【このテーマの目的・ねらい】
目的:
青学大の3連勝について考えてみましょう。
気力の重要性について再認識していただきます。
ねらい
仕事でも趣味でも気力を重視して時間を使いましょう。
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2017年箱根駅伝。
青山学院大学が3連勝してしまいました。
3連勝以上したのは、過去に5校です。
中大6連勝
日体大5連勝
日大、順天堂大、駒沢大 4連勝
区間賞を取ったのは往復とも1人ずつですから、
まさにチームの総合力の勝利です。
最後は2位との差が昨年を上回る7分21秒差ですから、
なんともはや、ですね。
1昨年の初優勝は「オー」と思いました。
昨年の2連勝は「やるねー」でした。
今年の3連勝は「他のチームがだらしない!}ですね。
今年の優勝タイムはこの4年間で最悪なのです。
時間 分 秒
2014年 東洋大 10 52 51
2015年 青学大 10 49 27
2016年 青学大 10 53 25
2017年 青学大 11 04 10
でも優勝は優勝です。
なぜそんなに強いのでしょうか。
往年のマラソンの大選手金栗四三氏が残した名文句に
「体力、気力、努力」があります。
私はこの順番は間違っていて、
体力 まずは基礎体力がなければだめ、ケニア人には勝てない。
努力 練習を必死でやれ
気力 レースでは気力を振り絞って頑張れ
ではないかと思います。
青学は、
体力が他の大学に比べて優れているわけではないでしょう。
他の大学も練習は必至でやっているでしょう。
ただし、青学は走法の研究もしているようです。
お気づきでしょうか。
腕の振り方です。
普通はこぶしを胸の高さで振ります。
これは、短距離走の時には最大限度のスピードを出すために、
腕も勢いよく振るものなのです。
しかし長距離走では、
エネルギの消耗を最低限度に抑えることも重要です。
青学では、こぶしは腹のあたりまで下げています。
これは振り子(遠心力)の作用で腕が振られることを考えているのです。
これでもし1%のエネルギ消費が削減できるとすると、
その分が早く走ることに振り向けられます。
1%と言えば、全時間約10時間では6分に相当します。
今回の1位と2位の差は7分ですから、
この走法で勝ったとも言えるのです。
さて話を元に戻します。
青学は最後の気力のところが違っているのではないかと思います。
日ごろから、原監督の指導法は
選手の自主性を重んじ自覚を促す方法です。
そうして、「わくわく」「ハッピー」今年は「サンキュー」という
「おまじない」言葉を使っています。
この言葉自体はそんなに深い意味を持っていませんが、
その言葉をいつも意識することによって、
その言葉が潜在意識に植え付けられます。
肝心な時にその合言葉が登場してきて
「チームのために頑張る!」となり、
絶大な気力を引き出すことに成功している
のではないでしょうか。
それらしい状況が何度も見受けられましたね。
「3連勝チームは4連勝になる」
というジンクスがあるようです。
他のチームがもっともっと気合いを入れてほしいものです。
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ご承知のように、
やる気があるかどうかで、成果が大きく違う、
という点は仕事の世界でも実証されています。
有名なホーソン実験があります。
普段の生活でも、
急いでいるときの出勤準備とそうでないときでは
2倍以上のスピードの差がありますでしょう?
