2016年12月26日月曜日

上野則男のメルマガ100号の分析

【このテーマの目的・ねらい】
目的 
 上野則男のメルマガ100号の分析をご提示します。
 ぜひお読みいただきたいと思う10選をお届けします。
 あらためて、上野見解での戦後日本の総括試案をもご提示します。

ねらい:
 何かを得ていただければたいへん嬉しいです。

――――――――――――――――――――――――――――――
1.歴史

「上野則男のメルマガ」は2008年10月から始まりました。
毎月発行しましたので、8年強で100号ということになります。
2010年5月からGoogleを使ったブログにしまして、
ブログの1か月分をまとめてメルマガとしてご提供する
ようになりました。

2.月別のブログ件数

初めの頃のテーマは2~3件でしたが、
次第に増えて累計666件となり、平均では6.6件です。

最高の時は2011年7月で20テーマでした。
このときは、2011年3月の大震災後に「これからの日本をどうする!」
という問題提起が非常に多く発表されましたので、
私見を交えテーマごとに整理をしたものが11ありました。

それ以外の通常テーマが9件ということです。
月別件数のグラフを示します。



3.アクセスベスト10

アクセス数は1位が飛びぬけています。
「1億稼ぐデイトレーダー」「ウルフ村田」とか
マスコミ界に騒がれた村田美夏さんのおもてのビジネスを
ご紹介した記事です。

私のメルマガ・ブログの配信先からのアクセスではなく
彼女の名前で検索されたものでしょう。
マスメディアの世界は凄いですね。
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(2016/12/12現在 ページビュー)

405,091
東大卒にもこんな素晴らしい女性がいます! 2014/2/23)

http://uenorio.blogspot.jp/2014/02/blog-post_9202.html

13,806
怖ろしい!ケネディ暗殺の真相に迫る! (2014/3/31)

http://uenorio.blogspot.jp/2014/03/blog-post_9613.html

2,798
これはタメになる「できる大人のモノの言い方大全」 (2014/2/5)
http://uenorio.blogspot.jp/2014/02/blog-post_9045.html


2,428
南海トラフ大地震はいつ来るのか?? (2014/11/24)

http://uenorio.blogspot.jp/2014/11/blog-post_24.html

1,551
福島原発の状況、これが本当! (2011/3/22)

http://uenorio.blogspot.com/2011/03/blog-post_7161.html

1,404
私の趣味「銀杏採り」のご紹介 (2011/10/31)

http://uenorio.blogspot.com/2011/10/blog-post_6221.html

965
インドはなぜオリンピックが弱いのか (2012/9/30)

http://uenorio.blogspot.jp/2012/09/blog-post_4648.html

886
「低放射線量は有益である」という証明 (2011/5/14)

http://uenorio.blogspot.com/2011/05/blog-post_14.html

866
日本人と中国人・アングロサクソン民族の違い (2012/5/26)
http://uenorio.blogspot.jp/2012/05/blog-post_26.html


793
「1日1食」中止のご報告 (2013/5/19)

http://uenorio.blogspot.jp/2013/05/11.html

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私がご紹介した「これが真実だ!」ものは、以下の3点です。
 1.ケネディ暗殺の真実
 2.福島原発事故の真因
 3.低放射線量は有益である

それぞれランクインしています。
1番、3番は他の方の主張の紹介ですが、2番は独自推定です。

「できる大人のモノの言い方」は軽くご紹介したものですが、
なぜこんなに上位なのか不思議です。

「日本人と中国人・アングロサクソン民族の違い」は、
日立製作所役員OBの久野勝邦さんの講演のご紹介が中心です。
内容は凄い見識なのですが
類似テーマはいくつか掲載している中で
なぜこれが人気かは不明です。

地震は皆さん恐れているのですね。

1日1食は珍しい話題だったのでしょうか。
銀杏やインドがなぜ上位なのかは不明です。


4.材料のソース分析

100号の半分の50号分について
ソースを調べた結果はこうなっていました。



書籍・論文、時事テーマ、その他がそれぞれ30%くらいです。
その他は、季節の風物を含め何か気が付いたことです。
当社ネタは遠慮して23件しかありません。


5.テーマ領域分析

表のように10分類しました。














(ちょうどゾロ目です)

