2024年1月16日火曜日

「睡眠の謎に挑む:原理の追求から社会実装まで」

[このテーマの目的・ねらい】
目的:
 睡眠の謎に迫ります。
 かなり睡眠の謎が解明されつつあることを知っていただきます。
 不眠状態だと思っている方に朗報があります。
ねらい:
 解明された成果を活用しましょう。
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本項は、学士會会報2024ーⅠ号に掲載されました
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長柳沢正史教授の
寄稿のご紹介です。
日本の睡眠医学は世界の最先端を走っているのだそうです。
頼もしいことです。

1.睡眠に関して分かっている現象
1)多くの動物は眠る
・魚類も含めたすべての脊椎動物は眠る。
・陸生哺乳類の睡眠時間は、2時間から20時間近くまでばらついている。
・昆虫、線虫、イカ、タコ、貝類などの無脊椎動物も眠る。
・脳(中枢神経系)を持たないクラゲも眠る。
・そのことから、睡眠は脳よりも先に発生していることになる。

2)睡眠不足の疫学調査結果
・睡眠不足は、
 死亡率と疾病リスク(メタボ、うつ病、認知症)を高める。
 最善は7時間睡眠の場合である。
・重度のメタボリック症候群の場合、運動・食事療法をいくら頑張っても
 睡眠不足だとメタボは改善しなかった。
・不眠はうつ病の発症率を3倍高め、認知症の発症率を4倍高めた。
・4時間睡眠を2週間続けたら、内臓脂肪が11%、体重が0.5キロ、
 1日の摂取カロリーが308キロカロリ増えた。

3)睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がある
・レム睡眠中は、筋肉が完全に弛緩し(レム脱力)、体が休息する。
 しかし眼球は素早く動き(Rapid Eye Movement)
 記憶の整理や定着が行われている。
・ノンレム睡眠は覚醒から入眠するとまず現れる。
 体と脳が休息している。
 眠りの深度は幅がある。

4)睡眠の時間経過
・睡眠の状態は以下の図のように変化する。
・一般にはノンレム睡眠とレム睡眠は交互に発生している。

以下は上野説
・1サイクル90分という説もありますが、絶対ではありません。
・長時間睡眠すると、後半で新たな事象が発生するのであれば、
 睡眠は長時間でなければならないことになります。
・しかし、1-2時間で繰り返すのであれば、
 連続しなくても睡眠総時間がそれなりにあればよい
 ということではないでしょうか。
・下の図をみても後半で別の現象が起きている
 ということはないようです。
 特に高齢者の場合はそうです。

・本寄稿文の後半に、「不眠を訴えた高齢者の睡眠を測定したところ、
 レム睡眠とノンレム睡眠が発生しており、
 途中覚醒していても問題ないと説明したら
 不眠(正確には不眠不安)は解消した」
 という例が紹介されています。

・つまり、
 途中目覚めがあっても、
 総睡眠時間が確保できていれば問題ない
 ということです。これで安心です。

・また、「昼寝は15分程度がよく、
 それ以上はかえって疲れてしまう」という説がありますが、
 こう考えられます。
 15分程度の短い睡眠だと、ノンレム睡眠だけで終わり、
 これで肉体的疲労は回復しますが、脳機能の修復は行われません。
 
 ところが、
 1時間とかの中途半端な時間だと、レム睡眠の途中になります。
 脳機能の修復が中途半端なところで中断されますので、
 脳機能の再起に手間取るのだと思われます。
 
 私はよく昼寝をするのですが、1時間半くらい寝ます。
 目覚めでぼうっとしているということはありません。
 脳がスッキリして仕事がはかどります。
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2.分かっていないこと(証明されていないこと)
1)睡眠の機能:なぜ眠らなければならないのか。
 休まないと壊れてしまうということでしょうが、
 そのことは証明されていないのだそうです。
 そうなんですかね?

