目的:
組体操の危険性について考えていただきます。
効果とリスクの関係について考えていただきます。
マイナス思考だと日本はじり貧ではないか、
という点について考えていただきます。
ねらい:
プラス思考になるように努力したいですね。
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流山市は組体操を新年度から全面「廃止」
という情報が「流れ」ました。
大阪市は一足早く組体操の中のピラミッドとタワーの全面禁止
を決めています。
注:廃止と禁止と言葉が違うので確認しました。
廃止は自分で決めること。”定期昇給制度の廃止”
禁止は権限のある者が他に対して指示すること。
この場合の廃止は校長会で、禁止は教育委員会でした。
私はこの情報に接して、初めは「何だまた、安全第一か!」
と情けなく思いました。
「たかだか骨折くらいで大騒ぎするな!」
リスクを優先して冒険心・向上心がなくなれば、
ますます日本はダメになる、といういつもの考えです。
テレビでも子どもたちの「できた時の達成感が大きい」
という小学生の嬉しそうな顔を見て「そうだ、そうだ」
と思ったのです。
ところが、調べてみますとこんなに事故が多いのです。
以下Wikipedia「組体操」
1983~2013年度の31年間に、
学校の組体操において障害の残った事故が88件発生。
(そのうち2012年度までの10年間で後遺症が残る事故は20件発生)。
2012年度に小学校で起きた組体操による事故は6533件、
2013年度での事故事例は8500件超となっている。
それだけでなく、死亡事故や障害が残る事故も発生しています。
の崩落により首の骨を折り脊髄損傷の後遺症を負った。
男子生徒(当時3年生、2段目担当)が首を骨折し、搬送先にて死亡した。
最下段で四つん這いの姿勢でいた6年生の女子児童が下敷きとなり
左手首靱帯を損傷、左肘の脱臼、骨折の重傷を負った。
卒業までに3回の手術を行ったが後遺症に悩まされるようになった。
幸い出血が少なく、一命を取り留めたが後遺症で左耳が難聴になった。
上部から2段目の3年生の男性生徒が落下、
右太ももを強く打ちつけて骨折した。
手術を受け、一ヶ月以上入院したが完治のめどはたたず
右腿から右足首にかけて金属製の装具をつけての生活を
余儀なくされている。
こういう事故を見ますと、怪我くらいいいじゃないかとも言えなくなります。
責任を追求したくなる親の気持ちも分かります。
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因みに、組体操の事故発生率には県別にかなりの差があるようです。
大阪経済大学の西山豊教授の調査です。
2012年・2013年のデータで、生徒万人当りの事故発生率です。
ワースト
1 兵庫 20
2 福岡 15
3 大阪 14
4 三重 14
5 鳥取 13
6 和歌山 12
7 奈良 12
8 長野 12
9 広島 11
10 京都 10
ベスト
40 福井 1
41 青森 1
42 島根 1
43 秋田 1
44 富山 1
45 福島 0
46 新潟 0
47 山形 0
東京は19位で8です。
ワーストはほとんどが関西です。
関西は岸和田をはじめ、
荒っぽい勇壮なだんじり祭りのお国柄です。
関西の方が「自然」の面影を残しているのです。
男が弱弱しくなったらダメではないですか!!
「儲かりまっか?」の挨拶だって
飾らないで聴きたいことを聴いている「自然」です。
東京は格好つけるようになって寂しいですね。
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この問題についてどう考えたらよいのでしょうか。
私はこう考えます。
1.プラスの効果がある事項については
積極的に進めるべきである。
組体操はチームワークの造成に願ってもない機会を与えます。
チャレンジ精神の涵養にもなります。
2.しかしリスク対策には万全を期する。
1)学習指導要領への組体操指導要領の記載
現在は組体操について学習指導要領への記載はなく
現場の判断に任されている、そうです。
それは教育側の怠慢です。
ずいぶん前から事故は発生していたのです。
2)現場での十分な準備練習の実施
指導要領にも基本精神は入るでしょうが、
怪我を発生させないための練習や心構えを徹底します。
柔道の練習だって受身から始めるのです。
その面で以下のネット上の寄稿は参考になります。
是非ご一読ください。
「それでも私が組体操に取り組む理由。ある現役教師の告白」
http://athlete-knowledge.jp/reports/371
一般に意思決定では、効果は見えにくいことが多く、
費用やマイナス面は具体的に見えるものです。
今回の案件でも効果は分かる人でないと分かりません。
そうするとマイナス面だけで評価することになります。
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話は変わりますが、現在当社で改善に取り組んでいる
ソフトウェア保守の世界でもこういうことがあります。
保守業務のおかげで毎日システムの恩恵を受けているのに、
それは当り前になっていて担当が評価されることはありません。
そして、何か障害・事故があると、たちまちボロクソです。
「何をやっているんだ!」
これでは担当は浮かばれません。
そんな仕事に意欲を持って取り組む人はいないでしょう!