「政治」は、政治に関わっている人のこと、
中国・韓国との関係を含んでいます。

「経済」は、私が経済学部卒なのに案外少ないのです。
経済の問題は分かりにくいですからね。

「社会・社会科学」は社会に関することまたは
社会科学的知見です。

「文化・人文科学」は文化的な内容に関することまたは
人文科学的知見です。
歴史テーマはここに入れています。

「技術・自然科学」はそのままですが、
自然科学として必ずしも証明されていないものも含みます。
原発事故の原因、気の有効性などです。

私の本業は方法論屋なので,How Toモノは案外あります。
当社のビジネスやプライベートなことは遠慮気味です。


6.テーマ領域別推奨ブログの解説

10領域から一つずつお勧めブログを選定しました。

1.政治

ケネディ暗殺の真相 要約
http://uenorio.blogspot.jp/2014/04/blog-post_247.html
  • 落合信彦氏が命がけで情報収集した
    恐るべき米国の裏側暴露のご紹介です。

2.経済

物価2%アップは日銀の責任か!再論
http://uenorio.blogspot.jp/2013/04/blog-post_4109.html
  • なぜ金融が物価を誘導できるのか、
    こんな中学生レベルの問題提起をしたのですが、
    経済学者・実務家が延々と議論しているのです。そのご紹介です。
3.社会・社会科学



日本の社会制度は崩壊の危機です!!
http://uenorio.blogspot.jp/2014/02/blog-post_598.html


  以下のような内容です。
  • 非正規労働者が増えるのは個人も企業にもよくない。
    それなのに増えるのは正規労働者の解雇不能制度が原因である。
  • 世界では、労働流動性が経済発展の基本条件になっている。
  • 定年延長もよくない、
    早めに第2・第3の中高年齢者向きのキャリアに踏み出した方がよい。


4.文化・人文科学

こんなむごい!!非人道の原爆投下!
http://uenorio.blogspot.jp/2015/07/blog-post.html
  • 原爆投下直後に、住んでいた瀬戸内海の島から甥姪を探して
    広島市内を歩き回った著者の体験記です。
  • 島では、投下直前に広島へ行って命を落とした両親の帰りを
    岸壁で毎日待つ3歳の女の子がいました。
  • その叔父が見かねて広島に探しに連れていきました。
  • 2日だけだったのですが女の子は原爆症になり、
    最後まで「お父さん、お母さん、どうして帰ってこないの!」
    と言いながら亡くなりました。
  • こんな事例が多数紹介されています。

5.技術・自然科学

福島原発事故の原因―上野見解
http://uenorio.blogspot.jp/2012/07/blog-post_31.html
  • 福島原発事故は、原子炉の冷却ができずに起きたものです。
  • なぜ冷却ができなかったかは、
    冷却水を送るためのエンジンが防水されない建屋の中にあって
    動かなくなったからです。
  • 福島第2原発では、
    冷却用エンジンは、防水完全な原子炉建屋の中に据えられました。
  • その時点で、関係者は第1原発の不備に気づいたはずです。
  • しかし責任者が「いいからほっておけ」と無責任対応をしたのでしょう
    (これは上野推論です)。
  • たったそれだけのことがあんな大惨事を引き起こしたのです!!
6.IT・システム



公共事業問題とソフト保守問題は同じだ!!
http://uenorio.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html
  • 社会資本投資である公共事業は新設が減り、
    維持管理費と更新費が大きくなっている。
  • 維持管理は「票にならない」と政治家が熱心でない。
    維持管理の専門技術者も少ない。
  • ソフトの保守費用も新設・更新の費用を上回っている。
  • しかし、経営者はその必要性を認識せずに、人材・予算を投入しない。
  • その行動原理を改めるべき時期に来ている、のです!!