2)睡眠の調節:眠気の正体とは? 
 種ごとに異なる睡眠時間はどのように決まっているのか。
 長く起きていると眠気が生じ、眠ると解消される。
 この眠気の正体も、睡眠と覚醒の調節機能も解明されていない。
 (上野注:著者たちは、かなりこの解明を進めています。後掲参照)

3.最近の解明事項
1)睡眠覚醒スイッチ
ここ10年の睡眠医学の成果は
「脳の各所に”覚醒を促進する神経細胞群”と
”睡眠を促進する神経細胞群”があり
それぞれネットワークを形成して互いに抑制しあっている。
脳内でどちらかが優勢になると、覚醒と睡眠のスイッチが切り替わる」
と分かってきたことである。

2)覚醒を促す物質
1998年に著者たちが発見した「オレキシン」は、
スイッチを覚醒側に切り替える最終的な要因である。

3)睡眠を制御する物質
10年ほど前に著者たちが以下を解明しました。
「大脳皮質で起きる”シナプスのたんぱく質のリン酸化”が
睡眠の質を制御し、
視床下部で起きる”シナプスのたんぱく質のリン酸化”が
睡眠の量を制御している」

4.解明事項の社会実装
1)睡眠薬
オレキシンの働きを抑えれば睡眠が促進されます。
そこで、そのオレキシン拮抗薬が開発されています。
(現在臨床試験中)
この睡眠薬は、従来の睡眠薬と異なり依存症を発生させない、
また、アルツハイマー型認知症をそくしんするということもない、
という利点があります。

2)睡眠検査キット
従来方式だと、1晩入院し5万円かかり、全身に多数の電極をつけるので
正常な状態での測定が困難です。
そこで筆者たちは筑波大学発ベンチャーで、
自宅で睡眠脳波を測定できる装置インソムノグラフを開発しました。










。



この睡眠検査は、一部の医療機関やウェブで申し込むことができます。
申込後、睡眠質問票に回答すると、自宅に機器が届くので、
土日を含む2晩、あるいは5晩連続で、自宅で睡眠を計測します。
機器が脳波データをクラウドに転送します。
機器をコンビニから返却すると、
医師のアドバイスのついた睡眠評価レポートが郵送かウェブで届きます。

素晴らしい最先端のビジネスモデルですね!!

「料理とはなにか?」

[このテーマの目的・ねらい】
目的:
 以下を認識していただきます。
  料理には1次加工と2次加工があること
  和食の優秀性・特長
  和食の異なる2面性
ねらい:
 そういう目で食事を見直してみましょうか。
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本項は、学士會会報2024ーⅠ号に掲載されました
料理研究家土井善春氏の講演記録の抜粋です。
(論旨展開は上野が組み換えています)








1.料理の重要性
生食は、消化に多大なエネルギーと時間を要していた。
それが火を用いて料理するようになると、
消化の負担を大幅に削減した。
その余ったエネルギーが大脳の発達に回った。
(ハーバード大学リチャード・ランガム博士
 「火の賜物-ヒト料理で進化した」)

余裕時間も生まれ余暇も生まれた。
(上野意見:余暇の前に信仰が生まれたのではないでしょうか)

2.料理の基本
料理には、一次加工(食べられるようにすること)
と二次加工(味付け)がある。
一次加工では食材の選択が重要である。
味付けについては個性がある。
料理を作る人の感性と食べる人の好みである。

昔の家庭料理には味付けがなかった。
卓上に置かれた醬油や塩で各自が味をつけて食べた。

3.和食の優秀性
和食が2013年にユネスコの無形文化遺産になったのは
「日本の家庭料理が評価された」のです。
評価ポイントは、次の点でした。
「年中行事との密接な関り」
「自然の美しさや季節の移ろいの表現」(後掲)
「健康的な食生活」

4.和食の特徴
1)食材を尊重する。
すべてのものに神が宿っているという「八百万信仰」から
食材にも神が宿っていますので、
それに触れるには手を洗い清めました。
結果的に衛生が徹底し、安心して刺身なども食べられるのです。

2)素材の持ち味を生かすために和食は油を使用しない。
油と食材の間に幕ができて、
素材の味や匂いが感じられなくなるからです。

3)食材は混ぜることはなく「和える」
食材は自然の産物です。
この個性をのそのまま感じ取るべきなのです。
したがって、ごちゃごちゃに混ぜることはしないのです。
余計な加工を避けます。

4)和食にはレシピはない。
食材と調理法があるだけで料理の名前さえありません。
その土地の旬の食材は決まっています。
人間が献立を決めなくても、自然の摂理によって
その場に相応しい食材と調理法が決まっていたのです。

5.「自然の美しさや季節の移ろいの表現」
日本人は昔から自然と共存してきました。
料理をしようとしたらその季節の食材を選びます。
その食材は、初物、盛り物、食べ納めと移り変わります。
それぞれの味わいは異なり、それで季節の変化も感じ取ります。

