2023年11月10日金曜日

栗が不作ですって?

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 栗が不作ということから何が分かるのでしょうか?
ねらい:
 今の人類は栗などが不作でも生きていける
  ことに感謝しましょう。
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私の「先生」である知人が島根にUターンされているのですが、
こういうことを言われました。
「裏に、栗の木が3本、柿の木が5本あるのだが、
今年はどちらも全く実がならなかった」

不作ではなく、ゼロだと言われるのです。
そんなことが起きるのか?と不思議に思い、
ChatGPTに聞いてみました。
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よろしくお願いいたします。
今年は栗が不作だと聞いたのですが、そういうことはあるのでしょうか?

こんにちは、ご質問ありがとうございます。今年の栗の生産量は、平年のわずか6割と大幅に減少しています1。主な原因は、台風の強風による落果や、雨の多さによる割れ栗です12。また、栗の販売価格も例年より高くなっています1
栗は日本の秋の味覚の代表ですが、今年は貴重な果物となりそうですね。


地域によって全く実がならなかったということもあるようなのですが、そういう情報はありますか?

はい、栗の不作の地域については、いくつかの情報があります。例えば、以下のような記事があります。

  • 長野・小布施町の名産の「栗」に異変 地元の栗菓子店も不安この記事では、長野県小布施町の栗の収穫が4月の凍霜害の影響で例年の半分以下になったと報じています。地元の栗菓子店も原料の確保に苦労しているということです。
  • 作況調査(果樹):このページでは、農林水産省が発表した果樹の作況調査の結果が見られます。栗の作況指数は全国平均で90となっており、昨年の100に比べて10ポイント低下しています。特に、熊本県長崎県などの九州地方では、作況指数が50以下となっており、大きな不作となっています。
  • 23年産コメ作況、5道県「やや良」 農水省調べ:この記事では、農林水産省が発表したコメの作況調査の結果が見られます。コメの作況指数は全国平均で101となっており、昨年の100に比べて1ポイント上昇しています。しかし、鹿児島県長崎県などの九州地方では、作況指数が90以下となっており、栗と同様に不作となっています。

以上の情報から、栗の不作の地域は主に九州地方であるということがわかります。

また、栗だけでなく、コメなどの他の作物にも影響が出ているということがわかります。

栗の不作の原因は、台風や雨の多さなどの気象条件によるものと考えられます12

栗の生産量や販売価格にも影響が出ていると思われます1

栗の不作に関する詳しい情報は、上記のリンクを参照してください。ご参考になれば幸いです。😊

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そこで、Googleで他の情報も確認しました。
上掲の小布施以外の状況も分かりました。
栗の不作原因

地域

(栗の名産地)

収量

不作原因

大阪府能勢

不作

夏に雨がほとんど降らず、高温も続いた。

長野県小布施町

例年の1-3割

4月に霜。少雨

山口県美祢市

 

50年ぶりの不作

6月、7月に降った大雨とこの夏の暑さ


基本的には異常気象です。冒頭の収量セロというのは極端ですが、そういうこともありそうです。

そう言えば、私の趣味の「銀杏採り」の対象のギンナンは、
これまでたくさん実をつけていたのが、今年はまったくゼロの樹、
少しだけ実をつけた樹、しっかり実がなった樹、までありました。
同じ天候状態なのにこれです。微妙な何かがあるのでしょうね。

次に柿について、ChatGPTに聞いてみました。
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では、柿が不作であるという情報はありますか?はい、柿の不作に関する情報はいくつか見つかりました。柿は「隔年結果」という現象で、実がなる年と生らない年が交互に来る果樹のひとつです12この現象は、養分や植物ホルモンのバランス、環境の影響などによって起こります12柿は広範囲で同時発生することもあり、花粉交換のために周りの木と同調することも考えられます2柿の不作の年は、摘果や剪定などの手入れをしても収穫量が減ることがあります3また、地球温暖化の影響で、柿の実が熟さないことも懸念されています4柿の不作に関する詳しい情報は、以下のリンクを参照してください。カキの木の剪定ミス!実がなる年とならない年があるのはなぜ …

ここで分かったのは、隔年結果という豊作と不作が繰り返される
という現象があるということです。
その原因は、
豊作のときは、植物が実を充実させることにエネルギーを費やし、
次の年の開花の準備にエネルギーを回せないせいだ
と想定されています。