7.ビジネス

どうすれば世界一低い労働生産性を高められるか!
http://uenorio.blogspot.jp/2015/11/blog-post_40.html
  • そんなわけないのに、と思うでしょうが、
    データではそうなっているのです。
  • その原因は、働いても働かなくても給料が同じ、
    同じ働きをしているのに(正規・非正規で)給与が違う、
    という日本の給与体系です。
  • そこでどうすれば、成果を正当に評価した給与体系ができるかを
    政府の「働き方改革」に先駆けて設計してみました。
  • この方式は実現できるはずです。

8.HowTo・人生訓

幼少のころから目的思考の訓練をしましょう!!
http://uenorio.blogspot.jp/2013/12/blog-post_25.html
  • 日本人は育ってきた歴史背景から目的を考えない思考をしている
    というのが私の仮説です。
  • 過去の延長でものごとを考えられる時はそれで良かったのですが、
    変革の時代には目的を考えなければ新しいことはできません。
  • いつから教育すればよいかとなれば
    「三つ子の魂百まで」ですから幼稚園だ、
    こういう訓練をすればよいという主張です。
9.当社のビジネス



エンハンス業務の革命を起こしましょう!!
http://uenorio.blogspot.jp/2016/12/blog-post_94.html
  • エンハンス(保守)業務の革新につきましては、
    試行錯誤をしてきましたが、そろそろ対策の本命登場の時期です。
  • 賛同される方はお誘いします。
10.プライベート・その他



「赤血球の連銭の生成要因」の共同研究者を募集しています。
http://uenorio.blogspot.com/2011/11/blog-post_2328.html
  • 上野は30年前から赤血球の「連銭」という状況が脳内で発生することが、
    ABO血液型による思考特性の差を生んでいるという仮説を立てています。
  • 論理的にはほぼ証明できているのですが、
    実際に生化学的・医学的に証明する実験を行いたいのです。

7.日本の分析の総括―
  日本が停滞しないための課題は何か

私が、今の日本をどう見ているかを連関図で整理してみました。

画像をクリックすると拡大します。
PDFファイルでもご覧いただけます → PDFファイルへ




今の日本のすべては、
数百年の歴史ある伝統と敗戦の結果からできています。


農耕文化と他国との孤立によって、純粋培養的な思考法ができました。
それが伝統的連続思考です。
過去の延長に現在・未来があるのです。
この思考法は変化の激しい現代にはまったく合いません。


他方、敗戦によって日本人の骨抜きを狙った占領軍政策によって
考えない知識偏重の教育、
責任を伴わない個人主義が蔓延してしまいました。

この大きな二つの流れの相乗作用によって
現在の社会的不具合が発生し、
結果として、右端にある
  •  経済が停滞する
  •  社会の活力が失われる
  •  少子化が進む
  •  生活レベルが低下する
  •  悲惨な事件・慨嘆すべき事件が頻発する
という状況になっています。

この右端の5事項は相互に因となり果となっています。

では何が解決すべき課題かというと、
2重枠になっている以下の4つの問題の解決だと思います。
  •  経済・社会の制度変革が遅れる
  •  雇用の流動性が低い
  •  核家族化が進んでいる
  •  考える能力が低下している
この4つ以外に、
敗戦の結果の負の遺産として北方領土問題があり、
中国からの脅威があります。

以下、この4課題について若干の説明をします。

1.経済・社会の制度変革が遅れる

健康保険・年金などの社会保障制度の改革、
消費税の増税、農業の改革などがなかなかできません。
酒税の改革だって数年かかると言うのですよ!


ここは安倍総理の実行力で押し通していただく領域です。
本来は独裁者が必要ですね。

2.雇用の流動性が低い

先進格国の雇用の流動性と国家経済の成長率は正比例関係なのです。
そりゃそうでしょう。
新しい価値ある領域に労働が移動した方が
所得が高くなります。

そのためには、北欧諸国のように、
転職者の再教育の強化等の国の後押しが必要です。

3.核家族化が進んでいる

核家族の逆は、親子3代以上の同居です。

もともと人類は、何万年・何十万年の歴史の中で、
女性が閉経して子どもを産まなくなり、
その代りに孫を育てるという設計になっているのです。

当然そういう家族の世代構成によって、
人間の知恵が引き継がれていきます。

3世代同居の補助制度を強化すべきだと思います。

4.考える能力が低下している

自分で考えないということは、
どう見てもあらゆる進歩の阻害要因です。

私の30年来の主張は、
「それは何のためなのか」と常に考えなさいということです。

今回のトップ10の中では
「幼少のころから目的思考の訓練をしましょう!!」
http://uenorio.blogspot.jp/2013/12/blog-post_25.html
で詳述しています。