6.ハレとケの区別
和食には、ハレとケの区別があります。
日本料理と家庭料理の違いです。

1)ハレの料理
ハレの料理は、人間が神様のために手をかけて作る料理です。
徹底してアクを抜き、白くして、きれいにします
栄養価などは無視して、色、姿、味をただ清らかなものにするのです。
たとえば、筍は何時間も湯がき、一晩以上水に晒してアクを抜き、
濃い出し汁を含ませる。芯まで出し汁の味に変えます。
これの延長上に料亭の日本料理があります。

2)ケの料理
ケの料理は、日常の家族のための家庭料理です。
素材の持ち味を生かします。
筍であれば、1時間ほど湯がいてさっと出し汁で煮る、
それを味噌などをつけていただきます。

根や皮も捨てずに丸ごといただきます。

家庭料理では、食べる人の健康状態などの状況も考えて作ります。
料亭ではそういうことは基本的にはありません。

3)昔のケの料理
昔の家庭料理は一汁一菜(汁飯香)でした。
漬物は発酵食品なので人間の手で美味しくもまずくもできません。
(上野疑問:このコメントの意義な何か?
美味しい漬物があるではないですか。みその違いや塩加減がある)

この一汁一菜は自然の摂理に適うので、
毎日繰り返しても飽きることなく、
自然と人間が重なり合う心地よい感覚や、
身体が浄化される感覚を得られます。

2024年1月12日金曜日

「洋画3本立」ぜひご覧ください!!!

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 昔のアメリカ映画を思い出していただきます。
 (ご存じの方は少ないかも)
ねらい:
 お笑い番組よりも楽しいのではないでしょうか。
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高校時代、よく映画を観に行きました。
新宿3丁目のビルの4階に「日活名画座」という映画館がありました。
封切後しばらく経ってから、この映画館が上映します。
洋画専門でしたが、ほとんど毎週観に行きました。
料金は、40円か50円でした、

当時はただの郊外駅だった下北沢に下北沢オデオン座という
映画館があり、ここは常時3本立てでした。
たまに観たい映画があると、土曜日の午後ここにも行きました。
こちらの料金は150円でした。

そんなわけで、
毎年の年度ベスト10に入る洋画はほとんど観ているものでした。

最近、倍賞千恵子さんの「私の履歴書」を見て、
「男はつらいよ」シリーズが50回まで続いたと書いていましたので、
その1作目を見てみよう思い立ちました。

探したら,DVDで安く見れることが分かりました。
「男はつらいよ」は、あまり感心しませんでしたし、
倍賞千恵子さんはそのキャラで出演しているだけで、
とても女優とは言えないようなしろものでした。

それでも、DVDが安く入手できることがわかりましたので、
以前からまた観てみたいと思っている映画を観たいと思いました。

それで観た映画が以下の3本立てです。
私が観た順番です。
「第3の男」1949年作品
「駅馬車」 1939年作品
「死の谷」 1949年作品

以下に3本の作品のご紹介をします。
ストーリーのご紹介は少し長いのですが(転載)、そのまま掲載します。
ご覧のように、かなり主役男女の結末が違います。
どのタイプの結末が好きかで性格判断もできそうですね。
 

映画名

第3の男

制昨年

1949年

監督

キャロル:リード

主演男優

ジョゼフ・コットン


主演女優

アリダ・ヴァリ


ストーリー

(Wikipedia)

舞台は第二次世界大戦後、米英仏ソによる四分割統治下にあったオーストリアの首都ウィーン。当時ウィーンの酒場で人々に親しまれたツィターのメロディ(アントン・カラスによるテーマ曲)をBGMに物語の幕が開く。

アメリカの売れない西部劇作家ホリー・マーチンスは、親友ハリー・ライムから仕事を依頼したいと誘われ、意気揚々とウィーンにやって来た。ハリーのアパートを訪ねるホリーだが、管理人はハリーが前日、自動車事故で死亡したと彼に告げる。ハリーの葬儀に出席するホリーは、そこでイギリス軍のキャロウェイ少佐と知り合う。少佐はハリーが街で最悪の密売人だと告げるが、信じられないホリーはハリーへの友情から事件の真相究明を決意する。

事件の関係者を調査すると、ハリーの恋人であった女優のアンナ・シュミットと出会う。ホリーと彼女は2人で事件の目撃者である宿の管理人に話を聞き、現場に未知の“第三の男”がいたことをつきとめる。しかし貴重な証言を残した管理人は何者かに殺害され、ホリーがその容疑者だと疑われて逃走。さらにハリーの知人であるポペスコからも追われ、キャロウェイ少佐に助けを求める。そこで初めてキャロウェイからハリーが粗悪ペニシリンを売り捌いて多数の人々を害した実態の詳細やその証拠の数々を見せられる。