なるほど、それで分かったことがあります。
銀杏の樹は剪定すると、しばらくまったくギンナンがなりません。
観察して分かっていましたが、
想定していたことが当たっていました。
樹が、切られた枝の修復にエネルギーを費やし、
実をつけることまで手が回らないのです。

栗も柿も今年は全国的に不作だったことが分かりました。
その影響は熊の出没に表れているのです。
ドングリなどの食糧が不足して、エサ探しに山から出ているのです。
人間を襲うのはイカンですが、熊だって生きるために必死です。

それで思い出したことがあります。
縄文人は、狩猟採集民族でした。
当時は、大量で保存のきく穀物がありませんでした。
出典:伊勢雅臣氏寄稿「SDGsは縄文文明に学べ」
栗などの木の実が不作の場合、代わりに何を食べていたのでしょう。
人口減という厳しいこともあったでしょう。
縄文人は1万年で、日本全国で、2万人からスタートし
縄文中期に26万人に達しましたが、
縄文晩期に8万人に急減しています。
晩期は寒冷化によって、その程度の人口しか維持できなかったのです。
厳しいことです。

それにしても、縄文人は定住型狩猟採集生活をした
世界で唯一の民族です。
なぜそういう生活を1万年も出来たのかが疑問です。

試しに、ChatGPTに聞いてみました。
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よろしくお願いいたします。
縄文人はなぜ1万年も狩猟採集生活を継続できたのでしょうか?
そのような奥の深い質問に答えることはできません。
誰も答えることができないのですから。

狩猟採集民でありながら、定住をしたのは分かります。
日本列島は東の外れで、
移住しようにも行き先がなかったのですから。

そこでやむなく、
獲物が取れやすい川べり・海べりに居を構え、
木の実の採集や、動物の狩猟を工夫したのでしょう。
狩猟では落とし穴をたくさん作っています。

それでも食糧の調達に限りがありましたから、
生活は現状維持がようやくで大きな人口増は見られません。
下のグラフからすると、出生率は2.1ぐらいだったのでしょうか。
(それでも今の日本よりもましですね)

2023年10月27日金曜日

「思考の方法学」ですって!

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 「思考の方法学とは何だろう?」という疑問にお答えします。

 思考の方法や、解決策検討の方法について
 再確認していただきます。
ねらい:
 モデル思考やモデル分析をもう少し気にするようにしましょうか。

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本テーマは、栗田治 慶応大学管理工学研究所教授著
「思考の方法学」のご紹介です。
私も、思考の方法家を自負しておりますので、
以下は若干拘った内容となりました。
 

本書の構成はこうなっています。
序章 思考はモデルによって支えられている
第1章 モデル分析はこうして行われる
第2章 数学を用いるか、言語を用いるか
    --定量的モデルと定性的モデル
第3章 いつか役立てるか、いま役立てるか
    ーー普遍的法則を追求するモデルと
      個性的な個体を把握するモデル
第4章 ざっくりと切り分けるか、細部を見るか
    --マクロモデルとミクロモデル
第5章 時間による変化を考えるかどうか
    --静的モデルと動的モデル
第6章 モデル分類法の活用
第7章 モデル思考のための学問「オペレーションズ・リサーチ」
    --キーワードは「らせん的展開」
第8章 モデル分析を支えるキー概念
    1.正味現在価値法
    2.埋没費用
    3.パレート最適
    4.伝統主義
    5、フェティシズム
    6.官僚制の準機能と逆機能
第9章 誰のために考えるのか
    --問題の所有者という要件
第10章 モデルと人間

本書のタイトルは「思考の方法学」ですから、
思考とは何で、どう思考すればよいか、
の基本的解説があるべきです。
それについて、「はじめに」で以下の記述があります。

「思考」という言葉はとても一般的で広範な意味をもちますが、
今回、特に限定的に焦点を当てるのは、
 ある目的をもって物事に対処し、
 納得したり解決策を見つけたりするために考える
という営みです。
こうした思考を支える技術としての「モデル分析」に
さまざまな角度から焦点を当て、
それを上手く役立てるための方法を分かりやすく解説します