逆に、今日は余裕があるとゆっくりしていると
いつの間にか遅刻寸前という状態になったりします。
昔若い頃にデートの相手が遅刻をしてきて
「誰かが私の時間を食べちゃうの」と言っていました。
「何をとぼけたことを言って」と憤慨し、
その時は意味が分かりませんでした。
余裕時間はすぐに食いつぶされるということだったのです。
余談の余談
少し話題がずれますが、
気が入っていないと
いろいろ抜け漏れが起きるという例をお話しします。
先週ですが、帰宅をしようと駅でパスを探すと見当たらないのです。
そんなわけないと思って必死で探しましたがありませんでした。
その時は諦めてPASMOで乗りました。
次の日ここで落としたしかない、とつき詰めて
前日朝の降車駅で尋ねました。
そうしたらありました。
改札機の故障で中に残っていたと言うのです。
駅の係員は「申し訳ありませんでした」も言わずに
不思議そうな顔をしていました。
「なんで気が付かなかったのでしょう?」という感じなのでしょう。
こちらも、見つかった嬉しさで文句を言うのを忘れました。
どっちもどっちですね。
ご承知のようにタッチ式でないパスは、
改札機に通して出てくるのを持ちかえるようになっています。
私は出てこないのに気が付かずに素通りしてしまったのです。
我ながら合点がいきません。
何か私の強い関心をひくものが改札機を通る時にあったのでしょう。
記憶にはありませんが、
私が今関心を持つものは以下のいずれかです。
1)美女・美人
2)かわいい子供
3)外国人観光客の集団
注意力散漫になっているのか、集中力が強くなっているのか、
多分両方なのでしょう。
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最近再発見した問題解決の名著「問題解決のアート」
(ラッセル・エイコフ著)に
以下のような事例が紹介されていました。
ご参考までにご覧ください。
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寓話3-4 時間を指針に
小型精密部品を製造しているある会社は、
完成品の検査員として数多くの女性を雇っていた。
これらの女性は、
彼女達の出来高とは無関係に
一定の日給を支払われていた。
彼女達の生産性はかなり低下し、同時に、
まちがって合格としたり不良品としたりした品物の数も
増加しつつあった。
生産性を増加させることとミスを減らすことを期待して、
この工場の経営者は、
もし彼女達の出来高が
以前に達成していた水準までもどったならば、
以前よりもかなり多くの賃金を稼ぐことができる
歩合制の報酬制度を提案した。
ただし、この制度では、
もし彼女達がこの時点での水準を維持したとすると、
彼女達の稼ぎは減ることになるという制度であった。
女性達は、この提案を即座に拒絶した。
その工場経営者は、
この返答に驚いたがそれ以外の策を思いつかなかった。
彼はたまたまこの工場で、
この問題とは無関係の別の問題の研究にとり組んでいた
外部の研究グループに助けを求めた。
研究者達は、女性達のほとんどが結婚しており、
彼女達の夫は仕事を持っていて、
家族が生活するには困らない額の
お金を稼いでいることを知った。
女性達は、
欲しいけれども実際になければ困るというほどでない
商品やサービスを買うために
必要なお金を稼ぐために働いていたのだった。
これらの女性は
彼女達の夫と同じくらい稼ぐと、
夫の持っている一家の大黒柱としての自尊心を
脅かすことになるであろうと信じていたので、
夫と同じほどは稼ぎたいとは望まなかった
(これは、ウーマンリブ運動が行われる前の話である)。
このように、
彼女達はこれまで稼いでいた額よりも多くを稼ぐことは
決して望んでいなかったのである。
その上、のんびりしたペースで神経をとがらせずに働くことで、
退屈で単調な仕事にある種のくつろぎを得つつ、
仕事をしながら同僚とおしゃべりすることができたのであった。
さらに重要なことは、女性達の″ほとんどが就学児童を持っており、
子供達が学校から帰宅したときに家で迎えてやれないことに対して、
非常に罪悪感を持っているということを、研究者達は発見した。
子供達は自分で自分の身の回りのことをしなければならないので、
このことが母親達の心配の種であった。
そうでなければ、誰か他人に世話をしてもらうかだった。
このことはまた、
人に子供達の世話を押しつけているという気持の負担を
母親達に感じさせていた。
どちらにしても、女性達は
このような不愉快で罪悪感を起こさせる状況を生みだした原因は
会社にあると思い込んでいた。
研究者達がこのことを知ったとき、
彼らはひとつの新しい奨励システムを設計した。
ある“正当な1日の仕事量"――正しく倹査された品物の数――
が具体的に決められた。
それは
検査員の女性達が以前に達成していた出来高の
最高水準に置かれた。
そのかわり女性達には、
決められた出来高に達したときにはいつでも
仕事を終えて家へ帰ることが許され、
また、それ以上は、彼女達が働きたいと望む時間まで、
必要生産高に余裕のある限り、
出来高払いで仕事を続けることができるようにした。
女性達は、この提案を熱烈に受け入れた。
彼女達の検査の速さは2倍以上になり、
子供達が学校から帰ってくるのを迎えるの
に十分間に合う時間に工場を退社した。
ミスは滅り、満足感は増えた。
教訓:ないことをすることほど、時間を浪費するものはない。
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