友情・愛情と正義感の間で行き詰まったホリーは酒で気を紛らわせたが帰国を決意。酩酊状態のまま、別れを告げるために寄ったアンナの下宿の近くで、“第三の男”ハリーと邂逅するが、まるで幻かのごとくハリーは消え去ってしまう。ホリーはハリーを目撃したことをキャロウェイに報告。キャロウェイは疑っていたが、念のためにハリーの墓を掘り返すと、別人の遺体だったことが判明し、ハリーの生存を確信する。一方、国籍を偽っていたアンナがパスポート偽造の罪でソ連の憲兵に連行されてしまう。

ハリーのことを信じたいホリーは、彼とプラーター公園の観覧車の上で話し合うが、改めて彼の非情ぶりを悟る。その後、キャロウェイからハリー逮捕の助力を促されたホリーは、親友を売るもやむを得ずと決意し、アンナの保釈を条件に承諾。

ホリーとキャロウェイの計らいで釈放されたアンナはホリーを烈しく罵る。アンナのハリーに対する愛を知ったホリーはキャロウェイへの協力を一時断念するが、病院を視察してハリーの流した害毒を目のあたりにしてハリー狩りに参加することを再度決意し、囮となって彼をカフェに待つ。店の裏口から現れたハリーは警戒を知るや下水道に飛び込み、ここに地下の追撃戦が開始される。

キャロウェイの銃弾で重傷を負ったハリーはその後、銃を手にしたホリーに追いつめられる。銃を向けるホリーに対してハリーが頷く。下水道内に一発の銃声が響き渡る。

その後、場面は、“第三の男”であったハリー本人の埋葬に。葬儀の後、ホリーはアメリカへ帰国する飛行機の出発時刻が迫っているにもかかわらず空港へ送ってくれる少佐の車を降りて、墓地の路傍でアンナを待つ。しかし、彼女は表情をかたくしたまま一瞥もせず彼の前を歩み去って行く。

二人の結末

ホリーは思いを寄せつつあるアンナを墓地の広い道路端で待ちますが、アンナは気が付かない風で通り過ぎていきます。

(この後どうなるかを観客に考えさせています。二人の関係に進展があるかも?)

感想

ジョゼフ・コットンは「カッコイイ」ですね。こんなにいい男だと認識していませんでした。

有名なチターの曲と共に、観るものは独特の世界に引き込まれていきます。最後の下水道の中の逃亡・追跡劇は圧巻です。

 

映画名

駅馬車

制昨年

1939年

監督

ジョン・フォード

主演男優

ジョン・ウェイン


主演女優

クレア・トレヴァー


ストーリー

(Wikipedia)

ジェロニモがアパッチ族を率いて居住地を出たという情報が飛び交っていた頃、アリゾナ準州トントからニューメキシコ準州ローズバーグに向かう駅馬車が出発した。乗客は町から追放されたダラス(クレア・トレヴァー)、アルコール中毒の飲んだくれ医者ブーン(トーマス・ミッチェル)、はるばるバージニアから来て夫のマロリー騎兵隊大尉に会いにいく貴婦人ルーシー(ルイーズ・プラット(英語版))、小心者の酒商人ピーコック(ドナルド・ミーク(英語版))であった。出発の際に南部出身の賭博師ハットフィールド(ジョン・キャラダイン)が「マロリー夫人の護衛」として乗り込んだ。御者(運転手)のバック(アンディ・ディバイン(英語版))とカーリー・ウィルコックス保安官(ジョージ・バンクロフト(英語版))が加わり、駅馬車は出発する。

さらに出発してすぐにトントの町はずれで銀行家ヘンリー・ゲートウッド(バートン・チャーチル(英語版))が駅馬車に乗り込んできた。彼は5万ドルを横領し、ローズバーグへ逃げて雲隠れするつもりであった。合計8名の駅馬車が砂漠にかかる時、突然銃声がして馬車が止まった。ライフルを軽々とクルリと回して現われたのは脱獄囚のリンゴ・キッド(ジョン・ウェイン)であった。保安官カーリーと御者バックはリンゴ・キッドとは旧知の間柄であった。リンゴが脱獄で500ドルの懸賞金がかけられていることも知っていたが、彼が父と兄弟を殺したプラマー兄弟に敵討ちをするためにローズバーグへ行くことも予知していた。そしてカーリーはリンゴがローズバーグに行くことを予想してこの駅馬車に乗ったのだった。「リンゴがプラマー兄弟と決闘しても殺される」に決まっていると考え、ライフルを取り上げてリンゴを逮捕した。リンゴの父とは同じ牧童仲間で父親代わりであったカーリーにとって、逮捕することがリンゴを安全にする方法であった。また皮肉なことに同乗した飲んだくれ医師ブーンは、かつてリンゴの殺された弟を治療したことがあった。