逆にアメリカは世界で最も目的思考の強い国で、
「目的のためには手段を選ばない」というところまで行きます。
その例が原爆投下であり、ケネディ暗殺事件です。
これらは、国際的な価値基準からすると完全に行きすぎです。

いかがでしょうか。
要約しすぎのようですが、
あらためて連関図をご覧いただければ幸甚でございます。

2016年12月22日木曜日

エンハンス業務の革命を起こしましょう!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ソフトウェア・エンハンス業務の革命を起こす活動が
  始まっていることを知っていただきます。

ねらい:
 何年間か成果を見守ってください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
システム企画研修株式会社は10年前から
ソフトウェア・エンハンス業務(保守業務とも言います)
の改革・革新の旗振りをしています。

当社はコンサル業ですから、
「お手伝いしますよ。
この業務は手つかずで放置されていますから改善の宝の山です。
現状業務は半分に圧縮できます」
と言ってきました。

「よーし、やってください」というお客様が現れないものですから、
研究会をしたり、改善リーダの養成研修をしたり、してきました。

「リーダは多忙でとても改善などに手が回らない、
そのためどんどん多忙という悪循環である」
ということが分かって、
「個人個人が自分で自分の業務を改善して楽になりなさい」
という研修も始めています。

これはそれなりに成果が上がっているのですが、
日本中に浸透するには
気が遠くなるほどの時間がかかってしまいます。

そこで乾坤一擲、新しい推進法を編み出しました。

それはこういうことです。


1.改善ではなく、発明的な新手法を導入する。

2.適用対象業務は、当面以下の4つ。
  1)見積り
  2)変更仕様書作成
  3)影響調査
  4)テスト計画

3.数社でクローズなアライアンスを組んで、
  共同で新手法を開発し使用する。

  (このアライアンスの募集は公開していません。
  成果を信じていただく方にご参加いただいています。
  この12月にアライアンスとしての活動を開始しました)

4.新手法のうち二つは発明済み、二つは発明のアイデア段階
  発明済みは 2.の1)と2)、アイデア段階は3)と4)

5.当面はエンハンス業務の総工数の2割削減、
  最終的には5割削減、を実現する。
  (非常に大きな改善金額になります。
   1社で年間億円単位以上です)

6.業務品質も向上するので、
  エンハンス業務の圧倒的競争優位状態を実現できる。

7.担当要員も沈滞から脱却し、大きく活性化する。


このアライアンスで開発した手法が、
広く日本中に普及するようになれば、
日本の情報サービス業の競争力が強化されるとともに、
情報システムを利用する各産業の競争力が強化されます。

利用者が要求するシステムが、
迅速に的確にできるようになるのですから!!


なぜ今までできなかったのだろう?と疑問を持たれるでしょう?
それは、
真剣に業務の革新・発明を考える人がいなかったからなのです。
必要は発明の母です。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。







「『偶然』と『運』の科学」 なるほどそうですか!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
   あらためて偶然と運とは何であるか考えていただきます。
 偶然とか運の事例を知っていただきます。
 こういうことを研究している人たちがいることを知っていただきます。
 私の偶然・運の事例を知っていただきます。

ねらい:
 偶然を自分の運に引き寄せる努力をしてみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これは、世の中で起きることには、
偶然とか運とかがある、ということを実証している
非常に興味深い図書です。




















訳者あとがきではこう書かれています。
本書は、
イギリスの一般向け科学雑誌「ニューサイエンティスト」
に掲載された(1990年から2015年まで)、
偶然や不確実さやランダムにまつわる27篇の解説記事を
まとめたものである。

以下に概要をお伝えします。

第1章 ここにいることの幸運

灼熱の地球からどうやって生物が生まれ人類に至ったか、です。


進化では説明できない最大の謎は、
無機物からどうして複合有機物が生まれたかです。


1953年に
メタンとアンモニアと水蒸気と水素の混合気体を入れた試験管で
放電を起こすことによって
アミノ酸(単純は有機物)が生成される実験に成功したシカゴ大学の
学者がいました。
アミノ酸生成はあまり難しくない偶然のようです。