それを敷衍して、序章の1.本書が対象とする「思考」とは
で「誰のために」「何のために」という目的に副う必要がある
と書かれています。
それはそれでいいのですが、もう一歩進めて
「誰のために」「何のために」「どう考えるのか」とすべきでしょう。

それを受けて、第9章で「誰のために」について解説しています。
これは、もっと初めに置くべきものです。

「何のために」については、第1章の「1.モデルの目的の類型」で
以下の記述があります。
以下に解説しますように、この記述は不十分です。

モデルの目的の類型

番号

タイトル

内容

類型1

経験的な事実の確認

現実を観察すると興味深い現象が起きている用に見える。それは本当に起きているのか、勘違いなのかをあきらかにしたい。

類型2

真理の解明

ある興味深い現象が起きていることが確かになった。そのメカニズムを明らかにしたい。

類型3

最適解の算出(注)

ある目的を達成するための最も良いやり方を見つけたい。

類型4

将来予測

このままだと将来どうなるかを、あらかじめ知っておきたい。

類型5

物事の評価

あることを実現するためにいくつかの方法が提案されている。それらを比較して順位をつけたい。

類型6

アルゴリズムの開発

ある問題の解を求めるための計算の手続きをつくり出したい。

類型7

存在証明

ある事柄が生じうるかどうかを明らかにしたい。

(注)原文は、最適解・最適設計・最適スケジューリングの算出

著者は、「思考をする場合の目的の類型は、これで網羅しているはず」
と言われていますが、これだとランダムな配列で、網羅性の確認がしにくいので
以下のように一般的な検討の流れに沿って順序を変更してみました。

どうもこういうことがありそうだ➡やはりあることが証明できた
➡それはなぜ起きているのか証明したい。
➡そういう前提なら最適な方法は何か➡最適を実現するアルゴリズムを作りたい
➡いくつかの代案を評価したい
➡ところで将来はどうなるのだろう。
という流れです。

モデルの目的の類型 順序並び替え上野案

番号

タイトル

内容

類型1

経験的な事実の確認

現実を観察すると興味深い現象が起きている用に見える。それは本当に起きているのか、勘違いなのかをあきらかにしたい。

類型7

存在証明

ある事柄が生じうるかどうかを明らかにしたい。

類型2

真理の解明

ある興味深い現象が起きていることが確かになった。そのメカニズムを明らかにしたい。

類型3

最適解の算出(注)

ある目的を達成するための最も良いやり方を見つけたい。

類型6

アルゴリズムの開発

ある問題の解を求めるための計算の手続きをつくり出したい。

類型5

物事の評価

あることを実現するためにいくつかの方法が提案されている。それらを比較して順位をつけたい。

類型4

将来予測

このままだと将来どうなるかを、あらかじめ知っておきたい。


あらためて、これで網羅しているかどうかを検討してみますと、
類型3の最適解の算出は、
最適解とは限らず改善案の場合もありえることが分かりました。
社会問題では、最適解は不明です。

最適解というのは、
本書でも取りあげているオペレーションズ・リサーチでの概念で、
前提条件が明確でなければ求められません。
社会問題には、前提条件が明確ということはほとんどなく、
いい加減な前提条件で「最適解」を求めますと、
前提条件が変化すると、最適解が最悪解になる可能性があるのです。

若干脱線しましたが、本題に戻ります。
ここに上げられている目的の類型は、
自然科学では、類型7と2が検討の目的と言えるでしょう。
発見になるのです。

しかし、自然科学以外の領域では、
この類型が検討の目的とは言えません。
何のために、物事の評価をするのか、将来予測をするのかが
「何のために」の答えなのです。

その本来の「何のために」をどう検討したらよいかは、
本書では一切触れていません。

私が過去に、世界の著名な問題解決的手法の分析をしましたが、
その時に判明したのは、問題解決の目的を取りあげているのは、
ナドラーのワークデザイン手法だけだったのです。
他の手法はすべて
どうやって問題を解決するかだけを対象としていたのです。
ですから、
目的について掘り下げていないのは本書だけではないのです。

そういう点からして、
本書のタイトルを「思考の方法学」とするのはおこがましいのです。
いいかげんな出版社の勇み足だと思われます。
せいぜいが「問題解決方法検討の方法学」でしょう。
「問題解決のためのモデル分析入門」でもよいかもしれません。