駅馬車は最初のステーションであるアパッチウェルズに到着する。ここでトントから随行してきた護衛の騎兵隊との交代の部隊がいなかった。ジェロニモがアパッチ族を率いて居住地を出た情報がある中、護衛なしで前進してローズバーグを目指すか、引き返すかの投票が行われ、ローズバーグに向かうことに決定する。

道中の馬車の中で、賭博師ハットフィールドはさかんにルーシーのために気を使い、ルーシーに銀のカップを差し出す。ルーシーはそのカップを見て「これはグリーンフィールド家の紋章では?」[注釈 2] と問う。ハットフィールドはどこかで賭けて儲けたものと云う。ダラスに対しては皆の目は冷たく、無視されている。そのことでリンゴが怒ったりしていた。また酒商人ピーコックが販売拡大の営業のため持ってきたサンプルの酒が、飲んだくれ医師に飲まれてしまう。

次のステーションであるニューメキシコのドライフォークに到着するが、ここでメキシコ人のクリスから「マロリー大尉が負傷してローズバーグに運ばれた」と伝えられてルーシーは倒れる。ルーシーは妊娠していてショックで産気づいてしまう。メキシコ人の牧童たちがジェロニモの襲撃を恐れて夜のうちに逃げ出し、クリスの妻も姿をかくしてしまう。飲んだくれ医師ブーンがコーヒーを浴びるように飲んで正気に戻り、ダラスの助けもあって無事にルーシーは女児を出産する。リンゴは道中親しくなったダラスにプロポーズし、一緒にメキシコに住もうと誘うがダラスは答えなかった。そしてダラスに励まされ、リンゴは敵討ちを諦めメキシコに逃げようとして、アパッチの狼煙を発見する。狼煙は襲撃の合図であった。リンゴはメキシコ行きを諦める。そして駅馬車はドライフォークから川の渡し場に行き、川を渡ってローズバーグを目指そうとした。

だがすでに渡し舟を含め川の渡し場全体が焼討ちにあっていた。そこで駅馬車に筏をつけてそのまま浮かして川を渡りきり、難関を突破した。渡っている間にアパッチの襲撃はなく、一同は安堵するが、渡し場でアパッチの光信号のようなきらめきを見たハットフィールドは警戒を続けていた。危機が去ったとして終着駅がもうすぐだとしてブーンが祝杯を挙げようとしたその瞬間、突然弓矢が飛び込みピーコックの胸に突き刺さった。ついに総攻撃をかけてきたアパッチ族に、駅馬車の男たちは必死に応戦する。バックは腕を打たれ、リンゴが先頭馬まで飛び移り手綱を引いた。やがて弾薬が底をつき、観念したハットフィールドは辱めを受けさせまいと最後の一発をルーシーに向けた時、アパッチの流れ弾に撃たれて命を落とす。その直後にラッパの音が聞こえ騎兵隊が到着し、危機一髪で駅馬車は難を逃れた。結局一人の犠牲者と二人の負傷者と共にローズバーグに到着する。

ローズバーグに着いてから、リンゴはカーリーに「10分だけくれ、絶対に戻るから」と云う。カーリーはライフルを渡して「弾は無いぞ」と云う。しかし実はリンゴは3発だけ隠し持っていた。ダラスにも「きっと戻ってくる」と言い残してプラマー兄弟のいる酒場に一人向かった。酒場ではルーク・プラマーがポーカーをしていて、リンゴ・キッドがやって来たと知らされて、その場に捨てたポーカーのカードはAと8の黒のツー・ペア[注釈 3] であった。ルークを筆頭とするプラマー三兄弟はリンゴと酒場の前でにらみ合う。一瞬の銃撃戦の末、酒場に再びルーク・プラマーが戻ってきた。ルークはカウンターに近付いた瞬間に床に倒れた。 リンゴは無傷でダラスの元に戻ってきた。カーリーとブーンが馬車を用意していて、リンゴはカーリーにダラスを牧場まで送るように頼む。カーリーはダラスもリンゴも馬車に乗せて送っていくことにすると言う。そういった後にブーンと馬車から降りる。カーリーとブーンは馬に石を投げ、彼ら(リンゴとダラス)を逃がすのだった。カーリーはブーンに「一杯おごるよ」と誘い、ブーンは「一杯だけな」と答え、ダラスとリンゴの二人が乗った馬車は荒野へ去って行った。

