2023年2月21日火曜日

仏教の「教え」で英語の勉強をしてみませんか?2023年版

【このテーマの目的・ねらい 】
目的:
 2023年版「仏教伝道協会発行の日めくりカレンダー」で
 英語の勉強をしてみましょう。
ねらい: 
 少しは「教え」を学びましょう。
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で2022年カレンダーでの勉強をいたしました。
今年は早めに、作りました。

このカレンダーは、公益財団法人仏教伝道協会が作成・配付されているものです。この法人につきましては、上記のブログをご覧ください。

今回の題材にはあまり難しいものはありませんでした。
名訳もありましたが?のつく訳もありました。
いろいろな原典があり、その勉強にもなりました。

図に表示されている忍辱とはこういう意味なのだそうです。
大乗仏教の菩薩がさとりの世界に到達するために実践する六つの徳目の中の一つが忍辱(にんにく)です。
忍辱とは、心を常に平静に保ち、他から加えられる諸々の苦悩、苦痛、侮辱等を耐え忍ぶ行なのです。

今回の31名言は、その忍辱につながることなのでしょう。
以下、よろしければご研究ください。

3/8若干付記しました。

日本語

英語

上野コメント

1

一念発起

(華厳経)

Awaken, and aspire for the truth!

一念発起は、辞書では「決心して仏信仰の道にはいること。転じて、ある事を成しとげようと決心すること」となっています。現在は転じての方の意味でしか使われていないと思います。英訳は、目覚めよ、そして真理を求めよ!とあいまいな解釈になっています。

2

真実を語れ、偽りを語るな

(スッタニパータ)

Tell the truth, and do not lie.

 

英訳は素直な訳です。しかし、
「噓つくな」は、Don't tell a lie.
と覚えていました。この方が迫力ある言い方です。

「スッタニパータ」は、セイロンに伝えられた、いわゆる南伝仏教パーリ語経典(原始仏典)の小部に収録されたのこと、だそうです。

3

三宝とは仏と法と僧なり

(十七条憲法)

The Three Treasures are the Buddha, Dharma, and      Samgha,

直訳です。
お恥ずかしながら、私は「ブッポウゾウ」は鳥の名前だとばかり思っていました。「三宝」も定着した言葉なのですね。


SAMGHA(サンガ)とはサンスクリット語で'集まり'を意味し「僧侶」のもととなった言葉なのだそうです。

4

得難きは時、会い難きは友

(西行桜)

Time is difficult to acquire, a friend is difficult to meet,

これも直訳です。
冠詞のことを思い出します。Timeは冠詞なしです。friendは不定冠詞で、特定の友を指さない表現としています。


「西行桜』(さいぎょうざくら)は、世阿弥作の能楽作品。成立は室町時代。

5

原因と結果とをよくわきまえよう(仏教聖典)

Correctly understand cause and effect.

これも直訳です。

その言葉どおりなのですが、言いたいことは、「今起きていることは、過去の不作為が原因であることを反省せよ」ということだったのではないでしょうか。

6

六根清浄

(法華経)

Purify your six senses.

 

日本語の意味を知って素直な訳を付けています。

六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは、人間に具わった六根を清らかにすること。六根とは、五感に、意識の根幹である第六感を加えた、根(視覚)、根(聴覚)、根(嗅覚)、根(味覚)、根(触覚)、意根(意識)のことである(Wikipedia)のだそうです。

そんな意味を知らずに、富士登山で「六根清浄」と唱えていました。

7

仏の名を心に保とう

(仏教聖典)

Keep the Buddha’s name in your heart.

心はmindでなくheartとしています。元の真意はどちらなのでしょうか。呼びかけ的な言葉を、命令形にしています。この真意はそれでいいでしょう。

8

踏まれた草にも花が咲く

(ことわざ)

Even the flowers of trampled plants can bloom.

直訳です。

Trampleは「踏みつける」です。

9

過去は追わず、未来は待たず

(仏教聖典)

Do not dwell in the past, and do not dream of the future.

ほぼ直訳ですが、元の意味を斟酌して、過去に安住せず、未来を夢見るな、と明確な言葉にしています。

10

一を以って之を貫く

(論語)

Stick to one teaching.

 

これは誤訳でしょう。

孔子の言葉なのでそうなったのかもしれませんが、「人生において、一つのことに集中できることはいいことだ」という意味だったようです。現在、そういう風に使われていますね。

11

日は昼に輝き、月は夜照らす

(仏教聖典)

The sun brightens the day, the moon adorns the night.

直訳です。

当然のようなことですが、自然のありがたさを感じようということのようです。私は、人それぞれに役割分担がある、ということも言っているのではと思います。

12

何ものにも執着せず

(スッタニパータ)

Do not be attached to anything.

これも直訳です。

執着は、しゅうじゃくと読むようです。

欲を捨てろという教えですかね?

13

多言は一黙に如かず

(譬喩尽)

Silence speaks many words.

 

分かりやすい良い訳です。

譬喩尽(たとえづくし)は、江戸後期の諺語辞典。松葉軒東井編。ことわざを中心に、詩歌童謡・流行語・方言などの類に至るまで広く集め、いろに配列したもの。だそうです。

14

目を開けばどこにでも教えはある(仏教聖典)

If you keep your eyes open, you will see the teaching everywhere.  