先に批判をしましたが、「どうするか」の検討方法として、
第2章から第5章までモデルの4類型を挙げられたのは、
たいへん有効な解説です。

分析モデルの整理
(本書の内容に基づき上野が作成)

分析モデル

の区分

モデルの名称

モデルの内容

分析ツール

定量的モデル

数学を用いて分析

定性的モデル

数学を用いないで分析

分析対象

原理解明モデル

原理原則の解明

個体解明モデル

個体の態様を解明

分析のメッシュ

マクロモデル

粗いメッシュで分析

ミクロモデル

詳細なメッシュで分析

時間軸の有無

静的モデル

一定時の分析

動的モデル

時間による変化の分析

 

静的モデルの例

動的モデルの例




























そのモデルで経済学の学説を整理してみました。

経済学のモデル分析

経済理論

定性・定量

普遍法則

・個体解明

マクロ

・ミクロ

静的・動的

古典派経済学

定性

普遍

マクロ

静的

マルクス経済学

定性

普遍

マクロ

静的

ケインズ経済学

定性

普遍

マクロ

静的 動的

ゲーム理論

定量

普遍、個別

ミクロ

静的 動的

行動経済学

定量

普遍、個別

ミクロ

静的 動的

マーケットデザイン

定性 定量

個別

ミクロ


いい加減な判定もあるかもしれませんが、
これによれば、定性から定量へ、普遍法則から個体の行動解明へ、
マクロからミクロへ、静的から動的へ、
というモデルの進化状況が見られます。

経済学が、現象解明の学から
役に立つ学問になってきているということです。

ただし、ゲーム理論と行動経済学は、この表では全く同じですが、
ゲーム理論の主体は合理的行動をとるものとしていますが、
行動経済学では、非合理的行動もとる、という違いがあります。

また、マーケットデザイン
(好ましい結果が得られる行動モデルを設計すること)
は、経済学というよりは、経済学者が取り組むようになった対象
ということかもしれません
(私は、マーケットデザインの存在を知りませんでしたが、
ある講演会で、
そのお先棒を担いでおられます神取道宏先生に教わりました)。

これまた、問題指摘になるのですが、
第8章 モデル分析を支えるキー概念
で挙げられているものは、伝統主義、フェティシズム、など
えーーっ!なぜこれがキー概念なの?というような内容です。
第8章は「モデル分析の際の参考概念」とすべきでしょう。

最後に先生のむすびの部分をご紹介します。
仰るとおりです。

【古きを捨て新しきをこしらえる】
ここで述べてきたことをまとめると、
①車中心社会から人間中心社会への転換
②人口減少問題への対応としてのコンパクトな都市空間への転換
③医学的事実に基づく徒歩忠臣社会の肯定
というアイデアに立脚し、新しい都市計画の潮流が生まれつつある、
ということです。

特に③に焦点を当てると、
これまでの、移動距離を小さくする施設配置研究ではなく、
徒歩移動をある程度以上確保するための施設配置研究、
というものが大切になってきます。
その際にも,
a.社会的な最適化,b.弱者救済,c.住民間の公平性の確保
といった異なる価値観の下でのモデル構築が展開していくことは
言うまでもありません。

以上の説明から分かる通り、
モデルというものは一通り作り終えたらそれで終わりではありません。
人間による営みを、伝統主義に陥ることなく正面から観察し、
変える勇気を持つことが大切です。

そして上述のような新たなる医学上の知見や、
自然と人間の関係に関する知見、これまで気づかなかった要件、
そうしたものに目を光らせるのです。
新事実を部品として取り入れ、古きを捨て新しきをこしらえる
(こういう営みをスクラップ・アンド・ビルドといいます)
ことに努力を注ぐのです。
これが、人間の幸せの実現を目座す研究の本質かもしれません。

そして大切なことは、
このような思考の営みが、すべて人間の領分である、ということです。
「自分はこのようになりたい」「大切な人に幸せになってほしい」
「社会の有りようを良くしたい」といった、
人間としての正直で素朴な欲求からスタートして思考するのです。

その際に、思考を支えてくれるモデル分析を意識し、
モデルを十全なものにすることを目指しましょう。