二人の結末

二人は、保安官の好意によって提供された馬車で新天地に去っていきます。

(完全なハッピーエンドです)

感想

戦前の作品ですが、典型的なアメリカ映画です。ジョン・ウェインは、はまり役です。

  

映画名

死の谷

制昨年

1949年

監督

ラオール・ウォルシュ

主演男優

ジョエル・マクリー


主演女優

ドロシー・マローン


ストーリー

(Wikipedia)

流れ者のウェスは脱獄し、最後の大きなヤマである列車強盗に希望をかけていた。  

(コメントの補強を募集中でしを)

(キネマ旬報web)上野手入れ

1870年代、中西部のコロラド。ともに裏街道を生きる牢破りのお尋ね者ウェス・マックイーンとたいへんな苦労をして生きてきた女ジュリー・アン・ウィンスローが不幸な絆ゆえに結ばれた。2人は誰ひとり祝福してくれる者もない荒野の荒れ果てた教会での結婚式に束の間の幸せを感じ、絶望の中にも一筋の希望を見出す。しかし、数十人の保安官団に追い詰められ、万策尽きて寄り添いながらシェリフの銃弾に倒れるのだった。

二人の結末

手を繋ぎあって息絶えるシーンが最後である。その後、荒れ果てた教会の澄んだ鐘の音が響き渡る。ジュリーが盗難金から少しをご喜捨箱に入れた資金でその教会の修道士が鐘を入手したのである。本来なら2人を祝うはずの鐘の音であった。

ウェスは地上では生きようのない脱獄強盗囚ですから、2人は天国で結ばれたのです。

別な形のハッピーエンドです。

感想

ドロシー。マローンは不遇な女性を見事に演じていました。

アメリカ映画なので、ハッピーエンドになるのだろうと期待して観ていましたが、さすがに強盗を認める結末は作りようがなかったのでしょう。

 

 

 

 

 




2024年1月10日水曜日

「Mー1はじめました」

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 「M-1グランプリ」イベントの実現プロセスを確認いただきます。
 一般のビジネスプロジェクトで何が学べるのかを確認いただきます。
ねらい: 
 いろいろご研究ください。
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本テーマは、谷良一氏著「M・1はじめました。」のご紹介です。
なぜこの本を選んだかというと
以下の日経新聞に掲載された入山章栄氏の書評でした。

今年は12月24日に開催・放送される漫才の祭典M-1グランプリ。
島田紳助氏と共に企画をゼロから作った生みの親の、
M-1立ち上げ物語。
人気番組の裏話を超えて
一つのビジネスプロジェクト物語として面白い。

今となっては国民的イベントだが、
きっかけは吉本興業1社員が受けた常務の命、
「低迷している漫才を盛り上げる」というミッションだ。
そこからは苦難の連続で、
難航する企業の新規事業プロジェクトそのものだ。

仲間探しに始まり、現場に通って漫才界の課題の洗い出し、
知名度の向上、スポンサー探し、テレビ局探し・・・
周囲の風当たりも強い。
協力者や、意見対立者、当初は反対していたのに
今では「M-1は俺が作った」と吹聴する元テレビ局制作部長などを、
個人が特定できる形で書いているのも生々しい。

本書を読むと、いつの時代も新事業を生み出すのは
「漫才をまた盛り上げたい」というような人の情熱である
ことを痛感する。
最後の数ページには思いがけないサプライズが待っている。
映画のようなこのM-1事業の物語、
放送前後に一読されてはどうだろうか。
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私は、漫才やM-1グランプリに
それほどの興味・関心を持っていないのですが、
「一つのビジネスプロジェクト物語として面白い」
の言葉に引かれて、この本を読んだのです。

そして、どういうプロジェクトであったのかを
以下のようにまとめてみました。

実現までの課題

決定すべき事項

その状況

イベント内容

ü  イベント名:M-1グランプリ(いくつか変遷はあった)

