タービダイト」と言い、
フィリピンプレート上の南海トラフを埋め立てていきました。

フィリピン海プレートが沈み込む際、
このタービタイトがはぎとられ、
日本列島の西南部に次々と付着しました。

これが「南海トラフ付加体」です。
「日本列島は付加体で作られている」というのが
私(平氏)の学説です。

日本列島周辺のプレートがどうなっているかにつきましては、
Biglobeの(それ以上のことは分かりません)
<日本列島周辺のプレート>がたいへんわかりやすいので
そのまま転載させていただきます。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~miraikai/nihonnopureito.htm

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<日本列島周辺のプレート>

地球は10数枚のプレートで覆われていて、
陸地や海はその上に乗っています。
そして、私達の住む日本は、
次の四つのプレートの上に乗っかっています。
  ①北米プレート
  ②ユーラシアプレート
  ③太平洋プレート
  ④フィリピン海プレート

<プレートの境界>

1.糸魚川-静岡構造線

地球観測衛星から、日本列島のど真ん中を南北に横切る
大きな窪みが見えるそうです。
窪みの東側は、上越市付近から長野盆地を抜け、
千曲川沿いに南下して小田原付近にいたる線。

西側は、新潟県の糸魚川から松本盆地、諏訪湖、山梨県の韮崎を
経て富士川の河口にいたる線で、糸魚川-静岡構造線と呼ばれています。

この糸魚川-静岡構造線が、東北日本が乗っている北米プレートと
西南日本が乗っているユーラシアプレートの境界線で、
両プレートがここで押し合い圧し合いしています。

2.日本海溝

北海道の襟裳岬沖から房総半島沖にかけて、
日本海溝という水深8,000m以上の巨大な谷があります。
太平洋の沖合いから日本に押し寄せてきた太平洋プレートが
この日本海溝から日本列島の下に沈み込んでいます。

3.駿河トラフ、南海トラフ

伊豆半島の西の駿河湾には、駿河トラフという深い谷があります。 
駿河トラフは沖合いで南海トラフという深い谷につながり、
東海沖から紀伊半島沖、さらに四国沖へと延びています。

この駿河湾トラフ・南海トラフでフィリピン海プレートが
ユーラシアプレートの下に沈み込んでいます。

4.相模トラフ

伊豆半島の東の相模湾には、相模トラフという深い谷があって
沖合いに伸び、房総半島沖で日本海溝と出会っています。

この相模トラフに沿ってフィリピン海プレートが
北米プレートの下に沈み込み、さらにその下に日本海溝から
太平洋プレートが沈みこむという複雑な動きをしています。






















(日本の地震-震源地はどこ?)

日本の周辺で四つのプレートが押し合い圧し合いをしています。

また、日本列島にはかって地震を起こし、今後も起こると
考えられている断層(岩盤が壊れてずれている状態)が
大小とりまぜて2,000位あるといわれています。

このため、プレートの境界や活断層を震源地として
日本では地震がよく起こっており、地震王国とまでいわれています。

<主な震源地>

(1)プレートの沈みこみ場所

海のプレートが、日本海溝、駿河湾トラフ、 南海トラフ、
相模湾トラフから日本列島の下に沈み込んでいます。

そのとき、陸のプレートも摩擦によって少しずつ引きずり込まれています。

房総半島先端の野島岬、三浦半鳥の油壷、静岡県の御前崎、
四国の室戸岬などが毎年少しずつ沈下しているのはこの為です。

引きずり込まれた陸のプレートは、ひずみが溜まって
摩擦力の限界に達すると、一気に跳ね上がります。

そのとき、それまでのひずみエネルギーを一気に放出するので、
大変大きな地震が起こります。
 

(プレートの沈みこみ領域の地震)

(2)プレートの三つ重ね部分

南関東は北米プレートの上に乗っていますが、
その下に相模トラフからフィリピン海プレートが、
さらにその下に日本海溝から太平洋プレートが沈み込んできています。

従って、南関東の地下はプレートが三つ重ね状態になっていて、
お互いにこすれたり、衝突したりして絶えず地震を起こしています。

(3)プレートの衝突個所

糸魚川-静岡構造線で北米プレートとユーラシアプレートが衝突し、
押し合い圧し合いしています。

このため、日本列島は、東西に年1cmの割で縮んでおり、
また、中部地方から近畿地方にかけて岩盤にひび割れ(断層)が生じています。

(4)伊豆半島の衝突個所

千数百年前、日本列島のはるか南にフィリピン海プレートに
乗っかった島がありました。

この島は、フィリピン海プレートに乗って少しずっ北上し、
やがて駿河トラフと相模トラフから沈みこみ、消威するはずでしたが、
島が大き過ぎて沈むかわりにそのまま日本列島に衝突してしまいました。

これが今の伊豆半島です。

この衝突で、伊豆半島とそれに接する本州側の双方に沢山の断層が出来、
地層も大きく変形しました。

丹沢山地が生まれたのもこの時で、今も丹沢周辺で地震が多いのは、
このときの衝撃で断層がたくさん出来たからです。












(5)プレートの中の活断層

プレートの境界で生じた力がプレートの内部にまで伝わっていって、
岩盤をずり動かし、破壊することがあります。

また、かって大昔に破壊された所(活断層)に何かの力が加わり、
再びずれ動くことがあります。

これが地下の浅い所で起こると真上では大きな被害が発生します。
日本には、活断層が、2,000ほどあるといわれています。
その大きなものは、次の通りです。

《日本の活断層地図》