アミノ酸から
たんぱく質のような複雑な高分子化合物を生成するのは、
何らかの偶然であろうということのようです。
(詳細は私には理解不能です)


第2章 偶然VS脳

ジャンケンや賭けなどは、偶然か運か、コントロールできるのか、
の章です。
ここでの特筆事項は、これです。

ジャンケンは出す人の癖(ランダムではない)があるので
それを見破ると勝てる。
多くの場合は、最初にグーを出す。

1998年に日本の数学者芳沢光雄氏が
725人のジャンケンの手を調べたら、
 グーが35%
 パーは33%
 チョキは31%
だった。


僅かな差ですが、無意識の時に出しやすい順番のようです。
赤ちゃんは指を握っています。
チョキは最も高度な指の動きが必要ですね。

ルーレットも機械の特性があって
あらゆる数字が同じ確率で出るのではないようです。
その状況をPCに入れて大儲けをした人がいるそうです。

科学的発明が偶然に左右されているかどうかについても
興味深い報告があります。

ペチュニアの色をもっと紫にしようとして
色素遺伝子を追加したら白くなり、
このことによって遺伝子の発現を抑制するRNA干渉
という事実の発見になった。

塩素化した糖化合物が殺虫剤になるかどうか
テストしろと上司に言われた化学者がテイストした結果、
甘味料の発見につながった。

心臓病の治療薬として研究されていたバイアグラが
別の機能が発見されヒット商品になった。

フレミングによるペニシリンの発見は偶然だった。
この場合、フレミングは細菌を殺す化合物を探していたのだが、
意図しない方法で偶然発見できたのである。

こういう場合を「見せかけの偶然の発見」と呼ぶらしい。
「間違った船に乗って正しい目的地に着いた」
ようなものだそうです。
そういうことは他でもあるようです。

偶然の発見がどの程度あるかの調査が
行われたことはありましたが、
論文で偶然に言及しているのは8.3%しかなかったそうです。
実際にはこれより多いだろうと言及されています。

地道な努力だけで発見がされるのではないほうが、
研究者の希望があってよいと言っています。
そうでしょうね。

もう一つ、前向きになれる報告をご紹介します。

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もっと大勢の人に″自分の運の程度″を評価してもらって、 
一連の実験やアンケートをおこなった結果、
運の良い人と悪い人との大きな違いが浮かび上がってきた。

運の良い人は、たとえば人脈を作ったり、
おおらかな心構えで生活したり、
新たな経験を受け入れたりすることで、
チャンスを作ってそれに気づく能力に長けていた。

また、厄介で重大な問題に直面したときには、
自分の直観に耳を傾けてより効果的な決断を下す傾向があった。

運の良い人は、未来は幸運な出来事に満ちていると信じている。

そうした予想がおのずから実現するのは、
それによって自分や周りの人に刺激を与えるからだ。

最後に、運の良い人はとくに立ち直りが速く、
不運な目に遭っても、たとえばもっと悪い事態を思い浮かべたり、
自分の置かれた境遇を手なずけたりして立ち向かうことができる。

研究の最終段階では、運の良い人と同じように考えて
行動することで運を高めることができるかどうかを調べた。

心理学の分野では、その手の変化をめぐってかなり異論が多い。

根本的な性格は脳の中に組み込まれていて変化しにくいと
考えている研究者もいる。

それに対して私のような研究者は、性格のいくつかの面は
本当に変えることができると信じている。

研究では、自分は運が良いとも悪いとも思っていない
人のグループを集め、
通の良い人と同じように考えてもらうために工夫した、
一連の単純な訓練をおこなってもらった。

たとえば毎日数分間、自分の人生のプラス面に
意識を集中させ、人とより多く交わり、
もっとおおらかな心構えで生活してもらった。

そして数か月後に、彼らの幸福度や健康状態、
そしてもちろん自分はどれだけ運が良いと考えているかといった、
生活の質を評価した。

結果として全般的に被験者は、
より幸せに、より健康に、より運が良くなっていた。

要するに、考え方や振る舞い方を変えると、
実際に長期にわたって人生を良くすることができるのだ。
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「第3章 数を読み砕く」

