2016年4月25日月曜日

「読んだら忘れない読書術」ですって??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 読書術ってなんだろう?ということを考えていただく。

ねらい:
 ご関心ある方は本書を読んでみてください。

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札幌医大卒で精神科医の樺沢紫苑さんという方の
著書の紹介と分析です。



「読んだら忘れない」ということは、
暗に読むのは覚えておくためだ、ということを言っています。

ですが、本は覚えるために読んでいるのでしょうか?

まずは、ミステリーとか小説とかは
読んでいる間楽しいから読んでいるのです。

情報を得るために読む、というのもあるでしょう。

覚えるために読むのは、受験勉強くらいではないでしょうか。

著者は月に20-30冊読まれるようですが、
情報収集または材料集めです。
決して覚えるためではありません。

私が読むのは知的好奇心という場合もあります。
私の研究テーマ領域です。
脳の働き、日本人の由来、
以前は、男女関係、日本語の生い立ちなども対象でした。

現在はほとんどがブログの材料探しです。

覚えようという意識はほとんどありません。
ブログに書いてしまうと、残念ながらほとんど忘れてしまいます。

本を読む目的を整理するとこうなるでしょう。
 



目的

対象

読書の代案

1.楽しみ
 

自分の好きな本

他で楽しむ

2.好奇心充足
 

自分の関心事の研究

他のことをする

3.材料集め
 

テーマの情報

読書しない

4.脳の活性化・維持
 

1.2.を充足する本

読書しない

5.時間つぶし
 

 なんでも

他のことをする

6.記憶する
 

受験参考書

(試験回避)

7.知識を得る
 

解説本
ハウツーもの

ネット活用
 

  
現代人は、受験勉強は一時だけだし、
楽しみはテレビとかスマホにいってしまって、
研究者など特別な人しか読書はしなくなっているのです。
いわゆる「読書離れ」です。

その状況の中でも読書するのは、楽しみが目的の人が圧倒的でしょう。

この本を必要とするのは、上記7.の場合で「賢くなろう」という
ごく僅かの人です。
それ以外の人には読書術は必要ありません。
自分で分かっていることです。

この本は売れるのでしょうかね?

それはともかく、
以下のように多岐に亘る忘れない術が紹介されていました。
脱帽です。
関心のある方は本書をお読みください。

第1章 なぜ、読書は必要なのか?読書によって得られる8つのこと
 大事なことですが、だから読書しようという人はあまりいないでしょう。
 内容省略

第2章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 3つの基本
 10年たっても忘れない「記憶に残る読書術」
  1週間に3回アウトプットする
  心が動くと記憶に残る
 効率的に読書する「スキマ時間読書術」  (現実的ガイドです)
 「速読」より「深読」を意識する「深読読書術」

第3章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 二つのキーワード
 アウトプット読書術 マーカー読書術 (上野も賛成、実行している)
              気づきを人と共有する
              など。
 スキマ時間読書術 制限時間内読書 
              5分細切れ読書
               (上野の読書はほとんどが電車の中です)
              寝る前の読書  
               (上野疑問、眠くて頭に入らない)

第4章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 超実践編
 目的地を把握する「パラパラ読書術」    上野も実践
 知りたい部分を先に読んでしまう「ワープ読書術」 
    上野も実践(皆様も詳説以外ではしているのではないですか)                      
 自分にとって少し難しいくらいがいい「ギリギリ読書術」
 ワクワクする本を一気に読む「ワクワク読書術」

第5章  「読んだら忘れない」精神科医の本の選択術
 「ホームラン読書術」「守破離読書術」「入門読書術」 
 「お勧め読書術」「自分軸読書術」「専門書読書術」
 「ネット書店読書術」「直感読書術}「数珠つなぎ読書術」

第6章 早く、安く、たくさん読める究極の電子書籍読書術
 内容省略

第7章 「読んだら忘れない」精神科医の本の買い方
 即断即決しなさい、など。

第8章 精神科医がお勧めする珠玉の31冊
 内容省略

この著者は研究熱心で内容も充実していますが、
出版社の売らんかな根性と相まって
(「精神科医」を強調し過ぎです。
精神科医としての見解はほんの僅かしかありません)、
若干うんざりしてくる面があります。

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前掲の読書の目的の7.知識を得たい人が読書する場合に
忘れないことが有効なのですが、
この目的の場合、読書で知識を得ることが有効な対策なのでしょうか。

知識のうち情報は、
今はネット(Wikipediaなど)で簡単に得ることができます。
覚えている必要は低くなっています。

ハウツーはどうでしょうか。
覚えてもダメです。
実践しなければ身につきません。
よほど意思の強い向学心のある方でなければ
読書だけでノウハウを得ることはできないでしょう。

やはり研修等が必要です。
当社の研修は解説した後、やってみる演習をしていますが、
これでも、すぐに忘れてしまいます。

そこで宿題として実務で実践していただくようにしています。
そうすると実務の中で多少じっくり考えますから少しは実につきます。
それでも継続しなければじきに抜けていってしまいます。

そのくらいハウツーを身につけるのは難しいのです。
毎朝知っている人に出会ったら「おはようございます」と言いましょう
くらいの易しいハウツーなら別ですが。


さあ、あらためて読書の目的は何か?
その目的の場合に有効な読書法はどうすればよいか?
考えてみられたらどうでしょうか。


   

 

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