これは直訳です。元の日本語が説明的文章ですから直訳でいけます。

15

脚下照顧

(徹心録)

Seek enlightenment by knowing yourself.

 

素晴らしい意訳です。「足元をしっかり見つめることが重要だ」という意味の言葉を「自分を良く知ることによって光明を見つけることができる」としたのです。

「徹心録」は、三光国師こと孤峰覚明 (鎌倉から南北朝にかけての禅僧)の語録

16

移れば変わる世の中の心は花ぞかし

(御伽草子鉢かづき)

Our mind in this changing world is like a flower.

「世の中の心」をOur mindとしています。作者の真意は、世の中の心の浮気性をやや揶揄したと思われますが、英訳はそれを「自分たちの心」としています。客観的に言えば正しい表現でしょうね。

17

仏の教えは中道である

(仏教聖典)

The teaching of the Buddha is the Middle Way.

これも直訳です。

教えが中道である、というのはあまり面白くないですね。

18

一隅を照らす

(山家学生式)

Do your best to improve Society.

意訳です。原文は「一隅を照らすような人が大事だよ」と言っているのですが、それを命令形にしました。

天台宗の開祖最澄の言葉です。山家学生式は、天台宗(山家)の学行をなす者の規則のこと、だそうです。

19

自分の心を安らかに保とう

(仏教聖典)

Keep your mind peaceful.

直訳です。

peacefulは「安らかに」にピッタリの単語です。

20

風起こらざれば木動かず

(忠臣水滸伝)

Trees do not move unless the wind blows,

直訳です。この意図は、「何かを起こすには行動しなければならない」ということを言っているのでしょう。しかし「今起きている不具合は過去の行いの結果であることを反省せよ」という意味もあるのではないでしょうか。

「忠臣水滸伝」は、中国の小説「水滸伝」と日本の「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」とをとり合わせたものです。

21

本来無一物

(六祖壇経)

Original emptiness is our true nature.

 

意味を解釈しての英訳です。

原文どおりだと、Our true nature is original emptiness.となるのでしょうが、今の訳の方が明快ですね。

六祖壇経』(ろくそだんきょう)は、仏教の経典で、中国禅宗の第六祖慧能の説法集である。禅宗における根本教典のひとつ、だそうです。

22

善い行為をすれば善を得る

(仏教聖典)

Good deeds bring happiness

「善」をhappinessと訳しました。善は多くの意味を持っています。その中から、この文章としては究極的な人生目標のhappinessにしたのでしょう。

23

自分の過失は見がたい

(スッタニパータ)

t is difficult to see our own mistakes

直訳です。

日本語が文章になっていますから、それをそのまま英語にしています。

24

志を守り道を敬う

(仏教聖典)

Focus your mind on respect for the Noble Path.

英語の文章は、これはこれで意味のあることを言っていますが、原文の意味とは違っています。

原文は、「志を守る」と「道を敬う」と二つのことを言っていると思われますが、英訳は「志を守る」を「道を敬う」ことに従属させて一つのことにしてしまっています。「道」を王道としてしまっているのも、疑問です。「道」は仏の教えの道とかでしょう。

25

転石苔を生ぜず

(ことわざ)

A rolling stone gathers no moss.

素直な訳ですが、実際のことを考えると、石は一つでは転がらないので、Rolling stones gather no moss.の方がいいのではないでしょうか。

26

忘己利他

(山家学生式)

Benefit others without concern yourself.

原文の意味を把握した良い英訳です。

27

他人の過ちを説かない

(仏教聖典)

Do not speak of other people’s mistakes.

「説かないこと!」という表現を「説くな」と命令形にしています。英語的です。

28

恥を知るは勇に近し

(礼記中庸)

It takes courage to know shame

勇を揮うのは難しいことだが、恥を知るのはそれに類するくらい難しいことだと説いています。

英訳は、並べている単語は同じようですが、少し意味が違っています。

「礼記中庸」は周から漢にかけて儒学者がまとめた礼に関する書物を戴聖が編纂したもの、だそうです。

29

そしらず、へつらわず、ねたまず(仏教聖典)

Do not abuse, flatter or envy.

素直な直訳です。あまり使わない英単語が並んでいます。

30

一切の生きとし生けるものは幸せであれ

(スッタニパータ)

Let all living beings be happy.

 

「であれ」をLetで表現しています。

原文は本人の意思を表現していますが,Letはやや客観的な発言になっています。

31

心とは山河大地なり

(正法眼蔵)

The mind is mountains, rivers, and the great earth.

直訳です。どう解釈するのでしょうか.

正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)は、主に禅僧である道元が執筆した仏教思想書を指す。正法眼蔵という言葉は、本来は仏法の端的な肝心要の事柄を意味する、のだそうです。

 


1 件のコメント:

上野 則男 さんのコメント...


帝人時代のヨット仲間からいただいたメールです。

上野さま

メルマガ有難うございます
忍辱の文字が目に入り一番に読みコメントをいれたのですが
なんか文字化け?して届きません
要は奈良の柳生街道随一の名刹が忍辱山円成寺で
国宝のお堂と仏像があり特に秋は紅葉が美しく景色の良い
お寺です。
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なぜ、この投稿がやりにくいのでしょうね???