確率論などです。
特筆事項は、ベイズ論と頻度論です。


両者は発生が不確実な事象の発生率を予想する方法ですが、
頻度論はかなりの数のサンプルが得られる場合に
その確率を算定する方法です。


しかし、十分なサンプルが得られない場合に、
各種の関連状況証拠から推定を行うのが、ベイズ論方式です。
学会ではけっこう強い論争があるようです。


分かりやすい例で言うと、米国大統領選挙で
サンプリング調査の結果でクリントン氏と予想することに対して
(頻度論)、
国民の心理状況等を考慮してトランプ氏と予想する(ベイズ論)
ようなものです。

著者は両者の長所を組み合わせて使う方法も提起しています。


「第4章 私の宇宙、私の法則」

要約は不能です。
この中にアインシュタインが言った「神はサイコロ遊びはしない」
(科学的に説明できないことはない)に対するアンチテーゼで
「神はサイコロ遊びをする」という説が入っています。


「第5章 生物のカジノ」

生物の進化の仕組みに迫ります。
生物の進化は、
DNAの突然変異(偶然)とその後の「自然選択」によることは
定説になっています。

自然選択は、
突然変異を起こした個体が環境により適応できるようなら
その変異が種に引き継がれていくということです。

興味深い例が紹介されています。

進化しつつある個体群がたどる正確な道のりは
もっぱら偶然に左右されるかもしれないが、
それでも結果は互いに似ていることになるかもしれない。

例えば翼や鰭が何度も独立して進化したのは、
飛ぶ方法や泳ぐ方法が限られているからだ。

北極と南極の魚は、
それぞれ同じように機能する不凍たんぱく質を
互いに独立に進化させている。

いくつものヘビの系統は、
捕食したイモリが分泌する毒に対処するための
それぞれまったく同じ方法を、
互いに別々に生み出している。

DNA本体に影響を与えない形質の変化があることが
分かってきています。

例えば、妊娠しているラットに殺真菌薬を注射すると、
そのオスの生殖力が2世代以上にわたって低下する。
ところがこの薬がオスのDNAを変化させることはない。

今では、
DNAやそれをくるむたんぱく質に
一時的な”タグ”が付けられたり
あるいは精子や卵子に特定の分子が含まれたりするなど、
何種類ものDNA以外の遺伝形質のメカニズムが
発見されている。

そのことによって、
同じDNAから異なる形質の個体が生まれてくることが
説明できています。


終章「第6章 偶然を生かす」

編者の考えるまとめです。

「迷子になろう」が結びの編ですが、
「われわれの生活から
すべての不確実性を取り除いてしまうことはやめておこう」
という主張をしています。

おすすめシステムやGPSのような安全技術に縛られることで、
リスクに対する人々の寛容さが
変わりつつあるのではないだろうか。

ワシントンDCにあるピュー研究センターによれば、
アメリカではここ数年、自動車の運転を習う10代の子供が減り、
自転車の売上が急激に落ち込み、
若者たちはたとえより良い仕事に就けたとしても
別の州に引っ越したがらなくなっているという。

私もこの説に賛成です。
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そこで改めて「偶然」と「運」について考えてみました。

本書ではその定義はされていません。
原題は Chance です。
たしかにChance は偶然も運も含んだ言葉です。

偶然とは何か
 あるタイミングで起きること(持続することは偶然と言わない) 
 起きる可能性がかなり低いこと
 起きることが予想できないこと
                                        (予想して励むことは偶然にならない)
 再現性のない条件で発生すること

 
 サイコロは6つのうちのどれかなので偶然と言わない。
 ルーレットも少し母数が多いが有限の中で起きるので
   偶然と言わない。
 街角で10年以上もあっていない友人とばったり出会う、
                             これは偶然です。
運とは何か
 起きる可能性が低いことが起きること。
  良いことが起きる→運が良い。
  悪いことが起きる→運が悪い。
 起きることが予想できる場合も含む。
 再現性がある場合もある。
  宝くじに何度も当る人もいますね。

私は、くじ運には恵まれず、
宝くじは「当たることを予想して」20数年買い続けていますが、
未だに千円以上は当ったことがありません。→運が悪い

しかし東大付属高校入学の際、
百倍以上の競争率だったと思いますが当りました。→運が良い
ここは教育研究の目的があってか、
試験なしの抽選だけで入学者を決めていたのです。