*出場者条件:年齢・性別・国籍・事務所・プロアマ不問。コンビ結成10年以内。

*漫才の条件:ふたり同時に出てきて、同時に帰る。持ち道具以外は認めない。

ü  選抜方法:1回戦、2回戦、3回戦,準決勝(35組)、決勝(10組)、最終決戦(2組)を行う。

ü  審査方法:1・2回は持ち時間3分、審査員3人が点数を付けて集計する、3分の1くらいを残す。3回戦・準決勝は持ち時間5分。

ü  決勝の審査方法は、大阪・札幌・福岡に100人ずつの一般審査員の得点と特別審査員7人の得点合計で競う(一般審査員一人は1点(〇か✖か)で満点は300点、特別審査委員一人は100点満点。満点は700点、合計1000点)。

ü  最終決戦方法:審査員7人がどちらかを選ぶ。

スポンサー獲得

ü  1,000万円の賞金+放映料で数千万円必要。

ü  オートバックスに決まるまで3社と折衝。3社のうちの1社は協賛となった。

放送局獲得

ü  全国放映可能な放送局の好時間帯獲得。

ü  フジ、日テレ、テレビ東京,TBS、テレビ朝日に断られた。その後、大阪の朝日放送が持っている全国放送の特番枠を獲得。

審査員確保

ü  決勝では、漫才通で知名度もある人を数人以上集める。

ü  予選は、放送作家、演芸作家、朝日放送系の社員の3人。

ü  決勝の審査員は、必死で勧誘して、島田紳助、松本仁志、西川きよし、ラサール石井、春風亭小朝、青島幸男、鴻上尚史の7人が決定。

出場者確保

ü  1,000万円に惹かれる参加者があるだろうが放っておくわけにはいかない。

ü  まともなチラシが間に合わない中で8月10日に記者発表。目ぼしい事務所・タレントに勧誘して回った。

ü  1回戦は、大阪、東京、札幌、仙台、浜松、名古屋、福岡で開催。

ü  最終的には1,350組が参加。2回戦進出は317組。

 実現方策

項目

その状況

検討体制

ü  はじめは1人でスタート。

ü  その後、2年下の橋本氏が参画。大木嬢も非専任で検討に参加。元国会議員秘書の友軍松本氏も支援に参加。

ü  M-1実施が決まってからバイトの女性1人確保。事務サービス会社の社長も自ら参画。

検討資金

ü  まともな予算なく、他の予算から流用した。

検討日程

ü  2001年4月検討開始からイベント開催予定の年末まで8か月しかない。

ü  4月に島田紳助さんと会い,1,000万円のコンテスト案決定。

ü  7月に記者発表して8月には予選スタートしている。

 

以上を整理して驚異的なのは、これほどの新規イベントを
9か月で実現したことです。
今や「早いこと」が一番のビジネス価値ですが、
それにしてもこれだけのプロジェクトをこの短期間で実現することは、
通常の「ビジネスプロジェクト」では考えられません。

短期間でできた理由の一つは、
大目的(漫才界の復興)だけがハッキリしていて動き出し、
内容は次第に固めていったことです。
スタート時点ではイベントの内容はまったくゼロだったのです。
ここから学べることは、いかに目的が重要かということです。

その成功要因は、間違いなく、
谷氏のこの世界についての豊富な経験知見と卓越した行動力です。

しかしながら、この案件の成功要因を挙げるなら、
第1に、谷氏に漫才の復興プロジェクトを指示した経営トップ
木村政雄常務です。
氏の指示がなければ,M-1はまったく実現していません。
成功した後で氏の功績が評価されなかったのは
いかがなものかと思います。
本件は、
トップの方向性指示は極めて重要であるという事例なのです。

2番目の成功要因は、島田紳助さんの1千万円賞金案です。
このアイデアもなければM-1は成功しなかったでしょう。
島田紳助さんは功労者として認められていますからいいでしょう。

「M-1は私と谷と二人で作った宝物です」という紳助さんの
コメントが、この本の帯に書かれています。
そのとおりなのですが、「二人で作った」と言われると
紳助さんも汗水たらしたと思われますがそうではありません。
1千万円アイデアが価値があるのです。

それから3番目に谷氏の素晴らしい行動がくるのです。
実際に実現に苦労した人が脚光を浴びるのですが、
成功の全体像を見るべきだと思います。

それで思い出すことがあります。
ある企業で全社のシステム再構築を行いました。
当社が半年かけてその企画プロジェクトを指導させていただきました。
開発は、富士通殿主体になり私どもは手を引きました。
その開発プロジェクトは成功して利用者の評価も満足すべきものでした。

