目的:
南極の氷が溶けつつあることとその影響について
確認いただきます。
ねらい:
ねらい:
まだ先のことと考えますか?
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本テーマは、杉山 慎 北大教授の
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本テーマは、杉山 慎 北大教授の
「南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学」
(中公新書)のご紹介です。
自然科学書です。
たいへん興味深い内容でいっぺんに読んでしまいました。
以下の内容が記述されていました(順不同です)。
雑駁な要約です。ぜひ、本書でご確認ください。
1)毎年の残雪がどんどん積み重なって、やがて雪が氷になる。
氷が十分に厚くなれば、自らの重みでゆっくりと流れ出す。
これがいわゆる「氷河」である。
南極氷床は、このような氷河の一種である。
2)南極氷床の面積は日本の約40倍で、
氷の厚さは平均2千メートルで、
場所によっては4千メートルを超える。
3)南極氷床が全て融けて海に流れ込めば、地球の「海水準」は
約60メートル上昇する。
4)それによる日本への影響は、国土の17%を失う。
5メートルだとしても以下のような地域が海面下になる。
その面積は国土の3%に過ぎないが総人口の16%が生活している。
5)氷床が融けて海に流れ込めば、海水の塩分濃度が低下して
生態系に大きな変化を与え、気候変動にも影響を与える。
6)2021年に公開されたIPCC
(国連の気候変動に関する政府間パネル)の報告書では、
南極で失われる氷が主原因になって21世紀末までに
海水準が2メートル近く上昇する可能性も否定できない、
となっている。
7)実績としては、海水準の上昇は
1900年から2018年までに18センチである。
8)近時(2004年~2010年)の海水準上昇原因は、
温暖化の影響による山岳氷河の融解とグリーンランド氷床の融解が
約4分の1ずつで、南極氷床の影響は約10%でしかない。
9)南極の氷の底は、陸部分の温度(零度より上)によって融けていて
「氷底湖」となっている。巨大な氷底湖もある(250km×900m)。
その影響は未知である。
10)氷床の周縁部は、氷が氷山から滑り落ちてきて
海に張り出している「棚氷」となっている。
図:棚氷の融けるメカニズム
11)南極氷床による「海水準」上昇原因は棚氷の減少による。
12)今のところの予測では、21世紀は南極の氷床融解による
「海水準」上昇の影響は大きくないが
(内陸氷河・グリーンランドの融解の影響が大きい)
22世紀になると大きな変化が発生する可能性がある。
目下のところ、正確な予測は難しいが、
地球温暖化が影響を与えることは間違いなく、
人類は、温暖化防止に努力すべきである、
という筆者の主張がむすびです。
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