私が運が良かったのはこれだけです。
この時に運を使い果たしたのだと思っています。

ここで、私が経験した大きな2テーマで
偶然か運かの例題演習をしてみます。


MIND-SAの爆発的?普及

1984年に創業した当社の前身企業で
ライセンス料数百万円のMind-SAが
250社にも売れたのは以下の条件の結果です。

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1.私が帝人時代に日本能率協会の年間通しのセミナに
                                                                               参加したこと。

2.そこで講師の吉原賢治さんと知り合い
                                                          二人とも酒好きだったこと。

3.吉原さんの所に転職後、
       システム開発方法論prideと知り合ったこと。

4.その縁で米国ツアーに参加しSCSのYさんと知り合ったこと。

5.Yさんの要望で、Mind-SAの母体を
         SCS殿の社内マニュアルとして開発したこと。

6.Mind-SAの提供を開始したその年にジャスコ社長になった
  F氏に第1号ユーザになっていただいたこと。
  日本では実績のない商品は決して売れません。

7.その頃、日本はバブル時代であったこと。
  開発方法論などという信用第1の商品なのに
  「日本」の「零細企業」が提供するものが売れたのは、
  バブル時代で日本企業に余裕があったからです。
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この7条件のどれか一つが欠けても
MIND-SAの驚異的普及はなかったのです。

これは偶然ではないですね。
運が良かったのでしょう。

わが社または私がMind-SAの提供をしていなくても、
誰かが同様の商品を開発したかについては
ほとんどありえなそうです。

なぜなら、システム企画の方法論は、
次の条件が成立しないと開発できないのです。

1.システム企画の経験を積んでいる。
2.開発方法論の「真髄」を学んでいる。
3.分析的アプローチが得意である。
 (それでないと方法論は作成できない)

それぞれ日本で1%の比率で該当者がいると仮定します。
そうすると、3条件併せ持った人は
掛け算で100万分の1となります。

当時、システム関係に従事していた人は100万人程度です。
ということは1人しか該当者がいないのです。

でもこのことは、ある時間の長さで起きたことですから
偶然とは言わないでしょう。

運が良かったとは言えそうです。


 結婚は人生最大のチャンス

私の場合、
結果的には「結婚しても良かったかな」と思う女性が
3人いました。
高校時代が1人、帝人勤務時代が2人です。

このうち二人は、「偶然」名前が子の付く同じ3文字でした。
この一人とは学校まで歩く道でほぼ10分、
もう一人とは通勤の電車でほぼ10分、
毎日のように時間を合わせて一緒になり
わくわく話に夢中になっていました。

それでもそれ以上には進みませんでした。
手も握っていません。
その二人とも美人で才女でした。

もう一人は可愛い純真無垢の努力家でした。


いずれも、私に結婚という選択肢がなかったから、
それ以上に進まなかったのです。

今の妻との出会いはこういう経緯です。

空手部仲間で1番の親友と学生時代は
しょっちゅう飲んでいました。
大阪勤務から帰って来た時に、
彼がよくいくスタンドバーに連れていかれました。

その時、たまたまアルバイトできていたのが
現在の妻です。
感情の強さに負けました。

これも偶然と言わないでしょう。

人生では、しょっちゅう新たな人と会います。
そのたびに偶然とは言いません。

たまたま、その日だけ友人の代りにいた、
というなら偶然でしょうか?

結果的には他の女性と結婚しないで、
妻と結婚できたのは運が良かったのでしょうか。
そう思いたいですね。
子供は二人恵まれ、東大と早稲田にいき、
孫3人は元気で夢のある状態なのですから。


こうしてみると、
人生において意味ある偶然というのはそうはないもののようです。

皆様はいかがでしょうか?