そうしましたら、社長名の感謝状が富士通社に贈られました。
そこで、なぜ当社にも感謝状がいただけないのかと申しあげましたら、
「申し訳ありませんでした」と言って感謝状をいただきました。
はじめのことは記憶が薄れてしまっているのです。

脱線しましたが、冒頭に挙げました入山氏のコメント
「難航する企業の新規事業プロジェクトそのものだ」
に関連しての気づきを整理します。

1)何か新しいことをする場合には、
 その対象に対する思い入れ・情熱がないとダメである。
 新しいことには多くの障害が発生します。
 それを乗り越えるのは魂です。
 思いがない者は適当にお茶を濁してごまかすことになります。
 これではいい仕事ができるわけがありません。
 
 本件の谷氏は漫才に対する非常に強い思い入れがありました。
 その思いが奇跡を生んだのです。
 1年弱で0からこの大イベントを成功させたのは奇跡です。

2)トップが「やる」と約束しても下の反抗で撤回する場合がある。
 本書では、テレビ朝日の常務のM-1の放送を行う件での
 前向き発言がダメだった事例が紹介されています。
 社長は信念と熱意をもって下に指示をしなければならないのに
 「検討をしてくれ」というのでは、下は面倒なことには反対します。
 これはトップのリーダシップの問題で、私も何回か経験しています。

3)下の人間は、自らリスクを負う判断はしない(拒否する)が、
 上がやるとなると手のひらを反すように態度を変える。
 本書では、スポンサーになったオートバックスの宣伝担当の
 そのような例が紹介されています。

締めくくりますと、この成功プロジェクトの教訓は以下のとおりです。
1.新規案件の実現には経営トップの意向が肝要である。
2.新規案件の実現では、実現の目的が重要である。
  (目的だけで動き出すことができる)
3.実現のアイデアが重要である。
  (アイデアがなければ陳腐なモノしかできない)
4.実現の意欲を持った知見と強い行動力が必要である。

これは、54社の成功事例を分析した拙著「DX成功ガイド」で
明らかにしたDXの成功要因そのものです。

2024年1月8日月曜日

「変な絵」って何?

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 「変な絵」とは何かを知っていただきます。
 たまにはミステリーも頭の柔軟体操にいいかもしれません。
ねらい:
 皆様も「変な絵」にチャレンジしてみてくださいませんか。
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本項は、正体不明の雨穴(うけつ)氏著「変な絵」のご紹介です。
この本は実はミステリーなのですが、ミステリーとは知らずに
入手してしまったものです。
その理由は、昨年12月に発表されました年間ベストセラーに
以下のように載っていたからです。



















けっこう話題になった本を読んでいるつもりだったのですが、
この中の1冊も読んでいません。
それで1冊くらいは読んでみようと選定しました。
内容が想定できるものは外すと「変な家」と「変な絵」が残りました。
孫娘が絵が好きなので、絵の変わった解説書なのかもしれない、
何か役に立つのかな、と思って買ったのです。

そうしたら、なんとミステリーだったという次第です。
読んでみました。読みだすと引きこまれてしまいます。
ミステリーを読まない私としては他との比較はできませんが、
素晴らしい内容でした。

ターゲットだった中学1年の孫娘は、
我が家の新年会ナンバー2の時にチラと見せたら、
正月料理を食べながら2時間くらいで読んでしまいました。
孫娘の関心を得るという目的は達成できたのです。

この本のストーリーは、以下のようないくつかの絵が、
3件の殺人事件、1件の準殺人事件、1件の自殺事件の謎ときに
繋がるのです。
私流に言いますと、その展開に少し無理もあるのですが、
ミステリーですから「みず」に流しましょう!!

ここでは、そのストーリーはご紹介しませんので
ご関心ある方はぜひ本書をお読みください。













主人公の子どもの頃に描いた絵、ヒント:
家に戸がない、女の子の口が歪んでいる。小鳥を大事にしている。
枝が尖っている。

























主人公の子・幼稚園児が描いたテーマ「お母さん」の絵、ヒント:
左の長方形はマンションではなく、初めは何を書くつもりだったのか?











主人公の嫁・妊娠した女性が描いたこの絵が何を意味するのか?


















上の絵の①②③を組み合わせるとこうなるが、それが何を意味するのか??

他にも謎解きの絵が登場します。
是非、この本にチャレンジしてみてください。