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マイナス評価を恐れるという面ではお役所仕事がその典型です。
我が家の前の立派な公園についてこういうことがありました。
品川区の公園管理の担当殿からこういうメールが届きました。
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ご無沙汰しております。突然のメールで申し訳ありません。
二葉公園の「のりもの玩具」については、
昨年6月に再スタートしてから
公園利用者の皆様や周辺の方のご理解のもと
順調に運用されているとの認識でいたところです。
ところが、先週2/12(金)に公園の前にお住いの方から、
お休みの土日に
「のりもの玩具」を公園の外周道路(歩道状に整備した部分)で
乗り回す音に困っているという苦情をいただきました。
遊べる場所については下段の広場内という表示がされてはいますが、
徹底することは難しいと感じています。
その方は、
そもそも私物(のりもの玩具)の放置を認め遊ばせること自体、
品川区が認めているのはおかしい、撤去を要望されています。
品川区としましては
苦情をいただいたことに対しての対応策を示さなければならないため、
その対応策として本日、
「のりもの玩具」で公園の外周道路では遊ばないよう、
遊べる範囲を示す注意看板を増設いたしました。
おそらく、状況が改善されなければ、
さらに強い苦情が寄せられるものと考えています。
つきましては勝手なお願いではありますが、
土日の午前中についてお時間の許す範囲で結構ですが、
のりもの玩具で遊んでいる様子を見ていただけないでしょうか。
ご協力をお願いいたします。
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そうして、公園内に何枚もこういう立て札を立てたのです。
公園で喜んでいる子どもたち・その親たちの意見は聞かないで
1人のクレームだけでこんなことをするのですから情けないことです。
私は、申し出に協力する旨を述べた上で、
「区がのりもの玩具を公園に持ち込むことを認めているのは
何らの法にも条例にも反することではない、
1個人のエゴに公共の福祉を優先させてはならない」
という返信を送りました。
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近くの別の小さな公園(通称プリン公園)では、
入り口をバリアフリーにする、とか言って始めた改築で
目玉の「プリン」をこんな面白くないものに変えてしまいました。
20センチくらいの網目の太網の部分がありました。
これなど、小さな子供には結構難しく
孫娘も何度かチャレンジして登れるようになりました。
それと
「うんてい」(この名前を覚えていますか?)もありました。
うんてい経由でこの上に辿りつくのです。
孫娘はこれはまだクリアしていませんでした。
どう見ても今回の改築で安全度は高まり、
面白さは格段に下がっています。
何のために公園はあるのでしょう?
管理者が問題を起こさないためにあるのではない
でしょうが!!
そういうマイナス思考だと日本はますますじり貧ですね!!
プラス面を積極的に見ましょう!
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「公園での遊具事故6年で1500件」
という新聞記事も出ていました(2月11日日経新聞)。
こういうことが大々的に報道されると
公園の管理者は安全な遊具の設置に流れますね。
因みにこの記事によると、
滑り台の事故が最大なのです。
そうしたら「滑り台は危険だ」ということになるのですか?
滑り台の事故が多いのは、
滑り台の台数が多く、利用者も多いからです。
事故は利用者の利用方法次第なのです。
これは保護者の責任ですね。
どう考えても滑り台が悪いということにはならないでしょう??
一般的な言葉で言うと
「運用が大事、運用次第」ということになります。
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