小池知事頑張っている!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 小池知事が、
  日本的経営の全員合意意思決定方式にメスを入れた
  ということを強く認識いただきます。
 「当たり前」を疑うことが重要であることを
                     再認識していただきます。

ねらい:
 「何かおかしい」と思うことにはどんどん意見表明しましょう!
 日本の旧来型の悪弊はどんどん排除していきましょう!
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小池知事は、豊洲新市場の盛り土問題で
「厳正な」処分をしました。


ご承知のように、
盛り土をしないことを決定したときの部長会に出席していた
幹部8人のほか、合計18人を懲罰対象にしたのです。


日本的経営では、
根回しをした上で会議で決定します。
特定の誰かが責任者である形をとらないのです。


良く言えば、全員合意型意思決定、
悪く言えば無責任体制です。


この意思決定方法にメスを入れたのは、
画期的なことです。


日本的経営に染まっている人にはできません。
「仕方ないな」(特定の人に責任を負わすわけにいかない)
と考えます。


しかし、その場で決めているのですから、
誰かが責任をとらなければならないのです。
「全員」というのは「なるほど!」でした。


小池知事の活躍ぶりを見ると、
これまでの知事は石原さんを含め
「何をしていたのだろう?」と思えてきます。

モリなんじゃらとかの旧来型の政治やとも
どんどん戦ってほしいです。


日経MJ紙12月9日付けのインタビュ記事で
小池知事は、
「マーケティングとはいかにして共感を得るかということ。
選挙こそマーケティングそのもの」
と言っておられます。

マーケティング学もかなり勉強されていて、
選挙活動中、緑のシンボルカラーを使うとか成功させました。

人生・政治の「当たり前」にメスを入れると公言しています。
「なんでそんなに予算が膨らむんだ」だって当然の疑問です。
「それはおかしいんじゃないか」の発想がきっかけになるのです。

すっかり定着した「クールビズ」は小池さんが環境相の時に
発案したものなのですって。

都民の「共感を得て」小池劇場で戦いを繰り広げ
怖いもの知らずです。
それでもストレスはたまっていないそうです。
凄い精神力ですね。

総理大臣よりも東京都知事の方が
やりたいことができるのではないでしょうか。

ここのところ、多少トーンダウンですが、
そのくらいが適正スピードでしょう。
頑張ってください!!

2016年12月9日金曜日

顧客不在の「B-1グランプリ」イベント!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ひどいイベントがあるものだ、ということを知っていただきます。
 (私は腹の虫が収まりませんでした)
 出展者を集めるのに注力し、
        そこへ参加するお客様のことを考えていないのです。
 企画運営責任があいまいだとそうなるのだ、
                    ということを考えていただきます。
ねらい:
 世の中いろいろあるから仕方ないですね。
 テレビでの紹介・宣伝にうかつに乗るのは止めましょう。


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ご当地グルメを紹介するイベント「B-1グランプリ2016」が、
12月3・4日に東京臨海副都心青海N・O・P・R地区で開催されましたので、
孫たち二人のお伴で?行ってきました。


主催は、2016B-1グランプリスペシャル実行委員会、
ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(愛Bリーグ)とかで
素性がよく分かりません。


ひどいものでした。
ご当地をPRしたい相手につけこんで、
業者優先の企画とみました。


私が問題があると思った点
1)会場がだだっ広すぎて、地元の神社等のお祭りの雰囲気がない。
  出展者によっては、
  多くの人を使って踊りや呼び込みをしているのもありましたが、
  から騒ぎの感じで盛り上がっていませんでした。


2)食べ物を売っているのに、食べる場所の提供がない。
  とんでもないことでしょう!!
  この点が最大のクレームです。
  みんなその辺で立って食べていました。
  きわめて殺風景な光景です。
  
  あるいは会場外の芝生の場所まで行って食べるのです。  
  我々もそうしましたが、そこへ行くまでに食べ物は冷えてしまって
  美味しくもなんともないのです。
  
3)多くの食べ物はパックに入れて積んでありそれを買う。
  焼きそば、焼うどん、餃子などですが 出来たてでなくなっています。
  美味しいわけがないでしょう。


  因みにグランプリに輝いたのは明石の玉子焼きでしたが
  これはその場で鍋からパックに入れる方式でした。
  たまたま我々も食べましたが「まあまあ」の感じでした。


おそらく運営主体があいまいで、
責任を持ってこのイベント全体を企画した人がいなかったのでしょう。
「2度と行かない」と思った人が多かったと思います。


このB-1グランプリイベントは年々参加者が減って来ています。